「一人暮らしの義父に痴呆の傾向が強くなってきました。施設に入所させたいのですが…」という質問が人気コンサルの永江一石さんのもとに届きました。永江さんはその質問に対し、自身のメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の中で、認知症の可能性を踏まえた現状把握や介護サービスの活用、本人のプライドに配慮した施設入所の提案方法など、家族全員が無理なく暮らせる環境を整えるための考え方を紹介します。
高齢の義父の介護と施設入所について
Question
高齢の義父の対応にアドバイス頂きたいです。私は51歳、妻は59歳で子供はいません。昨年、義母(83歳)が他界し、義父(88歳)が一人で暮らしています。義父宅は車で約40分程度で一軒家。週一程度で妻が、月一で東京で勤めている義弟(55歳・未婚)が帰省して義父の面倒を見ています。
資産家なので老人ホームに入るための資金等は全く問題ありませんが、義母の他界後は徐々に痴呆の傾向が強くなってきました。本人はきちんと一人暮らしが出来ている「つもり」でも、昼夜が分からなくなったり、粗相をすることもしばしば。
かなり遠回しに「そろそろ施設に入所しては?」と言っても、7年前に建て直した自宅へのこだわりと「自分はまだやれる」というプライドのようなものがあり、拒絶反応を示します。加齢で気力、体力は衰えるがプライドだけは衰えないのは本当にそうなんだと実感しました。
権威やブランドに弱く、一方で自分より下の立場の人間には居丈高な振る舞いをし、お世辞にもあまり良い性格とは言えない義父。妻も義弟も「一緒には住みたくない」とハッキリ言い切ります。私もあんな性格の人間とは付き合いたくないです(笑)
私と義弟は強制的にでも施設に入れてしまえば良いと思っていましたが、妻は後々しこりが残るようなことはしたくないと言います。完全にボケているなら話は早いのですが、そこまでではないのが余計に難しいところです。
このような義父に対してどうするのが良いと思われますか?
この記事の著者・永江一石さんのメルマガ
永江さんからの回答
結論から言いますと、お義父様の件は「十分な資産がある」という最大の強みをフルに活かして、強制ではなく本人のプライドを満たす提案と家族の感情的なアプローチで環境を変えていくのがベストだと思います。
まず大前提として、お義父様がしっかりお金を持っていることには感謝すべきです。だって世の中、お金がないのに「どこにも行きたくない」と頑なになるケースが一番最悪ですよね。性格に難があるとはいえ、施設やサービスを自由に選べるだけの資産を残してくれているわけですから、そこは非常に恵まれています。
まず最優先は、お義父様の現在の状態を客観的に把握することです。昼夜が分からなくなる、排泄の失敗が増えるといった変化があるなら、かかりつけ医やもの忘れ外来を受診し、同時に地域包括支援センターへ相談して要介護認定も検討してください。
それと、今の居丈高な振る舞いや性格の悪さについてですが、元々プライドが高いことに加えて、おそらく認知症の初期症状が入っているように感じます。
認知症の初期って、不安や被害妄想からものすごく怒りっぽくなって手に負えなくなるケースが多いんですよ。
わたしの母の場合は、最初はこれでしたが、進行するにつれてむしろ天使のように穏やかになりました。今は家族が一番キツい時期かと思いますが、病気の影響も大きいと捉えてみてください。
では、具体的にどう動くか。まずは遠回しに言うのをやめて、奥様と義弟さんが揃って「今後の老後や終活についてちゃんと話したい」と真正面から切り出してください。ここで一番効くのが「娘の涙」作戦です。
話し合いでお義父様が激昂しても絶対に反論せず、奥様が「私ももうすぐ還暦で、これからの老老介護は体力的にも精神的にも本当に無理だ」と号泣して訴えかけるんです。ずるい作戦かもしれませんが、娘に泣き崩れられてまで自分のワガママを通せる親はなかなかいないですよ。
その上で、日々のサポートには自費のベテラン家政婦さんやヘルパーさんを頼みましょう。公的なヘルパーさんだと、お義父様のワガママな態度にめげて辞めてしまう可能性が高いです。富裕層向けの自費サービスなら、月に20~30万円かかっても気難しい高齢者の扱いに慣れたプロがきっちり対応してくれます。
そして最終的な施設への誘導ですが「家族が面倒だから施設に入って」という言い方は絶対にNGです。「お父さん、これまで一生懸命働いてきたんだから、最後は自分の資産を自由に使って、コンシェルジュ付きの別荘みたいなところで余生を楽に暮らしてはどうか」と提案するんです。
例えば、三井不動産がやっている「パークウェルステイト鴨川」のような数千万円クラスの高級シニアレジデンスですね。
https://www.mfrw.co.jp/bukken/N1702/service/index.html
ここはレストランで美味しいご飯を食べながらお酒も飲めて、エステやスパもある、まるで高級ホテルのような場所です。権威やブランドに弱いお義父様なら「豪華なホテルみたいな施設で、設備やサービスも充実している」といったステータスに惹かれるはず。
ただ、こうした高級レジデンスは寝たきりになってからでは入れません。だからこそ「まだ元気な今が最後のタイミングなんだ」と説得して、まずはご家族みんなで遊びに行くつもりで下見に行ってみてください。今の家を売却すれば資金も十分にペイするはずですし、誰も我慢せずにみんなが幸せになれる一番現実的な解決策だと思いますよ。
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