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和歌山県立近代美術館メールマガジン 125号
2018年4月11日発行
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メールマガジンのこのページをプリントアウトして持参いただき、 チケット売場係員にお見せください。団体料金で鑑賞いただけます。
【1枚につき4名様まで有効。2018年5月13日(日)まで】
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今号の紹介
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1) 産業と美術のあいだで ~今週末から始まります
2) コレクション展もかわります
3) 今年のゴールデンウィークも美術館へ ~ただいま準備中
4) 石見ではじまる和歌山コレクション展
5) 貸出中の当館コレクション
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1) 産業と美術のあいだで ~今週末から始まります
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手元にあるチラシや雑誌、書籍などは、すべて印刷術によって作られています。美術はその時代時代に応じて、周辺からさまざまな影響を受けてきましたが、その最たるもののひとつが、この印刷術です。人の手作業によって生み出される版画も印刷の一種で、日本は木版により長い歴史を誇っています。また高度な機械による印刷術も、作品そのものの中に取り入れられましたが、一方で新しい時代の空気を示すモチーフともなってきました。
この展覧会では、産業としての印刷術が、美術の表現をどのように広げ、どのように変えてきたのかを、印刷資料、版画、絵画からご紹介します。
【会期】4月14日(土)~6月24日(日)
【会場】2階展示室
【関連事業】
◎フロアレクチャー(学芸員による展示解説)
4月29日(日・祝)、5月5日(土・祝)、5月26日(土)、6月23日(土)
いずれも14:00から展示室にて(要観覧券)
◎こども美術館部(小学生対象の鑑賞会)
「印・印・刷・刷・物・物・物」[いん・いん・さつ・さつ・ぶつ・ぶつ・ぶつ]
4月28日(土)11:00から(要観覧券)
*開始時刻までに受付をお済ませください。
*小学生は無料にて観覧券をお渡しします
*前回のメールマガジンで、開始時刻を誤って記載しておりました。お詫びして訂正いたします。
産業と美術のあいだで 印刷術が拓いた楽園
> http://www.momaw.jp/exhibit/after/post-145.php
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2) コレクション展もかわります
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1月から3ヶ月続いたコレクション展2018ー冬春も、あと数日です。院展の画家たちシリーズも、第1回目が終わります。ぜひお見逃し無く。
4月28日(土)からは、今年2つめのコレクション展が始まります。特集展示としては、「庭園の眺め 高橋力雄の木版画」と「院展の画家たちII」を設けます。
高橋力雄は、恩地孝四郎にも学び、抽象木版画の世界を探求しました。伸びやかで自由なかたちが、透明感のある色彩の重なりとあわさり、庭というモチーフを中心に、さまざまな情景を描き出す作品の数々を、ぜひお楽しみに。
今回の院展のコーナーでは、今村紫紅が参加した紅児会や紫紅会、赤曜会で学び、のちに院展で活躍した作家たちを中心にご紹介する予定です。
【会期】4月28日(土)~7月8日(日)
【会場】1階展示室
【関連事業】
◎担当学芸員による展示解説会
5月3日(木・祝)
14:00から展示室にて(要観覧券)
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3) 今年のゴールデンウィークも美術館へ ~ただいま準備中
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ゴールデンウィークも間近に迫ってきました。どこに行こうかソワソワ、わくわくの方は、ぜひ美術館へ。人混みは避けてのんびりしたいわとおっしゃる方も、どうぞ美術館へ。おでかけとのんびりが両立できてしまうのが当館です!
ゴールデンウィーク中は、ほぼ毎日なにかの催しを行っていますので、ご参加ください。
・4月28日(土)11:00~ こども美術館部「印・印・刷・刷・物・物・物」
小学生対象の鑑賞会です。
学芸員や他のおともだちとおはなししたり、ちょっと変わった道具を使ったりしながら、展覧会を楽しみます。
・4月29日(日・祝)14:00~ 「産業と美術の間で」フロアレクチャー
担当学芸員が、展覧会についてお話いたします。
・4月30日(月・休)終日 おしゃべり歓迎デイ(仮称)
普段は他のお客さんに迷惑がかからないよう比較的静かに鑑賞していただいている展示室ですが、
この日はどうぞ自由に、作品についてお話してください!おしゃべり歓迎します。
・5月3日(木・祝)14:00~ 「コレクション展2018-春夏」フロアレクチャー
コレクション展、特集展示について担当学芸員がお話いたします。
・5月4日(金・祝)14:00~ 「おこのみ鑑賞会(コレクション展)」
来館者のみなさまが「この作品をじっくり見たい」というものを選んでいただき、学芸員といっしょに鑑賞します。
・5月5日(土・祝)14:00~ 「産業と美術の間で」フロアレクチャー
担当学芸員が、展覧会についてお話いたします。
・5月6日(日)13:00~ 美術館博物館合同バックヤードツアー
普段は見られない美術館と博物館の裏側をご案内します。美術館1階受付集合
参加無料(電話にて要予約、先着20名/県立博物館 TEL:073-436-8670)
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4) 石見ではじまる和歌山コレクション展
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大下藤次郎展の作品をお貸出頂いた島根県立石見美術館へ、今度は当館のコレクションが出張します。いつもコレクション展の展示室にいるあの作品やこの作品が、しばらく石見の地でたくさんの来館者にお目見えする予定です。旅立ちを控えて、作品たちはスタンバイ中です。
出張するのは作品だけではありません。大事な作品を連れていき、現地でチェックする学芸員はもちろんのこと、山野英嗣館長は記念講演会で「和歌山から島根へ-日本のモダン・アートを発信する」と題してお話しし、さらには小学生対象の鑑賞会「こども美術館部」までもが、なんと石見に出張します!
「モダン・アートに出会う 5つの扉-和歌山県立近代美術館名品展」
島根県立石見美術館 特設サイト http://www.grandtoit.jp/museum/modern_wakayama/
【会期】4月21日(土)~6月17日(日)
【関連事業】
◎記念講演会「和歌山から島根へ-日本のモダン・アートを発信する」
講師 山野英嗣 和歌山県立近代美術館館長
4月21日(土)14:00~15:30
先着50名 聴講無料/申込不要
◎スペシャル・ギャラリートーク「こども美術館部 in 石見」
5月13日(日)11:00~11:45
要申込、先着20名
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5) 貸出中の当館コレクション ~あちらこちらで活躍中
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当館コレクション(所蔵作品)は、全国各地の美術館で活躍しています。
◎「阿部展也―あくなき越境者」
広島市現代美術館 https://www.hiroshima-moca.jp/
2018年3月23日(金)~5月20日(日)
出品>『フォトタイムス』1938年
ほか同書籍資料全14点
◎「モダン・アートに出会う 5つの扉-和歌山県立近代美術館名品展」
島根県立石見美術館 http://www.grandtoit.jp/museum/
2018年4月21日(土)~6月17日(日)
出品>佐伯祐三《レ・ジュ・ド・ノエル》1925年
川口軌外《少女と貝殻》1934年
石垣栄太郎《街》1925年
稗田一穗《幻想那智》1979年
田中恭吉《ひそめるもの。(公刊『月映』II)》1914年 *前期展示
ほか 全112点
◎「戦後美術の現在形 池田龍雄展-楕円幻想」
練馬区立美術館 https://www.neribun.or.jp/museum.html
2018年4月26日(木)~6月17日(日)
出品>池田龍雄《作品》1955年
池田龍雄《規格品》1956年
以上2点
◎「国吉康雄と清水登之 ふたつの道」
栃木県立美術館 http://www.art.pref.tochigi.lg.jp/
2018年4月28日(土)~6月17日(日)
出品>石垣栄太郎《自画像》1917年
石垣栄太郎《拳闘》1925年
石垣栄太郎《ボーナス・マーチ》1932年
石垣栄太郎《K.K.K.》1936年
石垣栄太郎《捕虜》1940年
石垣栄太郎《恐怖》1941年
石垣栄太郎《強風》1942年
清水登之《ヨコハマ・ナイト》1921年
以上8点
詳細は開催館にお問い合わせください。
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編集部より
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・学芸員室の窓から見える和歌山城の眺めが、この季節はいつもかわいらしい桜色に染まります。けれど今年は「あっ!」と言う間に、緑色に変わってしまいました。春とはいえ、いつもは寒さに震えながら楽しむ夜桜ですが、今年は過ごしやすかったのが幸いでしょうか。
桜の季節は終わってしまいましたが、ふと下を見ると、ツツジがつぼみを膨らませ、カナメが真っ赤にもえています。季節の移ろいを感じながら・・・迫り来るゴールデンウィークに備えます。
・・・美術館のつぶやきコーナー・・・
・「産業と美術のあいだでー印刷術が拓いた楽園」準備中の植野です。
日常に目にする印刷物と、視覚芸術である美術のあいだには、切れない縁があります。早い話が、勉強のためにながめた画集も印刷物で、その複製技術をつくりあげた人たちがいます。作家として認識はされていませんが、よく見てみるとその仕事はいわゆる「お仕事」を超えています。彼らへの、そして彼らの仕事を糧に独自の表現を実現した作家たちへの敬意を共有できないかと思います。
さらに言うと、何を見てわたしたちが育ってきたか、そしていま生きているかを考えると、現代の芸術のありかたにも納得できるのではないでしょうか。
[植野比佐見@産業と美術のあいだで]
・島根県立石見美術館で「モダン・アートに出会う 5つの扉-和歌山県立近代美術館名品展」が開催されます。同館から作品を借りて、3月末まで開催していたのが「水彩画家・大下藤次郎展」でした。今度は当館のコレクションを同館でご紹介いただきます。
同館のある益田市までは、和歌山から電車で6時間。美術館は、石州瓦というこの地方独特の赤い瓦で覆われた壮麗な建物です。津和野や萩といった観光地とも近く、これを機会に訪れてみるのはいかがでしょうか。
[宮本久宣@石見美術館出張]
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