BOMB書店☆静かなる読書

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詩を物語化したような、ミステリアスで、ファンタジックな小説です。 「BOMB書店」という一風変わった本屋から、毎週、日曜日に、不思議な本が届くようなイメージで配信いたします。 第二回目は、8月25日から配信開始です♪ タイトル 「オレンジとアップルと9cm王国」☆ 第一回目の「HOUSE OF DRAGON」の前に作られた物語です。 オレンジとアップルという姿や思考が似ている二人が、 不思議な人物や動物たち、精霊、妖精たちと、関わりながら、 消えてしまったネコのキャロルを捜す旅のお話です。 全四部からなり、一章ごとが短編小説のような味わい。「静かなる読書」にぴったりです☆

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メルマガ名
BOMB書店☆静かなる読書
発行周期
週刊
最終発行日
2017年12月17日
 
発行部数
15部
メルマガID
0001600010
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
アート・文芸 > 文芸 > 小説

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No.245
                                               
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆
市川裕子の詩や物語を紹介する「BOMB書店☆静かなる読書」です。
■発行者プロフィール ⇒ http://ichikawayuko.com/


こんにちは☆ 発行者の市川裕子です。

毎週日曜日に、市川裕子の描く、

様々な作品をお届けするメルマガです☆

私は、詩を中心とした創作活動をしていますので、

小説は、「詩的なものを物語化している」と思っていただけたら、

分かりやすいかと思います。

現在は、「オレンジとアップルと9cm王国」をお届けしています☆

オレンジとアップルという二人が、

屋敷を取り囲む塀を作り、部屋の壁に絵を描いたことから、

白いネコのキャロルが行方不明になるという事件が起こります。

そして、何かの異変により太陽が出なくなり、

暗闇の中をいろんな人物たちが彷徨います。

支配していた者たちが囚われ、

囚われていた者たちが逃げ出すなど、

それぞれが、それぞれの目的で動き回り、

そして、いろんな出会いを経験していきます。

さて、太陽は戻るのか?

オレンジとアップルは、キャロルを捜し出すことができるのか?

どうぞ、お楽しみくださいませ☆


☆前回のラストシーン☆

ジャードは、心の中で呟くと、
塔の外で、ドンドンと音を立てて揺すっている
小さな巨人ジャイロウと
アップルのために、
影の塔の扉を開けた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【★】「オレンジとアップルと9cm王国」  第四部  
 ☆ 第六十一章  黒い塔の扉 ☆ 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

アップルは、黒い塔の扉を探したが、見当たらなかった。

大きな顔と手を持つ小さな巨人ジャイロウが、
塔の壁を叩き壊そうと躍起になっている。

「黒い塔が影だとしたら、中に入ることは無理かもしれない…」
とアップルが呟く。

「無理? 無理だとしても、あの小さな影が、この中に入っちまったんだ。
俺たちは、中へ入って、あいつから奪い返す!」
 
ジャイロウは、むきになって、黒い塔を叩き、揺する。

「なぜ、小さな影が、あのジャードという男に、吸収されたと思うの?」
とアップルが聞く。

「なぜだって? 分からなかったのか?」
と言って、ジャイロウは、壁を叩く手を止めた。

「あいつ…あのジャードという奴…
あいつのマントみたいな体の中から、小さな声が聞こえたんだ。
小さな影の小さな声だ。
…俺は、影作りの女たちから、小さな影を奪った時、
この上着の右ポケットに入れて、ずっと歩き続けてきたんだ。
左のポケットには、影の森で捕まえたプルックを入れてね」
 
ジャイロウは、そこまで言うと、一呼吸置いた。

それから、大きく息を吸い、大きく息を吐くと、
アップルの目を見て、言った。

「…俺は、悪い奴さ。邪悪な奴だ。
ガラスの城のためなら…
いや、ガラスの城の姫たちのためなら、
何でもやるつもりで、ひどいことをしてきた。
でも、命を奪うことまではしていない。
俺は、ポケットに、小さな影と小さな鳥のプルックをねじ込んだけど、
いつだって、ポケットの中の命の音を聞いていたんだ。
ちゃんと息して、生きてるかってさ。
もちろん、あの時は、仲間だなんて思っていなかったから、
ぞんざいに扱っていたがね…
俺は、もともと、悪い奴だからさ」

「悪い奴じゃないと思うよ。
こうして、小さな影を取り戻そうとしているんだから」
とアップルは答える。

ジャイロウは、
「…このポケットの中から聞こえていた息の音を俺は、覚えているんだ」
と言って、自分の着ている上着の右ポケットを触る。

「だから、あいつ…
黒い影の男のジャードが、黒いマントみたいな体の中に、
小さな影を隠していることが分かったんだ。
小さな影の呼吸が聞こえてきたんだよ。
俺には分かったんだ。
絶対にそうなんだ。
もし、そうじゃないなんてことがあったら…
いや、絶対に間違いはない。
…でも、もし、アップルが違うと思うなら、ここにいてくれ。
俺だけ、この塔の中に、どうしても入る。
そして、ジャードから、小さな影を奪い返す。
…だから、アップルは、ここで、待っててくれ」
 
そう言って、ジャイロウは、再び、黒い塔をどんどんと叩いた。

叩き続ければ、黒い塔の中から、何者かが出てくるかもしれないし、
壁に亀裂が入れば、そこから、入り込めるかもしれないと思ったのである。

アップルは、ジャイロウのそばで、壁を眺め、
それから、その壁に触ってみた。

「影だと思ったのに、こんなに頑丈なのか…」
 
アップルは、その黒い塔の冷たく硬い壁に耳を当ててみたが、
何の音も聞こえない。

中には、影たちがたくさんいるのだろうが、
何の気配もしないのである。

ふと、塔の上を見上げてみた。

いくつかの窓があるようだが、とても手が届かない位置である。

窓が開く気配もしない。

暗闇の中に溶け込むように、黒い塔は存在し、
そのまま、消滅してしまうかのようにも見える。

アップルは、ぶるっと体を震わせた。

右手に持っている枝の先に赤い布を付けた旗が、
やけに重く感じる。

アップルは、その旗を左手に持ち替えようとした。

その時である。

左手が、自分の上着のポケットに当たったのである。

何か硬い感触がポケットから伝わってきて、
アップルは、
「何か入っていたかな?」
と思い出そうとしながら、ポケットに手を突っ込む。

「ジャイロウのポケットには、
小さな影とプルックが入っていた。
僕のポケットには…」
とアップルが唱えるように呟く。

「どうしたんだ?」
とジャイロウが、壁を叩く手を止めて、
アップルの方を振り向いた。

アップルは、ジャイロウに、ポケットの中に入っていたものを見せる。

「ねえ。ジャイロウ。これ、覚えている?」

「なんだ? それは?」
 
ジャイロウは、アップルの左手に持っている、
キラリと光る冷たそうな平べったい透明なものを見る。

「ガラスの破片だよ。
覚えているかな? 
最初に会った時のこと。
あの時、僕は、塀の向こう側に向けて、
このガラスの破片を投げ込んだんだ。
そしたら、君が、塀の向こう側から顔を出して、
こう言ったんだよね。
城が壊れた、修復しろってね。
僕は、とても驚いたよ。
だって、僕は、塀のそばに脱ぎ捨ててあったオレンジの靴の中に、
ガラスの破片が入っていたのを見付けて、
それを拾って、塀の向こう側に投げ入れただけだったんだ。
それなのに、ガラスの城の扉に当たったなんてさ」

「俺だって、驚いたさ。
俺は、ガラスの城の管理人だったんだ。
その扉に、いきなり空からガラスの破片が降ってきて、
刺さったんだからな」

「その破片…僕のポケットの中に入っていたんだよ」

「ガラスの破片…俺たちの出会いのもとか」

「そう。それで、僕は思ったのだけど、
この破片で、黒い塔をこじ開けることができるかなって」

「え?」

「分からないけれどさ」

「なるほど。
ガラスの城の扉を壊したくらいの破壊力だからな。
この黒い塔も破壊できるかもしれない。
投げつけてみるか」
と言って、
ジャイロウは、その破片をアップルから受け取ると、
思いっきり、黒い塔の壁に投げつけてみた。

だが、ガラスの破片は、壁に当たっただけで、
そのまま、すとんと地面に落ちた。

「なんだ。破壊力がなくなったのか?」
とジャイロウが肩を落とすと、
アップルは、壁の真下に落ちたガラスの破片を拾い、
「切れ目を付けたらどうかな?」
と言いながら、壁に、その破片を押し付けた。

黒い壁に、ガラスの破片が食い込み、
アップルは、
そのまま、ガラスの破片を壁に押し付けながら、
切り裂くように線を描いた。

「お! 裂け目ができたか?」
とジャイロウが興奮する。

だが、アップルは、首を振る。

「切れたわけじゃないよ。そんなに弱い壁じゃない。でも…」
と言いながら、
アップルは、黒い塔の壁に、
白い線となって刻まれたあとを繋ぐように、
さらに、続けて線を描く。

黒い塔に描かれた線は、
美しい白い光を放ち始め、
ジャイロウは、その線の美しさに驚く。

アップルは、更に続けて、線を描く。

まるで、キャンバスに絵を描くかのように。

黒い塔に、滑らかにガラスの破片の線が浮き上がり、
アップルは、勢いよく次々と、直線と、それから、曲線を描き続けた。

その線は、終わりなき世界を描くかのように、くねくねと動き出し、
木々や花々や草などの絵になっていく。

ジャイロウが、感心して、呻く。

「すごい。まるで、生きているようだ」
 
アップルは、黒い塔に、伸びていく草木を描くと、
それを囲むように、大きな扉を描いた。

ちょうど、ジャイロウと自分が入っていけるくらいの大きさの扉を。

小さな覗き窓や扉のノブまでを。

それは、まるで、お城の扉のようであった。

その扉は、黒い塔の壁に、白く光り輝く。

アップルは、夢中で、扉の絵を描き続ける。

ジャイロウの呼び掛ける
「アップル」という声さえ聞こえないくらいに。

アップルは、久しぶりに絵を描く感覚に取り憑かれて、
何も聞こえないような状態である。

「おい。アップル! もう、そろそろ、いいんじゃないか?」
とジャイロウが言いながら、アップルの肩を揺すり、
ようやく、アップルは、ジャイロウの方を向く。

「すごい絵だな。まるで、本当の扉のようだぜ」
とジャイロウが笑う。

「…ああ…」
と息を大きく吐いて、アップルは、壁を見る。

「本当にすごいな。このノブを回したら、中に入れそうだ」
と言いながら、
ジャイロウは、その壁に描かれたノブに触る。

だが、絵は、絵である。

描かれたノブを回すことはできない。

ジャイロウは、描かれた扉を叩く。

最初は、軽く、それから、激しく。

そして、力任せに、ぐいっと押してみる。

アップルは、ガラスの破片をポケットにしまい、
いつの間にか、地面に落としていた赤い旗を拾った。

「絵は、絵だよ。本物にはなれない」
 
アップルが呟くと、
ジャイロウは首を振って、どんどんと扉を叩き、押し続けた。

「もう、よした方がいいよ。ジャイロウ。君の手から血が流れているよ」
とアップルが言いながら、
ジャイロウの手を触ろうとしたが、
ジャイロウは、首を振って、扉を叩き続ける手を止めなかった。

「この扉の向こうには、あいつがいるんだ! 
小さな影がいるんだよ。止めるわけにはいかない」

「…でも、ジャイロウ。
…この黒い塔の中とは、壁一枚しか隔たれていないけれど、
もしかしたら、こことは、全く別世界なのかもしれないよ…」
とアップルが呟くように言った時である。

黒い塔に描かれた扉が、
ゆっくりと静かに、内側に開かれたのである。








To be continued. 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【★】編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「市川裕子の聖なる創作空間」

前回、お話しした女子会の
三人バージョンが、
昨日、終了しました。笑。

ライブ会場で購入した
お宝グッズの話で、
大盛り上がり。

お食事の方も
おいしくて、
話もどんどん広がって、
楽しい時間を過ごせました。

また、次は、新年会?

というところで、お開き。

私もいろいろエピソードを交えて、
お宝を披露し、
二人のお友達も
グッズへの思い入れを
たくさん披露してくれました。

さて、
今回の音楽紹介ですが、、、

実は、今日、これから、
ライブに行くんです!

ちょっと変わったイベントなので、
そのことも含めて、
「流星ラビットパンチ」のブログで、
お話ししますね。

もちろん、アルバム紹介もします〜〜♪

どうぞご覧くださいませ〜♪

http://ameblo.jp/rabittpunch/




それでは、また次回!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


「オレンジとアップルと9cm王国」は、
2013年8月25日から第一部開始、
2014年7月20日〜2015年7月19日までが第二部。
2015年7月26日〜2016年10月16日までが第三部。
そして、2016年10月23日から第四部を開始しています。

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■市川裕子ホームページ
└→ http://ichikawayuko.com/
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