ココロにしみる読書ノート

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つらいことが多い世の中ですから、ホッと一息ついたり、元気が出たりするような、ジーンと心に沁みる本にめぐり合いたいもの。そんなあなたにお勧めの本の書評をおとどけします。 このメルマガがきっかけになり、書評集『泣いて 笑って ホッとして…』を2007年に発刊し、それがきっかけになり月刊「宝島」誌に書評を隔々月連載し、それがきっかけになり日経ビジネス本誌&オンライン版「超ビジネス書評」に書評連載し……。 セミプロ書評ライターのお勧めを参考に、ココロにしみる本をお選びください。

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メルマガ名
ココロにしみる読書ノート
発行周期
不定期
最終発行日
2018年08月19日
 
発行部数
1,786部
メルマガID
0000148203
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
アート・文芸 > 文芸 > 批評・論評

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┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓第617号
┃コ┃コ┃ロ┃に┃し┃み┃る┃読┃書┃ノ┃ー┃ト┃
┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛2018/08/19(Sun)

◇ 今日の一冊
  書名:君が生きる意味
  副題:人生を劇的に変えるフランクルの教え
  著者:松山 淳
  出版社:ダイヤモンド社  2018年7月刊  \1,512(税込)  277P
  ISBN:447810591X

--------------------------------------------------------------------

    運命の中に自分の使命を見いだす
   ────────────────

ブラックな職場で苦しむ青年の目の前に、ある日小さな変な
おじさんが現れ、人生に向かう姿勢をガラッと変えさせて
くれる、という物語である。

……と、要約すると、ものすごく安直にひびく。

薄っぺらな自己啓発本の代表みたいに聞こえる。

ご安心あれ。
「ココロにしみる読書ノート」で安直な本は取りあげない
ようにしているし、この本は「薄っぺらな自己啓発本」と
正反対の本である。

この本は「安直」ではく、ある意味「アンチョコ」といえる。

何のアンチョコかと言うと、『夜と霧』で有名なビクトール・
フランクルの心理学である「ロゴセラピー」を分かりやすく
教えてくれるアンチョコなのだ。

フランクルというと、
  「ナチスの強制収容所に収容されて生還した」
という経歴が有名なので、ちょっと近寄りにくい印象を持っ
ている人も多い。

じつは僕もその一人で、何度か『夜と霧』を手にしたが、
そのつど、読みはじめる前に棚にもどしてしまった。

だから、この本の「はじめに」を読むまで、フランクルが
「精神療法の第三ウィーン学派」と呼ばれていることも知ら
なかった。

第一学派のフロイト、第二学派のアドラーに続く第三学派の
創始者なのだから、フランクルは心理学ではよく知られた
存在らしい。

著者の松山氏も、かつて辛い出来事に直面して苦しんでいた
とき、フランクルの言葉に支えられながら人生の難局を乗り
越えた経験を持っているという。

そのフランクルの心理学を、ひとりでも多くの人に知って
もらいたい、と、とっつくやすい物語にあらわしたのが
本書である。


主人公の「ボク」は、大手のアパレル会社で店長をしている。

急成長中のグローバル企業で、テレビCMでは好感度が高い
けれど、世間からはブラック企業と叩かれている……って
いうと、思い浮かんでしまう会社もあるが(笑)、これは
あくまで架空の会社。

店長になって半年間、ほとんど休みが取れない。
ひと月の残業時間は80時間を超え、70キロの体重が62キロ
に減った。

店のスタッフともうまくいっていないし、お客様のクレーム
も多い。

本社の店長会議では、目標売上げに達していないことを他の
店長の前で責められ、怒鳴られる。

何か解決方法をつかもうとして自己啓発セミナーに参加して
みたが、『3時間でトラウマから解放される方法』という38
万円のDVDセットを売りつけられそうになってしまう。


「ボクは何のために働いてるんだろう。
 何のために生きてるんだ。
 仕事辞めたい。会社辞めたいな。
 こんな人生、生きてて意味があるのかな……」

と主人公がつぶやいたとき、

「意味はあるべ。いつでも人生は意味に満ちてるべ」

と返す声がした。

小さな変なおじさんの登場である。

変なおじさんは、コロボックル族のフランクル3世という
名前で、お悩みを抱える生物たちをサポートしているという。

変なおじさんは言う。

「あんだが人生の意味を問うことはないっちゃ。
 人生が、あんだに意味を問うてるんだから……」

こんな変なおじさんの言葉をすなおに聞けるわけはない。
このあと、「ボク」が心を開くようになるのだが、その導入
部分の説明は省略。

ちょっと訛ったおじさんの言葉は、けっしてインテリっぽく
聞こえないけれど、グサッ、グサッと「ボク」の心に刺さっ
ていく。

仕事がうまくいってなくて、職場の人間関係にもつまずいて、
理想の自分になっていない、と苛立つ「ボク」に向かって、
変なおじさんは言った。

 「あんだ、学生時代に理想だと思ってた仕事を今してること
  に気づいているが。
  グローバル企業に入社して、一日も早くリーダーさなって
  実力をつけたい。そう思ってたべ。
  あんだの夢さ、今、叶ってるべ。
  成功してるっちゃ」

自分の成功に目を向けずに、「もっともっと」と、理想を
引き上げていたのが、「ボク」が辛い理由のひとつだった
のだ。

もうひとつ、今まで考えていたことと正反対のことをおじさん
は言い出した。

 「あんだの人生観は、自分が実現しようとしていることに
  焦点が合っていて、いつでも出発点が自分なんだぁ。
  自分の欲求が満たされることを『意味がある』とするの
  ではなく、人生からの求めを満たすことに意味を見出す
  んだぁ」
 「人生に意味があるか無いかと問うことはない。
  なぜなら、人生が人間に意味を問うているから」

このあと、
 「運命は変えられる」
 「今と未来を変えれば、過去の意味は変えられる」
と、たたみかけたあと、
 「オラと一緒に三つの価値を実現していけば、オラの言った
  ことがわかる。三つの価値とは、
  ひとつ目が『創造価値』、
  二つ目が『体験価値』、
  三つ目が『態度価値』だべな」
とフランクル心理学の本格的講義と実践がはじまる。

反発しながら「ボク」の気持と行動がどう変わっていくか。
あとは、読んでのお楽しみとさせていただく。


フランクル研究の第一人者である諸富祥彦氏は、本書の「解説」
で、フランクルの心理学の特徴を次のように述べている。

  「人生から問われていること」というのは、言葉を換えれば
  「人生の使命」ということでもあります(フランクルはしば
  しば「意味」という言葉と「使命」という言葉を互換可能な
  ものとして用います)。
   そう考えると、フランクルのロゴセラピーは、「運命の中
  に自分の使命を見いだす」ことで精神性を高めていく方法だ
  と言っていいでしょう。
  (中略)
   自分の人生の意味と使命を見出した時、人間の精神はもっ
  とも高く引き上げられます。そして何事にも耐えていくこと
  のできる強さを発揮し始めるのです。
   フロイトやユングの心理学が「深層心理学」と呼ばれるの
  に対して、フランクルの心理学が「高層心理学」と呼ばれる
  所以です。
  (中略)
   人間は「意味」なしに、つらく苦しい毎日を堪えしのんで
  いくことはできません。
   逆に、その「意味」がわかれば、たいていのことには耐え
  ていけるものです。
  「意味」志向の心理療法であるロゴセラピー、そしてその基
  盤となるフランクルの思想は、多くの人が行きづらさを抱え
  る時代にあって、ますますその必要性が高まっていると言え
  るでしょう。

苦しいことがあったとき、その出来事に対処しているときは、
耐えるのに精一杯で、とても「運命の中に自分の使命を見い
だす」なんてできないかもしれない。

それでも、本書を読めば、一歩下がって自分の悩みを見つめる
きっかけになる。
きっと。

ご購入は、こちら(↓)から。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447810591X/hatenanejp0d1-22/ref=nosim

◆ 参考書評

諸富祥彦著『あなたのその苦しみには意味がある』書評
  http://d.hatena.ne.jp/pyon3/20130812

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◇ 今日のひとこと

残暑の候、皆さまお元気にお過ごしでしょうか。

またまた長いことご無沙汰してしまいました。
ゴメンなさい m(_ _)m

公私ともに忙しさが止まらず、原稿を書く余裕のない日々が
続いています。

ただ、ありがたいことに、

  「どうしてこんな辛い日々が続くのだろう」

という本書の主人公のような悩みは抱えていません。

「公」も、「私」も、ともに手応えを感じる日々で、毎日、
疲れと充実を感じながら眠りについています。

メルマガ発行回数は減っていますが、元気にやっています
ので、ご安心ください。


もうすぐ爽やかな秋。

忙しいほど太ってしまう体質なので、体重増加に気をつけて
頑張ります!

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書評集『泣いて 笑って ホッとして…』発売中。
 ・本の内容紹介は http://d.hatena.ne.jp/pyon3/20070730 を参照ください。
 ・購入の際は、こちら(↓)をご利用ください。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901611011/hatenanejp0d1-22/ref=nosim
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◆発行者:浅沼ヒロシ(1957年生まれ、東京都在住のITエンジニアです)
 ・ブログ http://d.hatena.ne.jp/pyon3/ もご覧ください。
  (身辺雑記・読書ノート等を載せています)
 ・日経ビジネス コラム「1分間で読める超ビジネス書レビュー」
  2010年11月~2011年9月 不定期連載
 ・月刊「宝島」コラム「書評アルファブロガー厳選2冊」
  2008年12月~2009年9月 隔々月連載
 ・日経ビジネスオンライン「超ビジネス書レビュー」に寄稿(2009年6月~2011年9月)
  http://qq3q.biz/osbd
 ・技術者を応援する日経BP社「Tech-On!」の書籍レビューに寄稿(2011年7月~2014年3月)
  http://nkbp.jp/pXNkEJ
 ・IT系情報サイトTechWave「BookReviews」に寄稿(2010年3月~2011年6月)
  http://techwave.jp/?s=%E6%B5%85%E6%B2%BC%E3%83%92%E3%83%AD%E3%82%B7
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