千字一話物語

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川崎ゆきおの千字程度の不思議な小説。

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メルマガ名
千字一話物語
発行周期
ほぼ毎日
最終発行日
2018年01月18日
 
発行部数
83部
メルマガID
0000192904
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
アート・文芸 > 文芸 > 小説

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■   千字一話物語 川崎ゆきお  

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   3019 日向ぼっこ

 縁側に日が差し、座敷の一部にも日が入り
込んでいる。その中間に蒲団がある。庭で干
していた蒲団を取り入れたままのようだ。
 大村はそこに寝そべり、庭から見える明る
い空を眺めている。そのうちウトウトし始め
た。
 大村が覚えている至福のときというのは、
そんな感じで、まだ物心が付くか付かない頃
だろう。もの凄く古い記憶として覚えている。
それ以前の記憶になると曖昧で、明快な絵は
描けない。
 冬の小春日和、大村は座っていたベンチで
ふとその頃を思い出した。もう大村は老人。
 あの縁側での蒲団の上に匹敵するような至
福感はその後なかったように思える。色々な
ことで喜んだり、楽しんだりしたが、単に取
り入れた蒲団の上に転がっているというよう
な単純なものではない。意味が色々と詰まっ
ている。達成感とか、いい偶然とか。
 しかし、あの蒲団の上を越えられない。そ
の蒲団は暖かい空自を吸い込んで倍ほど膨れ
ているように見えた。そのためボリュームが
あり、柔らかい。
 当時、それを幸せなこととして受け止めな
がら転んでいたわけではない。それに幸せと
か至福とかの言葉も知らなかっただろう。
 ではいつ頃、それが至福のときだと思うよ
うになったかだ。それは二十歳前後だろう。
 その後、年寄りになるまで、それを思い続
けている。一番いい例として。
 ただ、大人になると、同じ条件で転がって
も何もないだろう。親なら注意するところだ。
 大村は周囲に誰もいないことを確かめて、
ベンチで横になった。蒲団とベンチとの差は
あるが、悪いものではない。しかし、もの凄
く幸せな気分にもなれないが。
 夏の日とはいえ、遮るものがないので、流
石に暑くなってきた。
 それで座り直し、またあの蒲団のことを思
い返す。これは何度もやっているので、それ
以上の記憶は呼び出せない。
 流石に日に当たりすぎたのか、日向ぼっこ
を中止し、帰ることにした。
 もの凄く簡単なものなのだが、二度と体験
できないこともあるようだ。
 
   了
 





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http://kawasakiyukio.com/





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