公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―

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公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」
―それってアドラー的にどうなのよ―

Vol.000／サンプル号
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こんにちは、ヒューマン・ギルド　永藤（ながとう）かおるです。
アドラー心理学を基盤とした企業研修やらカウンセリングやら心理学講座やらを行ないつつ、本を書いたりコラムを書いたり通信教育のテキストを書いたりしています。
公認心理師です。
たまに日本人が極少ないところを狙って旅に出たりもしています。

本メールマガジンでは、世の中のさまざまな出来事を、「アドラー心理学的に解釈するとどうなのよ？」という視点で切り取ってみたり、対人コミュニケーションや自分自身との向き合い方で壁に当たったときに読むとちょっとホッとしたり勇気が湧くような情報を提供してみたり、まったく心理学とはかけ離れた、でも実は根っこがつながっているような話をしてみたりします。

読者の皆さまからの質問や御相談も今後はもどんどん反映させていきますので、
メールアドレス　nagato@hgld.co.jp
までお寄せください。


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:: 目次 ::　
1.それってアドラー的にどうなのよ　
2.ちょっと御相談がありまして
3.勇気とかライフスタイルとか　
　―アドラー心理学のお言葉たち―
4.Youはどうしてアドラーに？　
5.こんなことやってます　出演情報・著書のお知らせ
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1.それってアドラー的にどうなのよ

ここでは世の中で起きているさまざまな出来事を取り上げ、アドラー心理学的な視点で解釈するとどうなのか、を綴っていきます。とはいえ永藤のメガネで見ているので、いささかの歪みはご容赦ください。
ここでしか書けないこともどんどん書いていきます。

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～もしコロナ禍でアルフレッド・アドラーが生きてたら～

アドラー心理学の創始者、アルフレッド・アドラー（1870-1937）。ウィーン出身のハンガリー系オーストリア人で、ユダヤ人。
第一次世界大戦に従軍し、その後ユダヤ人迫害の危機が刻々と迫るヨーロッパから移住した先のアメリカでは、大恐慌が待ち受けていたという、なかなかのハードモードな人生を送った人なわけです。
さらに彼は、子どもの時からくる病（『アルプスの少女ハイジ』のクララとか、『ノートルダムの鐘』のカジモドとかが罹患していた病。つまり運動機能に障がいをもっており、身長も160cmに足りなかったそう）で、スタートラインからして厳しい状況。
それでも彼は、その身体の障がいと心の関係を研究し、解き明かそうとする。厭世的になるのではなく、建設的に前向きに取り組むわけです。

さらに言えば、堅苦しく、エラソーにふるまうことを嫌い、（ここがフ●イトと違うところ笑）常にジョークを口にし、周囲やクライアントを笑わせていたそうです。
ウィーンのカフェ・セントラルでその辺のお客さんとおしゃべりするのが好きだったそうで。
いやぁ、見てみたかったな。

忘れちゃいけないのは、彼は1918年から1920年にかけてのスペイン風邪の流行も経験していたということ。
今よりも情報もなければ医学もまだまだ発展途上の時代、コロナ禍に生きる私たちが経験したような隔離や社会的断絶を、アドラーはどんな風に見ていたんだろうか、ということを知りたいなぁと思うわけです。

アドラー心理学の原点から推測すると
・自分の能力を発揮して、周囲に貢献すること
・常に楽観的な態度でいること
・自分自身を勇気づけ、そして他者を勇気づけること
・流布している情報を鵜呑みにするのではなく、自分自身で見極め、行動を決めること

こんなことが浮かんでくるのですが、これって今私たちが心掛けたり実践したりする指針じゃん？

ということに気づいたわけで。

落語に出てくる「横丁の御隠居」というのは、長屋のいざこざをいさめたり、何にも知らない八つぁん熊さんに、世の中の道理を教えたり、時に趣味をこじらせちゃったりするカワイイお年寄り。
私にとってのアドラーは、心の中にいる、いつでもなんでも相談できるご隠居のようなものなのです。
このコロナ禍で
「ねえちょいとアドラー先生、これってどうなのさ？」
と訊ねれば
「うん？ なんだいお前さん。ちょうど到来物のザッハトルテがあるから、ここ座ってお茶でも飲みなさい」
と、いつでも話をじっくり聴いてくれて、答えをスポンと出すでもなく、ああでもないこうでもないと自分で答えを探す楽しみを味わわせてくれながら、このコロナ禍を健やかに過ごすヒントをもらえそうな気がするのです。

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2.ちょっと御相談がありまして

皆様からお寄せいただいたご相談や質問にお答えしたり、一緒に考えたりしていきます。
形式も、Ｑ＆Ａだったり、対談形式だったりと、柔軟に。
今回は、永藤と友人Ｍ氏の会話から。

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永：どした、なんかあった？

Ｍ：うーん、上が変わってさぁ、今までやってた仕事のやり方、全否定なんだよねえ。
　　前の上司はわりとグループ全員とがっちり情報共有してみんなで取り組んでいこうってタイプだったんだけどさ。
　　今度の上司は、各スタッフにパズルのピースを一個ずつ配る感じ？　全体像はその上司しか見えてなくて、どうにもこうにも。

永：あー、やりづらいね。

Ｍ：確かに仕事の進みは早いのよ。前の上司の時は、ミーティングの段階でああでもないこうでもないって揉めると、なかなか先に進めない感じがあったからさ。
　　でも、そこでキッチリ話をして、みんなが納得すると、そこからはすごくスムースだったんだよね。
みんながたどり着くところが見えてるし、手分けしてみんなで
　　やっていこうって感じ。大事なことをみんなにも任せてくれて。自分達でもやりがいがもてるっていうか。
　　でもさ、今はとにかく「指示されたことだけやってろ」でさ、それを上司が集めて、まとめて、なんだかよくわかんないうちに終了、ハイ次って感じなんだよね。

永：スタッフがパーツだけ作って、上司が組み立て全部やっちゃう、みたいな？

Ｍ：そうそう。なんか自分のやってる仕事の完成形が見えなくて、モチベーションだだ下がりなんだよね。

永：でも仕事の進みは早い、と。

Ｍ：そうなんだよ。もともと頭が切れることで有名な人なんだけどさ。彼の頭の中では出来上がってるんだろうね。
だから作業的な部分をバーっとやらせて、あとは俺に任せろ、的な？

永：文句言うなよ、的な？

Ｔ：まさにそれ。でもさ、プラモデルだってパーツ作ったら絶対組み立てやりたいじゃん。っていうか、そこが
　　面白いところじゃん？
それを聖域みたいにして抱え込んじゃってるんだよね。

永：それはモチベーション下がるわな。そのことは本人に言ったの？

Ｍ：いや、なんか、チームミーティングとかも一方的でさ、でも結果だけは鼻高々に、しかも晴れやかに報告してくるんだよ。
　　「君たちのおかげでこのプロジェクトがスムースに完遂できた。とても嬉しく思うよ。次もよろしく頼む」
　　みたいな。
　　本人的には、すごくうまくいっているように思ってるんだろうね。

永：あー、会ったことないけどなんか目に浮かぶわ……。
　　それってさ、…………

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さて、皆さんのまわりにＭさんのような人がいたら、この先どんなふうに会話を進めていくでしょうか？
タイトルを「御相談のお答え」としていただいた上で、
メールアドレス　nagato@hgld.co.jp　
までお寄せください。
誌面上で取り上げさせていただくこともありますので、メルマガネームなどがあると楽しいかもしれません。
特にない場合、イニシャル表記とさせていただきます。


このコーナーでは皆さんのご相談やお悩みも随時受け付けております。
ささいなことでもかまいません。個人が特定されないように配慮したうえで、誌面に掲載させていただきます。

また、当メルマガの感想なども一緒にお寄せいただければ
永藤が小躍りして喜びます。

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3.勇気とかライフスタイルとか　
　―アドラー心理学のお言葉たち―

どんな分野でもそうですが、専門用語がずらりと並べられた文章というのは、非常に読みづらいものです。
そして専門用語を並べ立てながら話す人というのは、頭よさそうに見える……と思っているのは本人だけで、まわりの人からは「いけ好かないやつ」と思われていることが大半です。（個人の意見です）。
心理学という分野でももちろんあるんですよ、そういうこと。
でもできれば「いけ好かないやつ」にはなりたくないので、一個いっこ平たくしていきたいと思います。
もしくは、平たくして皆さんにご理解いただいた上で、みんなで一緒に「いけ好かないやつら」になるというのもひとつの手かもしれません。


アドラー心理学でよくみるお言葉
「勇気」

困難を克服する活力（岩井俊憲）
ライフタスクに建設的に取り組むために必要な、心的エネルギー（浅井健史）
思い切ってチャレンジする意思、リスク・テーキングをする（ハロルド・モザック）

「勇気」という言葉は専門用語でもなんでもなく、一般用語なのですがアドラー心理学の中では本当によく出てくる言葉なんですよね。
でも目に見えるものでもないし、質量が計れるわけでもない。
あるっちゃあるし、ないっちゃない。
ただ、今までの人生で一度たりとも勇気を出したことがないし、金輪際ないでしょうという人もあまりお目にかかったことがない。

みんな、いつだったかどこだったかで出したことがあるし、
出すべき場所で出せなかったことを後悔したこともあるん
じゃないかな。

「勇気」の対義語を調べてみると「臆病」と出てきます。
不安や焦りや心配ごと、または他人の言動に左右され、決断
したり行動したりできない。言うべきことが言えない。
やるべきことができない。
できればなりたくない状態ですよね、「臆病」。そうだとしたら、やっぱり普段から「勇気」を常にポケットに入れておきたいものです。
じゃ、どうすれば勇気をポケットにいれておけるかって？
それは、おいおい。

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4.Youはどうしてアドラーに？

アドラー心理学というものを学ぶと、人生楽になってくる、
という人は多いものです。かく言う永藤もその一人。
このコーナーでは、そんなアドラー心理学を学んでいる人に、いつごろ、どんなきっかけでアドラー心理学に出合ったのか、学んでみて何か変わったことはあったのかなどなど、いいことばかりではなくアレルギーや副作用もひっくるめてお聞きしていこうと思います。

手始めにワタクシ、永藤かおるがYouとしてお答えします。

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【永藤かおる編　その１】

Q:　まずはアドラー心理学に出合ったきっかけを教えてください。

永：2006年か7年だったと思うんですが、当時勤務していたWebの制作会社で、突然コミュニケーション研修をやることになったんですよ。
社長がどこかの銀行系のオープンセミナーを受けて、「これはいい。うちの社員にもこの話を聴かせたい！」って思ったらしくて。
　　私は当時、制作やら人事やら採用やら社長秘書的な仕事やら、とにかく「社内何でも屋」みたいなことをしていて、なんだか内容もよく知らないうちに、社内研修の取りまとめをすることになったんですよね。
　　普段は土日が休みの会社なのですが、その時は土曜日に、関連会社やアルバイトのスタッフも全員集めて、１日研修をしました。
　　その研修がアドラー心理学をベースとしたものであり、
講師としてやってきたのが、今の私の師匠であり、
　　ボスでもある岩井俊憲先生だったわけです。

Q:　その前に心理学を学んだり興味をもったりしていたんですか？

永：いやまったく(笑) 。多分学生の時も触れていないんじゃないかな。一般教養とかでも学んでなかったと思います。
　　記憶がひとかけらもない。

Q:　ではその研修を受けて、開眼したと。

永：いやまったく(笑) 。開眼どころか数年間目はつぶったままでした。響かなかったわけではないと思うんだけど、困っていなかったんでしょうね。

Q:　じゃあなんで今、伝える立場になってるんですか？

永：えーっと、まあ職場で失敗したわけですよ。コミュニケーションというものに。割と仕事人間だったから、仕事自体は好きだったはずなのに、会社に行くのが怖くなっちゃったんですよね。
　　怒られる、とか、嫌われる、とか、わかってもらえない、とかの被害妄想がバリバリに出てきてしまって、体調も崩して。
で、会社を休職することになったんですけど、家にいても嫌なことばっかり考えちゃってウンウン唸ってた。
　　その時に、ふと頭の片隅に、ニコニコしたおじさんの残像がよぎったんですよね。「あれっ？ 今の誰？」って思って。
　　よくよく思い出したら、何年か前にたった1度だけ会った、あれ？ 打合せ入れたら２回かな？ まあそんな感じの、あのコミュニケーション研修の先生の顔だったんですよ。
　　「そういえばあのニコニコしたおじさんが会社来て研修した後、なんか社内のコミュニケーションがスムースになったな。あれはなんだったんだっけ？」
　　って思って、本棚の奥でホコリをかぶっていたその時の課題図書（『アドラー心理学によるカウンセリングマインドの育て方』岩井俊憲著 コスモス・ライブラリー）を引っ張り出して、で、「アドラー心理学」って言葉をその時にようやく思い出したりして。
　　ついでにカチャカチャ検索して、ヒューマン・ギルドのアドラー心理学ベーシック・コースというのにたどり着いて、会社行けないくせにそのコースに申し込むんですよね。

Q:　なんか光っぽいものが見えたんでしょうね。それで本格的にアドラー心理学を学ぼうと。

永：そうそう。で、申し込んだコースの初日が誕生日だったんですよね。なんか運命感じません？

Q:　いや、それはどうかと思うけど。


　いやぁ、お恥ずかしい限りですが、そんなワタクシが今ではヒューマン・ギルドでその「アドラー心理学ベーシック・コース」を担当してるんですからね。
ビックリだわ、自分でも。

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5.こんなことやってます　出演情報・著書のお知らせ

■You Tube「アドラー心理学専門チャンネル／ヒューマン・ギルド」

　アドラー心理学専門チャンネル／ヒューマン・ギルドでは、アドラー心理学の知識だけにとどまらず、時事問題や身近なお困りごとなどについて、アドラー心理学的見地から発信をしています。　　
毎週月曜日21:00から配信（祝日を除く）に、新作がアップされますが、永藤はそのほぼ半分の回に出演しております。

　https://www.youtube.com/channel/UCFSDEPGZ4kUu2a0EsTtWwmA/
「チャンネル登録」「いいね」をよろしくお願いいたします！


■ヒューマン・ギルド主催　アドラー心理学ベーシック・コース（4日間コース）

ベーシック・コースではアドラー心理学の基礎の理論を
どなたにも分かりやすく日常生活で応用できるように学びます。

◆東京土日4日間コース（対面）
　日程：2021年7月コース　7月3.4.17.18日（土・日）
　時間：土曜13：30-19：00、日曜10：00-17：30
　https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/244　から
詳細確認及びお申し込みができます。

　日程：2021年10月コース　10月30.31,11月13.14日（土・日）
　時間：土曜13：30-19：00、日曜10：00-17：30
　https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/244　から
詳細確認及びお申し込みができます。

◆東京平日4日間コース（対面）
　日程：2021年9月コース　9月10.24.10月8.22日（いずれも金）
　時間：10：00-17：00
　https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/477　から
詳細確認及びお申し込みができます。



◆上記ベーシック・コースに共通、2人の講師が担当、
2日ずつ講義いたします。
　講師：岩井俊憲（ヒューマン・ギルド代表）
　　　　永藤かおる（ヒューマン・ギルド取締役研修部長、
公認心理師、シニア・アドラー・カウンセラー）
　会場：ヒューマン・ギルド研修室、東京コース共通


◆岡山土日4日間コース
　日程：2021年9月18.19日.10月2.3日（土・日）
　時間：土曜13：30-19：00、日曜9：30-17：00　
　講師：講師：岩井俊憲（ヒューマン・ギルド代表）
　　　　永藤かおる（ヒューマン・ギルド取締役研修部長、
　　　　公認心理師、シニア・アドラー・カウンセラー）
　会場：おかやま西川原プラザ（岡山市西区西川原255番地）
　https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/749　から
詳細確認及びお申し込みができます。

◆ベーシック・コース共通
　受講料：ヒューマン・ギルド会員71,500円、
一般77,000円（税込）

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＜永藤かおるの書籍のご案内＞

『悩みが消える「勇気」の心理学　アドラー超入門』
（ディスカヴァー・トゥエンティワン）
『「うつ」な気持ちをときほぐす　勇気づけの口ぐせ』
（明日香出版社）
『子どもを勇気づける教師になろう! ? アドラー心理学で
子どもが変わる』
（岩井俊憲との共著、金子書房）

＜通信教育テキスト＞　いずれもPHP研究所
『アドラー心理学に学ぶ「対人関係力」の高め方』
『アドラー心理学に学ぶ「やり抜く力」の高め方』
『アドラー心理学に学ぶ「やる気」の高め方』（永藤かおる・
宮本秀明共著）
『リーダーのための心理学入門コース』（岩井俊憲編著、
宮本秀明・永藤かおる共著）



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◎公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―

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