架空のバーテン坂本明がトランプ元大統領の姪御さんによる著作について語る

架空のバーテン坂本明がトランプ元大統領の姪御さんの著作について語る


学歴を有さず生家の家格も低い架空のバーテン坂本明と申します。学歴を有すお客様に常に助けていただいております。欧州某馬術大会出場直後、現地紙に、ドイツ人教官と共に顔写真入りでデカデカと掲載されたことがあり、別件で日本経済新聞にも数回掲載されました。

『職務上得た情報は守秘義務対象』を意識しておりますが常に口がムズムズしております。担当店にて週1回ほどのペースで洋書の読書会を主催しており、今回はトランプ元大統領の姪御さんによる著作「TRUMP」について、不遜にも、語らせていただきます。海外店舗勤務経験有。

(解約のためのURL等は末尾に記載しております)


第１回：トランプ元大統領の姪御さんの著作の印象(前編)


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今回配信分の概要
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・担当店で洋書の読書会を行うようになったきっかけ
・本著作の全体的印象
・トランプ元大統領の祖父についてちょっと
・トランプ元大統領の父上についてちょっと
・トランプ元大統領の上の姉上についてちょっと
・トランプ元大統領の兄上についてちょっと
・トランプ元大統領の人格形成についてちょっと
・トランプ元大統領は本当に「たたき上げ型経営者」なのか
・トランプ元大統領の学歴の「暗部」についてちょっと

（執筆後記）
アメリカ大統領あれこれ
リチャード・ニクソンについて

（別のメルマガのご案内）
「架空のバーテン坂本明がヘンリー王子の著作について語る」について


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　本文　
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職業柄、実に多数の方々とお話しする機会がある。『職務上得た情報は他言してはならない』を信条すべきであり、本来は、このようなメルマガを刊行することなど自重すべきであることは重々承知はしているが、バーテンであっても人間。人の話を聞くだけでなく、自分の話を聞いて欲しいと思うときも多々ある。

担当店にて、ほぼ週1回のペースで洋書の読書会を主催している。学歴・経歴・職業に関係なく、英語に興味がある方々は大勢おられる。

相当な英語力をお持ちのお客様であっても、話題の著作を買った後、単独で読了することはほとんどないそうである。

途中まで読んでそのまんま、もしくは、一度も開くことなく、置きっぱなし、となることもよくあるそうだ。

そこで、私、筆者は、数の力学、つまり「連帯感」をうまく活用することを思い立った。つまり「みんなでやれば終わるだろう」というロジック。

ということで「みんなでやれば終わるだろう」を標語とし、お客様にお声がけをし、話題作の読書会を主催するようになった次第である。

毎回、英文を読める常連のお客様が輪番で20ページほど一気に読み上げ、営業開始後、その部分の内容を話題にして盛り上がるのである。

今回ご紹介するトランプ元大統領の姪御さんによる著作「TRUMP」をご存知である方は少ないと思うが、当店では、出版後、すぐに話題になり、早速に読書会のお題目とすることに決定。

姪御さんの知名度が日本では低くても、その姪御さんの叔父上は、あの、あの、あのトランプ元大統領である。

初代ジョージ・ワシントンから数えて40名以上の人物がアメリカ大統領となったが、先代のドナルド・トランプ元大統領ほど「奇抜」というか「斬新」というか「突飛」とうか「特異」な大統領はいなかったと筆者は勝手に思っている。

学歴もなく家柄も良くない筆者が、数行の文で元大統領の「奇抜」で「斬新」で「突飛」で「特異」な個性を表現しきることなど到底できないが、とりあえず、元大統領のあの個性がどのような経緯・過程で形成されたか、これには、大いに興味がある。

これについては、読書会に参加されたお客様、全員、同じ思いであるし、本メルマガをご購読下さっている読者の方々も、そうであろうと思う。

ここで、姪御さんについて、簡単にご説明しておくべきであろう。トランプ元大統領には、姉上がお二人、兄上がおひとりおられた。で、弟さんがおひとり。

今回ご紹介している著作の著者である、この姪御さん、は、兄上（フレディーさん：1981年に早世・享年42）のご息女である。

ちなみに、この姪御さんであるが、タフツ大学をご卒業後、コロンビア大学にて修士号を取得しておられる。コロンビア大学は、アイヴィーリーグと称される名門８大学の一つであるそうだ。

その後、ダーナー高等心理学研究所にて博士号（臨床心理学）を取得。幼少期の体験が人格形成にどのような影響を及ぼすかについて研究してこられたそうだ。

ということなので、トランプ元大統領の人格形成過程や発言パターンに関する知見は、拝聴に値するものであると筆者は思っている。

で、本著作の全体的イメージであるが、とにもかくにも、悪口の大盛りのオンパレードである。

悪口の「大盛り」の程度であるが、日本昔話の「ご飯の大盛り」を連想させるほどの大盛りである。

トランプ元大統領の父上（フレッドさん）に関する悪口、トランプ元大統領の母上であるメアリーさんに関する悪口、そして、トランプ元大統領に関する悪口、更にはトランプ元大統領の姉上のマリアンさんに関する悪口、と、まあ、すごいこと、すごいこと。

それに加え、トランプ元大統領の別の姉上のエリザベスさんに関する悪口、トランプ元大統領の弟さんのロバートさんに関する悪口まで、まあ、本当に、すごい。

上記ご血縁に関する悪口だけではなく、上記ご血縁の周辺人物、例えば、フレッドさん（トランプ元大統領の父上）に長年仕えた弁護士に関する悪口、姪御さんと姪御さんのお兄さんがトランプ家に対して起こした訴訟において姪御さんと姪御さんのお兄さんが起用した弁護士に関する悪口まである。

まあ、今回ご紹介申し上げているトランプ元大統領の姪御さんの著作であるが、いわゆる、暴露本であるため、まあ、悪口のオンパレードであることについては、違和感はないが「ここまで書きますか」という印象はある。

筆者が別企画でご紹介している、英国国王ご次男ヘンリー王子の著作も、暴露本であるが、悪口のトーンとしては、このトランプ大統領の姪御さんによる著作の方が、数段、上を行っているように筆者は思うし、読書会に参加したお客様方も、そう思っておられる。

筆者は、飲み屋の店員である。飲酒系接客業に従事しているものとして、敵は作りたくない。これが本音である。であるので、以後は「悪口」という表現は避け「苦言」「不満」「批判」のような表現を使用しようと思う。

「おなじことやん」と常連のお客様たち。ある常連のお客様は「気にし過ぎでは」と。また別の常連のお客様は「くくく･･･ホント、気にしすぎ」と笑っておられた。

たとえ飲み屋の店員であっても、悪口の相手は、慎重に、これは大変重要であると思っているので。

まあ、姪御さんが、なぜ、あのように批判し、苦言を呈すようになったのか、これについては、読み進む中で、すぐに理解できた。そして、姪御さんに同情したくなること、賛同したくなること、多々あった。

まあ、暴露本が世に出るまでには、いろいろな経緯や事情がある。相当、鬱積したものがあることは間違いない。で、相当、鬱積したものを、実際に、整理し、原稿にまで昇華させ、出版にまでこぎつけることは、大変な労力を伴うものだ。

悪口を言っている側の言い分については、まあ、わかりやすいはず。人生経験がそれなりにあれば、活字になっていない著者の思いなども、察知することができるのでは、とも思う。

で、それなりの人生経験があれば、不満や苦言の向こう側にあるもの、例えば、悪くいわれている側の人物たちの心境も見えてくるはずだ。つまり、それなりの人生経験があれば、トランプ元大統領の姪御さん側の言い分だけではなく、姪御さんから悪くいわれている方々の言い分も見えてくるはず。

本著作内の記載事項の概要をご紹介してゆく中で、最初から苦言とか不満とか批判の話をすることは、筆者としては、やはり、避けたい。ということで「明るい感じの記載事項」「プラスの波動を感じる記載事項」として、壮大なる賃貸不動産帝国を築き上げたトランプ元大統領の父上であるフレッドさんの軌跡について、簡単にご紹介しようと思う。

トランプ元大統領の父上は、一代で壮大なる賃貸不動産帝国を築き上げたのではない。トランプ元大統領の父上の父上、トランプ元大統領の祖父フレデリックさんの代で基盤が出来上がったようである。

ちなみに、トランプ元大統領の祖父の前の代に関する姪御さんによる記述は見られない。

トランプ元大統領の祖父のフレデリックさんは、ドイツ生まれであるが、若かりし日に、渡米。金採掘ラッシュに沸くシアトルからカナダ領ブリティッシュ・コロンビア周辺地域にて「ホテルのような施設」を運営することにより、かなりの資金を蓄えたとのこと。

ちなみに、祖父フレデリックさんの「ホテルのような施設」であるが、食事もアルコールも「女性による特殊なサービス」も提供していたという。

原文29ページにHe eventually made the bulk of his money through ownership of restaurants and brothels in British Colombia.という文がある。

高い英語力を有すお客様曰く、トランプ元大統領の父上の父上は、ブリティッシュ・コロンビアに進出し、レストランや「女性が特殊なサービスを提供する施設」を所有・運用することにて、相当稼いだ、と解して差し支えないとのこと。

brothelは直訳すると売春宿であるそうだが、その手の露骨な表現の使用はできるだけ避けたいものだ。トランプ元大統領が、どのように悪しざまにいわれようとも、アメリカ大統領経験者であるし、筆者は、飲み屋の店員に過ぎない。

まあ、トランプ元大統領の祖父のフレデリックさんの「多機能ホテル」であるが「高い機能性」により活況を呈し、相当な資金を蓄えたようだ。アメリカとドイツの往復等、紆余曲折を経て、その相当な資金と共にニューヨークの中心部から東へ10キロほど行ったWoodhavenという地域に腰を据えることに。

以後、トランプ家はニューヨーク周辺を地盤とする。

それにしても、トランプ元大統領の祖父であるフレデリックさんは運がイイ。金採掘ラッシュはほとんどが短命。シアトルからカナダ領ブリティッシュ・コロンビア周辺においても1890年代終盤には金の産出量が激減、活況を呈していた町もゴーストタウン化が始まる。フレデリックさんは産出量の「頂点付近」で事業を譲渡したというから、なんとも、やり手の事業家であったようだ。

原文29ページにHe lit out for the Yukon territories in time for the Gold Rush, cashing out just before the boom collapsed near the turn of the century.とある。

高い英語力を有すお客様曰く、19世紀も終わらんとする頃にそのゴールド・ラッシュも終焉を迎えるが、その前に、事業を譲渡した、つまり、ゴールド・ラッシュの波に上手く乗り多額の利益を得た、と解して差し支えないとのこと。

トランプ大統領誕生の背景にはトランプ元大統領の事業家としての知名度があり、トランプ元大統領の事業家生命も父上のフレッドさんが築き上げた壮大なる賃貸不動産帝国あってこそ。で、父上の事業は、祖父フレデリックさんの事業実績あってこそ、なので、この時代のフレデリックさんの活躍がトランプ大統領誕生の遠因となっているといっても過言ではないと思う。

トランプ元大統領の父上であるフレッドさんがどのように祖父フレデリックさんの資金を活かしたのか、これが面白いのだが、ご紹介すべき事項が多いので、話を先に進めたい。トランプ元大統領の父上のフレッドさんの剛腕敏腕ぶりは、きちんと、ご紹介するので、一旦は、話を先に進めること、何卒、お許しいただきたい。

ちなみに、トランプ元大統領の父上は、トランプ元大統領が政界に進出するはるか前に他界しておられるが、ニューヨーク・タイムス紙は大きな訃報記事を掲載したほど。あの、あの、天下のニューヨーク・タイムス紙が、である。

原文165ページに父上が他界された日（1999年6月25日）の翌日付のニューヨークタイムス紙の訃報記事の見出しが紹介されている。"Fred C. Trump, Postwar Master Builder of Housing for Middle Class, Dies at 93."とあったそうだ。

高い英語力を有すお客様曰く、中産階級向住宅供給分野の第一人者として認識されていたんだろうね、と。

読書会に参加されたお客様はすぐに検索。トランプ元大統領の父上であるフレッド・トランプ氏を「住宅産業のヘンリー・フォード」と称している記述もあるそうだ。

トランプ元大統領の父上であるフレッドさんの訃報記事は、まあ、おおむね、父上がいかに敏腕経営者であったかを讃える内容である、といえるそうである。

で、訃報記事だけではない。原文166ページにAll the streets from Fifth Avenue and 45th Street to the Midtown Tunnel more than sixteen blocks away had been closed to cars and pedestrians, so our motorcade, with police escort, skid easily out of the city.とある。

高い英語力を有すお客様曰く、トランプ元大統領の父上の葬列が教会からトランプ家墓地へ向かう際には、多数の警察官が動員され、ニューヨークのど真ん中の五番街周辺からロング・アイランドに続くトンネルまで、歩行者に対してすら、進入規制が適用されたみたいだね、と。

州知事の葬列並みではないか。

父上のご他界は1999年だが、当時のトランプ元大統領は、まだまだ一介の経営者。当局が父上の葬儀においてこれだけの対応をするに至った経緯についても、ご紹介してゆく予定。

もう一つの「明るい感じの記載事項」というか「プラスの波動を感じる記載事項」であるが、トランプ元大統領の姉上マリアンさんの女として・妻として・母としての奮闘ぶりについては、筆者も、読書会に参加されたお客様方も、大いに、感銘を受けた。

いい方は悪いが、トランプ元大統領の姉上は、夢追い型の自尊心はあるが金運がない男性と結婚。酒癖が悪く家庭内での振る舞いも立派とはいえない夫を切り捨てず、生活資金に窮す年月を送るも実家に頼らず、で、なんと、なんと（日本流にいえば）法科大学院に育児をしながら通い、法曹資格を取得。連邦裁判所の判事にまで登りつめる。

原文94ページにAlthough not her first choice, Hofstra was only a ten-minute drive from Jamaica Estates - close enough that she could still take my cousin David to school in the morning and pick him up in the afternoon.とある。

高い英語力を有すお客様曰く、トランプ元大統領の姉上が通われたHofstra法科大学院は、姉上のお住まいから車で10分ぐらいだったので、子育てをしながら通えたんだろうね、と。

同じお客様曰く、姉上の学力からすると、もっと高いランクの法科大学院にも入れたはずで、このHofstra法科大学院は第一希望ではなかったんだろうね、とも。

トランプ元大統領の母上も、まあ、いろいろ、大変だった。日々、むっちゃ、イヤな思いをしながら、承認欲求が強い夫を支え通し、夫を看取った「ビッグマザー」であるが、トランプ元大統領の姉上マリアンさんを「スパーマザー」と称し奉りたいのは筆者だけではない。

「明るい感じの記載事項」「プラスの波動を感じる記載事項」だけをご紹介したいとは思うが、本著作の暴露本としての構成からすると、それは、到底無理な話。できるだけ、記載事項に忠実に、これも大事なことだと思うので、ここから先は、姪御さんによる批判と苦言の類が多くなること、お許しいただきたい。

姪御さんによるトランプ元大統領の父上のフレッドさんに対する批判とか苦言の類は、質、量、ともに、素晴らしい、というか、凄まじい。

姪御さんの「批判」とか「苦言」であるが、あまりの量と質であるため、なにをどの順序で、どのようにご紹介してよいものやら、本稿入力真っ最中のこの時点でも、まとまってはいないが、今のこの瞬間、筆者の頭に浮かんでくるものとしては、以下の通り。

先ずは、トランプ元大統領の父上フレッドさんが、理想の息子像を二人の息子に、特に、トランプ元大統領の兄上のフレディーさんに押し付け過ぎて、兄上が崩壊してしまったこと。兄上は、死の瞬間まで、父上の承認欲求に苦しめられたといっても過言ではない。

次に、父上の承認欲求の犠牲となりつつ兄上が崩壊する過程をつぶさに観察しながら育った「ドナルド君」（トランプ元大統領）は、兄上と同じ道をたどることを避けるために、本能的にいびつな「自己防御機能」を身に付けながら育ったこと。

トランプ元大統領の大変「特異」な個性とか流儀であるが、幼少期・青年期に身に付けた「自己防御機能」から派生している、これを、トランプ元大統領の姪御さんは、あらゆる箇所で指摘しておられる。

次に、印象的な点はこちら。ご存知である読者の方もおられると思うが、トランプ元大統領は、常に「自分はたたき上げの経営者なんですよ」的なイメージを連想させる自己アピールに余念がない。

父上から少額の資金を提供してもらい、それを元手に起業し、事業を大きくしていった、父上からの資金も、きちんと返した、類、このトランプ元大統領の「たたき上げ経営者」的イメージだが、姪御さん曰く、虚構も甚だしい、と。

更に、衝撃的な暴露であるが、姪御さん曰く、トランプ元大統領は、自身の本当の学歴に関する「暗部」を有している、とまで。

このトランプ大統領の学歴に関する姪御さんの暴露についても、ご紹介することは避けたいのだが、ご紹介する所存。筆者は飲み屋の店員であるが、世相が大挙してトランプ元大統領をディスっているからといって、それに乗っかるのはどうか、という思いは本当にある。

まあ、これについても、常連のお客様は「考え過ぎだよ。血縁者が公にしているわけだし、坂本君が自分のメルマガで触れても、なんの問題もないよ」とおっしゃって下さるのだが…

まあ、日本人の方で、その、アイヴィーリーグ８大学の上位校、例えば、ハーヴァード大学等に、現地の高校生たちと同じ試験を受け、合格された方々が、この姪御さんの暴露について反応される際には、このトランプ元大統領の受験に対する姿勢について、かなり悪しざまに言われる方ばかりである。

まず、そこまでして、その程度の大学ですか、という声。まあ、トランプ大統領が卒業したとされるペンシルバニア大学は、その８大学の中では、ハーバード大学の次ではない。とはいうものの、ペンシルバニア大学で学士を取得して研究者として大成しノーベル賞に輝いた人物は相当数はいるそうだ。

この手の学歴マウント型の話が好きなお客様は、学士はどこで修得されたか、が最も重要なポイントであるそうなので、その辺のことについては、お詳しい。

ちなみに、トランプ元大統領は経営関連の課程を履修されたこととなっており、学士は修得されたということにもなっている。

まあ、姪御さんはこう言いたいのだと思う。「こんなことでも、虚構を前面に押し出すような人物を大統領にしてイイんですか」と。

原文により忠実な言い方をすれば「ウソを平気でつく」「自己の立場を有利にするためにはどのようなウソでもつく」のような表現となっているのだが、筆者としては、あまり強いトーンで語りたくない、というのが本音。

姪御さんは、他にも、トランプ大統領の虚構については、語っておられるのだが、一旦は、本稿、先に進むことをお許しいただけないだろうか。

姪御さんが、ここまでトランプ家のことを批判するようになるまでには、それなりの経緯と過程がある。

次回は、トランプ元大統領の姪御さんの著作の印象の後編をお届けしたいと思う。

では、本日は、間もなく閉店となります。


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執筆後記
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東京大学や京都大学をお出になっているものの、いろいろなご事情があって、意気消沈しておられるような方は多い。意気消沈を超えてひどい鬱になり、自殺される方もおられる。

東京大学や京都大学をお出になった方で、家出し、行方不明になり、ご家族が捜索願を出している例も相当数あるそうだが、捜索願すら出さないご家庭もあるとのこと。

筆者も、交番等で、行方不明になった方の写真入りのポスターを拝見したことがあるが、はっきりと「京都大学卒」とか書いてあるところを見ると、本当に複雑な思いが湧き上がってくる。

高学歴を有す方が鬱になることは一般的なことにすらなりつつある。

競争心とは、自分と他人を比較してしまうことでもあり、というか、自分と他人を比較することが競争心であるといえると思う。高学歴である方のほぼ全員が、同じ水準の学歴の方と自分を比較しておられる。

「高学歴ワーキングプア」なる見出しとか表題を普通に見かけるようになった現代であるが、ご高齢のお客様曰く、昭和の時代も高学歴ワーキングプアなる層は存在したそうである。現代はSNS等があるので、余計に、注目が集まりやすいのだと思う。

高学歴だが就活で全滅し鬱になる方はかなりの数にのぼることが最近認識されつつある。

高学歴で就職面でも順調だったが40代に入って、何らかのマイナス事象が発生、その後、人生何をやってもダメ、ある時点から急転直下で鬱に、類、筆者も実例に遭遇している。

鬱になっている方を励ますことは、本当に難しい。筆者の経験からしても、上手く行ったことなど、記憶にないぐらいだし、知遇がある飲食店経営者も、鬱になったお客様の接客は難しい、と口をそろえて言う。

励ますことが難しいことは理解してはいるものの、鬱をもっとひどくするような接客はできない。なんとか、なんとか、その場で援用できそうな事例について話するしかないではないか。高学歴で鬱になっておられるお客様は、ほぼ、例外なく、一人でおみえになる。一人でお越しになったお客様を放置できませんよ。

高学歴、特に、東京大学や京都大学をお出になっておられるが、人生いろいろあって鬱になっているお客様に対して、筆者がよく言及するのがアメリカ大統領リチャード・ニクソンの精神力。

リチャード・ニクソンのなにがすごいか、だが、貧家に生まれながらもアメリカ大統領になった、とか、1960年にケネディに負けながらも、そして、1962年カリフォルニア州知事選挙でひどい負け方をしたものの、1968年にジョンソン政権下で副大統領を務めたヒューバート・ハンフリーを打ち破った、とか、まずは、この辺が有名だろうと思う。

相当アメリカ政界に詳しいお客様ぐらいしかご存知ないのこれ。筆者も、読書会に参加されているお客様方も、これがニクソン精神の真骨頂だと思っている。

「これ」とはなんのことか、というと、ニクソンはハーヴァード大学とイエール大学に合格したが、本当に家が貧しく、入学を辞退するしかなかった、という経緯。

はたしてそれは事実か、だが、オックスフォード大学のヴァーノン・ボグダノール名誉教授がニクソン政権に関する講義で、はっきりと、そう語っておられる。ご興味がある読者の方は、動画配信サイト等で検索してみられることをおすすめする。

東京大学や京都大学の学生さんがこの話を聞くと、本当に驚かれる。筆者も、初めて聞いたときは、本当に驚いた。

ハーヴァード大学とイエール大学に合格しながら、家が貧しすぎて、入学を辞退するという号泣局面を経験。そのような経験をしながらも、常に前を向き、前進し、常に上を向き、頂点を目指したニクソンの、この素晴らしく、そして、凄まじい精神力。

こんなこともあったという。ニクソンが下院議員としてまだまだ若輩者とされていた時分、ある調査委員会で、国務省の職員であったアルジャー・ヒスと対峙することに。アルジャー・ヒスは、ハーヴァード風を吹かせ、露骨にニクソンを小馬鹿にしたという。

これについても、ケンブリッジ大学のデイヴィッド・レイノルズ名誉教授がドキュメンタリーで語っておられるので、ご興味がある方は、動画配信サイト等でご覧になってみてはいかがだろうか。教授はなかなかのモノマネをなさっている。

学歴マウントをかますアルジャー・ヒスとニクソンの応酬は注目を集めたそうだ。事態は世相をよく読み情報提供者と巧みに連携したニクソンに有利に推移。ニクソンは名声を勝ち得ることに。

この時のアルジャー・ヒスとの応酬がアイゼンハワーの目に留まり、後年、副大統領への道を開いたそうだ。

ニクソンにお詳しい（承認欲求が強烈な）あるお客様がこんなことを教えて下さった。アルジャー・ヒスがハーヴァード風を吹かせてニクソンを小馬鹿にしたという話は有名だが、ヒスは、ハーヴァードの学部卒ではないよ、と。

さらに、そのお客様、ニクソンは、ハーヴァード入試でトップ5％程度の範囲に入るほどの好成績であった為、ハーヴァードが授業料の免除を提示した、とも。であるので、学部卒ではないヒスなど、ニクソンの足元にも及ばないと思うよ、と。

で、そのお客様、こうも。ニクソンのウィキペディアの英語版には、その旨、記述がある、と。

読書会に参加されたお客様一同、その場で検索。確かに、ハーヴァードとか授業料に関する記述がある。

同じお客様は、更に、こうも。全額免除か、一部免除か、この記述からではわからないけど、一部でも免除、ということは、相当な好成績で合格していたことは間違いないのでは、と。

まあ、そのお客様は、院卒は学歴としてみない、みたいな価値観をお持ちである。

東京大学や京都大学を卒業されたお客様のほぼ全てが、第一志望であった大学に入学できたお客様であろうと思う。

まあ、中には、医学部に入りたかったが、自分の偏差値に不安があった、なるお客様もおられようと思うが、まあ、どの大学か、という観点からは、第一希望であったことは間違いないと思う。

東京大学とか京都大学をお出になったけど、鬱になっておられるお客様に、筆者がニクソンの事例をお話する際に、付け加えるのが、これ。

例えば、東京大学とか京都大学に合格したけど、家が貧乏すぎて入学を辞退した、これほどの無念さに耐えて、人生常に前を向き、常に上を向き、試行錯誤しておられる御仁が隣に座っていたとしたら、どう思いますか？

この質問を投げかけて表情が変わらないお客様はいない。とりあえず、表情は大きく変化する。

まあ、鬱になっておられるお客様の接客は本当に難しい。

筆者ごときがニクソンの事例をお話ししたところで、一向に、プラス思考が湧いてこない、なるお客様も実に多い。にこやかな表情にはなってくださるが、その笑顔は作り笑顔であることがよくわかる。

常に前を向いて、常に上を向いても、なりたい自分になれないかもしれないし、なりたい自分になれないまま、老齢を迎えるケースの方が多いだろう。

しかしながら、前を向かないと前には進めない。上を向かないのでは上には行けない。

前を向いても、上を向いても、なりたい自分になれないかも、と思って消極的になるのだろうと思う。しかし、前を向かないとわからないし、上を向かないとわからないのでは、と思う。

まあ、鬱になっておられるお客様の接客は、バーとかスナックの永遠のテーマである。で、お客様に、語りかけないうちは、語り掛けた効果もわからないではないか、と自問自答する筆者がここにいる。


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