千字一話物語

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川崎ゆきおの千字程度の不思議な小説。

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メルマガ名
千字一話物語
発行周期
ほぼ毎日
最終発行日
2018年05月20日
 
発行部数
85部
メルマガID
0000192904
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
アート・文芸 > 文芸 > 小説

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■   千字一話物語 川崎ゆきお  

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   3138 ネット賽銭箱

 梅雨が近いのか湿気が強くなっている。こういう日は寝苦しいのか、何度か木下は夜中に起き、その度にまだ早いとまた寝るのだが、そのサイクルで次に目が覚めたときは早い目の朝。ここで起きてもかまわない。少し早起きになるが、早起きは三文の得。
 早起きすると枕元に一文銭が三枚置かれているのなら、これは具体性がある。しかし一文銭では値打ちがない。古銭として売れるかもしれないが、売りに行くときの交通費の方が高く付きそうだし、その労だけでも三文以上の人件費が掛かるだろう。まあ昔の三文を今でいえばいくらになるかは分からないが、大した金額ではなさそうだ。
 枕元にチャリン。これは賽銭のようなものだが、似たようなことを木下は以前やっていた。パソコンからコインが出る仕掛けだ。それにはコインをパソコンの中に仕込んでおかないといけないが、これは本物の銭ではなく、ネットビジネスのようなもの。
 木下がホームページ上に作成したのは神社。そして賽銭箱。その罠に引っかかった信心深い人が賽銭を投げてくれる。それを朝見ると、パソコンからお金がチャリンチャリンと自販機の釣り銭のように出てくる。
 と、早起きしたわりには爽やかな話ではないが、少し時間のゆとりがあるので、そんなことを思い出したのだろう。
 早く起きたとはいえ小一時間ほど。これは時間としては長いのか短いのかは分からないが、ぼんやりとしているときの小一時間は結構長い。その時間を使い、木下は何かをするということはないが、朝の用事をゆっくりとできる。急がなくてもいい。普段よりも時間があるので余るほど。それで別の用事もできたりする。やはり三文の得だ。
 そして小一時間のゆとりも昼頃には使い果たすようで、それからはいつもの時間通りになってしまった。
 しかし、朝方考えた自販機のようなチャリンが気になる。小銭でもいいから、朝、パソコンからお金がポトンポトンと出てくればいいだろう。大した額ではなくても日銭が入る。
 そういう仕掛けをもう一度作れないものかと考えた。
 しかし殆ど詐欺のようなものなので、合法的なコンテンツ販売や閲覧でお金を取るのがいいのだが、それでは普通のネットショップになる。売るものなど持っていないので、仕入れてこないといけない。これも面倒だ。元手が掛かるので。
 やはり昔考えたネット神社がいい。
 それで、夜中までかかってネット神社のウェブサイトを作り、勝手に総本山を名乗った。しかし中身は神社か寺か分からないようなものになったが、欲張って賽銭箱を増やした。また色々なところへお参りできるように周遊コースなども作った。聖地の箱庭のようなものだ。
 そこには小さな石饅頭から、お地蔵さんや、祠、そして神殿や本堂とか、幹だけになった古木の下とかに賽銭箱を仕掛けた。
 音まで入れ、ガラガラの音や、賽銭が落ちたときの音、お寺では念仏まで入れた。いずれも音源はネット上にある効果音。
 それでは飽き足らず、ゲーム性を出すため、秘密の神社とか、隠された奥の院とか廃寺を作り、その下にダンジョンを作り、迷路抜けまで作った。
 そういうのは思い付いた日の夜にできたわけではないので、数ヶ月かかった。大作だ。
 そして朝起きると、無数にある賽銭箱からお金がざくざく落ちてくるはずなのだが、世の中そんなに甘くはない。しかし辛くもないようで、ザクザクではなく、ポツリポツリと一円玉程度は落ちてくるようになった。
 これを作る手間暇労賃を考えると赤字。
 また、そんな仕掛けを作る時間働ければ、それなりの銭は得ただろう。
 
   了





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