レフティやすおの楽しい読書

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元「本屋の兄ちゃん」といっしょに読書嫌い・古典苦手を克服し、「読書は楽しい!」を実感する「プチ教養人」に変身しよう!(若い頃、本好き読書好きで、司馬遼太郎先生のエッセイ「駅前の書店」(『司馬遼太郎が考えたこと 15』新潮文庫)に登場する東大阪市の栗林書房、その今はなき八戸ノ里支店で5年8カ月働く。)月の半ばは初心者のための読書法を、月末は古今東西の古典の名著・名作を隔月交互に一点ずつ紹介します。読書とは他人(ひと)様の人生や思惟を追体験すること。「楽しい読書」で素敵なひと時、豊かな人生を!

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メルマガ名
レフティやすおの楽しい読書
発行周期
月二回
最終発行日
2018年11月30日
 
発行部数
64部
メルマガID
0000257388
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
アート・文芸 > 文芸 > 古典

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--
いよいよ今年もクリスマスシーズンに突入しました!

いかがお過ごしですか。


今年は、大阪も地震や豪雨、台風が3回も来襲して、
大変な一年でした。

台風21号の時は、
久しぶりに本当に心から怖いと感じたものでした。

大阪では50数年ぶりという台風でしたから。

過ぎてしまえばなんとやら、という言葉もありますが、
忘れるのではなく、
心引き締めて、来るべき時に備える、用心が大切です。


さて、
泣いても笑っても残り一月、ラスト・スパートです!

がんばりましょう。




◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------
2018(平成30)年11月30日号(No.236)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(8)
『昔なつかしいクリスマス』ワシントン・アーヴィング」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

 毎年、この時期恒例の
 「クリスマス・ストーリーをあなたに」の8回目です。

 昨年は、変化球で(お手軽に?)、
 クリスマスをテーマにした日本人作家のショートショートを
 紹介しました。

 今回は、正確には「クリスマス・ストーリー」ではなく、
 ディケンズの『クリスマス・キャロル』以前の、
 小説といいますか、エッセイ風の作品、
 ワシントン・アーヴィングの『昔なつかしいクリスマス』を
 見てゆきましょう。



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-クリスマス・ストーリーをあなたに (8)-

  ~ 『クリスマス・キャロル』以前 ~

   『昔なつかしいクリスマス』ワシントン・アーヴィング


 ☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡
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 ●「クリスマス・ストーリーをあなたに」

弊誌創刊、最初の年のおしまいのほうで、
ディケンズの『クリスマス・キャロル』を取り上げて以降、
2011年から毎年11月の末に、
「クリスマス・ストーリーをあなたに」と題して
お気に入りのクリスマス・ストーリーを紹介してきました。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 

2008(平成20)年12月クリスマス号(No.11)-081206-
『クリスマス・キャロル』善意の季節
http://archives.mag2.com/0000257388/20081206074500000.html


~「クリスマス・ストーリーをあなたに」~

1◆2011(平成23)年11月30日号(No.70)-111130-善意の季節
『あるクリスマス』カポーティ
http://archives.mag2.com/0000257388/20111130120000000.html
・『誕生日の子供たち』トルーマン・カポーティ/著 村上春樹/訳
文春文庫 2009.6.10
―クリスマス短編「あるクリスマス」「クリスマスの思い出」収録
 「―思い出」はクリスマスの懐かしい、でもちょっと切ない思い
 出を振り返る愛情あふれる物語で、少年に与えられたクリスマス
 の贈り物、「ある―」は逆に、少年が与えたクリスマスの贈り物
 の思い出話といえる抒情的名編
http://www.amazon.co.jp/dp/4167705710/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

2◆2012(平成24)年11月30日号(No.94)-121130-  
クリスマス・ストーリーをあなたに~
 アガサ・クリスティー『ベツレヘムの星』から
http://archives.mag2.com/0000257388/20121130120000000.html
・『ベツレヘムの星』アガサ・クリスティー/著 中村能三/訳
ハヤカワ文庫―クリスティー文庫(2003/11/11)
―おススメ短篇「水上バス」を含む、クリスマスにまつわる小説と
 詩を集めた、クリスティーが読者に贈るクリスマス・ブック
http://www.amazon.co.jp/dp/4151300945/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

3◆2013(平成25)年11月30日号(No.117)-131130-  
クリスマス・ストーリーをあなたに~
 『サンタクロースの冒険』ライマン・フランク・ボーム
http://archivess.mag2.com/0000257388/20131130180000000.html
・『サンタクロースの冒険』ライマン・フランク・ボーム/著
田村隆一/訳 扶桑社エンターテイメント(1994.10.30) [文庫本]
―『オズの魔法使い』の作者ライマン・フランク・ボームの描く
 サンタ・クロースの生涯を描く、サンタさん誕生物語
http://www.amazon.co.jp/dp/4594015689/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

4◆2014(平成26)年11月30日号(No.140)-141130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
『ひいらぎ飾ろう@クリスマス』コニー・ウィリス」
http://archivess.mag2.com/0000257388/20141130120000000.html
「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」収録短編集:
・『マーブル・アーチの風』コニー・ウィリス/著 大森望/編訳
早川書房・プラチナ・ファンタジイ(2008.9.25)
―もう一つのクリスマス・ストーリー「ニュースレター」も収録
http://www.amazon.co.jp/dp/415208958X/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

5◆2015(平成27)年11月30日号(No.164)-151130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
『まれびとこぞりて』コニー・ウィリス」
http://archivess.mag2.com/0000257388/20151130120000000.html
「まれびとこぞりて」収録短編集:
・『混沌【カオス】ホテル (ザ・ベスト・オブ・コニー・ウィリス)』
コニー・ウィリス 大森望訳 ハヤカワ文庫SF1938 2014.1.25
http://www.amazon.co.jp/dp/4150119384/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

6◆2016(平成28)年11月30日号(No.188)-161130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
ディケンズ『クリスマス・ブックス』から『鐘の音』」
http://archives.mag2.com/0000257388/20161130120302000.html
・『クリスマス・ブックス』ちくま文庫 1991/12
―落語調訳「クリスマス・キャロル」小池滋訳、
 「鐘の音」松村昌家訳
http://www.amazon.co.jp/dp/4480025936/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

・『クリスマス・ブックス』田辺洋子/訳 渓水社 2012
―前期(1843-48)のクリスマス中編5編を収録。「クリスマス・キャ
 ロル」「鐘の音」「炉端のこおろぎ」「人生の戦い」「憑かれた男」
http://www.amazon.co.jp/dp/4863271883/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

7◆2017(平成29)年11月30日号(No.212)-171130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(7)
「クリスマス・プレゼント」梶尾真治」
http://archives.mag2.com/0000257388/20171130120000000.html
「クリスマス・プレゼント」収録短編集:
・『有機戦死バイオム』梶尾真治 ハヤカワ文庫JA 1989.10
http://www.amazon.co.jp/dp/4150303053/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


~過去の私のおススメの〈クリスマス・ストーリー〉~

【短篇】
トルーマン・カポーティ
 「あるクリスマス」「クリスマスの思い出」
アガサ・クリスティー「水上バス」
コニー・ウィリス
 「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」「まれびとこぞりて」

【中編】
チャールズ・ディケンズ『クリスマス・キャロル』
チャールズ・ディケンズ『鐘の音』

【長編】
ライマン・フランク・ボーム『サンタクロースの冒険』


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

~「クリスマス・ストーリーをあなたに」8 [2018] ~

『昔なつかしいクリスマス』
ワシントン・アーヴィング
ランドルフ・コールデコット挿絵 齊藤昇訳 三元社 2016.12.1

―1920年刊『スケッチ・ブック』第5分冊(クリスマス編)を基に、
 コールデコットの挿絵をつけて1876年に刊行された。
http://www.amazon.co.jp/dp/4883034143/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 ●『昔なつかしいクリスマス』の紹介

三元社の本書

 ワシントン・アーヴィング『昔なつかしいクリスマス』

の帯の惹句を紹介します。


 《米国ロマン派の寵児アーヴィングと、英国絵本作家の巨匠
  コールデコットの挿絵がおりなす十九世紀英国の古き良き
  時代の面影を残す、田舎のクリスマスの光景を描いた名著》


挿絵で読む、
昔なつかしいイギリスの地方地主が催す
クリスマス祭事と催事風景のあれこれです。


目次を示します。

「序文 PREFACE」(1875年11月)
―本書の企てについての説明

 《遥か彼方へと過ぎ去った古き良き時代への郷愁を
  忘却の淵に沈めてしまわないために、
  名匠ランドルフ・コールデットと
  彫師として名高いジェイムズ・D・クーパーによって
  企画・作成された秀逸な作品である。
  ...紡ぎ出された物語の...
  文章の背景にイラストを挿入した合体形式で、
  文学の神髄を豊かに表現する...
  どうやら両者間に緊密な連携が育まれ、
  そこはかとない愛情が本全体を通して伝わっているようだ。》
   (pp.9-10)

「第一章 クリスマス CHRISTMAS」
―イギリスにおけるクリスマス祭事について

「第二章 ステージコーチ THE STAGE COACH」
―駅馬車で移動中に見たイギリスの地方におけるクリスマス風景

「第三章 クリスマス・イヴ CHRISTMAS EVE」
―招待された地方地主の屋敷でのクリスマス前夜の祭事

「第四章 クリスマス・デイ CHRISTMAS DAY」
―クリスマス当日の地方の風景、教会及び屋敷での催し

「第五章 クリスマス・ディナー CHRISTMAS DINNER」
―屋敷での上流階層のディナーとその後のパーティ

約200年前、イギリスの地方の上流階層の伝統を重んじる
地主の屋敷でのクリスマスに招待されたアメリカ人の体験談。


『スケッチ・ブック』(1919-1920)の
1920年1月1日に出版された第5分冊である、
クリスマスを扱った5編を独立させ、
ランドルフ・コールデコットの挿絵を数多く収録し、
挿絵で読む豪華本であり、

 《長年にわたり根強い人気を誇る世界的な名著となった
  クリスマス本》(「解説」より p.189)

 《物語の語り手ジョフリー・クレヨンの
  ブレイスブリッジ邸訪問とそれに纏わる
  クリスマス・エピソードや折々の感慨について
  オムニバス形式で綴る古典クリスマス本の決定版》
  (「解説」より p.183)

になっています。


邦訳の岩波文庫版『スケッチ・ブック』下巻(2015.1.16)の
冒頭のクリスマスもの5編にあたります。
(訳文は、《若干の加筆・修正を施したもの》「訳者あとがき」)

『スケッチ・ブック』下巻 齊藤昇訳(岩波文庫 2015.1.16)
―上巻(20編)に続く後半14編+あとがき収録。
冒頭にクリスマスもの5編、他に「スリーピー・ホローの伝説」等。
『昔なつかしいクリスマス』原本から6枚のイラストと
『スケッチ・ブック』原本からもイラストを何葉か収録。
http://www.amazon.co.jp/dp/400373002X/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22



 ●イギリスのクリスマスの概略(第1章)

 《あの頃はクリスマスの時期ともなれば、
  どこの家庭でも見られたものだ。
  立派な暖炉にあたって寒さを凌ぎ、
  身分を問わず、すべての人に
  ご馳走の肉が供される光景があった。
  そこには近隣の人たちも招かれて、
  みんな、たいそう手厚くもてなされた。
  貧しい身であっても、門前払いなどされることはなかった。
  もっとも、この古い帽子が真新しかった頃の話だが。
   ――古詩》(p.14)


 《イギリスにおいて、
  何よりも私の想像力をかき立てて魅了するものと言えば、
  それは今も残る昔ながら祭日の習慣と田舎の遊びである。...
  当時の人たちは今よりもずっと素朴で人情味に溢れ、
  嬉々としていたように思える。
  しかし残念なことだが、
  そうした習慣や遊びは日々色褪せてゆき、
  時の流れとともに次第に廃れてゆくものだ。
  それだけでなく、さらに近頃の流行の影に隠れて
  すっかり忘れ去られてしまうのである。》(pp.15-16)


これが今から200年ほど前の語りです。
いつの世でも、昔を思い、現代風の今のあり方を嘆く
ということがなされてきたのですね。


 《...古来より伝わるあらゆる祭礼のなかでも、
  クリスマスほど強烈な印象を残し、
  心温まる情景を心に思い浮かばせる祝祭は他にない。
  そこには一種独特な神聖で厳かな雰囲気が醸し出され、
  それが私たちの陽気な気分と溶け合うことで、
  人の精神は自ずと高みへと導かれ、
  清らかで崇高な法悦の境地に至るのである。
  クリスマスの頃になると、大聖堂での礼拝は、
  極めて甘美な旋律に彩られてじつに感動的だ。...
  ついには、
  人類に平和と善意をもたらすクリスマス当日の朝に至って、
  無上の歓喜に包まれた瞬間を迎えるのだ。...》(pp.17-18)


クリスマスは家庭においても、
日本風に言ってみれば、お盆やお正月のようなもので、
離れていた親類縁者や友人が一堂に会し、懇親の場となるのです。

 《人々は幸福を訴え、愛おしくも心を弾ませる。》
 《親睦の灯を燃やすだけでなく、
  人の心に優しい慈善の灯がともされる。》(p.29)

のです。



 ●ステージコートの旅(第2章)

ある都市の12月、クリスマスの前日、私(クレヨン)は、
駅馬車(ステージコート)でヨークシャーへの旅の途上。

乗客には、
親類縁者や友人宅で御馳走にあずかろうとする人たちや
クリスマスで田舎へ帰るらしい少年たちがにぎやかにしている。

御者は、多くの人からの様々なクリスマスの贈物や
恋人からの手紙など頼みごとをこなしながら、
町から町へと馬車を疾走させてゆく。

途中、イギリスの田舎のクリスマス風景が展開される。

駅馬車が旅籠(はたご)についた時、一台の四輪馬車が着き、
降りてきた若い紳士は、フランク・ブレイスブリッジという
ヨーロッパ旅行の仲間だった。

彼から父親の邸でクリスマスを過ごさないか、と招待を受ける。



 ●クリスマス前夜(第3章)

月光の照らすブレイスブリッジ邸に着いた二人を
愛犬たちが迎えてくれる。

近隣でも最も古い旧家を代表するという。
近くの者の多くは、
彼の父を「地主(マスター)」と呼ぶ小作人だという。

邸に近づくと
召使部屋からはゲームにたわむれる笑い声が聞こえてくる。

大広間には、親類縁者が集まりゲームに興じる。
辺りには子供のおもちゃが散らかっている。

夕食はフルーメンティという
昔から伝わるクリスマス・イヴ定番のメニューだった。

クリスマスイブには、暖炉に大薪ユールログ(*)がくべられ、
クリスマス・キャンドルの炎は尽きることなく燃え、
白い実をつけたヤドリギが吊るされ、
壁は柊(ひいらぎ)の枝葉と蔦で飾られている。

 (*)ビュッシュ・ド・ノエルという
   丸太の薪を模したケーキのもととなるもの

晩餐会が開かれ、マスター・サイモンと呼ばれる
地主邸の執事である独身者の陽気な老人が場を盛り上げる。
その後、舞踏会が開かれ、
イギリスの若い将校は十七歳の乙女とダンスをし歌を贈るが、
ジュリアは無関心……。



 ●クリスマス当日(第4章)

クリスマスの朝、邸外からは
子供たちの聖歌隊のクリスマス・キャロルが流れ始める。

家族の祈りの時間となり、邸宅の付属のチャペルで祈祷書を読み、
マスター・サイモンが唱和する。

朝食後、家族はイギリス国教会へ。

オーケストラの演奏の後、
旧家の一族の伝統的な儀式の証左として、
マスター・サイモンが祈祷書を手に唱和する。
その後、牧師が説教を垂れる。


教会を出るときのこと。

  《村人たちは地主がそこを通ると、かぶっていた帽子を取り、
   どの人も温もりを感じて幸せいっぱいの表情を浮かべながら
   時候の挨拶を述べ、地主は彼らにやさしく声をかける。
   それから冬の寒さを凌ぐべく、
   地主の施しを受けるために彼らは邸宅に招かれるのである。
   私は地主が何人かの貧しき民からも祝福を受けている場面に
   接して、このような享楽の最中にあっても、
   地主は真のクリスマスの慈愛の精神を忘れない、
   じつに徳の高い人物であることが分かった。》pp.124-125


教会からの帰り道。

  《私たちが眺めのよい小高い丘を通り過ぎようとしたとき、
   田舎の人たちの浮かれ騒ぐ陽気な声がときどき聞こえてきた。
   地主はちょっと立ち止まると、
   何とも言えぬ温和な表情で辺りを眺めわたした。
   この日の美しい情景を目にしているだけでも、
   慈愛の心を奮い立たせるのに充分であった。...
   たしかに、厳冬の霜の束縛を打ち破るかのように、
   冬の陽だまりのような暖かさと新緑の輝きは、
   じつに心地よいものであった。
   これこそが地主が言うように、
   虚礼と利己心の冷たさを打破して、
   あらゆる人の心に温い流露(りゅうろ)を感じさせる、
   いわばクリスマスを歓迎する気持ちの現れなのだ。》
    pp.125-127


帰宅すると、田舎の若者の楽団があらわれ、
召使の娘たちもダンスに酔いしれる。



 ●クリスマス・ディナー(第5章)

拍子木の音とともに、クリスマス・ディナーの始まり。

  《私たちは音楽の響きに誘われてクリスマスの宴席に列した。
   ... およそ、これほど善良で心豊かな人たちが顔を揃えた
   クリスマスの宴も珍しい。容姿の冴えない者であっても
   幸せそうな表情を浮かべており、
   なるほど何かしらの幸せを感じることこそが、
   人の仏頂面を綻ばせる稀な特効薬のひとつなのだ。》
    pp.143-145


クリスマスの饗宴を盛り上げる食べ物や飲み物――
豚の頭部やワッセイルの大杯と呼ばれる深鉢の飲み物等が
次々と登場し、歓談が続く。

さらに、ディナーのテーブルが片付けられると、
地主が見守る中、道化役のマスター・サイモンや
若い人たちによる仮装の一団が現れ、
若き男女たちの楽しい余興とダンスの時間となる。

 
  《地主は、こうした愉快な娯楽や古いダンスの復権を期し、
   まるで無邪気な子供のように嬉々として
   その光景をじっと見つめていた。》p.178

 ・・・

かくして、「私」のブレイスブリッジ邸でのクリスマスは
終了しました。


昔からのイギリスのクリスマスの伝統を維持したい
という願いを持ち続ける地主さんの思いが、
私には心に残りました。


全体的に言いますと、
イギリスの地方地主とその近隣の住民との古き良き習慣を、
アメリカ人の目から見た、時に風刺っぽく描く姿勢が
『スケッチ・ブック』的な視点なのかなあ、
と言う印象でした。


 ――どうも今回は、
   肝になる部分をうまく紹介できませんでした。

   長くなってしまいましたが、
   200年前のイギリスのクリスマス風景の一端でも
   少しは何かしら伝わったのなら、よいのですが……。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※「別冊 編集後記」~『レフティやすおの作文工房』~
2018.11.30
クリスマス・ストーリーをあなたに~(8)
『昔なつかしいクリスマス』ワシントン・アーヴィング
―第236号「レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記

*『レフティやすおのお茶でっせ』
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以前からお知らせしていますように、
5月25日発売の

『ミステリ・マガジン』2018年7月号(729)(早川書房)
http://www.amazon.co.jp/dp/B07BZB64JR/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

の読者のお便り欄「響きと怒り」<読書の書評>に、
私の投稿が掲載されました。

 ・・・

クリスティーの全著作および関連書を収録する
<ハヤカワ文庫―クリスティー文庫> から、
この4月18日発売された
クリスティー全作品約100点を読んで採点した霜月蒼氏の書評

『アガサ・クリスティー完全攻略〔完全版〕』霜月蒼
http://www.amazon.co.jp/dp/4151301062/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

について、
半世紀にわたるクリスティー“半熟”ファンである私が、
1ファンの立場から見た評価を書いてみました。

投稿に注もつけたブログ記事は、こちら↓

『レフティやすおのお茶でっせ』2018.5.26
『ミステリ・マガジン』7月号読者欄「読者の書評」に掲載される
http://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2018/05/7-a24a.html

(^.^)/~~~

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