会社にケンカを売った社員たち

  • ¥0

    無料

『まぐまぐ大賞2014』ビジネス・キャリア部門第3位!実際の判例から会社を訴えた社員の言い分に着目し、人事リスク発生の原因を探ります。感性豊かな企業の経営者・管理職・人事担当者必読のマガジンです。ノンフィクションなので、読み物としても楽しめます。

著者サイト
 

メールマガジンを登録(無料)

もしくは

※ 各サービスのリンクをクリックすると認証画面に移動します。
※ 各サービスで登録しているメールアドレス宛に届きます。

メールマガジンを解除

もしくは

※ 各サービスのリンクをクリックすると認証画面に移動します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
  • 殿堂入り
  • まぐまぐ大賞受賞
 
メルマガ名
会社にケンカを売った社員たち
発行周期
隔週刊
最終発行日
2017年07月19日
 
発行部数
3,360部
メルマガID
0000116175
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
ビジネス・キャリア > 経営 > 法務・特許

まぐまぐ!メールマガジンの用語集です。
下記の用語以外の不明な点はこちらをご覧ください。

 
発行周期
週1回、月1回などの発行頻度です。
部数
メルマガの配信数を記しています。
カテゴリ
まぐまぐ!に登録されているカテゴリです。
形式
メルマガには以下の配信形式があります。下部「メルマガ形式」をご参照下さい。
 
最終発行日
最後にメルマガが配信された日付です。
メルマガID
メルマガを特定するIDです。
RSSフィード
RSSを登録すると、更新情報を受け取ることができます。

― メルマガ形式 ―

  • PC向け
    パソコンでの閲覧に最適化したメルマガ
  • 携帯向け
    スマートフォンやフィーチャーフォンでの
  • PC・携帯向け
    PC・携帯どちらでも快適にご購読いただけます。
  • テキスト形式
    文書だけで構成された、一般的なメールです。
  • HTML形式
    ホームページのように文字や画像が装飾されたメールです。
  • テキスト・HTML形式
    号によって形式が変更する場合があります。

閉じる

メールマガジン最新号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ∴l∴
 ∴\∨/∴
 ->*<-   『 会社にケンカを売った社員たち 』No.441
 ∵/∧\∵ ,‥,
  ∵│∵  :*:
   !    '‥'
  ~ 感性豊かな経営者、管理職の方に特に読んでほしいメールマガジン ~

                          (2017/07/19発行)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Legal Literacy Inc.━━
※「等幅フォント」に設定していただきますと最適な表示となります。




「会社にケンカを売った社員たち」の公式ツイッターを開設しています!
https://twitter.com/legal_literacy
メルマガの情報のほか、労働や雇用等に関するニュースも
ピックアップしてお伝えしてまいります。




C┃O┃N┃T┃E┃N┃T┃S┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛



■ 今週の事件【中央労働基準監督署長事件】
▽ <主な争点>
海外現地法人の総経理であった者の死亡に対する労災不支給決定の取消など

1.事件の概要は?
2.前提事実および事件の経過は?
3.Xの妻Yの主な言い分は?
4.判決の要旨は?

■ 編集後記



==========================================================================

■ 今週の事件

【中央労働基準監督署長(以下、C労基署長)事件・東京地裁判決】
(平成27年8月28日)

━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 1.  事件の概要は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

本件は、甲社の上海現地法人の総経理であったXが急性心筋梗塞を発症して死亡し
たことについて、Xの妻であるYが、Xの死亡は業務上の死亡に当たるとして労働
者災害補償保険法(労災保険法)に基づき遺族補償給付および葬祭料の支給請求を
したところ、C労基署長が「Xの死亡は出張業務中の災害とは認められず、海外派
遣者として特別加入の承認も受けていなかったので、労災保険法36条に基づく補償
の対象にならない」として、いずれの請求に対しても不支給決定をしたことから、
Yがこれらの不支給決定の取消しの訴えを提起したもの。



━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 2.  前提事実および事件の経過は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

<XおよびYについて>

★ Xは、平成元年4月、甲社に入社し、同社が中国・上海に丙社を立ち上げたこと
に伴い、18年8月、首席代表として赴任した者である。

★ Yは、Xの妻であり、Xとの間には3人の子がいる。


--------------------------------------------------------------------------

<Xの死亡、労災保険法の加入関係等について>

▼ 甲社は21年12月、上海に100パーセント出資の現地法人である乙社(有限公司)
を設立し、22年4月から営業を開始した。Xは乙社の総経理に就任して、丙社の首
席代表との兼務となった。

▼ Xは22年7月、上海において、急性心筋梗塞(以下「本件疾病」という)を発症
して死亡した。

★ 甲社はXが上海で勤務するにあたり、海外派遣者としての特別加入の申請手続を
とらず、承認を受けていなかった。


--------------------------------------------------------------------------

<本件不支給決定、本件訴えの提起に至った経緯等について>

▼ Yは24年5月、C労基署長に対し、Xの死亡が業務上の死亡に当たるとして、
遺族補償年金および葬祭料の支給請求をした。

▼ C労基署長は同年10月、Xの死亡は出張業務中に被った災害とは認められず、
海外派遣者としての特別加入の承認も受けていなかったことから、労災保険法36条
に基づく補償の対象にならないとしてYの上記各請求についていずれも不支給とす
る旨の決定(以下「本件不支給決定」という)をした。

▼ Yは本件不支給決定を不服として、同月、東京労働者災害補償保険審査官に対す
る審査請求を行ったところ、受理後3ヵ月を経過しても審査請求についての決定が
なかったことから、25年2月、労災保険法38条2項に基づき、労働保険審査会に対
して再審査請求を行った。

▼ 労働保険審査会は26年1月、上記再審査請求を棄却する旨の裁決をした。

▼ Yは同年7月、東京地方裁判所に対し、本件不支給決定の取消しを求める訴えを
提起した。



━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 3.  Xの妻Yの主な言い分は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

1)Xは海外出張者に当たり、特別加入の手続を要しない!

▼ 海外派遣とは海外の事業場に所属して当該事業場の使用者の指揮に従い勤務す
る場合をいい、海外派遣者と海外出張者のいずれに当たるかはその勤務の実態を総
合的に勘案して判断すべきであり、単に滞在期間の長短や所属事業場における海外
勤務の取扱いのみを基準として区別されるものではなく、個々の事案について海外
勤務の実態を具体的に検討して判断されなければならない。

▼ 本件のように海外で勤務する労働者が海外派遣者または海外出張者のいずれか
に当たるかは、当該労働者の勤務実態に基づき労働者に対する指揮命令権が国内と
海外いずれかにあるかによって判断され、海外派遣者に当たるためには海外に従事
する事業が存在することが前提となるというべきである。


▼ Xは上海で勤務するようになってからも甲社海運部東京営業所国際輸送課に所
属し、その労務管理の下で同社から日々の業務の指示を受けながら課員としての職
務権限の範囲内で業務に従事していたのであり、このような実態の下では、Xが勤
務する丙社ないし乙社は海外の事業所に当たらないから、Xは国内事業所の指揮命
令下で労務を提供する海外出張者に当たる。よって、海外派遣者が労災保険法上の
保険給付を受けるに当たり必要な特別加入の手続を要しないといえる。


--------------------------------------------------------------------------

2)Xの本件疾病の発症およびこれによる死亡には業務起因性が認められる!

▼ 労災保険法の適用がないことを理由とする労災保険法上の保険給付の不支給決
定に対する取消訴訟において、国側が新たに業務起因性について主張することは許
されず、裁判所は労災保険法の適用が肯定される場合には業務起因性についての認
定判断を留保した上で当該不支給決定を取り消さなければならない(最高裁判所第
三小法廷平成5年2月16日判決)。

▼ 国はXが海外出張者に該当するか否かは業務起因性と同様に実体要件に関する
問題であるから、本件訴訟において業務起因性に関する主張を追加することは許さ
れると主張する。しかし、Xが海外出張者か否かは実体要件の存否に関する問題で
はなく、Xの所属する事業が施行地内にあるか否かという労災保険法の適用の有無
に関する問題であるから、これを実体要件に関する問題とする国の主張には理由が
ない。


▼ Xの時間外労働は発症前1ヵ月目が約104時間、2ヵ月目が約89時間に上り、
量的に過重な業務に従事していたことは明らかであるから、Xの本件疾病の発症お
よびこれによる死亡には業務起因性が認められ、業務上の死亡に該当する。



━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 4.  判決の要旨は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

▼ 労災保険法上の保険関係は、労働者を使用する事業について成立するものであり、
その成否は当該事業ごとに判断すべきものであって、保険関係の成立する事業は主
として場所的な独立性を基準とし、当該一定の場所において一定の組織の下に相関
連して行われる作業の一体を単位として区分されるものと解される。

▼ 労災保険法は、この法律の施行地内において事業を行う事業主が、この法律の施
行地外の地域において行われる事業に従事させるために派遣する者についての特別
加入制度を設けているところ、その趣旨は労災保険法が属地主義によることから、
労災保険法3条1項にいう「適用事業」が日本国内の事業にかぎられるものである。

▼ 国外における労働災害保護制度が十分でない現状に鑑み、日本国内で事業を行う
事業主が国外で行う事業に従事させるため労働者を派遣する場合に特別加入を認め、
これを通じて国内の事業に従事する労働者と同様の労災保険の保護を与えるのが相
当である。

▼ 労災保険上の保険関係が事業ごとに成立することに照らせば、労働者等が国内の
事業に属し、その事業に従事するための労働提供の場が単に海外にあるにすぎない
海外出張者は特別加入の手続を経ることなく保険関係の成立が認められるが、海外
の事業に属し、その事業に従事する労働者等については海外派遣者であって特別加
入手続を経なければ保険関係の成立が認められないと解するのが相当である。

▼ 特別加入手続を経ずに保険関係の成立が認められる海外出張者と海外派遣との
いずれに当たるかは、期間の長短や海外での就労に当たって事業主との間で勤務関
係がどのように処理されたかによるのではなく、当該労働者の従事する労働の内容
やこれについての指揮命令関係等当該労働者の国外での勤務実態を踏まえ、いかな
る労働関係にあるかによって総合的に判断すべきである。

▼ 丙社ないし乙社は単に中国の法令上一定の組織化された独立の活動単位として
予定されているにとどまらず、甲社の上海における活動拠点としての実態を有して
おり、甲社においても独立した事業所として位置づけていたものである。

▼ 丙社および乙社におけるXの地位についてみると、Xは丙社の唯一の日本人正社
員として、中国内顧客への訪問、業者との打ち合わせ等物流業務一般ならびに社員
教育等に従事して組織図上も現地社員を統括する立場にあり、乙社においても業務
内容に変化はなかった上に総経理として実質的責任者の地位にあったのであるから、
独立した海外の事業所である丙社ないし乙社に属し、その業務に従事していたこと
は明らかである。

▼ Xは海外事業所である丙社ないし乙社の事業に属してその事業に従事していた
ことから海外派遣者に当たり、労災保険法上の保険関係の成立には特別加入の承認
を得ることを必要とするところ、特別加入の承認を得ていないことから、保険関係
の成立は認められず、Xの死亡に係る遺族補償年金および葬祭料を不支給とした本
件不支給決定に違法はない。

1)Yの請求をいずれも棄却する。
2)訴訟費用はYの負担とする。

※ 本件は、『労働経済判例速報』平成28年2月20日号(日本経済団体連合会
労政第二本部 編)を参考に編集しています。


☆★☆ ご意見・ご感想をお寄せ下さい ☆★☆

今回の事件をお読みになって、ご意見・ご感想等がありましたら、
当マガジン公式ブログまで是非お寄せ下さい(ハンドルネームでもOKです)。
⇒⇒⇒ http://blog.goo.ne.jp/ll-inc

なお、ご質問・ご相談につきましては、メールにて info@ll-inc.co.jp まで
お送りいただけたら幸いです。

<ブログでのコメントのつけ方>
1.コメントをつけたい記事のタイトル、または記事の一番右下にある
 「コメント」をクリックして下さい。
2.コメントを投稿するページが開いたら、「名前」、「コメント」、
「数字4桁」(ページに表示されている数字をそのまま入力)等
それぞれの欄に入力し、最後に「投稿する」ボタンをクリックして下さい。



┏━━━━ ▽ 東京都渋谷区の社会保険労務士をお探しなら ▽ ━━━━┓

 社会保険労務士法人大野事務所(代表社員大野 実)は、渋谷オフィスの
ほか、幕張オフィスを配し、首都圏を中心に約200社のお客様に対して、
総勢約50名体制で、組織的に業務展開をおこなっています。

 私たちは「魅力ある会社」をめざす企業の「人事・労働」に関する課題や
 制度の構築・運用に関し、実践的なアウトソーサーとして情熱をもって
 提案・サポートさせていただきます。

 人事・労務相談から、経営労務監査、労働社会保険手続、給与計算まで
 トータルサポートをしております。
【詳しくは、ホームページへ】>>> http://www.ohno-jimusho.co.jp/
【事務所概要】 http://www.ohno-jimusho.co.jp/office/index.html
  ※ お問い合わせの際は、「このメルマガを見た」旨をお伝えください。

┗━━━━ 社会保険労務士法人 大野事務所(渋谷区南平台町)━━━━┛



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ 編集後記

間もなくリオ・オリンピックから一年。メダルラッシュで盛り上がった日々が遠い
昔のように感じられます。3年後の7月24日には東京オリンピックが開幕します
が、このところの厳しい暑さを思うと、本当に大丈夫なのかと心配にもなります。
始まるとまた盛り上がるのは間違いありませんが、終わった後のことも今から考え
てしまいます。

次号では、痴漢行為を理由とする諭旨解雇処分について争われた事例を取り上げる
予定です。なお、次回配信日は8月2日(水)となります。(Y)

─────────────────────────────────────

※ 当マガジンでは、会社側の主張、争点に対する裁判所の判断の詳細はあえて割愛
しています。これは裁判の結果(勝訴・敗訴)ではなく、争点が生じた原因を探る
ことに重きを置いているためです。もちろん従業員側の主張の全てが真実というわ
けではありませんが、訴えられる余地を最小限に抑えることによって、無用な争い
を事前に回避することが可能になると考えます。株式会社リーガル・リテラシーは、
裁判で勝てる・負けない会社作りよりも社員にケンカを売られない社内環境作りを
サポートするための各種サービスを提供しております。詳しくは当社ホームページ
( http://www.ll-inc.co.jp/ )をご参照下さい。

なお、当マガジンで扱っている判例はほとんどが地裁レベルのものであり、第二審
以降の経過をフォローすることは本来の目的ではありませんので、興味をお持ちの
方はご自身でお調べいただけたら幸いです。

※ バックナンバーで取り扱った事件につきましては、公式ブログをご参照下さい。
◆ http://blog.goo.ne.jp/ll-inc


--------------------------------------------------------------------------

※ ご意見、配信に関する手続などは以下からお願いします。

<ご意見・ご感想・ご質問・ご相談など>
◆ e-mail:info@ll-inc.co.jp
広告(ヘッダー)掲載、相互紹介等ご希望の場合もこちらまでお問い合わせ下さい。
なお、サイドビジネス等の広告は取り扱っておりませんので、ご了承下さい。

当マガジンのコンテンツの著作権は、リーガル・リテラシー社に帰属しています。
無断転載(ブログ含む)および無断コピー等は一切禁止させていただいております。


<配信中止・配信先変更>
大変お手数をおかけしますが、手続きはご自身で行って下さい。
当社では一切の代理手続をいたしかねます。
◆ http://www.mag2.com/m/0000116175.html (まぐまぐ!)
◆ http://www.melma.com/backnumber_97380/(メルマ!)
このメルマガは、まぐまぐ!・メルマ!を利用して配信しています。

--------------------------------------------------------------------------

□ 発行元 株式会社 リーガル・リテラシー 広報部 http://www.ll-inc.co.jp/
 〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町42-10 高橋ビル
       TEL:03-3463-5858 FAX:03-3463-5885
 ※「会社にケンカを売った社員たち」公式ブログ http://blog.goo.ne.jp/ll-inc
 ※ 公式ツイッター https://twitter.com/legal_literacy
 ※「労務トラブルを回避する個性診断テスト」>>> http://www.kanrishoku.com
□ 発行責任者 黒部 得善(社会保険労務士)
□ 編集担当者 荻野 泰男(社会保険労務士)

─────────────────────────────────────
Copyright (C). 2003-2017 Legal Literacy Inc., All Rights Reserved


メルマガ全文を読む
 

▲ページトップへ

▲ページトップへ