経営者と学生の”人生を変える出会い”を作る―「社長メシ」仕掛け人・佐々木拓己氏が語る、食事がもたらす採用の本質

2026.10.09
by まぐまぐニュース スタッフ
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クリエイターの発信を支える「まぐまぐ」の提供でお送りするラジオ番組『Why So Good?』。毎回ゲストを迎え、「何をやっているか」ではなく「なぜそれに至ったのか」を掘り下げる30分番組だ。今回のゲストは、株式会社ユナイテッドウィル代表取締役社長の佐々木拓己氏。

佐々木氏は、アルファグループに入社して2年目で営業トップを獲得し、その後営業部長としてジャスダック上場に貢献。ネット決済会社でのCOOなどを経て、2010年に株式会社ユナイテッドウィルを設立した。HR事業やSES事業など、ITと人材を軸にビジネスを展開するかたわら、2018年には大きな注目を集めるCtoC型採用マッチングサービス「社長メシ」をリリース。採用手法の変革に挑み続けている。

番組MCの越川慎司氏(株式会社クロスリバー代表取締役)は、プロフィール紹介を聞いて開口一番「パワーワードが1個ありましたね。社長メシ」と切り出した。ここから、食事を通じた出会いが採用や経営者コミュニティのあり方をどう変えていくのか、佐々木氏の言葉で語られていく。

面接じゃなくてテーブルで本音を話す――「社長メシ」とは何か

越川:最初に社長メシって何かっていうことだけご説明いただいていいですか?

佐々木:社長とまず学生さん、大学生ですね、が、マッチングアプリでもうマッチングをして食事会をして、面接じゃなくてテーブルでお互い本音で話し合って採用しようというサービスになります。

越川:学生側はただ単にお腹空いててただ飯が食べたいんじゃなくて、その会社にちょっと興味があるから、いろいろ根掘り葉掘り聞きたい、会社説明会では聞けないような情報を獲得したい。だからこの社長メシに応募するってそのイメージですか。

佐々木:そうですね。その社長さんのいろんな、なんで起業されたのか、これから何を見てるのかっていうのをしっかり学生側もキャッチしたいっていう学生さんが多いですね。

会社側は人を採用したいからさらけ出したいと思い、学生はその内容を聞きたいと思う。利害が一致したマッチングの構造が、このサービスの強みだ。

届けたい”Good”は「人生を変える出会い」

越川:佐々木さんが今回多くのリスナーさんに一番届けたいGoodなポイントを教えていただけますか。

佐々木:はい、人生を変える出会いです。

「人生を変える出会いです。」

越川:やっぱり今SNSだとかオンラインとか色々ありますけど、やっぱ対面って結構重要だなって僕も感じてるんですけど、佐々木さんもそうですか。

佐々木:いや、もう確実にやっぱり会って話をして、お互いの目を見て、人柄であったり、雰囲気っていうのはやっぱり感じないと、採用もそうですし、契約とかそういうのにもつながらないかなと思ってます。

アシスタントMCの上條美沙子氏も「新卒採用を振り返ると、やっぱり社長と会えるのって最終面談、しかも5分とかに限られちゃう」と頷く。中堅・中小企業であっても、社長と直接会える機会は、内定者だけに限られた「顔見せ」程度になりがちだ。食事をともにするという機会そのものが、すでに貴重な体験になっている。

中小・ベンチャーが大手に採用で勝つための「入り口」

佐々木:始まったきっかけが、まあいろんなサービスがある会社、大手さんとか、それなりに儲かってる会社さんと中小ベンチャーが同じ金額で掲載をして、採用で勝てるかって言ったら勝てないですよね。給料も違うし、福利厚生も違う、バックグラウンドも違うって考えた時に、中小ベンチャーの社長でも思いを伝えて、学生に来てもらって、どうやって伝えるかって、やっぱり食事がある。そこでしっかりお互い本音で話せる。

食事とお酒で釣るわけではないが、「それをご馳走するから俺の話を聞いてみないか」という入り口があってもいい――佐々木氏は、中小・ベンチャー企業がまず学生と出会う機会をつくることの大切さを強調する。

新人営業マン時代の原体験が、サービスの原点に

越川:これはやっぱり佐々木さんの原体験として、やっぱり経営陣、社長の方と食事、お酒入ったりすると腹を割って話しやすいっていうことがやっぱりあったんですか?

佐々木:そうですね。僕も今までやっぱりいろんな方とお会いしていく中で、やっぱり自分が新人の営業マンの時から、いろんな先輩とか社長とかに連れて行ってもらって、そこでいろんな本音の話をして、自分で気づきがあったり、次の目標を決めたりすることができたっていう原体験があった中で、やっぱり今の日本の学生の皆さんに、しっかり社長さんたちが、次の世代を担う若者に、今の経営者が思いを伝える、恩送りをするっていうのを、僕がずっといろんな方からご縁、ご恩をもらってここに来れてきてるので、日本をもっと良くするため、これからもう若い世代がもっとグッと上がってこないと日本って変わらないんじゃないかなって思いもあって作りました。

「次の世代を担う若者に、今の経営者が思いを伝える、恩送りをする」

自分がもらってきたご縁やご恩を、次の世代に送っていく――佐々木氏のキャリアと「社長メシ」の事業は、この一本の線でつながっている。

登録経営者3,300社超――横でつながる「SAMURAI CEO」構想

上條:もう一つ聞いたのがSAMURAI CEOというコミュニティがありますよね。これちょっと中身を教えてもらっていいですか。

佐々木:まああの社長メシから始まって、登録してる経営者の方が3,300社を超えてきまして。まあ採用してる社長さんなので、ある程度事業規模も伸びてきて、売上も数億超えてきて、新卒を入れて成長させる教育できる環境を持ってる社長さんばかりなので、そこが横のつながりを持って、例えば、30人の壁、50人の壁、100人の壁、採用コストもそうだし、人事評価制度どうしようとかっていうのって、外部に頼んだらそれなりのお金かかるじゃないですか。でも同じ経験をした社長さん同士が会うことによって、それってただで聞けるようになる。あと、社長ってやっぱり孤独なので、横で相談することができるっていうコミュニティを作りたい。プラス社長同士が仲良くなれば、社長同士が会えばビジネスになるのってすごく早いんですね。

上條:ビジネスマッチングにもなるってことですね。

佐々木:なので、お互いのビジネスをしっかりこう紹介し合って、せっかく同じコミュニティの仲良くなってるんだったら、じゃあ君のところで頼もうっていう出会いってめちゃくちゃ多いので、それを僕らがしっかりお繋ぎすることができれば、採用支援もできるし、お仕事のご支援もできるなっていうのを思いついて立ち上げさせていただいて。

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成長段階にある経営者同士が、組織規模の壁や採用・評価の悩みを無償で分かち合う場。上條氏はこれを「職場でも自宅でもない、もう一つの場所=サードプレイス」と表現した。上下関係も過剰な気遣いもなく、感情も情報も共有できる場だからこそ、ビジネスにもつながっていく。

「侍ジャパン」から着想を得た「SAMURAI CEO」

上條:これになんかたどり着いたきっかけ、ターニングポイントってあるんですか?

佐々木:まあ、社長の登録が増えた時に、いろんな社長さんとお食事行くんですけど、やっぱり会社の悩み事っていっぱい聞きますよね。そうなった時に、じゃあ僕らって何をもっとプラスで提供できるんだろう、それがビジネスにつながるし、貢献になるなと思った時に、一緒にいた社長さん同士がみんなで一生懸命考えて、俺の時こうやったよっていうのをみんなで別にお金関係なくできてたっていうのを見た時に、この輪をもっと広げればもっとみんながハッピーになるなと思ったんですね。

名前の由来は、2023年WBCで侍ジャパンが世界一になった出来事だという。

佐々木:僕ら日本をもっと盛り上げる社長になるんだってことは、もう侍CEOだっていうのあの時インスピレーションが来まして、それでプラスミスター侍誰かアサインできないかな、二大会連続MVPを獲得した松坂大輔さんだった時ですね。なんで松坂大輔さんとちょっとご縁があって繋がって、こういうサービスをして、こういう社会貢献していきたいっていう思いを伝えたら、一緒にやりましょうって言っていただいて。それで今松坂さんと一緒に。

上條氏はこれを聞き、「まるで野球チームの皆さんがチームメイト同士でこう鼓舞し合ってるみたいな」とイメージを重ねた。思いを言葉にしたらすぐ行動に移す佐々木氏のスピード感も、このコミュニティの推進力になっている。

データが裏付ける「目的意識」と「社長との食事会」の相関

交流会やコミュニティに参加しても、成果が出る人と出ない人がいる――越川氏は手元にあったCXOの出会い実態調査のデータを紹介した。

越川:参加目的を情報交換、最新知見の収集で考えると成果が出やすい約八割。面白いのが結局人脈形成なんですね。第2位が人脈形成と思って行ったら、うまくいった人たちが半分ぐらいで、成果出ない人たちは四十五パーセント。しっかりと目的意識を持って情報交換と人脈形成、それから第三位が事業機会、この目的意識を持ってコミュニティに臨むと、その後に成果が出やすいってのは、この調査結果でもわかってる。

佐々木:本当にまさにそうですね、結局。交流会の場があって、この場に行ったからいきなり契約が増えるわけではなくて、自らやっぱり行動しに行かないと、情報を取りに行かないと、交換しないと契約にならない、人脈に広がらないというのは、やっぱり例に出すと、ジムに行っても運動しなかったらその空間にいるだけじゃ筋肉つかない。

さらに越川氏は、採用における姿勢に関する調査も紹介した。社長との食事会を増やしたいと考えた人がコミュニティ参加後に最も成果を出しており、逆に職場体験インターンを増やしたいと考えた層は成果が出にくかったという。「社長メシやって大正解ってことが、ここの調査結果で出てきたわけで」と越川氏は語った。

採用のミスマッチが社内で起きる理由

越川:人事責任者って、社長なんかいいよ、俺が決めるからっていうとこはなんとなくあんまりうまくいかないんじゃないかなと思うんですけど、それ佐々木さんも感覚一緒ですか?

佐々木:結構やっぱり採用支援させていただいてるんで、人事の方も話しますし、社長とも話すじゃないですか。そうするとどうしてもそのギャップがすごく経営者が取りたい層と人事がお互い追ってるKPIが全然違うんですよね。そこでギャップが出るんで、人事は何としてでも、例えばこれぐらいのレイヤーを何人集める。社長はその人数じゃなくて戦力になるやつを欲しいっていう、そこが全然違うんで、採用のミスマッチが社内でも起こってるっていうのが大概ですね。

人事が課される定量目標と、社長が求める事業生産性への貢献は、必ずしも一致しない。社長と候補者が食事を通じて直接話す機会は、このギャップを埋める一手になり得るという見方だ。

全国への拡大と、子どもたちへの”恩送り”

佐々木:今もう全国に、関東が中心なんですけど、これをどんどん全国にこの輪を広げていって、地方と都心部、僕も青森出身なんですけど、関東、東京にいる6割の経営者って地方出身者なんですよね。みんな地元に何か貢献したいけどできないっていう方が多いんで、それを僕らのコミュニティでやっていこうっていう、それが自治体とか地銀さんと組んだりとか。

さらに来年、SAMURAI CEOで大きく取り組みたい構想として、居酒屋との提携による子ども向け食事支援を挙げた。

佐々木:子ども食堂じゃなくて居酒屋さんといま提携してるんです。子ども食堂になっちゃうと子どもが行きづらいらしいんですね。子ども食堂ってついてるところでご飯を食べてる、イコール自分は恵まれてないと周りに分かってしまう。でも居酒屋とかって提携すると、じゃあ一人500円分出すから、僕毎月5万円出しちゃうんですけど、100人ご馳走させてあげられる。小学生未満は全員そうだってなると、親も一緒に来るんですね。そうすると居酒屋も売り上げ上がりますし、子どもたちは無料で食べられるという活動を、僕らのコミュニティに入ってる社長さんが皆さんでやってくれれば、全国にその輪が広がるんじゃないかなと。

「経営者がまず一歩でも1センチでも前に進める――子どもたちに何をつなげるんだ、次の世代に何をつなげるんだ」

子ども食堂という名称が持つ心理的なハードルを越え、地域の居酒屋という日常の場で、子どもたちと親が食事をともにできる仕組みをつくる。経営者コミュニティで培ったつながりの輪を、次は地域と子どもたちへと広げていく構想だ。

番組の終わりに越川氏は「素敵。これやればね、地域経済も活性化するしね。損する人いないんですよね」と話し、最新情報はユナイテッドウィルのホームページで確認してほしいと呼びかけて、収録を締めくくった。

番組概要

※本記事は、トーク番組「Why So Good?」の放送内容をもとに再構成したものです

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