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べてるの家のメールマガジン「ホップステップだうん!」

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毎月 1日・15日 今月2/2回(最終 2017/02/15)
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北海道・浦河町のべてるの家や精神保健福祉(統合失調症やうつ、発達障害などのケアや支援)に関する記事を中心に、有識者との対談、コラム、講演録などを掲載しています。全国の当事者や支援者からのメールもお待ちしています。相談・質問・意見は記載されているメールアドレスにどうぞ。可能な範囲でみんなで答えていきます。よろしくお願いします。

著者プロフィール

べてるの家

1984年に北海道・浦河町ではじまった精神障害を経験した当事者を中心としたコミュニティです。メンバーは約100名で、有限会社、社会福祉法人、株式会社、NPO法人、その他自助グループから構成されています。2003年に保健文化賞、毎日福祉顕彰、2013年リリー賞を受賞。

毎月1日、15日の2回配信中。
北海道・浦河町のべてるの家や精神保健福祉(統合失調症やうつ、発達障害などのケアや支援)に関する記事を中心に、有識者との対談、コラム、講演録などを掲載しています。全国の当事者や支援者からのメールもお待ちしています。相談・質問・意見は記載されているメールアドレスにどうぞ。可能な範囲でみんなで答えていきます。よろしくお願いします。

サンプル号
▼サンプル号
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べてるの家のメールマガジン「ホップステップだうん!」

毎月1日、15日発行予定(配信が夜になる場合もあります)
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【もくじ】

・続「技法以前」 23 向谷地生良 「近代化以前」 

・伊藤知之の「スローに全力疾走!」 第26回
「リカバリー全国フォーラム 2013」

・「揺らぐ発達障害と気まぐれなシナプス」 鐘ヶ江邦子 019
「鈍感は祝福である 番外編:感覚過敏を誇る人たち2」


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続「技法以前」 23 「近代化以前」   向谷地生良
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先日、べてるを訪ねてきた来客者の一人に「べてるって、私がこの前に
行ってきたアフリカの○○に雰囲気が似てますね」と言われました。
そう言えば、昨年、浦河に来てくれたスリランカのNESTのソーシャル
ワーカーであるプリヤンタさんも、同様の感想を述べていました。

私なりに、その「雰囲気」を考えてみました。
一つは、自由気ままだけど、まとまりがあるということです。そこには、
人の支配や管理ではなく「自分の苦労の主人公」になることを重んじな
がら暮らしている人たちが醸し出す独特の空気があります。
二つ目は、誰が仕切っているのか見当が付かない、ということです。こ
れは、結構、見学者に言われることです。組織がフラットで、誰が指図
をし、動かしているのかわからないのに、それぞれが、役割をもって自
律的に動いている感じがするということです。
三つめは、メンバー、一人ひとりの個性が際立っていて、いわば、べて
るにはたくさんの顔があるということです。

そんなことを考えていたら、面白い新聞記事を見つけました。それは、
熊本在住の評論家、渡辺京二氏が著した鎖国を解いた江戸時代の終わり
から明治維新のはじまりまで、日本の近代化に貢献した外国人の書き残
した当時の日本人の暮らしぶりの記録を集めた本、『逝(ゆ)きし世の
面影』(平凡社)が12万部の超えるベストセラーになっていることか
ら企画されたものです。

「生きづらい世を生きる・近代化の意味を問う」と題したインタビュー
記事(朝日新聞2013・8・23)で、評論家の渡辺京二氏(1930年生
まれの日本近代史家で、2010年に「黒船前夜」で大佛次郎賞受賞)が
江戸時代の庶民の暮らしから現代を考えるという切り口から、記者のイ
ンタビューに答えている内容が大変面白く興味をそそられました。

「異邦人の目に映ったのは、幸福と満足にあふれる当時の日本人の姿だ
った。その後、私たちは何を失ったのか。なぜ生きづらい世になったの
か」を渡辺京二氏に聞くという切り口のインタビューで語られた江戸庶
民の暮らしぶりは、なんとべてるそのものの様でした。

最初に出てくるのが、明治初期に東大に招かれた米国の動物学者モース
が記した「日本に貧乏人はいるが貧困は存在しない」という言葉です。
渡辺氏は「貧乏と貧困」の違いは、居場所と役割があることだと言って
います。
次が、フランス人のブスケ(司法省顧問)の記録です。「日本の労働者
はちょっと働いたらすぐタバコ休みにする、これでは近代産業を移植す
るのは無理だ」と考えたというのです。これを、べてるの早坂潔さんに
話したら「なんだ、オレとおんなじじゃないか」と言っていましたが、
同感です。

そればかりではなく、「当時の日本人はまだ、自分が時間の主人公だっ
たんですよ。地固め工事のヨイトマケをみたモースも、日本の労働者は
まず歌い、それから滑車の綱を引くと。なんで労働の手を休めて歌うの
か、不思議に思うんです。要するに労働は資本主義の賃労働と違って、
遊びと分離されておらず、楽しみが含まれていた。そういう非効率なも
のを排除していったのが近代化だったわけです」

なるほど、べてるのみんなの、仕事中に歌い、踊る文化は、遊びと仕事
が一つであった時代の再現であり、人間が持っている素の感覚に近い生
活文化なのかもしれない、そう考えると、アフリカやスリランカにべて
るの雰囲気が似ているということの意味が、あらためてわかったような
気がします。
その意味で、べてるとは「近代化以前」をいまに伝える現代のサンクチ
ャリーなのかもしれません。



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・伊藤知之の「スローに全力疾走!」 第26回
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リカバリー全国フォーラム 2013

こんにちは。べてるの伊藤知之です。このメルマガをご購読されている方
の中には、8月9日・10日に行われたべてるまつりにお越しくださった方も
沢山いらっしゃるかと思います。私は、今回の幻覚妄想大会で「ぱぴぷぺ
ぽ賞」を受賞させていただきました。私のぱぴぷぺぽなエピソードで表彰
していただくのは2回目だったと記憶しています。べてるの中では、私のこ
のようなエピソードを日々記録して、いつか本として出版しようという話
も持ち上がっているようです。私のエピソードは、マンガやお笑い芸人の
ネタより笑えるものも多いらしいですが、この私のあわてぶりがいつか今
まで以上に多くの皆さんの目に留まることを期待しています。

さて、私は8月20日・21日と、東京・池袋の帝京平成大学で行われたリカ
バリー全国フォーラム2013に参加してきました。リカバリー全国フォーラ
ムとは、NPO法人地域精神保健福祉機構(コンボ)さん主催の、当事者
参加による医療・福祉サービスについて考えたり、当事者と支援者の枠を
超えて交流するイベントで、今年で5回目になります。私は今回が初めての
参加です。

1日目は、最初にアメリカのペンシルベニア南東部メンタルヘルス協会のア
ーミー・C・マウラさんの基調講演「アメリカにおけるリカバリー志向サー
ビスへの変革:当事者の自律的意思決定運動の経験から」を聞かせていた
だきました。
1800年代までは、アメリカでは、50年以上前の日本がそうであったよう
に、精神障がい者は自宅での家族によるケアを受けていました。1900年代
半ばから、アメリカで当事者運動が盛んになり、入院していた人が施設や
病院から去っていき、当事者が自分で意思決定をして受けるケアを決定す
る自律的意思決定が開始されるにいたったとのことです。
驚くのはアメリカの当事者のパワーです。自分たちの権利を守り、獲得す
るためにほ当事者が蜂起し、役所を取り囲む写真がスライドに映し出され
た時には驚きました。そうして、ペンシルベニア南東部メンタルヘルス協
会では、サービスの立案に当事者が関わるようになったり、調子のよくな
いメンバーとのコミュニケーションを高めつつ共感・理解を深める危機介
入チームがあったり、従来のピアサポートに加えてサポートの仲介・適切
な支援の紹介を支援内容に組み込んだ認定ピアスペシャリストが活躍して
いることなどを聞き、浦河の当事者活動にも取り入れていきたいと思いま
した。

午後からは、シンポジウム「リカバリー志向サービスへの転換 当事者参加
による支援サービスの意思決定」に向谷地宣明さんと登壇させていただき
ました。今回の発表は、リカバリーと当事者研究を絡めた指定発言で、私
たちなりのリカバリー感を少しお話させていただきました。

2日目は、午前から「『ホームレス』と『リカバリー』」の分科会で、べて
ぶくろのメンバーをはじめとする東京プロジェクトの発表を聞かせていた
だきました。午後は、「ピアスタッフが抱えるジレンマを考えよう!〜ピ
アの視点、専門職の視点、併せ持つ視点〜」と題した分科会に参加し、当
事者スタッフとして働いたり、当事者活動を行っていく中で、生計を立て
るための稼ぎを得ることや、メンバーに仲間として接するか、スタッフと
しての関わりをするかといった発言を沢山聞かせていただきました。

リカバリーという言葉が日本に入ってきたのは、2000年を過ぎたあたりか
らでしょうか。リカバリーとは、浦河流に表現すると、「病気・症状は治
っていないのに元気になっている」といったところでしょうか。浦河で
は、リカバリーという概念が日本に入ってくる以前から自己対処の技の開
発・共有や、自己充足感の充実を目指した仲間同士の連帯を大事にしてき
ました。これからも私たちは、浦河流の、自分たちなりのリカバリーとい
う長い旅路を歩んでいくことでしょう。



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「揺らぐ発達障害と気まぐれなシナプス」 鐘ヶ江邦子 019

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【鈍感は祝福である 番外編:感覚過敏を誇る人たち2】

<前回のあらすじ> - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
聴覚過敏、触覚過敏、嗅覚過敏、視覚過敏など過敏の他重苦に苦しむ人間を尻
目に、むしろ感覚の鋭敏さを声高に誇る人たちの存在を知った主人公。
空気の読まなさを盾に、彼女は感覚過敏をものともしない桃源郷への秘密の鍵
をつかめるのか…?
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - <前回のあらすじ>


前回ご紹介した感覚の鋭敏さを誇る人たち、たとえば

・iPodで音楽を聴くと気持ち悪くなります
・電車がまだ見えてないうちから音で混み具合を判断し、乗車ホームを変える
のってみんなやらないんですか?
・電子レンジで温めた料理は食べられません
・海外製はロットでかなりバラつきがあるのにお店が確かめもせずに並べてる
から、
仕方なしに店頭で袋を手のひらに載せて重さで判断してます
(※料理秤にも出ない数字)

…とまあ、他にも「スピーカーは普通にAC電源から取ったらノイズが入るから、
電池ボックス自作して乾電池で動かしてます」だの「電池と充電器の組み合わ
せは○○だと放電時の音質劣化が少ないよね」だの、話を聞いてて

「あ、私ドンカンだったんだ♪ 良かった(ハート)」

と思わせてくれる奇人もとい傑物が世の中意外と多いのですが、そういう人た
ちが思いっきり自慢気なのを見ていると、私も感覚過敏のつらさに黙々と耐え
るだけでなく、なんとか症状とうまく折り合っていけないかと思うわけです。

そこで、iPodで音楽が聞けず、電子レンジが使えない音楽家の女性に

「そこまで敏感だと毎日つらくないですか??」

と面と向かって聞いてきました。

さて、いきなり直球を投げてみたのですが、彼女から返ってきた答えはどんな
ものだったと思いますか?

答えは


「全然?」


でした。
正直具体的な苦労話がこのあと聞けると思ってたので、完全に予想外です。
っていうか彼女自身、なんでそう思われるか意外だという顔をしてたのが印象
的でした。

更に聞いてみます。

私:ご家族の理解がないと難しい場面、ないですか?
彼女:全然。家族も電子レンジ駄目だし。買って一回使って、すぐ捨てた。
私:えっっ、で、でも、敏感さでつらい思いしたこと、ないんですか?
彼女:不快は避ければいいことだし。

「 不 快 は 避 け れ ば い い こ と だ し 」

・・・。
・・・・・・。

あまりの文化の違いに気が遠くなりかけました。

ちなみにあまり根掘り葉掘り聞くのはさすがに失礼だと思ったので不確かです
が、たぶんご家族も音楽に携わっているはずです。
話の感じからそういう印象を受けましたし、活躍している音楽家で家族に同業
者がいない人は、かなり珍しいですから。
家族全員レンジで温めた料理が食べられないというのも、そう考えると納得で
きます。

結局彼女とのいくつかのやりとりの中で感じたのは、以下の点です。

・無意識に感覚からの情報を受容してしまうのではなく、意識して感覚を磨き
情報の取得に行っている
・感覚が鈍くなったら自分は終わり、という危機感を持っている
・意識的・無意識的にかかわらず、感覚を意図的に使っている(=コントロー
ル下にある)
・自分の繊細な感受性に、優越感にも似た誇りを持っている

まとめると、私たち感覚過敏症の人間が受動的に感覚器からの情報にさらされ
て、外部情報も内部情報もコントロール不能に陥るのに対し、彼女たちは能動
的、積極的で、半ば無意識に感覚からの情報をコントロールしているというこ
とです。

分析するまでもない結果になりましたが、まだまだこれでは桃源郷への秘密の
獣道に辿り着けそうにありません。
でもすでに規定文字数800字くらいオーバーしてるので、今日はこのへんで
お開きとさせていただきます。

それにしても例に出した人たち、私が「感覚置換」と名付けたケースに似てま
すね。
感覚置換についても近いうちに書こうかな。


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鐘ヶ江邦子 2002年、うつ病とパニック障害の診断・治療開始。2009年、
高機能自閉症と同時に双極性障害の診断を受けるまで躁うつの激しい気分の
浮き沈みに苦しむ。双極性障害の治療を始めてから発達障害独自の困難さに
変化が生じたのをきっかけに当事者研究を始める。
【現在気になること】4階の我が家のベランダに、なぜか昇天したコオロギ
が転がってる件。




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発行日:月2回(1日・15日)
発行開始日:2012年4月1日

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