瀬戸だより~せとものについて話しませんか~

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メルマガ名
瀬戸だより~せとものについて話しませんか~
発行周期
週刊
最終発行日
2018年07月14日
 
発行部数
294部
メルマガID
0000198183
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
アート・文芸 > 美術・デザイン > 工芸

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  瀬戸だより ~せとものについて話しませんか~
      630号「市之倉さかづき美術館」という話

                           2018/7/14  
                                                                           
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 時々、仕入れなどで多治見方面に出かけることがあります。瀬戸から国道に沿
って多治見市に入ると(248号)、市之倉という地区となります。ここに「市
之倉さかづき美術館」があります。
 いつも看板を横目に通り過ぎていましたが、先日初めて立ち寄ることができま
した(いったい何年前を通ってきているのか!?)。

 この多治見市市之倉という地域は古くからさかづき(盃)の生産が盛んで明治
期には全国の盃生産の大多数占めていた、とのことです。美濃焼の産地、多治見
でもかなり中心からは離れた地域ということもあり、少量の土で作ることができ、
出荷もしやすいという背景もあったようです。付加価値の高い分野とも言えます。


 美術館の展示も小さな美しい盃がたくさん並んでいます。美術館展示室は比較
的小さいのですが、展示される「品」も小さなものですから、点数も多く密度の
濃い展示です。
 料亭など宴席で手に取り眺める「器」ですので、細かな装飾や模様を施すこと
ができます。他の料理の器とは違った距離感での鑑賞を作り手も意識せざるを得
ない…そのことに気が付きます。
 時代に沿った展示、他産地の盃の展示も含めて、様々な盃が並びます。その中
で兵隊盃というものがありました。戦中に戦意高揚のためや除隊の記念、師団な
どの様々な記念に作られたという盃です。その記念を示す文字のほか、日の丸や
戦車など、人物の写真、様々な時代を感じる絵柄があります。その盃を見ている
とその戦争の時代に生きた様々な人の思いが伝わってくるようです。

 ここの美術館は盃の展示だけではなく2階は巨匠館として地元にゆかりの人間
国宝や巨匠の作品が常設で展示されています。加藤 土師萌・五代 加藤 幸兵衛・
荒川 豊蔵・加藤 唐九郎・塚本 快示・加藤 卓男・鈴木 蔵・加藤 孝造の8名の作
家の茶碗などの展示は狭い空間の中で圧倒的な迫力を感じます。

 展示室を上回るほどの面積のあるミュージアムショップでは今作られている器
の数々が手に取って見ることができ、これはまた別の刺激を与えてくれます。

 いつも前を通り過ぎていたことが悔やまれる美術館でした。

■市之倉さかづき美術館
http://www.sakazuki.or.jp/

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