「AI時代だからこそ、“読む”ことが効く」──株式会社YOHAK・田中忠司が語る、一次情報の価値と“余白”という働き方

2026.07.24
by まぐまぐニュース スタッフ
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クリエイターの発信を支える「まぐまぐ」の提供でお送りする新番組『Why So Good?』。毎週二組のプロフェッショナルや経営者をゲストに迎え、「何をやっているか」ではなく「なぜそれに至ったのか」──成功の裏側にある思考を紐解く30分番組だ。

MC・コメンテーターを務めるのは、元日本マイクロソフト業務執行役員で、これまで800社超の働き方改革を支援してきた株式会社クロスリバー代表・越川慎司氏。アシスタントMCは上條美沙子。本日二組目のゲストは、マーケティング・ブランディング領域で企業の本質的な魅力を引き出す支援を展開する株式会社YOHAK 代表取締役・田中忠司氏だ。

“見る・聞く”が主流の時代に、あらためて“読む”ことで得られる価値とは何か。AIには生み出せない一次情報を、なぜ人がテキストにしていく意味があるのか。そして「余白」という社名に込めた働き方への想い──。10年以上まぐまぐと伴走してきた田中氏と越川氏が、AI時代の情報のあり方と、自らの働き方の転換を語り合った。

田中忠司のグッド──AI時代にこそ効く「読む」という価値

上條:本日二組目のゲストは、株式会社YOHAK代表取締役の田中忠司さんです。マーケティングやブランディング領域で培った経験をもとに独立起業。「余白」という価値観を軸に、企業の本質的な魅力を引き出すマーケティング支援を展開し、クライアントと伴走しながら中長期的なブランドづくりを得意とされています。

越川:いや、もう驚きですよ。ゲストが田中さんだって。僕、いつもまぐまぐさんにお世話になっていて、今回のラジオもそうですし、スポンサーさんのYouTube番組に一緒に出させていただく時など、ずっとメールのやりとりをしているのが田中さんなんです。もう足を向けて寝られないくらいで(笑)。実はお会いしていても活動内容をお聞きする機会がなかったので、今日はいろいろ伺いたい。では早速、リスナーの皆さんに最も伝えたいグッドなポイントを教えていただけますか。

田中:はい。今回ご紹介する私のグッドは、まぐまぐのメルマガです。

越川:お、これ過剰な気遣いじゃなくて(笑)。

田中:気遣いじゃないです(笑)。いま僕はまぐまぐでメルマガのクリエイターさんの開拓をしているんですが、「読んでもらう」ことがすごく重要だと思っていて。いまは“見る・聞く”に時間が割かれていますが、“読む”ことで情報をしっかりキャッチアップできる。ぜひいろんな方に読んでいただければなと思っています。

AIは“まとめる”のは得意。でも一次情報は人がつくる

越川:素晴らしい。一方で、AI時代と言われる中で、テキストを読ませるのは昔に比べてハードルが高い気もするんですけど、その辺はどう感じていますか。

田中:AIができて便利になったのは確かですが、「まとめる」ことが楽になっただけで、どの情報を精査するかは、やっぱり人の力が必要なのかなと思います。

越川:AIが得意なのは予測・識別・実行。予測はデータがあるからできるけれど、そのデータを作るのは人間。AIは0から1ができないから、人間の経験をもとに一次情報をテキストにしていく──そこがまぐまぐの素晴らしいところですよね。

田中:そうですね。だからクリエイターさんを探すことと、書かれたメルマガを多くの方に届けたい、その両方をやっています。

「AIが得意なのは“まとめる”こと。一次情報は、人間の経験からしか生まれない」

10年続く信頼──「何をやるかより、誰とやるか」

越川:まぐまぐとは、いまは業務委託という形なんですよね。ちょっと踏み込みますけど、熊重さんとはどうやって知り合ったんですか。

田中:僕が東京に来たのが2013年で、その時に中途で入った会社に最初に営業に来られたのが熊重さんだったんです。まぐまぐとして。

越川:その時、「この人と10年働こう」なんて思っていました?

田中:思っていなかったですね(笑)。真面目そうで、感じのいい人だなという印象でした。

越川:そこからなぜ10年続いたんでしょう。

田中:やっぱりターニングポイントで会っている、というのが大きかったと思います。会社を辞める時、設立する時に熊重さんと飲みに行くことが多くて、そこで信頼関係を築けたのかなと。

越川:仕事って、僕も起業してわかりますけど、「どんな仕事をするか」より「誰と仕事をするか」がめちゃくちゃ重要ですよね。

田中:おっしゃるとおりですね。

「この働き方では60代まで続けられない」──手放したのは“時間”への執着

越川:東京に出て自分で会社を作る時、手放さなきゃいけないものもあったと思うんです。一番手放したものって何ですか。

田中:当時はやっぱり時間ですね。忙しかったので、土日も関係なく仕事をしていました。

越川:いや、僕も一緒です。仕事が大好きで。ただ僕はうつ病を2回やってしまったので、週休3日にしないと継続できないと思って、いまは平日にも1日休む実験をしていて。10年経って慣れましたが、起業当初は難しいですよね。

田中:難しいですね。いまも越川さんの動画を見て、時間の重要性や、しっかり睡眠を取ることは意識しているんですが、土日に仕事がないと不安になってしまう。

越川:めちゃくちゃよくわかる。よし土日は休もうと思ったきっかけは、他に何か影響を受けたものがありますか。

田中:逆算すると、この働き方では60代までできないだろうなと思ったんです。今からやめておかないと、どこかで壊れるだろうなと。

越川:やめることを決めるって、めちゃくちゃ勇気がいりますよね。

田中:勇気がいります。損切りができないのが自分の弱いところで、ずっと続けてしまう。でも長期的に見ると継続的じゃない。意識を変えない限り終わりがない、と切り替えました。

「“この働き方では60代まで続けられない”。逆算が、手放す勇気をくれた」

「余白」という社名に込めた哲学

田中:いろんな方が上げている動画を見ると、みんなしっかり余裕を持っていて。実はそれ、会社名とも……。

越川「余白」ですもんね。最高ですよ。

田中:余白がない人生は良くないなと思っていて。そういう意味でも社名にしています。

越川:素晴らしい。仕事ができる人も、世界の一流も、一番重要にしているのは時間と精神の余白なんです。僕は働き方改革って、成果を残すことじゃなくて余白を生み出すことだと思っているので、それを社名にするなんてセンスが良すぎます。

即レスの罠と、“月曜日を宝探しにする”発想の転換

越川:活動を継続するうえでのマイルールがあれば教えてください。

田中:意識しているのは、けっこう即レスですね。

越川:それは僕も実感しています。いつも即レス。光より速い(笑)。

田中:ただ、土日でもやってしまうので、やめないとなと最近思っています。

越川:即レスは相手のためでもあるけれど、気持ちいいのもあるんですよね。ハンカチ落としで、ハンカチが後ろにあると気になって渡したくなる。土日に送ってしまうと自分のところにハンカチがなくて楽だから、送りがちになる。これ、管理職の方がやりがちで、部下に土日メールを送ってしまう。だから僕は下書き保存と送信予約を使うんです。Outlookなら日本時間の月曜朝9時に自動送信できる。メンバーに過度なプレッシャーをかけずに済むんですよ。

田中:そこは意識していなかったです。僕が変えたのは、「月曜日にどれだけ溜まっているか、それをどれくらいで終わらせられるか」を楽しみにするようにしたこと。土日に「またメールが来た」と思うより、月曜に「10件溜まってる」と思ったら、それを──。

越川:素敵だな。前向き。

田中:どんな人からメールが返ってきているかわからないので、クリエイターさんを探すという意味でも、ワクワクしながら月曜が楽しみ、という感じです。

「土日の“即レス”をやめる。月曜のメールを“宝探し”に変える」

土日を手放して見えた「心の余白」、そして新規事業へ

越川:いまは土日も休めている感じですか。

田中:そうですね。土日にミーティングを入れることもあったんですが、いまは控えています。

上條:変化はありましたか。

田中:結果的に、数字はそんなに変わらなかったんです。越川さんが言っていたとおりでした。土日に働かないと変えたことで、心に余裕ができました。

越川:もう会社名と同じになってきましたね。「余白」を持って、という。余白が生まれると新しい発想が出やすい。今後の新規事業やビジョンがあれば教えてください。

田中:余白ができたので、ぜひ越川さんに相談したいところで。世界で来ているもの、トップ5%の人たちがやっている事業があれば知りたいです。

越川:基本は逆張りだと思うんです。事業開発の種がインターネットに落ちた瞬間、新規性がなくなる。だからいかにデジタル空間にないものを生み出すか。ポイントはAIができない経験・欲求・肉体。一つは「健康」というテーマ。もう一つは、経験は対面のほうが効果があるので、デジタルとアナログのコラボレーション。メルマガを読んでいる人が、書いているクリエイターと対面で腹を割って話せると、活字がぐっと入ってくる世界観になる。この「対面」と「健康」は今後大きなトピックになると思います。

田中:まさに熊重さんとも話していて、まぐまぐでもイベントをやっていこうと。いま聞いて、「あ、逆張りできていたな」と思いました。

越川:行動経済学でも単純接触効果──ザイアンス効果と言って、接点を増やすほど好感度が上がる。デジタルとアナログを組み合わせて関わりポイントを増やすほどいい。リアルイベントは、まぐまぐとしてもエンゲージメントを高めるうえで効果があると思います。対面イベントがあったら、僕もゲストとして出ますので(笑)。

田中:ぜひお願いします。越川さんと上條さんのおかげで、緊張せずにできました。

「デジタル空間にないものを生み出す。鍵は“健康”と“対面”」

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番組概要

※本記事は、トーク番組「Why So Good?」の放送内容をもとに再構成したものです

 

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