月刊バロック通信

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バッハ・ヴィヴァルディ・ヘンデルが活躍した時代へようこそ! チェンバロ奏者で『古楽でめぐるヨーロッパの古都』の著者が バロック音楽を中心とした古楽の世界へ、まったりのんびりご案内します。

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メルマガ名
月刊バロック通信
発行周期
月刊
最終発行日
2018年11月22日
 
発行部数
215部
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形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
エンターテイメント > 音楽 > クラシック

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月刊バロック通信 Vol.90
こんにちは。いにしえの宮廷楽師です。今月は以下の内容をお届けします。
=<< 目次 >>=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
++01 《メサイア》の知られざる5つのこと
++02 コンサートのご案内
++03 これからの公開講座
++04 突撃!バッハの昼ごはん
++05 編集後記
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

++01 《メサイア》の知られざる5つのこと

アメリカ東海岸を本拠地とするボルチモア・シンフォニー・オーケストラのホームページで、ヘンデル作曲オラトリオ《メサイア》についての記事を見つけました(2014年掲載)。気楽に読めるものでしたので、今回はその日本語訳を、翻案を加えてお届けします。(原文Ricky O’Bannon)

ヘンデルの《メサイア》はほとんどクリスマスの伝統になっているようです。ショッピングモールにいるサンタクロースやエッグノックみたいに(エッグノック…卵・牛乳・砂糖・香料・ラム酒でつくるアメリカのクリスマスの飲み物)。2014-15年のシーズンだけでも、アメリカ主要オーケストラ22団体のうち13団体が、この作品を計38回演奏しているのです。

《メサイア》は1742年にダブリンで初演されました。公演前に行われた公開リハーサルの人気ぶりは、主催者がコンサートに来る客に注意を促さなければならないほどでした。女性にはスカートを膨らませるための張り輪を外すように、男性には正装のために腰に下げる剣を家に置いてくるように、と。それによって少しでも多くの人がホールに入れるようにするために。

初演の時ほどではないにしろ、現在でも《メサイア》のコンサートは大人気です。しかしなぜクリスマスの時期によく演奏されるようになったのか、その理由が分かる人は多くはないでしょう。

1.《メサイア》は冒涜的?

《メサイア》は宗教的なテーマを扱っており、ヘンデルの自筆譜にも「神のみに栄光」と書き込まれています。ですから聴衆がこの作品を敬虔なものと思わないなんて、想像するのは難しいことです。
しかし1700年代には、世俗的なオペラと、それを作曲する作曲家は、しばしば「モラルを侵害するもの」として激しい批判の対象にされました。例えば1727年にヘンデルのオペラが上演された時、主役のソプラノ歌手二人が、観客が声援を送る中、なぐり合いのけんかを始めました。風刺作家のアーバーズノットはロンドンのオペラ界に起きたこの出来事について、次のように書いています。「二人の育ちの良い淑女がお互いをb----とかwh----(あまりに卑劣な言葉なので書くのをはばかられたと思われる)とののしり合って戦うさまは、なんと恥知らずなことか」

ヘンデルのオペラ《エステル》が大聖堂の聖歌隊員によって歌われた時には、ロンドン大司教の怒りを買いました。ロンドンで初めは「オペラ」の作曲家として名を馳せていたヘンデルは、宗教的なテーマを扱う「オラトリオ」へと次第にジャンルを替えていきましたが、多くの批評家は、世俗的な世界が宗教的な世界に混入することに懸念をもっていました。オラトリオであってもオペラと同じ「劇場」で上演されていたからです。

ヘンデルは《新しい宗教的オラトリオ》というタイトルで《メサイア》の公演予告をしています。それによって少しでも論争を避けようとしたためでした。また《メサイア》をロンドンでなくダブリンで初演したのも、イギリス国教会の大司教の目から少しでも離れるためでした。しかしそのアイルランドにおいても、大聖堂に所属する歌い手たちの出演を禁じられてしまいました。

2.クリスマスの作品ではない?

《メサイア》の作詞者ジェネンズは、聖書のイエス・キリストについての記述をもとにメサイアのテキストを編み出しました。ジェネンズはこの作品を「救い主としての我らの神への黙想-キリスト者としての思考と信仰における」と表現しています。

その長いテキストのうち「キリストの誕生」について描かれている部分は、たった3分の1にすぎません。3部構成の第1部は「預言とキリストの降誕」、第2部は「キリストの受難と復活」、第3部は「キリストがもたらした救い」に焦点が合せられています。ジェネンズはもともと受難週(クリスマスがキリストの生誕を記念する期間であるのに対し、受難週はキリストの死に想いを寄せる期間)に演奏するのがふさわしいとして、このテキストを書いたのでした。

しかしアメリカで《メサイア》は、19世紀までには12月の恒例行事となりました。その理由についてロンドン・ヘンデル・オーケストラの指揮者ローレンス・カニングスは、次のように語っています。
「復活祭のための優れた作品はたくさんある。バッハのマタイ受難曲に代表されるような作品だ。しかしクリスマスのシーズンのために、それほど良い作品は書かれていない。だからメサイアが12月に演奏されるようになったのは必然的なことだったのではないか。」

3.あっ!という間に作曲?

ヘンデルは《メサイア》を、3・4週間で書き上げました(多くの歴史的な記述では24日間とされています)。
これがどれだけ驚くべきことかというと、それは259ページにも及ぶ総譜(スコア)だということです。『ヘンデルのメサイア:賞賛』の著者リチャード・ラケットは、ヘンデルの総譜は、このスピードで書いたものとは思えないほど間違いが少ないと指摘しています。

米公共ラジオ局の音楽コメンテーターのマイルス・ホフマンは、《メサイア》はざっと25万個の音符で成り立っていると見積もりました。もし3週間と少しの間、毎日10時間を作曲に費やしたとすると、ヘンデルは1分間に15個の音符を書いていたという計算になります。

4.《メサイア》に決定稿はない?

レナード・バーンスタインはかつて、カーネギーホールでの公演におけるオーケストラの編成に、とても頭を悩ませました。作曲家の「意図」を正確に汲むために、指揮者はさまざまな策を弄すのですが、それに確信がもてる指揮者は多くないのかもしれません。実際のところ、ヘンデルの意図を探り当てることは、容易なことではないのです。

ヘンデルは13回の《メサイア》公演のたびに、そこで揃えられる楽器やソリストの能力などに合わせて、このオラトリオを書き替えていました。つまりこの作品は歴史的に見ても、常に変更し続けられたものだったのです。モーツァルトは《メサイア》を1789年に編曲しましたが、この時も彼の時代にあったスタイルにオーケストラの編成を変えています。彼はこの変更について「より良くするために変更した訳ではありません」と控えめに述べています。

5.イギリス国王は本当に立ち上がった?

メサイアについて繰り返し語られるのは、ロンドン初演の時、ハレルヤ・コーラスに心動かされたイギリス国王ジョージ2世が立ち上がったため、王が立っているのに座っているという非礼を侵さぬために、他の全聴衆が立ち上がった、という伝説です。
これがハレルヤ・コーラスの時に聴衆が立ち上がる伝統のはじまり、と私たちは信じているわけですが、この伝統はまた「起立」派と「着席」派との間のバトルを生み出しました。

複数の専門家によると、この話は事実ではないとのことです。それどころか、国王ジョージ2世がメサイア初演に臨席したという証拠もないのです。初演に立ち会った新聞記者が、王族の臨席を見落とすことは考えにくいことです。国王起立についての逸話は、メサイア初演から37年もたってから書かれた、ある手紙の記述に由来しているにすぎません。とはいえ「起立」派対「着席」派のバトルもまた、《メサイア》公演のたびの恒例行事でありつづけることでしょう。(終)

☆今月の音楽☆ ヘンデル作曲《メサイア》HWV56
https://www.youtube.com/watch?v=JH3T6YwwU9s

++02 コンサートのご案内

風流楽(ふる~ら)ウィンターコンサート ~ あの日の空へ ~
日時 2018 年12月9日(日)14:00開演(13:30開場)
会場 アートルーム 新紀元(JR立川駅北口徒歩1分 東京都立川市曙町2-7-21カクニビル4F)
出演 朗読 野田香苗 チェンバロ 渡邊温子
朗読と音楽 芥川龍之介『蜜柑』、林佐知子詩集『空の日』(銀の鈴社)より
音楽 ファーナビー《新しいサー・ホー》、ジョンソン作曲《アルマン》 ほか
チケット 一般3,000円 ペア券5,000円 小学生1,500円
ご予約・お問合せ 風流楽(ふる~ら) 090-9965-9037(野田)cembalonko♪gmail.com(♪をアットマークに替えてください)
☆今回は純文学作品で攻めます!芥川龍之介の作品とチェンバロ。いったいどうなるのでしょう!?ご期待ください。

++03 これからの公開講座

●教会と音楽セミナー
第5回 ドイツ・バロック音楽の巨匠 生誕地を訪ねて
http://i-travel-square.tokyo/seminar/church-music/
中部ドイツの旧東側は、多くの優れた音楽家を生んだ地域です。J.S.バッハの一族は4世代前からこの地域に住み、バッハの親類縁者があちらこちらで音楽家として活躍しました。
ヘンデルが生まれ、初めてオルガン演奏の指南を受けた教会や、テレマンがオーケストラを組織して大成功をおさめた教会、また宗教改革で知られるマルティン・ルターが聖書をドイツ語に翻訳した城館や、ロシアの女帝エカテリーナ2世が誕生した城館もこの地域にあります。大都市の有名観光地と一味ちがった、素のドイツが垣間みられる魅力的な街々を、華やかな音楽とともに辿ってみましょう。
日時 2018年12月1日(土)10:30~12:30(2時間)
会場 Space 415(JR・メトロ中野駅より徒歩12分)
参加費 お一人様 3,500円(税込み) ペア割引・お二人様 6,500円(税込み)
お申込み・お問合せ 株式会社アイ・ティ・エス (i Travel Square)
info@i-travel-square.tokyo 電話: 03-6706-4700

++04 突撃!バッハの昼ごはん

1745年に出版されたベストセラー『ライプツィヒの料理本』に掲載されたお料理をご紹介します。もしかしてバッハも味わったかもしれない料理のレシピを、ちょっとのぞいてみませんか。

その21 隠しタマゴ 原文レシピ番号205

1. 卵の両側に穴をあけ、片方を吹いて中身を取り出す。
2. 卵の中身をよく溶いて、塩、生姜、胡椒とお好みで刻んだ香草を混ぜ合わせる。
3. 2を再び卵の殻に詰め、穴を(小麦粉などの)ねり粉でふさぎ、沸騰したお湯で堅くなるまでゆでる。
4. 殻をむき、木の串にさす。
5. 溶き卵、小麦粉、サフラン少々で薄いねり粉(卵の衣)を作る。
6. 5を4にまんべんなくかけ、火にかざしてきつね色になるまで焼く。
7. 最後に溶かしバターをかけると、熱々に仕上がる。

※卵料理はこれで2種類目かと思います。凝っていますね。仕上げの溶かしバターの指示に、レシピの作り手のこだわりが感じられます。卵にあける穴は少し大きめでないと、あとで卵を詰めるのが大変かも知れません。

++05 編集後記

朝晩の冷え込みが厳しくなって参りましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

バッハが生まれた街アイゼナハには、ヴァルトブルク城-吟遊詩人の歌合戦が行われ、マルティン・ルターが聖書をドイツ語訳した城―があります。バッハと並ぶドイツのバロック時代の巨匠テレマンが生まれた街マグデブルクには、かつてテレマンが洗礼を受けた教会がありました。そこには有名なオルガン建造家シュニットガーが製作した大パイプオルガンがあったのですが、戦災で破壊されてしまいました。貴重な文化遺産の消失には、本当に心が痛みます。
先月もご案内しましたが、12月1日の音楽講座では、バロックの巨匠たちを生んだ中部ドイツの魅力を、音楽家の活躍した環境・時代背景を探りながらお伝えいたします。チェンバロ演奏もありますので、お近くの方はぜひ、お誘いあわせの上ご来場くださいませ!リューベック名物、少し塩味のする赤ワイン「ロートシュポン」のお味見もできます。

そして12月9日「風流楽ウィンターコンサート」(朗読とチェンバロ演奏の公演)ですが、芥川龍之介の作品を山田耕筰のピアノ曲をチェンバロにアレンジして物語を彩ります。チェンバロの音色は「和」を醸し出す音楽にもとてもしっくりきます。純文学とチェンバロ、こちらにもぜひご注目ください。

今月も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
これから冬に向かって冷たく乾いた空気になりますが、お体にお気をつけてお過ごしください。
また来月、お元気でお目にかかりましょう!
ご質問・ご意見・ご感想などもお待ちしております。
→ http://form.mag2.com/mouwuuanio

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★発行人:いにしえの宮廷楽師(渡邊温子)
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★発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
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