仕事に生かすグローバルビジネス最新動向と経営理論

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『新しい酒を古い革袋に入れるな』 新しい酒とは、新しい経済のことです。 古い革袋とは、古い理論のことです。 新しい経済=ナウエコノミーは、古い経営理論が 通用しない経済です。 本メルマガは、最新のグローバル企業の動向を紹介し、 新しい経営理論で分析し、読者の皆様に 「新しい時代の、新しい気づき」を提供するものです。 明日のビジネスのヒントに、新しい視点での発想がほしい 方におすすめします。

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2017年07月03日
 
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タイトル:都民ファーストとアメリカファーストの違いとは

今号のポイント
・政治とマーケティング
・マーケティングとは言葉のこと
・トランプの言葉力
・リーダーのコミュニケーション能力で
 国は栄え、そして滅びる

■政治にはもっとマーケティングが必要だ

昨日の都議選、小池氏率いる都民ファーストが圧勝しましたが、
経営学的には全く感心できないことが一つあります。

それはブランドという概念に関係するのですが、都民ファーストという
ネーミングです。

これはもちろん、流行りの時事用語である、ご存知トランプの
「アメリカ・ファースト」を真似たものです。

差別化が絶対条件である現代経営学に真っ向から違反しており、
安易すぎる、とまずは言いたいところですが、それよりも
強調したいことは、政治こそ、マーケティングのあらゆる
手練手管を最大限に生かす最大最高の舞台なのに、
政治家はそれにあまり関心がないように見えることです。

■マーケティングとは言葉である

マーケティングとは、つまり、言葉です。

確かに、流行語を使えば大衆にわかりやすいということはある。

都民ファーストは、トランプ氏の文脈があったから、
「ファーストというのは都民を一番に大事にするという意味ね」、と
大衆に浸透しました。

それはそれで成功です。

しかし、言葉は文化の文脈を持っています。

日本語でいう都民ファーストと、アメリカ人が感じる
「アメリカ・ファースト」は全然違います。

都民ファーストのファーストは日本語ではないですから、
単なる軽いタッチを添えたものです。

その軽さゆえに言葉のそもそもの意味が伝わらず、
言葉というより流行の語尾、という感覚です。

これがある種の小池氏の軽さにマッチしました。

でもアメリカファーストは英語を母国語とするアメリカ人には、
言葉のダイレクトさがまず伝わります。

それは「他国のことは犠牲にしても、アメリカの国益を守る」
という自分本位、自国本位という意味合いです。

■言葉が使えないトランプ

アメリカ・ファーストは諸刃の剣でした。

他国よりもまず自国を、というメッセージは選挙戦、格差にあえぐ貧困層には
ダイレクトに届いた。そして勝利を後押ししました。

しかし、マイナスの刃が今効いてきています。

世界中からブーイングが巻き起こっているのです。

前号で申し上げたことを端的にいえば、
「トランプ政権壊滅前夜の状況」です。

The Wall Street Journal 6月1日号はこれを裏付けています。

どんな記事のタイトルか。

「America First does not mean America Alone」
(アメリカファーストはアメリカが孤立することを意味しない)。

書いているのは政権中枢の二人、ホワイトハウス・国家セキュリティアドバイザー
(White House National Security Adviser)のH.R. McMasterと
国家経済協議会ディレクター(Director, National Economic Council)の
Gary D. Cohn氏です。

■コミュニケーションができない大統領

これが書かれているのは、The Wall Street JournalのOPINION欄です。

ですからトランプ政権の意見広告なのです。

トランプ失政の尻拭いです。
致命的なマーケティングのミステイクの、
言い訳が書いてあります。

頭隠して尻隠さずということわざの通り、
このトランプ政権を擁護する意見は、
トランプ政権の最大の失敗を見事に白状しているのです。

失敗とはアメリカファーストという言葉です。
いま、アメリカはその言葉の選択ミスという
マーケティングの失敗のツケである
天文学的なコストを支払っている、ということです。

まず、この6月1日というタイミングですが、トランプがNATO
および中東訪問をした直後です。

NATO、中東訪問は大失敗だったからこそ、
すぐにそれを隠蔽すべく、また言い訳すべく
デカでかと世界を代表する新聞に
意見広告を載せたのです。

内容は一言でいうとこうです。

「アメリカファーストっていう言葉を誤解しないで、世界の皆さん。
アメリカファーストっていうのは、まずあなたがた同盟国、協力国を尊敬し、
相互主義(reciprocity)に立っているということです。
そこではお互いの理解と尊敬が基本になります。
アメリカだけ、いい思いをしようというわけではないのですよ。
今後もアメリカをよろしくね」。

深読みするまでもなく、いかに今回の旅行でアメリカ以外の国々が、
アメリカファーストを正しく理解するがゆえに、
敵対心を露わにしたことがわかります。

■唸るしかないトランプ側近の文章力

しかし、大変感心したこともありますよ。

著作権の関係もあり、このコラムを全訳することはできませんが、
この記事の文章、非常に格調高いんです。

いちいち言葉の選び方が戦略的(後述)です。

reciprocity(相互主義)、fair(公平さ)、mutual interests
(相互利益)など、誰も反論できない概念を巧みに
使っていかにもアメリカはあなたのことを第一に考えて
ますよ、という主張をしているんです。

あざといんだけれど、言葉の格調がズルさを
押さえ込んでいる、そんな感じです。

国家のリーダーが国を代表して世界に向けて演説するのに、
これ以上の文章はないでしょう。

あらゆる政治家はこの文章を参考にして、演説してもらいたい、
そう思わせるくらいの完成度です。

だけれど、申し上げたように、これはトランプの「アメリカファースト」
という極めてリスクの高い、戦略性のかけらもない言葉のセンスが、
どれだけ大きいコストをアメリカという国家にもたらしたかという
証明なのです。

そうです、アメリカファーストという言葉が
(正しく理解されているゆえに)世界的に炎上しており、
言葉によって必死の消火活動を政権中枢が行った、
というのが事の真相なのです。

■言葉のできないリーダーが国家を危うくさせる

100歩譲って、アメリカファーストは選挙に勝つためのバクチだった、
としましょう。

トランプがもし、この文章のような格調高い言葉を駆使できて
「いや、アメリカファーストの隠された意味はこうです」、
と上手に伝えられれば、まだ救われる。

しかし、哀しいかな、トランプの言語感覚のなさは、
ツィッターの書き込みを見れば明らかです。

稚拙な中傷、それだけ。

中身以前にツィッターでつぶやくという行為のモラルと責任と
リスクを理解していません。

一言でいえば、戦略性がゼロ。

戦略性とは、自らとステークホルダー(利害関係者)の最適な利益を考えて
言動を行う賢さの度合いのことですが、これが全くできてない。

ツィッターでの不用意な言葉遣いが、どれだけ今までアメリカの国益を損ねて、
トランプ自身にコストを強いってきたか、今更言うまでもないでしょう。

それにしてもです、コミュニケーション能力、つまり言葉で説明をする能力のない
大統領を見るにつけ、いかにリーダーに言葉の運用能力が必要か痛感しますね。

■日本も危ない

都議選が終わりましたが、自民党幹部の敗戦の弁のお粗末なこと。

どうにかならないのか、というレベルです。

しかし、言葉というのはその人の行動そのものであり、
生き方そのものなのです。

信念や行動の裏付けのない言葉は、人に響きません。

森友学園、加計学園、共謀罪等々著しく誠実さに欠けた
振る舞いをしてきた自民党のお歴々に、
正しい言葉遣いをしろといっても、
意味のないことかもしれません。

しかし一国のリーダーの言葉の選び方一つで世界が変わる、
このThe Wall Street Journalの記事はまさに
そのことを教えています。

                          以上
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