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週刊 Life is beautiful

「エンジニアのための経営学講座」を中心としたゼミ形式のメルマガ。世界に通用するエンジニアになるためには、今、何を勉強すべきか、どんな時間の過ごし方をすべきか。毎週火曜日発行。連載:菅首相に会って来た/米国で起業する時に知っておかねばならないこと。

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  • 毎週 火曜日(年末年始を除く) 今月3/4回(最終 2014/08/19)
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  • PC・携帯向け/テキスト・HTML形式

著者プロフィール

中島聡
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。 NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。
週間 Life is Beautiful 創刊号

私がブログを始めたのは2004年1月。最初は、離れて暮らす家族に向けた(当時、妻と子供だけが日本に帰国していた)ごくパーソナルなものだったのだが、しだいに家族以外の読者が増え、アルファブロガーとして選ばれたり、ブログの書籍化の話がいくつか来たり、カンファレンスでの講演を頼まれたり、とパーソナル・マーケティング・ツールとしておおいに役に立っている。

そんな私に、メルマガを始めるきっかけを与えてくれたのは、マイクロソフトに入ったばかりのころにお世話になった松本さんという方。最近お会いした時に、まぐまぐでメルマガを書いてみないか、と誘われたのだ。ある意味「枯れたテクノロジー」である有料メルマガがしだいにビジネスとして成立しつつある、という話は耳にしていたので、日本に来たついでに話だけ聞いてみようということになったのである。

実際に話を聞いてみると、ブログよりもより緊密な関係が読者と築けること、ブログと同じようなリズムで書けること、ブログと両立が十分に可能であること、などのメルマガなりの利点が見えて来た。私が編集長とライターを兼ねるデジタル週刊誌を発行するようなものである。ある意味、私が電子書籍に求めていたようなものが、実はメルマガという意外な形で既に存在するのである。

ということで、引き受けることにした。綿密な計画を立てるよりはまず走りはじめて、徐々に修正を加えるのが好きなタイプなので、まずはこうやって「メルマガを始めるにあたって」の挨拶を今週号のメインの記事として書いている。

また、先輩メルマガ・ライターたちを見習って、二つほど連載を始めることにした。一つ目は、「菅首相に会って来た」。7月28日に総理公邸にうかがって食事をしながらたっぷりと原発事故のことやら東電の事を議論する機会をいただけたので、それを3回ぐらいに分けてレポートする。

もう一つは、「米国で起業する時に知っておくべきこと」。私の米国での起業経験を元に、どんな所に気をつけるべきか、何を知っておくべきかなど、米国での起業を考えている人たちへのアドバイスを書いてみることにする。

連載:菅直人首相に会って来た(第一回)

2011年7月28日、菅直人首相に会って来た。きっかけは私のブログである。

私はもともと民主党支持者でも菅首相の熱烈なファンでもないが、海江田大臣の「原発安全宣言」に一連のイベントとそれに続くマスコミの「菅おろし」はあまりにも異常だと感じた。そこで、それに関する私の考察・解釈をブログで公開したのだが、それが菅首相の目に止まり(実際にブログに来てくれたわけではなく、ある人がプリントしたものを秘書さんを通じて渡したそうだ)、「このブログを書いた男に会いたい」となったそうである。

ブログを書く事により一国の首相に会えるとは思ってもみなかったが、「マスメディアの時代からパーソナルメディアの時代になる」とは、まさにこういうことを意味するのかも知れない。

夜の7時に総理大臣公邸に顔を出した私を迎えてくれたのは、伸子夫人。菅首相はまだ帰宅していなかったが、台所仕事をしながら私と気さくに歓談してくれる伸子夫人。彼女の私のブログを読んでいただけたらしく「中島さんはシャーロック・ホームズ。まったくあそこに書かれている通り!」と話がはずむ。

「3月11日以降、大変だったでしょう」と私が言うと、「あの人が立候補してから、ずっとこんな感じだから、私は慣れているの。私は『灰かぶり』なの」と言う。意味が分からず首をかしげる私に、「シンデレラのことよ。あの子はママ母にいじめられて、灰にまみれて働いてばかりいたの」と説明してくれる。菅直人という政治家と一緒になった限り、その回りには常に波風が立っているので、それによって巻き上げられた灰をかぶるのは自分の宿命、という意味のようだ。

硬直化した官僚組織と強大な力を持つ東電をなだめすかしてなんとかこの危機を乗り越えようと孤軍奮闘している菅首相を、(陰からひっそりとではなくて)後ろからがっちりと支えているのが伸子夫人だというのが良く理解できた。

(次号に続く)

連載:米国で起業する時に知っておくべき事(第一回)

米国でビジネスをする時に、まず頭に入れておかなければいけないことは「必要な時にはケチらずにちゃんとした弁護士を雇うこと」である。特に投資家からお金を集めたりする際には、ベンチャー・ビジネス向けのサービスを専門にしている現地の弁護士を雇う必要がある。

優秀な弁護士はとても高いが(1時間あたり200〜300ドル)、契約社会であるアメリカにおいては、お互いにとって大切なことはすべて契約書に盛り込んでから契約する、というのが常識。投資の際の契約条件をきちんとしておかないと、何年か後に会社が成功した時に痛いめに会うので注意が必要だ。

投資家からお金を集める場合、通常いくつかの優先権がついた優先株(preferred shares)を発行することになるが、その際の条件(株の値段や優先権)に「標準」などはなく、すべて「交渉しだい」なので注意が必要だ。新株の発行による創業者株の希薄化(dilution)の方はまだ分かりやすいのだが、特に残余財産優先分配権(liquidation preference)の方は慣れない人にはとても分かりにくいので、弁護士の力を借りる必要がある。

ちなみに、優先株とは、創業者たちが持つ普通株(common shares)と違い、いくつかの普通株にない権利(優先権)を付加した株のこと。どんな優先権を付加するかは、売り手(創業者)と書い手(投資家)の間で交渉して決める(ここで同意できなければ、交渉は決裂する)。

良く使われるのが、上に書いた残余財産優先分配権(liquidation preference)。会社が買収された場合に、普通株の株主と優先株の株主でそのお金をどう分配するかを決める、とても大切な条件だ。この分配権が「投資額の3倍までは優先株が先に取得する」と書いてあれば、まずは買収額のうち優先株の発行価格に株数を乗じたもの(つまり、投資家が優先株を取得するために会社に投資した額)の3倍がまず優先株の持ち主に分配される。そして、その残りを普通株と優先株の持ち主の間で所有する株数に応じて分配するのだ。

(次号に続く)
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