千字一話物語

  • ¥0

    無料

川崎ゆきおの千字程度の不思議な小説。

著者サイト
 

メールマガジンを登録(無料)

もしくは

※ 各サービスのリンクをクリックすると認証画面に移動します。
※ 各サービスで登録しているメールアドレス宛に届きます。

メールマガジンを解除

もしくは

※ 各サービスのリンクをクリックすると認証画面に移動します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
 
メルマガ名
千字一話物語
発行周期
ほぼ毎日
最終発行日
2017年08月21日
 
発行部数
84部
メルマガID
0000192904
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
アート・文芸 > 文芸 > 小説

まぐまぐ!メールマガジンの用語集です。
下記の用語以外の不明な点はこちらをご覧ください。

 
発行周期
週1回、月1回などの発行頻度です。
部数
メルマガの配信数を記しています。
カテゴリ
まぐまぐ!に登録されているカテゴリです。
形式
メルマガには以下の配信形式があります。下部「メルマガ形式」をご参照下さい。
 
最終発行日
最後にメルマガが配信された日付です。
メルマガID
メルマガを特定するIDです。
RSSフィード
RSSを登録すると、更新情報を受け取ることができます。

― メルマガ形式 ―

  • PC向け
    パソコンでの閲覧に最適化したメルマガ
  • 携帯向け
    スマートフォンやフィーチャーフォンでの
  • PC・携帯向け
    PC・携帯どちらでも快適にご購読いただけます。
  • テキスト形式
    文書だけで構成された、一般的なメールです。
  • HTML形式
    ホームページのように文字や画像が装飾されたメールです。
  • テキスト・HTML形式
    号によって形式が変更する場合があります。

閉じる

メールマガジン最新号

■■■■

■   千字一話物語 川崎ゆきお  

■■

   2871 感傷旅行

「盆を過ぎると涼しくなるといいますが、暑
いですなあ」
「お盆の頃涼しかったですからねえ」
「そのまま秋へ向かうのかと思いしや、そう
はいかない」
「はい、寒の戻りのように暑の戻りですね」
「いや、まだ夏は続いておりますので、その
範囲内でしょ」
「気温は大して高くないのですが、妙に暑い
ですねえ」
「うむ、それなのだ」
「はい」
「一度涼しくなったので、ほっとしたのがい
けなかったようだ。気持ちがもう秋に向かっ
ておる。もう暑さはないものと見なしてね」
「まあ、そのうち涼しくなりますよ。時間の
問題です。夕方も早くなりましたし、影も長
くなってますから、以前よりは楽でしょ」
「そうなのだ。まあ、暑くても寒くても、そ
れだけのことなので平和な話ですがね」
「でも暑い時期の仕事は大変でしょ」
「いや、もう何もしておりませんので、暑さ
対策が仕事のようなものですよ」
「じゃ、夏がいってしまうとやることがなく
なりますね。次の寒さ対策までかなり間があ
りますよ」
「いやいやこのあとすぐに感傷の秋が来る」
「感傷」
「色々と思い浮かべたりする。そして感傷的
になる。この感傷との戦いだ」
「それがお仕事ですか」
「そうだな。だから年中忙しい」
「秋祭りもありますが、あれも感傷ですか」
「そうだね。私の中では秋は全て感傷なん
だ」
「それじゃ傷だらけになりますよ」
「いや、昔の古傷が痛む程度で、それほどの
ものではない」
「でも感傷に浸るというのも悪くないですね
え」
「少し痛いが暑いよりもいい。ただ、古傷を
思い出すと、哀しいだけじゃなく、腹立たし
く思うこともある。怨念だ。恨みだ。それが
まだ残っておったりする」
「復讐に行かないでくださいよ」
「それはないがね」
「でも、楽しいこともあったでしょ」
「そちらを思い出す方が哀しい」
「そうなんですか」
「もうそんな体験はできないはずだらね」
「はい」
「それはそっと小箱に入れてしまっておく方
がいい。これは特効薬だから、いざというと
きにしか開けない」
「いい思い出が詰まっているのですね」
「そうだね。ここは私の聖域のようなもので、
私自身も滅多に触れない」
「はい」
「しかし、今日は暑い。感傷の準備をしよう
と思っていたのに、予定が狂った」
「まだ夏ですから」
「夏の終わり頃から始まる。私の感傷旅行が
ね」
「はい、お好きなように」
「うむ」
 
   了



■■■■■ ■  ■

ww8y-kwsk@asahi-net.or.jp
http://kawasakiyukio.com/




メルマガ全文を読む
 

▲ページトップへ

▲ページトップへ