グレート義太夫の「貰えるものなら病気でも！」

人生初。
まさかこの歳になって「初体験」させてもらえるとは、思ってもいませんでした。齢60を迎え、よもや「めるまが」なるものをやらせていただけるとは…。長生きはするもんですね。まぐまぐ様、ありがとうごあいます。

ま、タイトル読んでもらっても分かる通り（イヤ分からないよ）病気の事・仕事の事・軍団の事…。思いついたままを、つらつらと書いていこうと思っております。ま、どうもボクと「物を書く」と言うのが繋がらない方が多いと思うのですが、意外にこう見えても「書く事」は好きなようです。実際「グレート義太夫」名義で、本も２冊出しているんですよ。ま、売れたか売れなかったかについては、ここでは伏せますが（笑）

それでは、そろそろ始めたいと思います。グレート義太夫の「貰えるものなら病気でも！」スタートしたいと思います。

誕生。
昭和33年、暮れも押し迫った26日に、近所の「鈴木病院」で産声をあげます。実はその年の９月に「狩野川台風」と言う台風が神奈川に上陸して、関東に災害の跡を残していくんだけど、ボクの生まれた板橋仲宿も、近くの石神井川が氾濫して、お腹の大きかったお母ちゃんは、床上浸水を食らって、途方にくれたという話を、かなり大きくなってから聞かされた事がある。

「だからお前は子供の頃から水が好きだったのかもね…」

よくお母ちゃんが言っていたけど、お腹が大きい時に台風が来たからって、水が好きってのも、こじつけもいいとこだよね（笑）

生まれた町、仲宿。
どんなとこかと言うと、職人さんが多かったな。うちの隣も「経師屋さん」襖や障子の張り替えを生業としてる人や、「家具の彫金」なんかをしてる家もあった。

最近落語をやる機会が多くて、聴きに来たお客さんに

「義太夫さんの江戸弁が、物凄く自然で驚いた」

と言われる事があるんだけど、子供の時からまわりがそんな「江戸弁」と言うか「職人言葉」が溢れていたからかもしれないね。

「おう、野崎屋だろ？そこまっつぐ行った、みぎっかしんとこだよ、もこういったら、オレにおさったって言えよ、行ってこいオラ！」

通訳すると

「あ、野崎屋ね、そこまっすぐ行って右に曲がった所、向こうに行ったらオレに教わったって言うんだよ、行っておいで」

日地上がこんな感じだったからね。夏になると、縁台にステテコで座ってるどこのジジイだか分かんないようなオヤジが、子供が走ってるだけで

「うるせぇぞ！」

って怒鳴ってたからね（笑）町中がサファリパークみたいだったよ。で「長屋」もまだ結構あったね。小学校の時の社会の教科書に

「長屋」江戸時代などの、貧乏な庶民が住んでいた住居。とあって、うそ、うちの近所にまだあるぞ…、って驚いた事がある（笑）

出不精。
デブ精ではない…。イヤ、デブで思い出したけど、ボクが子供の頃信じられない「教室」があったんだよ。夏休みや冬休みに日程を決められて、学校へ行き運動をさせられるんだ。そう「太った子」を集めてね。で、名前が

「肥満児学級」

今だったら完全に「いじめられる要因」だよね！１年生から６年生まで各学年３〜４人いたかな。体育館走らされたり、全員で大縄跳びやったり…。辛かった思い出はあるけど、周りで痩せたヤツは一人もいなかったね（笑）

で、子供の頃から何やって遊んでいたかって言うと「寄席番組」ばっか見ている子だった。今でこそ「大喜利」やってるのは「笑点」しかないけど、当時はあの手の番組は各局にあった。それも寄席からの中継だったから、凄いよね。今みたいに「笑い声を足す」なんて事はできないから、見ているお客さんの雰囲気がそのまま伝わってきた。落語・色物・大喜利。大体がこの３つで構成されていた。

司会と解説がいて「それではやっていただきましょう、どうぞ…」
で始まる。生放送ではなかったにしろ、やる方は緊張しただろうね。ま、のちにこの世界に入って、色々とテレビ界の仕組みについて知るんだけど、とても怖くて自分だったらと思うと、脇汗かくよね（笑）
あの「ドリターズ」も「大正テレビ寄席」に出てよくネタをやってたよなぁ。何度かリアルタイムで見た記憶がある。まだツービートが世に出る前の話だけどね。

関西弁。
その頃漫才や、深夜放送も関西勢が面白かったんだ。関東の漫才はどうも子供には小難しくて、それよりテンポのいい会話で笑わす関西の漫才が好きだった。深夜放送も「桂三枝のグリグリ20分」「鶴光のオールナイトニッポン」「谷村新司のセイヤング」「笑福亭鶴瓶のミッドナイト東海」と、ほぼ聞いているのが「関西弁」だった。関西弁というのは「漫才をやるために作られた言葉」だと思っていて（笑）小学校の時、関西から引っ越してきたヤツが自己紹介で関西弁を喋ったもんだから

「漫才好きなの？」

と聞いて、不思議がられた事がある（笑）

そんな感じで「寄席番組」「深夜放送」「音楽番組」に明け暮れる子供時代だったね。当時は谷村さんのセイヤングが好きで、その中でやっていた

「天才・秀才・バカコーナー」

にハマって、よくハガキを出していたっけ（笑）それでも「３枚」読まれた事があって、ホンに嬉しかったのを覚えている。もしかしたら「ハガキ職人」の片鱗はこの頃からあったのかもしれないね（笑）でも、まさか自分が「お笑いの世界に進む」なんて微塵も思ってなかったけどね。

出会い、そして。
そんなこんなで「関西のお笑い」ばかり見ていた…。などと書いたけど、関東のお笑いも見てはいたんだよ。あの頃「デン助劇場」ってのがあって、芝居仕立てで笑わせて、泣かせて…。なぎらさんも歌ってる位だからね。

それでもやっぱ漫才は「関西」なんだよ。やっぱりあの「関西弁のテンポ」は凄かったよね…。
そんな中、ついに出会うんだ。「やじうま寄席」と言う談志家元が司会だった日テレの演芸番組だったと思うんだけど、家元が

「今日は、凄いの連れてきたぞ、お前ら覚悟死して見ろよ！」

そう言って紹介したのが「ツービート」だった。初めて聞いたツービートのネタが「うんこ」のネタだった。

「最近のペットブムっての、腹立ちますね、この間も公園に行ったら犬のウンコが落ちてるんですよ、よく見たらウンコ、臭嗅いだらウンコ、舐めてみたら完全にウンコなんですよ、良かったですよ踏まなくて…」

高校生でこれ聞いちゃったもんだから、もうカルチャーショック！何だこの人たちは！ってことになり、そこから「ツービート」を追いかけ出す事になる。
だから、あの頃ツービートが出ていた番組は、ほぼ録画しているんじゃないかな、THE MANZAI は音声だけなら全部持ってるし、オールナイトニッポンも苦労して録音してたね（笑）そして見れば見るほど、聴けば聴くほど「ビートたけし」と言う人の魅力にハマっていく。そしてあの運命の放送を聴く事となる…。

それはまた今度…。