著作権判例速報

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最高裁判所サイトで公表された最新の著作権判例について行政書士大塚大(東京都行政書士会知財担当理事)が紹介しています。2006年4月配信開始。年間50件程度。法務,不正競争防止法,ライセンス,フランチャイズ事件もブログ「駒沢公園行政書士事務所日記」で掲載中です。 知財,音楽,漫画,ゲーム,アニメ,法律,プログラム,ソフト,イラスト,広告代理店,出版,起業,営業秘密,知的財産管理技能検定,弁理士,弁護士,司法書士,社会保険労務士,特許,商標,意匠,請負,イラスト,写真,資産

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著作権判例速報
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月に3~4回程度の配信となります
最終発行日
2018年05月09日
 
発行部数
1,202部
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カテゴリ
ニュース・情報源 > 一般ニュース > 社会

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◆◇著作権判例速報◇◆  配信2018/5/9
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは!駒沢公園行政書士事務所日記メルマガです。
http://ootsuka.livedoor.biz/archives/52519810.html
最高裁判所ウェブサイト掲載日2018/5/7
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

高校野球応援風景写真事件

東京地裁平成30.4.26平成29(ワ)29099損害賠償等請求事件
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/720/087720_hanrei.pdf

東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 柴田義明
裁判官    大下良仁
裁判官    林 雅子

*裁判所サイト公表 2018.5.7
*キーワード:写真、著作物性、損害論

   --------------------

■事案

高校野球の応援風景写真の著作物性が争点となった事案です。

原告:県立高校応援団
被告:出版印刷会社

   --------------------

■結論

請求一部認容

   --------------------

■争点

条文 著作権法2条1項1号、21条、112条、114条3項

1 本件写真の著作物性
2 本件写真に係る著作権の侵害の有無
3 本件書籍の販売期間及び方法
4 本件写真の著作権及び損害賠償請求権の帰属
5 損害の発生の有無及び損害額

   --------------------

■事案の概要

『本件は,法人格なき社団である原告が,被告に対し,被告が別紙写真
目録記載の写真(以下「本件写真」という。)を別紙書籍目録記載の各
書籍(以下「本件書籍」と総称する。)に使用し,本件書籍を販売した
ことが本件写真に係る著作権(複製権,翻案権,譲渡権又は著作権法2
8条に基づく二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)侵害に該当
し,原告は本件写真の著作権者から本件写真の著作権及び被告に対する
上記著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償請求権(譲受日までに発生
していた請求権)を譲り受けたと主張して,著作権法112条1項及び
2項に基づく本件書籍の印刷,頒布の差止め及び本件書籍のうち本件写
真を掲載した部分の廃棄並びに民法709条及び著作権法114条3項
に基づき,一部請求として,損害賠償金220万円及びこれに対する不
法行為日(本件書籍の発行日)である平成21年8月20日から支払済
みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案で
ある。』(2頁)

<経緯>

H17.05 Aが応援風景を撮影(本件写真)
H21.08 被告が本件書籍を発行
H29.04 Aから原告に本件写真の著作権等を譲渡

本件写真:平成17年5月16日、埼玉県営大宮公園野球場で開催され
た関東地区春季高等学校野球大会における、群馬県立桐生高等学校応援
団による応援風景を撮影したカラー写真

   --------------------

■判決内容

<争点>

1 本件写真の著作物性

本件写真は、『画像の上半分に野球場のフェンス,その土台及びフェン
ス越しのグラウンド,下半分にスタンドが写っていて,フェンス側及び
スタンド側で画面が斜め(右斜め下方向)に分けられているカラー写真
である。スタンドとフェンスの間には,スタンドに向いて起立し,背中
を大きくそらし,両手を上方に広げ,口を大きく開けて応援団を統率し
ている学生服姿の女子生徒が写っており,その女子生徒の左側にスタン
ドの観客席で起立してメガホンを持つなどする学生服姿やユニホーム姿
の数名の男子生徒が写っていて,また,女子生徒の右側下部分には試合
を観戦する観客数名の後頭部が写っている』(8頁)といった内容の写
真でした。

本件写真の著作物性(著作権法2条1項1号)について、裁判所は、本
件写真の撮影者であるAは、本件写真の撮影に当たって被写体の選択や
配置、シャッターチャンスの捕捉、アングル、構図等に工夫を加えて撮
影していると判断。
撮影者の思想・感情が創作的に表現されているとして、本件写真は写真
の著作物として著作物性が認められると判断しています。

   --------------------

2 本件写真に係る著作権の侵害の有無

被告は、本件写真を加工してモノクロ画像にして本件書籍に掲載してい
ましたが、裁判所は、この画像(本件画像)は本件写真に依拠し、本件
写真の創作的な部分を本件書籍に掲載(再製)したものであって、本件
写真を複製したものであると判断。
著作権侵害性を肯定しています(9頁以下)。

   --------------------

3 本件書籍の販売期間及び方法

被告は、平成21年8月20日、本件書籍の第1版合計1万6000部
(1集につき2000部。1集の本体価格476円(税抜価格))を発
行し、北海道内の書店等において販売したこと、また、発行日から約1
年後には書店での販売を取り止めたこと、現在でも本件書籍の在庫を保
管しており、注文があれば販売していることが裁判所により認定されて
います(10頁以下)。

   --------------------

4 本件写真の著作権及び損害賠償請求権の帰属

原告は、本件写真の撮影者であるA(著作者、著作権者)から、平成2
9年4月19日、本件写真に係る著作権及び被告に対する本件不法行為
に基づく損害賠償請求権(同日までに発生した請求権)を譲り受けたと
裁判所は認定しています(11頁)。

   --------------------

5 損害の発生の有無及び損害額

裁判所は、Aから本件写真に係る著作権及び被告に対する本件不法行為
に基づく損害賠償請求権(譲受日までに発生した請求権)を譲り受けた
原告は、被告に対して112条1項に基づいて本件書籍の印刷又は頒布
の差止め、また、同条2項に基づいて侵害行為を組成した本件書籍のう
ち、本件画像を掲載した部分(別紙書籍目録記載の使用頁)の廃棄を請
求することができるとともに、被告の過失を前提に民法709条及び著
作権法114条3項に基づいて本件写真の使用料相当額等の損害賠償金
の支払を求めることができると判断。
著作権法114条3項に基づく損害としては、本件における本件画像の
内容、本件書籍における使用方法、本件書籍の内容や発行数等その他本
件に現れた諸事情を勘案して、本件における使用料相当額を30万円と
認定。また、弁護士費用相当額損害として10万円を認定。
結論として、合計40万円を損害額として認定しています(11頁以下)。

   --------------------

■コメント

判決文に画像の添付がなくて写真のイメージがいまひとつ不明ですが、
高校野球の応援風景を撮影した写真にも著作物性が認められた点は参考
になります。
スナップ写真でもネットから拾って商用で勝手に使えば、まず著作権侵
害になる、と考えたほうが良いということになります。

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後記:連休を皆様はどのようにお過ごしになられたでしょ
   うか。わたしは、いくつか美術展を巡ることができ
   て、のんびりできました。
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▼企業内イントラネット配信、業務・勉強会
資料にご自由にお使い下さい。皆様と著作権
問題について認識を共有できれば幸甚です。

執筆者:特定行政書士 大塚 大
駒沢公園行政書士事務所
東京都世田谷区駒沢5-12-7
E-mail:houmu@pc.nifty.jp
http://ootsuka-houmu.com
facebook.com/ootsuka.dai
twitter.com/ootsuka
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