パイロットの基礎知識

第1号

今回は細かい難しい話ではなく、誰でも知っていると生活に役立つ情報をお届けします！！

お題は人間能力についてです！
航空業務を行う際のセルフチェックにI’m safe というものがあります！
飛行前に注意することで1番大切なのは、パイロット自身の健康状態であり、
FAA(アメリカ連邦航空局)の発行したFAR(アメリカ連邦航空法)のだい8章｢医学的要件｣の中に｢飛行の適合性｣の項目があります。
この｢飛行の適合性｣では、パイロット自らが飛行する前の身体的安全性を確認するための簡単なチェックリストを紹介していて、
この内容は、｢I'm safe(I'm physically and mentally safe to fly) 私は飛行にあたって身体的･精神的に安全です｣の言葉によって表されます。
そしてこのI'm safeのそれぞれの頭文字が健康診断のチェックリストになっているのです。

I Illness(イルネス) 今、病気にかかっていない。

M Medication(メディケーション) 何ら薬剤は使用していない。

S stress(ストレス) ストレスはない。

A Alcohol(アルコール) アルコールの影響はない。

F Fatigue(ファティーグ) 疲労していない。

E Emotion(エモーション) 情緒的不安定はない。

上記の説明をすると

I Illness(イルネス)
日常的には軽い病気とされるものであっても、空中に上がり低圧･低酸素環境になると症状が悪くなる場合がある。例えば、風邪や花粉症による軽い鼻づまりの場合、この程度は大丈夫と思って離陸したとする？ところが、上昇中に耳や鼻が詰まり、降下する時には、さらに通気が出来ないほど重篤な症状へ発展することは有り得る。この結果、飛行性中耳炎になれば治癒までに1週間以上はかかってしまう。

M Medication(メディケーション)
トランキライザー、鎮痛剤、鎮静剤、咳止めなどの調剤や市販の薬を服用してフライトすると、低酸素状態になるほど、てきめんに判断力、警戒心、対応力、持続力等に影響を与え、計算力や視力も低下する。指定航空検査医により認められた、痛風治療薬や降圧剤等の一部には服用が認められる薬剤もあるが、神経系統を抑制する薬物は酸素欠乏症に対する持久力を弱める危険性がある。


S stress(ストレス)
日常生活の抑圧や精神的不安から発生するストレスは、目に見えない形で心身に悪影響を与える。自分自身でストレスの存在に気づいていないこともある厄介な代物である。ストレスは行動力や判断力を低下させ、飛行中の集中力を低下させることがあるので十分に注意する。


A Alcohol(アルコール)
二日酔いが致命的な航空事故に直結するという事実をわきまえる。個人の身体状況にもよるが、身体に摂取されたアルコールは、それが少量であっても消化されるのに時間がかかる。まして、深酒をしたような場合には、少なくとも12時間から24時間は飛ばないことが懸命である。


F Fatigue(ファティーグ)
疲労が残った状態で飛行すると、集中力や持続力に悪影響を与え適切な判断力や計画性を後退させる？疲労には急性疲労と慢性疲労の二つがあるが、いずれもフライトにとって大きな障害になる。特に、慢性疲労は自覚症状が薄いだけに、急性疲労に比べて深刻な問題がある。疲労は手順ミスや誤操作にも直結しやすく、十分に注意しておく必要がある。


E Emotion(エモーション)
感情を乱すような行為や発言は、少なからず精神的な悪い影響が残る。例えば、激しい討論や会議での対立等も自らの感情を害している。また、家庭内や近隣とのいざこざもよくない。さらに、家族の死、離婚、失業、破損等も、精神的な打撃が大きい。このような状態では、血圧や脈拍が高くなり、昂奮した状態が持続する。日常的に正常な判断や行動にも支障が生じるばかりでなく、感情的問題はフライトそのものにとって大きな障害になる。


てな感じです！
パイロットって色んな意味で大変ですよね(￣▽￣;)

こういったことを意識しながら毎日過ごしている人もいると考えると、また人の見方が変わってきて視野が広がる気がします。

私たちの日常でも、乗り物は違えど、飲酒運転や、感情任せの煽り運転をする人が少なからず居るのが現状です。
この記事を読んで、少しでもあなたの生活に役立てれば幸いです。



それではまた、次回の配信を楽しみにしててくださいね！
質問や、やって欲しいこと等あれば聞いてください！
わかる範囲で答えて行きます！！
私の勉強にもなるので、沢山待ってます！


では！
本日もグッデイ！！