佐々木俊尚
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佐々木俊尚の未来地図レポート

佐々木俊尚
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佐々木俊尚の未来地図レポート

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世界はこれからどうなっていくのか?
テクノロジーは社会をどう進化させていくのか?
人と人の関係はどう変化していくのか?
この不透明な時代の先に何が待ち受けているのかを、
独自の鋭い視点から切り出し、未来を見通します。

毎号きわめて濃密な特集記事に加え、ブックレビュー/ライフハック/特選キュレーション
など盛りだくさんのメニューをご提供。さらには本メルマガ限定で日本では紹介されていない英語圏の記事をまとめて紹介しています。

配信日は毎週月曜日午後5時。激動の一週間をスタートさせるのにふさわしい知的刺激をどうぞ。

著者プロフィール

佐々木俊尚

1961年兵庫県西脇市生まれ。愛知県立岡崎高校卒、早稲田大政経学部政治学科中退。1988年毎日新聞社入社。岐阜支局、中部報道部(名古屋)を経て、東京本社社会部。警視庁捜査一課、遊軍などを担当し、殺人や誘拐、海外テロ、オウム真理教事件などの取材に当たる。1999年アスキーに移籍し、月刊アスキー編集部デスク。2003年退職し、フリージャーナリストとして主にIT分野を取材している。

サンプル号
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佐々木俊尚のネット未来地図レポート    2012.6.4   Vol.196
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http://www.pressa.jp/



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「水責め」という言葉を拷問と呼ぶか、それとも「厳しい尋問」と呼ぶか
〜〜「どこからでもない視点」というメディアの立ち位置の幻想
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 米ハーバード大学のある学生が、「新聞はウォーターボーディングをどうと
らえてきたのか」という研究を行いました。調べたのはUSAトゥデーと
ニューヨークタイムズ、ウォールストリートジャーナル、ロサンゼルスタイム
ズ。これら主要紙の過去記事を調べたところ、911同時多発テロまでの70年
以上、ウォーターボーディングは拷問と扱われていたそうです。

 ウォーターボーディングというのは、日本語で言えば「水責め」でしょう
か。ウィキペディアには以下のように説明されています。

 「板に背中を固定して頭に袋をかぶせて、頭を下に向けた逆立ちの状態で顔
の上、あるいは袋に穴をあけ口や鼻の穴に水を直接注ぎ込むことで急速に窒息
を生じさせる。頭を水槽などに押さえつけると息を止めて抵抗されるが、逆さ
まの状態で水を口や鼻の穴に注ぎ込まれると気管の咽頭反射で肺から空気が放
出され即に溺水状態に追い込めるため溺れ死ぬ感覚が簡単に誘導できる」

 ウィキペディアによると、ウォーターボーディングを受けた者が感じる溺死
感覚は錯覚で、痛みなどではありません。このことからアメリカ政府は、身体
を損傷しないためこれは拷問ではなく、「強度の尋問(Enhanced
Interrogation)」であると主張しているそうです。だから拷問を禁止する
ジュネーヴ条約に違反しないと主張している、と。

 911の後に米軍がアフガン侵攻した際、CIAがアルカイーダの容疑者を尋問
するためにこのウォーターボーディングを使っています。これもウィキペディ
アの記述からの引用ですが、2008年2月5日にはCIAのマイケル・ヘイデン長
官が上院情報特別委員会で、「アルカイーダの容疑者三人にウォーターボー
ディングを行った」と認めたそうです。

 さて、先ほどの学生の研究によると、ウォーターボーディングを米政府が
行っていることが発覚した2004年以降、このことばの扱い方が先ほどの主要
新聞で大きく変わったと言います。たとえばニューヨークタイムズは、1931
年から99年までの間でウォーターボーディングという言葉が出てくる記事が
54あり、そのうちの44の記事で「拷問」と表現していました。ところが
2002年から08年の間では、ウォーターボーディングが出てくる143の記事
のうち、それを拷問として表現しているのはわずか2本しかありませんでし
た。

 新聞は「客観中立報道」を標榜しています。しかしこのウォーターボーディ
ングの事例でもわかるように、客観中立などというものは表面的な幻想にすぎ
ません。ウォーターボーディングという言葉をどう扱うのか、それを「拷問」
と呼ぶのか、それとも「きびしい尋問行為」と呼ぶのかによって、その新聞社
の政府との距離が透けて見えてしまうということなのです。

 ニューヨーク大学のジャーナリズム専攻、ジェイ・ローゼン教授はアメリカ
の新聞の客観中立スタイルを「どこからでもない視点(view from
nowhere)」と呼んでいます。彼はブログでこう書いている。「いまのよう
なネットが普及した社会にあっては、だれもが情報や意見を発信でき、誰もが
編集者やコラムニスト、出版社になれるようになった。そこではそもそも『統
一されたただひとつの声』という新聞特有の論説スタイルはもう有効ではな
い」

 客観的中立報道はすなわち、「客観的中立」というただひとつの視点に新聞
社が依拠するということとイコールになっているわけです。そのような、唯一
の客観中立という視点ではなく、多様な視点の集合体の方が良いのでは?

「客観的中立という視点が、たったひとつだけ」
「さまざまな個人の視点が、たくさん用意されている」

 このどちらが今の社会において信頼性を担保してくれるのだろうか?と考え
れば、答は明らかでしょう。明らかに後者の方が信頼度が高いと思われます。

 ローゼン教授は、こう書いています。「客観的中立視点はもはや有効ではな
いだけでなく、今の社会に対しては害悪にさえなってしまっている。なぜなら
今起きているさまざまな問題は、私たちの生活に直接影響を及ぼす。それらの
影響がどのようなものなのか、どの程度のものなのかをひとりひとりが自分自
身の身丈に合わせて知ろうとするときに、この客観的中立という視点は阻害要
因になってしまうからだ」

 これはたとえば、震災後に人々が求めていた情報の温度差の違いを思いだし
ていただければわかりやすいのではないかと思います。津波被災地、津波は来
なかったけれども被災した仙台などの被災地、福島原発の避難区域、千葉県な
どの湾岸地域、首都圏、西日本。それぞれの場所で求められている情報は異な
り、それらの情報の価値も求める側の人によってさまざまに異なっていまし
た。このようなグラデーションの中で、「たったひとつの客観的中立」を標榜
してもあまり意味がありません

 USAトゥデーの発行人であるラリー・クラマーはインタビューに答えて、
新聞はただひとつの意見を発信する媒体ではなく、「多くの意見の概説」とし
ての媒体にしたいと答えています。

 従来、客観的中立報道は、広告的な要請でもあったというのが歴史的経緯で
もありました。客観中立を標榜することによって、マスマーケットにリーチし
たいクライアント企業は安心して広告を出すことができたのです。つまり、

 客観中立=マスにリーチできる

 と見られていたわけですね。しかしいまや広告市場はこうしたマスマーケッ
トから離れつつあり、この観点からも新聞が客観的中立を標榜するビジネス的
必要性は薄れてきていると言えます。

 また客観的中立報道は、新聞の記事をつまらなく無味乾燥なものにしてし
まっているという面もあります。

 新聞社にはたくさんの編集者がいて、彼らが次々に記事をチェックしていま
す。この結果、記事にもともとあったユニークな視点といったものはどんどん
失われ、無味乾燥なものに変わっていってしまうということです。船頭多くし
て……と言われますが、出来の悪い映画の制作方法と同じようなかたちで新聞
というのは作られているということですね。ただひとりの強烈な視点を持った
記者が書いた記事の方が、複数の編集者を経て丸くされてしまった記事よりも
本当はずっと面白いはず。

 実はもっといろんなことを記者は考えています。でもそれを押し殺し、定型
に当てはめて記事を書きます。その定型は、たいていの場合ステレオタイプな
客観中立っぽいと思われている視点になっているのです。

 この客観中立の枷を外し、クラマーが言うように「多くの意見を並べて概説
できる」ようなメディアに新聞やテレビを変化させていけば、きっともっと面
白いものが生まれてくるのではないかと私は考えています。


■Why newspapers need to lose the ‘view from nowhere’
http://bit.ly/KMU4PD


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マスコミと当局の関係は1990年代以降「地下化」した(2)
〜〜新聞・テレビと当局、そして新聞・テレビと雑誌の共犯関係
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 警視庁の広報担当者が私に明かした話とは、次のようなものでした。

 「警視庁は三浦の起こした裁判で負けたわけではなく、引き回しをやめるつ
もりなどは当初はなかった。マスコミとの間で長い時間をかけて作られてきた
慣例だったから。ところがこの三浦裁判にからんで、警視庁と仲間だったはず
の新聞やテレビなどがさかんに『引き回しは人権無視だ』というような報道を
行った。自分たちが『読者のために必要だから』と警察に求めて引き回しをさ
せるようになったのに、いったん社会問題化したらまるで自分たちは部外者で
あるかのように『引き回しのような行為を許してきた警察はけしからん』とい
う論調に走っている。警視庁や警察庁の幹部も態度を硬化させないわけがな
い」

 結果として警察当局幹部は激怒し、「以降いっさい引き回しなどのマスコミ
向けサービスは行うな」と内々に通達を出す結果となりました。要するに、警
察は三浦事件の前までは警視庁記者クラブのマスコミをある種の「身内」「イ
ンサイダー」として捉えていたということでしょう。

 だから三浦和義氏が「引き回し」で警察を訴えたときも、「まあ犯罪者が私
怨で裁判に訴えてるだけだから」程度にしか考えていませんでした。ところが
この裁判で「引き回し」の違法性が認められたとたん、マスコミは一転して警
察批判へとまわってしまった。この態度の豹変ぶりに警察幹部たちは驚き呆
れ、「そっちがそういう考え方ならこっちもそれなりにやらせてもらう」と態
度を硬化させたということなのでした。

 つまりはマスコミが、自分で自分の首を絞めたという結果だったのです。

 ちなみに三浦氏の訴訟の影響は「引き回し」にとどまりませんでした。この
訴訟をきっかけに、テレビ報道が容疑者の手にかけられている手錠にモザイク
をかけるようになったのです。

 この90年代前半という時期は、新聞記者と警察の関係性が大きく変わって
いた時期に当たります。たとえば私は1988年に新聞社に入社し、当初は岐阜
支局に配属され、岐阜中警察署のサツ回りや岐阜県警本部などを担当しまし
た。この80年代末という時代、とくに地方ではまだ警察と記者の関係は非常
に牧歌的で、県警本部の捜査一課のデカ部屋も出入り自由でした。刑事と記者
が公衆の面前で、「おい、今日は麻雀ちょっと行くか」「飲みに行こうぜ」と
いうような話も平気で交わしていたのです。

 岐阜は風光明媚な観光県なので、さまざまな祭りや年中行事があります。そ
れらの写真を撮影し、記事を書いて出稿するというのも記者の大切な仕事で
す。有名なところでは、郡上八幡の夏を彩る「徹夜踊り」。

 ところが毎日新聞は郡上八幡に支局などの取材拠点を持っていません。そし
て(いまは高速道路が開通したのでだいぶ楽になりましたが)支局のある岐阜
市から郡上八幡までは、国道156号を延々と走って1時間半以上もかかりま
す。特に徹夜踊りの最中は渋滞が激しくなるので、もっと時間がかかってしま
います。

 今のようにデジタルカメラやブロードバンドルータ、スマートフォンなど
いっさいありません。夜になってから始まる郡上踊りを取材し、写真を撮影
し、それから岐阜市に戻って記事を執筆し、写真の現像・焼き付け・送稿を
行っていたのではとうてい間に合いません。そこで毎日新聞岐阜支局では、
「郡上で暗室のある場所を」と探し、そしてなんと八幡警察署の鑑識課の暗室
を借りていました。夜になって人気のなくなった鑑識課に勝手に上がり込んで
(もちろん事前に許可は得ていますが)、踊りの写真を現像し、ついでに電話
回線も借りて写真を名古屋の本社に電送していたのです。

 鑑識課の部屋に入ると、簡単に目の触れる場所、手の届くところに容疑者や
犯行現場、あるいはなにかの遺留品といった写真が無造作に置かれていまし
た。事件の被害者の身元が分かってしまうような書類も。「うわー、こんなの
われわれ記者に見せちゃって大丈夫なのか?」と思ったりしましたが、逆にそ
の無造作さがかえって「見ちゃいけない」という自制心へとつながり(笑)、
法律に違反するようなことは結局しませんでした。

 とにかくオープンで気楽な関係だったということですね。

 ちなみに余談になりますが、デジカメとモバイル環境が表れてくる前の写真
送稿は、「写真電送機」という大げさなデバイスを使っていました。以下のサ
イトに写真があります。

■最近まで使われていたドラム式の写真電送機
http://www.monokowashi.com/senjin/photo_tech/as_you_see7.html

 この電送機を、鰐口クリップを使って電話回線に物理的につなぐのです。同
時に撮影したフィルムを現像し、引き延ばし機を使ってキャビネ判サイズにプ
リントします。これを電送機のドラムにまきつけます。あとはスイッチを入れ
ると機械から光が照射され、高速で回転するドラムに巻き付けられた写真を
「ピコン、ピコン」とスキャンしていき、その信号を音声に代えて電話回線経
由で送るというものです。だいたい1枚の写真を送るのに15分ぐらいはか
かったでしょうか。岐阜支局から本社に急ぎの写真を送る際も、この電送機が
使われていました。ただ解像度などはやはり低く、昔の新聞記事の写真がたい
てい不鮮明でぼやけているのは、この機械を使っていたことが背景にあったの
ではないかと思います。

 本社の側では電送されてきた写真があまりにもぼやけているので、勝手に黒
ペンなどを使って修正してくっきりさせ、紙面に掲載するというようなことも
行われていました。先日、毎日新聞北海道報道部のカメラマンがサクラの写真
に映り込んだ自分の影をPhotoshopで修正したことが発覚し、お詫びすると
いう騒ぎがありましたが、正直なところ昔のことを知っている者から見れば
「何もそんな程度で謝らなくても……」という感じもします。

 私自身の恐ろしい経験で言えば、アフロヘアの人の顔写真を電送機で送信し
たら、翌日朝刊の紙面に掲載された顔写真は「アフロ」部分が完全になくなっ
て単なる丸坊主の人にされていたことがありました。背景がクロっぽかったの
で髪の毛がどこからどこまでなのか判然とせず、本社の方で勝手に坊主として
写真をトリミングしちゃったということですね。今だったらたいへんな問題に
なっていたかもしれません。

 そういえば別の新聞社の話ですが、「名勝寺の天井のすす払い」という年中
行事を記事化するのに、記者が横着をして写真を撮りに行かず、前年に撮影し
た写真をそのまま送稿してそれが記事になってしまったということもありまし
た。これがなぜ発覚したかというと、読者のオバチャンからこういう問い合わ
せが電話であったからです。

「去年亡くなったとなりのおばあちゃんが映ってる!これは心霊写真じゃない
ですか?」

 このケースも「そういうこともありますかもねー」という新聞社広報のよく
わからない電話対応ですませてしまい、とくだんお詫び記事も出さなかったと
聞いています。なんて酷い話……ですが、当時はマスメディアの外側を取り巻
くインターネットというオータナティブなメディア空間が存在しなかったた
め、読者のそうした指摘が新聞社以外で周知されてしまう可能性がほぼゼロ
だったからです。

 それほどまでに昔の新聞というのはかなり大ざっぱで、読者や当局との関係
も非常に適当に行われていたということなのです。新聞社とテレビがメディア
空間をほぼ覆い尽くしていた時代だからこそ、このようなあり方も可能だった
のでしょう。

 話を戻せば、容疑者逮捕後の「引き回し」のような慣習も、このような包括
的メディア空間だったからこそ成り立っていたと言えるでしょう。

 このころまで、変な慣習はたくさんありました。たとえば逮捕の翌日には、
容疑者が収監されている留置場のある警察署の副署長などが立ち会見に応じ、
「容疑者は逮捕から一夜明けて朝飯をちゃんと食ったかどうか。メニューは何
だったか」というようなことを答えるというのもそのひとつでしょう。

「えー、容疑者のけさの朝食は麦飯と味噌汁、漬け物でした」
「全部食べましたか?」
「はい、完食です」
「様子は」
「まあ元気ですねえ」
「反省してますか」
「うーん、そういう感じは今のところは無いですねえ」

 するとその日の夕刊には、こういう記事が載るわけです。「○○容疑者は、
麦飯と味噌汁、漬け物の朝食をぺろりと平らげた。反省している様子は見られ
ないという」

 こういう定型記事・定型文章というのはかつての事件報道にはたくさんあり
ました。たとえば殺人被害者が女性だったりすると、「○○さんは男出入りが
派手で」といったことを平気で書いていたわけです。容疑者・被害者に対する
こうした人権軽視記事がふつうに成り立っていたのは、先ほども書いたように
新聞・テレビの外側に世界が存在せず、新聞・テレビの報道が批判されるとい
うことがほとんどなかったからです。

 週刊誌は今では新聞・テレビ批判を必ず行っていますが、かつては完全な共
犯関係でした。なぜなら記者クラブに加盟できない雑誌メディアにとっては、
記者クラブの新聞記者やテレビ記者が重要な情報ソースになっていたからで
す。そして殺人事件などの事件報道が超人気コンテンツだった戦後社会におい
ては、この情報ソースをきちんと確保することこそが雑誌記者の重要な仕事に
なっていました。

 私も警視庁時代、仲良くしていた雑誌記者が数人いました。彼らはなにかと
私たちを食事へと誘い出し、けっこう豪華な晩飯を奢ってくれます。当時の総
合週刊誌は儲かっていたので、取材費接待費はふんだんに持っていました。捜
査機関の記者クラブに入れないかわりに、きわめてごく一部の警察幹部・刑事
に巧妙に賄賂を送り、ネタ元として活用していたという話は何度も聞きまし
た。

 たとえば1990年代に公安事件に非常に強かった老舗大手出版社系の総合週
刊誌は、都心にある警察署警備課の公安刑事に月額数十万円を送金していた、
という話も聞いたことがあります(裏付けが取れている話ではありません)。

 それと同じように、雑誌記者は警視庁担当の新聞記者をネタ元としてつねに
活用していました。なにか事件が起きると、たいていの場合そうした雑誌記者
から電話がかかってきます。

「佐々木ちゃん、あの事件の筋ってどうなのよ」
「たぶんカンじゃないかって幹部は言ってるよ」

 カンというのは、カネ目当てではなく、人間関係のもつれが動機になった事
件という意味です。

「男女関係?」
「らしいよ。過去に何人かの交際相手がいて、たぶんその中のひとりだろうっ
て踏んでるらしい。まだ全部当たりきれないみたいだけど」
「じゃあ解決までそんなにかからないかね」
「即決だって言ってた」

 そして雑誌の次号には、私が話したネタが「捜査本部によると」「捜査関係
者によると」「取材に当たっている全国紙の警視庁担当記者によると」など、
ひどいときにはまるで3人ぐらいの情報ソースがあるように書き分けられ、
もっともらしい記事となって掲載されるというわけです。「捜査本部」も「捜
査関係者」も「警視庁担当者」も、実はすべて私の話した内容だった、という
ようなことも珍しくありませんでした。

 このように新聞・テレビと当局、そして新聞・テレビと雑誌は、目的はそれ
ぞれ異なるものの、「事件報道がたいへんな注目を集める人気コンテンツであ
る」という戦後社会の前提のうえで、ある種の共犯関係を構築していたという
のが実態だったのです。

(以下次号)



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英語キュレーション
〜〜本メルマガ限定で米国の注目IT系記事を紹介!
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 今年3月に開設された「ワンタイニーハンド(小さな片手)」というタンブ
ラーのサイトが大人気になっているそうです。セレブの写真を加工し、彼らの
片手を小型サイズに縮小して見せるという不思議な内容。最初の10日間で80
万ビューを獲得し、その後も更新が続いています。見てみると、たしかに
ちょっと魅力的。
 ところがこのサイトを真似したとしか思えないテレビCMが登場しました。
ポテトチップス「プリングルス」のこのCMでは、どこかジャングルの知られ
ざる部族の「手を小さくする」という通過儀礼を紹介するドキュメンタリ風
で、小さい手だからプリングルスのポテチを取り出しやすい、というようなオ
チになっています。
 これってパクリでは?果たして模倣はどこまで許されるのか?という問題が
提起されています。とりあえず見比べると面白いよ。
■新しいプリングルス広告は「小さな片手」タンブラーサイトの盗作だ (プ
リングルスCM動画あり)
(New Pringles Ad Rips Off 'One Tiny Hand' Tumblr)
http://on.mash.to/JOB5pU
■「小さな片手」サイト
http://onetinyhand.com/


 自動運転の自動車を実現させようというSARTRE (Safe Road Trains for
the Environment)
計画がスペインで125マイルの公道での実験に成功しました。
 「自動運転」というとグーグルのものが有名ですが、このSARTRE計画と
何が違うのでしょう?
 記事によると、SARTRE計画では完全な無人運転を実現するのではなく、
プロのドライバーが運転する先導車に誘導されて無人のクルマの車列を形成す
るという方式。それぞれのクルマは、前のクルマと無線ネットワークでつなが
り、レーダーとカメラの補助によって速度と方向を判断していくのだそうで
す。
 EUによって資金提供されているこのSARTRE計画の目標は、既存の道路シ
ステムを大幅に修正しなくても環境保護を実現し、自動車道の安全性を高めて
いくということ。
 完全な「無人カー」はかなりハードルが高そうですが、SARTREのこのよ
うな方式であれば膨大な量のトラック物流網を一気に改善させることに成功し
そう。ただトラック運転手はさらに仕事を減らしてしまう結果にはなりそうで
すが。
■自動運転された3台のトラックのキャラバンが125マイルの公道テストに成

(Autonomous three-car caravan completes 125-mile public road
test)
http://vrge.co/JOC0GD

 街の書店の意味とは何か、ということを問い直した記事です。キーポイント
は「パーソナライズされたサービスとコミュニティだ」と言い切っています。
 たとえばアップルストアを考えてみよ、とも。単なる小売店ではなく、その
場が「溜まり場」になるようなデザインと動線の設計が行われています。書店
も同様に、単に「本を買って出ていく」という小売店でなく、そこが溜まり場
になりうるような仕掛けを考えていくべきだと指摘しています。
 そして、セルフパブリッシングの発信地としての可能性が挙げられていま
す。Kindleストアなどでのセルフパブリッシング(自己出版)は英語圏では当
たり前になってきていますが、慣れていない書き手にとっては具体的なノウハ
ウを知る場所があまり用意されていません。そういう質問に答えてもらえる、
信用できる場がセルフパブリッシングにはこれまで存在しなかったのです。た
とえば「セルフパブリッシングはどう始めればいいのか?」「最良の電書プ
ラットフォームは?」「マーケティングキャンペーンはどうすればいい?」と
いったノウハウです。
 これを書店が手がけ、文化の発信地にしていけばいいのではということで
す。これをどうマネタイズするのかという問題はありますが、そうした方向も
あり得るのだということは一考の余地があると思います。
■書店の再発明
(The reinvention of the bookseller)
http://oreil.ly/MbwdjM

 Facebookが日本で急成長している、というブルームバーグの記事です。
 ニールセンの数字によると、半年前には600万人だったユニークユーザー
数が今年2月には1350万人に達したそうです。そしてこれはSNSとしては日
本一に躍り出たことだ、と指摘しています。ただしここで比較されているのは
ミクシィとTwitterで、GREEやモバゲーは含まれていません。GREEモバゲー
は別種のサービスと考えられているということなのでしょう(私もそう捉えて
います)。
 同じように日本史上に参入してきているリンクドインのアジア太平洋ディレ
クターのコメントが掲載されています。「Facebookは日本で遂にコーナーを
回った」と。
■Facebookが日本でついに最多のユーザーを獲得
(In Japan, Facebook Wins the Most Users - Businessweek )
http://buswk.co/JTjHjB

 HPのプリンタ部門の売上がこの四半期は10%下落したそうです。同社のメ
グ・ホイットマンCEOによると、最大の原因は、消費者が写真を印刷しなく
なってしてきているということ。
 消費者は写真を印刷しないかわりに、FacebookなどのSNSに写真をアップ
ロードし、友人たちと共有する方向に楽しみを見いだしています。今までのよ
うにわざわざ印刷し、それを手紙などに同封して友人に送る必要がなくなって
しまったということですね。これは当然の方向性かも。
■フェイスブックはHPのプリンタ事業を終わらせるか?
(Is Facebook killing HP’s printer business?)
http://bit.ly/JTkGAz

 いま起きている新しいデジタルデバイドは何か?というニューヨークタイム
ズの記事です。
 デジタルデバイドというのは1990年代にさかんに使われた言葉で、イン
ターネットやコンピュータを使いこなせるかどうかという差が経済格差をもた
らすという指摘です。このデジタルデバイドを無くすため、各国はブロードバ
ンドの回線整備やPC、携帯電話の普及に力を入れてきました。
 この結果、旧来のデジタルデバイドは以前ほどには問題ではなくなりまし
た。
 この旧来の「ネットが使えるかどうか」のデジタルデバイドがなくなったわ
けではありません。FCCによると、アメリカ人世帯の65%は自宅にブロード
バンドを引いていますが、世帯収入2万ドル以下の家庭ではこの比率が40%
に落ちてしまっています。またヒスパニックでは約半数、黒人では41%の家
庭がブロードバンドの恩恵にあずかっていません。
 ところがいま起きているのは別の事態です。ブロードバンドやスマートフォ
ン、PCが普及した結果、驚くべき「副作用」が表れてきているとこの記事で
は指摘しています。
 「インターネットデバイスが普及した結果、貧しい家庭の子供たちほど、ガ
ジェットを使って長時間動画を視聴し、ゲームを遊び、そしてSNSに長時間
入り浸っていると言うことが明らかになった」
 豊かな家庭は「子供にどうPCやスマートフォン、タブレットを使わせる
か」というポリシーが比較的明確で、子供たちが自由放任にこれらのデバイス
を使い放題ということはありません。しかし貧しい家庭ではそもそも親のメ
ディアリテラシーが低く、子供をきちんとコントロールできていないケースが
多いということですね。
 2010年に発表されたある基金の調査によると、親が高卒・高校中退以下の
学歴の両親の子供と、大卒以上の両親の子供を比較すると、1999年段階では
メディアに触れる時間は前者が16分多いだけでした。ところが今やこの差は
90分に広がっているそうです。
 そこでアメリカでは政府やNGOなどが、この問題への取り組みを始めてい
るようです。基本的なキーボードの使い方からワープロの操作法、オンライン
での求職方法や子供がポルノなどを見ないようにフィルタリングするやり方な
どを、貧しい家庭の両親に教えるプログラムということです。
 記事にはこうあります。「いまのデジタルデバイド解消には新たな意味が加
えられている。それは『両親や学生に、デジタルツールの使い方やテクノロジ
をつかって教育・職業訓練するノウハウを与えること』だ」
■暇つぶしが新しい「デジタルデバイド」に
(New ‘Digital Divide’ Seen in Wasting Time Online)
http://nyti.ms/L1Jsht


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今週のキュレーション
〜5月27日〜6月2日に紹介した記事から「これは読むべき!」を厳選!
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河本準一氏生活保護騒動について「ただ何でもいいから叩きたい」というだけ
の動きに政治さえも乗ってしまうことへの絶望。誰も構造を分析し論点整理せ
ず、ただ漠然とした気分に取って変わられている。
■星野智幸 言ってしまえばよかったのに日記
http://t.co/Q0Hoxal5

「30年後も残る仕事を選べ」と言われてもそんな将来のことは誰にもわから
ない。リスクを取った方が本当は安全かもしれない、ということに気づかない
と。
■吉崎達彦 極端なリスク回避は停滞への道 産経ニュース
http://t.co/YgbGpHGD

中間共同体消滅の先に公的扶助と家庭内自助だけに二分させるのは危険すぎ
る。その「間」を考えないと。議論を始めようというちきりんに賛成。
■家族形態の多様化と「自助・公助」問題についての考察
http://t.co/7Bj8V4m0

イタリアのパルミジャーノチーズ年間生産量の10%が損失……これはたいへ
ん。
■チーズにかび・バルサミコ酢流失…イタリア地震被害深刻 朝日新聞
http://t.co/IxtoKjuz

興奮すると青いヒョウ柄が浮き出るヒョウモンダコ、なんて凶悪な面構えなん
だろう。かまれると嘔吐や痺れ痙攣。オーストラリアでは死亡例も。
■猛毒タコさらに北上、熊野灘に…温暖化影響か 読売新聞
http://t.co/7Dc3oPOC

キャッシュが溜まって重くなるらしい。アプリ削除と再インストールで直る
と。やってみたら本当に軽くなった!
■iPhone アプリ版「Facebook」の「クソ重い!」を一発で解決する方法。
http://t.co/HjvGAalk

六本木のシェアハウス「よるヒルズ」、あの小さなリビングルームのコタツ
で、驚くべき大規模なイベントを開催。すごい時代だなあと思う。
■『よるヒル超会議』開催決定☆
http://t.co/dZ6e74ii

電子雑誌アプリの有料化がうまくいっていないという話。WIREDもiPadで売
れたのは定期購読の4.1%。オープンなウェブに慣れてる読者が、アプリとい
う閉鎖圏域への幻滅?と。興味深い。
■出版社がアプリを捨てる日 WIRED.jp
http://wired.jp/2012/05/28/%E5%87%BA%E7%89%88%E7%A4%BE
%E3%81%8C%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA
%E3%82%92%E6%8D%A8%E3%81%A6%E3%82%8B%E6%97%A5/

読みにくいが非常に重要なことがたくさん書かれている。「成功したいのであ
れば膨大な情報を総合的に扱うことができ、絶え間ない変化と不安定の中で複
雑な問題への洞察の訓練を」
■これからの「仕事」の話をしよう
http://t.co/0LN3CK7v

単なるガワや見かけとしてでなく、ウェブのデザインが競争力や成長に直結す
る時代に。その概念をビューティフィケーションという言葉で説明している。
良記事。
■デザインこそコンテンツの未来 転換点の到来
http://t.co/SSKeHzcF

関東の梅雨末期の降水量は昨年の3倍の可能性も、と。3倍!?
■今年の梅雨は平年より5日ほど「短め」ウェザーニューズ、「梅雨の降雨傾
向」発表
http://t.co/DWHmqqMQ

総中流社会の終焉の先にやってきた分断社会を、実にみごとに捉えた、そして
同時にまったく身も蓋もない記事。この先にどのような包摂性があり得るんだ
ろう。
■環境という足枷 - G.A.W.
http://t.co/TSvM0EPN

カニバル事件続き。犯行当日ルーディ・ユージン容疑者は午前2時に突然恋人
の家を出て行き、クルマで友人宅へ。午前6時、イベントに行こうと誘ったが
断られ「ひとりで行くよ」と。
■Exclusive New Details: CBS Miami
http://t.co/2ZiNq0II

さっきの連投をFacebookにまとめておきました。それにしても不気味。「マ
イアミの気持ち悪いカニバル事件詳報」
■Facebook私のフィード購読もどうぞ。
http://t.co/7aOtM1LW

雑誌POPEYEがリニューアル……しかしこれは絶句。いまマガジンハウス編
集者の平均年齢は40代で、20代は数えるほどしかいないと前に聞いた。
■「ポパイ」のリニューアルで考える時代の変化 シティボーイは復活するの
か、ホントに
http://t.co/Ke468O37

ティム・クック、CEO就任後初めての突っ込んだ長いインタビュー。米国内
生産への回帰やSiriの改善などを約束。いろいろ興味深い。
■「素晴らしい」新製品を準備中 アップルのクックCEOがDカンファレンス
に登場 WSJ
http://t.co/oYsOc4vD

いろいろたいへんだと思うけど、この先の音楽とリスナーの関係性を予感させ
てくれる良記事。応援。
■“楽曲は無料、ライブも無料”の時代を 日本の音楽業界に挑む米国人シン
ガー (ブロゴス)
http://t.co/Efa8ELG3

コンシューマITに打ち倒された企業IT、しかしその先の仕事は消滅するのでは
なく場所を変えるだけ、と。単なるシステム構築ではなくITと社会の橋渡しと
いう方向に行くのかも。
■クラウドと「iPad」の繁栄 そしてギーク時代の終焉
http://t.co/MUIVQzMg

人間の行っていた単純作業をITに置き換えるだけの「電算化」ではなくゼロ
ベースで枠組みから考え直す「情報化」を、と。実に的確な事例と指摘。
■改札を機械化する日本、改札をなくす韓国 情報化の本質とは何か 廉宗淳
http://t.co/2HxY3wFn

北朝鮮を奇妙な国と表現することでその表しかたが固定化し、メディアは自縄
自縛になり実態を伝えにくくなっていく。これすごく難しい問題だと思う。
■「将軍さま」と「事実上のミサイル」 その意外な共通点 森達也
http://t.co/kFkVPoiG

どこも気持ち良さそう。これから梅雨に入るまでがオープンテラス楽しむ数少
ない季節。
■開放感たっぷりの屋上カフェ【東京】 - NAVER まとめ
http://t.co/v7XxM6TY

最近のアップル新製品の噂のまとめ。11日からのWWDCはたぶんiPhoneは
出ず、MacbookProが全面リニューアル?
■次期iPhoneのリークの火ぶたが切られた! @CDiP
http://t.co/K3PLejuw

「企業にはもはや企業戦略など不要であり、環境に対して柔軟に適応する能力
こそが重要」。最近流行のリーンスタートアップとも共通する考え方。移行期
にはこうならざるをえないと思う。成毛眞さん書評。購入。
■『アダプト思考』
http://t.co/awnlyFUM


産業構造が変わってきて、ますますものごとを「体系化できる」「抽象化でき
る」という能力が必要になってきているという話。長いが良い記事。
■「頭がいい」とはどういうことか 紙屋研究所
http://t.co/jMKmqSpb

クルマの自動運転をめぐる日本自動車業界の最新事情を俯瞰する。今後の実現
には、技術的壁よりも政治的社会的壁の方が大きいと思う。
■「ぶつからないクルマ?」スバルEyeSight販売好調 2020年代初頭「自動
運転」実現への期待と不安
http://t.co/nVmMTp9t

三浦半島のひずみは関東大震災で解放されたが、こちらは300年間ひずみが
たまり続けている、と。もう次から次へと……。備えをしよう。
■房総半島沖で大地震の可能性 NHK
http://t.co/AFFPTbqJ

これは凄い。写真見てるだけで足がぞわぞわ。
■空中でジャワティ:地上40メートルでテーブルごとつるされて……空中レ
ストランでお茶してきた
http://t.co/zfpaaf1J

受託開発は2007年をピークに下がり続けている。サービス化とグローバル化
は前から言われているのに、いまだ対応できていない大手の状況。
■田中克己の針路IT - 受託ソフト開発会社は、もう終わり!:ITpro
http://t.co/98USpqxz

前に買収していたレストランガイドのZagat口コミ情報が、Google+についに
統合。ただ機能的にはまだ不十分と。
■グーグル、ザガットのレストラン・ガイドと地域情報サービスをG+と統合
http://t.co/EKzljxtv

お店のおいしそうな料理写真を共有するFoodspottingが日本語化されてた。
TIME誌の「2012年のiPhoneアプリ50選」に選ばれてる人気アプリ、インタ
フェイスが秀逸。
■App Store - Foodspotting
http://t.co/rEhPcehb

このシリーズめちゃめちゃ面白い。読みふけってしまった。実際に床が抜けた
家の修復事例とか凄い。
■続・本で床は抜けるのか マガジン航
http://t.co/HuFWTudU

これは凄い進化。ログイン作業が必要なWiFiにも自動接続し、スリープ時も
PCのアプリをアップデートし続ける。
■デバイススケープ、インテルとの提携でスリープ中もWi-Fi接続できる機能
を提供
http://t.co/RMPJeFfs

ヴィレヴァンが中高年向けの新業態の店舗を展開しているらしい。拡大路線で
尖った感じを出しにくくなり、そこで年齢セグメントを分けてブランドを分割
しようとしているのでは、と。へー。
■ヴィレッジヴァンガードの変貌を探る
http://t.co/wzHf6tBF

良記事。世界を体系化して見られるようになるってことが大切だと思う。
■「こんなこと勉強して何の役に立つの?」と聞かれた時、言葉を尽くせない
大人が知性を殺す
http://t.co/YpuTN3L1

安いサービスにまでクレームを言う人がいる中で、そうしたつまらないクレー
ムを回避できるというメリットが大きいと思う。英断。
■大胆なスカイマーク「苦情受け付けない」「丁寧な言葉遣い義務付けなし」
スポニチ
http://t.co/NClJfS5J

どこかに絶対的な悪があると妄想することの危険。生活保護の不正受給ばかり
を問題にすることで、生保を受けてる人に不正受給者が多いという印象を振り
まき、結果的に生保受給者を叩く言説になっている。
■聖域を妄想する現象の結末
http://t.co/0jmOItH5

バブル時代の先鋭的文化を代表したあの輝かしいセゾン、いまは昔の物
語……。
■西武、H西洋銀座...銀座セゾン閉店にみる堤家の没落
http://t.co/8kp9USrN

英米独仏では書籍売上高は順調に伸びている。出版崩壊は雑誌衰退に引きずら
れた日本の特殊事情であることを認識すべき、と。これ私も「電子書籍の衝
撃」で書いた。
■出版状況クロニクル49
http://t.co/OQPe0Uxl

新しい生き方を編み出せるのは一部の優秀な人たちだけで、多くは生き方を誰
かから教わらなければならない。しかし身の丈に合った「手本」がいま欠如し
ているのかも、と。本当そう思う。
■「貧しい」とはどういうことか - デマこいてんじゃねえ!
http://t.co/KJzkg3bF

なんとこれは素晴らしい。どういうアプリが使われるかが気になる。
■朝日新聞デジタル:タブレット端末を全小中学校に導入へ 大阪市
http://t.co/6n1Nx73Y

行方不明みたいな話があったけど、亡くなられたのか。31日、都内の病院
で。69歳。ご冥福を。
■歌手の尾崎紀世彦さん 死去 NHKニュース
http://t.co/Fqowth3w

……これいろんな意味でいまの社会のありようを象徴してるかも。身も蓋もな
いけど。
■田舎で成功し始めると金をむしられまくる。田舎と都会のフェアネスの違い
fromdusktildawnの雑記帳
http://t.co/RqjNjPwX

どうしてこうなった……カーテンやソファの臭いも脱臭してくれるテレビ。
■パナソニック、ナノイーを一体化した液晶テレビ--カビやダニを抑制 -
CNET Japan
http://t.co/i5vDNxHq

これ大切。「下り坂に駐車」方式で、翌日仕事の続きをはじめるのが楽ちん。
■「わざと中途半端なところでやめる」ことが生産性アップのコツ : ライフ
ハッカー
http://t.co/DMTFDenW

「会議に遅刻しそう」と書いたら「ゆうべはありがとう!だいぶ飲み過ぎてた
ね」とキャバ嬢からコメントが入ったり。たしかにそれは要注意(笑)。
■フェイスブックでキャバクラ嬢と「友達」になるリスクを考える
http://t.co/wq0fDry7

かなり美味しそう。今度やってみよう。
■これはワインが飲みたくなる! 「カマンベールチーズ+ブルーベリージャ
ム」をチンすると極上スイーツに大変身するぞ!
http://t.co/3PlhVbFm

Googleマップが6日にリニューアルされるらしい。「次の次元へ」と告知さ
れ、3D化では?と。アップルがiOS6で独自3Dマップ搭載するという話への
対抗か。
■Google planning to introduce map
http://t.co/5FCGm9Pd

Nook版トルストイ「戦争と平和」で、Kindled(灯された)の単語がすべて
Nookedになってることが発見された。なんじゃそりゃ。
■War and Peace turns the word “kindled” into “Nookd”
http://t.co/4f57dR5E

バブルのころはお金の流通量は多かったかもしれないが、生活文化は質が低く
価格も高かった。社会の富は今の方が確実にストックが増えている、と。本当
そう思う。
■やっぱ昔より今がいいよね。 所長サンの哲学的投資生活
http://t.co/7vUGg7FF

半世紀前からあるコクヨのキャンパスノート、細かく地道な改良がロングセ
ラーに。日本はこういう製品本当に素晴らしい。
■25億冊売れた「キャンパスノート」のロングセラーたる理由
http://t.co/6DskKjHd

すごくリアルに伝わってくる。これ多くの人に読んでほしいと思った。
■元受給者が語る生活保護から抜け出せない5つの理由 - Togetter
http://t.co/4H9D6P5G

スーパー噴火や小惑星衝突、超新星爆発など。読んでいたらたいへん運命論的
な気分になってきた。
■「世界の終焉」8つのシナリオ WIRED.jp
http://t.co/qDYWdFlJ

お笑いタレントの親族に生活保護受給者が多いということ自体が、日本の社会
のいまの有り様を浮き彫りにしているのかも。吉本興業は貧困脱却のジャパ
ニーズドリームになっていると。
■ジャパニーズドリーム - mizuiro_ahiruの日記
http://t.co/ngjpHpYd

これからの時代には強者弱者の定義も変わってくるだろう、と。
■佐々木俊尚×田原総一朗×80年代生まれの若者4人第五回「『弱者のノマド
論』とムラ社会崩壊後の社会保障」
http://t.co/koMedPDX

この参加者の方のブログをこの前読んで気持ち悪くなり(グロい写真もあっ
た)、Twもしなかったんだけど、やっぱり社会問題に……。
■“人体食べるパーティ”主催者が下半身の一部切除か 杉並区調査 MSN産経
ニュース
http://t.co/A89ovaCF



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今週のライフハック
〜〜フェイスブックにスケジュール投稿機能がやってきた!
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■Facebookにスケジュール投稿機能が追加された件 | Technomado
http://bit.ly/Kkrfjw

 私はBufferという自動投稿アプリを使ってツイッターの朝キュレを投稿し
ています。だいたい午前6時ぐらいから投稿文を作り始め、8時のスタートま
でにほぼすべてを終わらせるというのが毎日のスケジュール。皆さんが私の朝
キュレをご覧になるころには、私はジムに行って着替えてランニングしている
というわけです(笑)。

 このBufferにはTwitterとともにFacebookにも投稿する機能がついている
のですが、これはあまり有効ではありませんでした。なぜならFacebookでは
外部のアプリが公式APIを利用して投稿した場合、その投稿がかなり間引かれ
て表示されてしまうという制限が存在するからです。

 つまりBufferからFacebookに投稿すると、私のフィードを読んでいるフレ
ンドやフィード購読者の方のタイムラインには、朝キュレがかなり減らされて
表示されてしまうということですね。

 これを避けるためにFacebookに関しては手作業で朝キュレをコピペして投
稿していたのですが、面倒なのと、Twitter投稿後はさっきも書いたようにジ
ムに出かけてしまうので、時間のずれが生じてしまう(だいたいお昼ごろに
Facebookに転載してます)という問題がありました。

 しかしこのFacebook純正のタイムスケジュール投稿機能を使えば、外部
API経由のように間引きされることはないでしょうし、Bufferと同時に予約し
ておける!

 今のところひとつひとつの投稿ごとに時間を設定しなければならず面倒です
が、使い勝手はすぐに改善されるのではないかと期待しています。

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今週のブックレビュー
〜〜フランスの著名レストランで戦い続けた歴戦の勇士、仕事を語る
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■『調理場という戦場』 amazon.co.jp
http://amzn.to/KklDps

 「メルマガ限定の書評を読みたい!」と読者の方からご要望がありました。
私も書評というのはこのメルマガでお伝えするのに良いコンテンツだなと感じ
ましたので、今後はブックレビューもお届けしていこうかと思います(しかし
こうやってメルマガのコンテンツがどんどん増えて行ってしまっています
ね・・みなさん読み切れているのだろうか)。

 第1回で取り上げるのは、港区三田にある有名なフランス料理店『コート・
ドール』のオーナーシェフ斉須政雄さんが書かれた「仕事論」の本です。新刊
ではなく、2002年の刊行。上記のAmazonリンクにある幻冬舎文庫版は
2006年の刊行となっています。

 『コート・ドール』は私も非常に好きな店で、過去に数回訪問させていただ
きました。白金高輪の駅からほど近いところにある静かな住宅街、その中にた
たずむ大きなマンションの一階にお店はあります。たぶん間近まで行かない
と、そこにレストランがあることなど誰も気づかないでしょう。しかし中に入
ると非常に静かで柔らかな光が店中を満たしていて、なんだかほっとした空気
感であふれています。グランメゾン(高級フレンチ)というと大げさで入りに
くい感じの店が多いのですが、ここはそんな雰囲気はまったくなく、実に親密
な感じが良いのです。

 料理も日本的というか、非常にシンプルで軽い。「ハマグリの炭火焼きとサ
ラダとメイン料理」みたいなこじんまりとした頼み方をすれば、フレンチであ
りがちな「食べ過ぎて苦しい……」状態にならずにすんで、楽しく会食を終え
られます。このお店、グランメゾンの最初の入り口としてもたいへん良いと思
うので、「高級フレンチというものに一度行ってみたい」と思われている方に
もお勧めできます。

 書籍に話を戻すと、この本はそうした「やわらかいコート・ドール」とは
打って変わって、非常に激しい本です。斉須さんがフランス語もまともにわか
らないまま23歳で渡仏し、さまざまなレストランで修業していく様子が描か
れています。どんどんお店をステップしていく感じ、シェフや同僚たちとの激
しいバトル、まるでドラゴンボールか何かのマンガを読んでいるようなおもし
ろさがあります。

 そして同時に、「なるほど!」と思わせる素敵な表現があちこちに散りばめ
られています。

 渡仏直後、フランス語がわからなかったころ。「何を言っているのかわから
ないから、我が身を託していい相手を、そぶりや顔色や声のトーンで判断して
賭ける必要がある。そういう方向の判断力は研ぎ澄まされたかもしれません。
人がウソを言うときの雰囲気はよくわかるようになった。それがわからない
と、自分はそのレストランでは生きていけないから」

 三店目で、徹底的に店を磨き上げることの意味を教えてもらったというこ
と。だからコート・ドールでは、いちばん汚れるところには足ふきマットのよ
うな「汚れをごまかすもの」を置かないようにしているそうです。「ごまかし
てマットを敷いてると、結局は見て見ぬふりをしてぐしゃぐしゃになってしま
うでしょう。マットというひとつのことですが、社会構造や人間関係など、多
く通ずるものが何重映しにもなっているのです」

 名店中の名店、三ツ星のタイユバンでのきびしい経験。「いつまでも前任が
なれ合いにならない。仲良しこよしを作らない。自分で経営を手がけるように
なって初めて、これは『タイユバン』のオーナーがその状態にしたのだ、とわ
かるようになりました。大所帯の企業を停滞させないための、彼なりの経営哲
学があの雰囲気を作り上げていた。優秀な企業のひとつの典型を見ました」

 どうでしょう。こうやって紹介しているだけで読みたくなってくるでしょ
う? お勧めです。


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佐々木俊尚からひとこと
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 先週のメルマガについて、読者の方から以下のようなご感想をいただきまし
た。



 「ソーシャルメディアは中間共同体になり得るのだろうか?
佐々木俊尚のネット未来地図レポート」を拝読いたしました。中間共同体につ
いて、私は大変に必要なものだと認識をしております。これは民主主義そのも
のの危機的な状況であるという認識が底辺にあるからです。

■「失われた民主主義 メンバーシップからマネージメントへ」シーダ・ス
コッチポル著 Amazon.co.jp
http://amzn.to/LMWD5F

 によると、民主主義そのものが中間共同体の存在によって裏付けされていた
ようです。日本だけではなく、世界中のあちこちで(当該書籍はアメリカにつ
いての言及のみですが)中間共同体が失われたことで、民意を集約しきちんと
国(政府)にフィードバックしていく仕組みも機能しなくなっているというわけ
ですね。もちろんマスコミが報道という形でのフィードバックを行っています
が、残念ながら政治よりも政局を、という大衆の方向性に抗いきれず、その場
その場でのフロー型の考察に押し流されています。

 ご指摘のようにSNSなどのインターネットの活用による紐帯も新しく出て
きているという状況下ですので、中間共同体の次のあり方も、懐古主義的なも
ののいい方ではいけないのかもしれません。ただまさにご指摘のアゴラ的な紐
帯ではなく弱い紐帯であるため、新しい中間共同体としての役割を担えるもの
か、心配です。

 世界のあちこち(日本でもギリシャでも)で起きている民主主義の衆愚性の発
露に対して、そろそろ強いリーダーシップを求めていく方向に向かっていく予
感がします。これはこれでちょっと怖いのですけども。

 話し始めると止まりませんね。取り留めのない感想で申し訳ありません。な
にか書きたくてメールをしてしまいました。佐々木さんの興味深い記事を楽し
みにしていますので、引き続きご活躍を期待しております。



 メール、ありがとうございました。ウィークタイズが中間共同体になり得る
のか?というのは、日本の共同体について今後考えていく上で非常に重大なポ
イントだと私は考えています。一方でおっしゃるように、国民国家が特に先進
国で衰退してきている状況の中で、より強いリーダーシップを求める動きも加
速していくでしょうし、この2つの流れがどうからんでいくのか。興味は尽き
ないのと同時に、たいへんな不安も生じてきていると思います。


「こんな話を書いて欲しい」のご要望、たくさんいただいて恐縮です。順次、
取り上げていこうと思っています。ご要望があれば、いつでもお気軽にメール
をいただければ幸いです。

メールマガジンの内容でご質問やご意見、ご感想などあれば、
mailmagazine@pressa.jpまでお気楽にメールいただければ幸いです。配信し
た内容とは無関係の質問でも結構です。ひとりで運営しているため、お返事を
お送りできるのはその週の終わりになると思いますが、ご容赦ください。必ず
お返事はいたします。

またメールマガジンの内容は、全文引用でなければ、内容の紹介や一部引用は
どんどんやっていただいて問題ございません。

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佐々木俊尚公式サイト
http://www.pressa.jp
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毎週 月曜日(年末年始を除く) 今月1/4回(最終 2017/12/04)
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バックナンバー
2017/11/27 海外で生産された超小型モジュールのLSIに紛れ込んだマルウェアは防げるのか 佐々木俊尚の未来地図レポート vol.476
2017/11/20 いまだ企業の意識は、2003年の個人情報保護法施行のまま 佐々木俊尚の未来地図レポート vol.475
2017/11/13 ディープラーニングの基本となる「パーセプトロン」を正確に理解する 佐々木俊尚の未来地図レポート vol.474
2017/11/06 AIプログラム「ディープペイシャント」は統合失調症を正確に予測する 佐々木俊尚の未来地図レポート vol.473
2017/10/30 現代人が物語を求めるのは、過去の時代への郷愁であるという説 佐々木俊尚の未来地図レポート vol.472
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