淺野幸彦メールマガジン「リベラルアーツ事始め」

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淺野幸彦の
「メディアリテラシー＆リベラルアーツを知ろう」

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はじめまして、発行人の淺野幸彦です。
今回メルマガを発行することになりました。

誰もが不特定多数の他者に向けて、簡単に情報の発信者になれる時代だからこそ、メディアリテラシー＆リベラルアーツ（自由に考える技術）のスキルの向上が求められています。
に元慶應義塾大学学長で平成天皇（上皇殿下）の教育参与だった小泉信三さんが読書論（https://is.gd/410tET）の中で紹介されていた「すぐに役に立つことはすぐに役に立たなくなる」という言葉を戒めに、メディアを巡る批判的「思考の基礎体力」、「複眼的思考」、「知の三角測量」、「思考の免疫力」を身につけられる考え方を紹介していきます。
「間口は広く」、「敷居は低く」、「奥行きは深く」がモットーです。
私自身が日々是研鑽、試行錯誤なので、十分にこなれていない部分もあるかも知れませんが、よろしくお願いします。

■メディアリテラシーについて１
■編集後記
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■メディアリテラシーについて１
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私はが大学で15年間講義してきた「メディアリテラシー」と新型コロナ禍の中、社会に対して何かできることはないかと2020年4月28日第一次緊急事態宣言下で始め、現在まで１００回以上行ってきた一般向けオンラインレクチャーをベースに「メディアリテラシー＆リベラルアーツ」の理解と実践ついて紹介していきます。
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カール・レーヴィットという東北帝国大学で教鞭をとったこともあるユダヤ系ドイツ人の20世紀を代表する哲学史家は、その著作「世界と世界史（https://is.gd/DaC7FP）」の中で以下のような言葉を残しています。
「我々は絶えず『過渡期』に、『時代と時代との間』に生きている。そして、時代と時代との間に我々が生きうるのは、過ぎ行く時のさなかにも持続と永遠が存在するからに他ならない。」
確かに私たちは絶えず過渡期を生きているし、生かされています。

しかし、人間が地球の生態系や気候に大きな影響を及ぼすようになった地質時代を表している、オランダ人大気化学学者で、ノーベル化学賞受賞者のパウル・クルッツェンたちの造語「人新世（アントロポセン）」という言葉が、人口に膾炙されるようになった今日ほど、過渡期的混乱のさなかを生きざるをえない状況も、また今まで人類史の中で起きたいくつかの特異点の一つであると言えるでしょう。

人間が自ら招き寄せてしまったこの過渡期的混乱をどう克服していくのか、やり過ごしていくのか、今を生きている人間一人ひとりにアポリア（難問）が突き付けられています。
このアポリアに答えない限り、人間は過ぎ行く時のさなかにも存在する持続と永遠から無縁となり、人間なしに始まった世界は、人間なしに続いていくだけです。

この安易に答えなど出せるはずのないことどもをめぐって、メディアを通して入ってくる様々な情報をメディアリテラシーを鍛え批判的に理解し発信していくスキルを身につける訓練を積み重ねていく必要があります。
私はあえて学習ではなく訓練という言葉を使っています。
なぜ訓練という言葉を使っているかを以下簡単にご説明します。

なお、一概に訓練、練習といっても大きく分けて二通りあります。
プラクティス（Practice）とトレーニング（Training）です。

プラクティスとは、運動の技能や協応性の面に一度習熟したら忘れにくい「永久的（不可逆的）な効果」を生み出す訓練です。
自転車やバイクなど一度乗れるようになると、ずいぶん長い間乗らなくても、乗ろうと思えば簡単に乗れることが多いはずです。これが不可逆的な効果です。
それは中枢神経に効果を定着させるという「技術」＝「情報系」の訓練です。

トレーニングとは、筋肉・腱・心臓等に「可逆的な効果」を生み出す訓練です。
例えばジョギングやウエイトトレーニングなどは「体力」＝「エネルギー系」の訓練。
ジョギングなどは毎日走っていても一ヶ月中断すると、再開しても息が切れて辛い思いをするはずですね。これが可逆的効果です。

そしてプラクティスとトレーニングのどちらも欠かすことができません。
それは技術は体力をコントロールし、技術は力の中にあり、双方が協力し合ってスキルの伸長を支えているからです。
思考の基礎訓練においても同様のことがいえます。

なお、英語では、ドリル（drill）、レッスン（lesson）、エクササイズ(exacise)といわれる微妙に異なるものも日本では訓練（練習）の範疇にはいります。
また、スタディ(study)とラーン(learn)など・・・。
それらの差異についても調べてみると面白いと思います。

■編集後記
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
初回は、人新世の時代、思考の基礎体力等を養うためのプラクティスとトレーニングの違いなどについてお話ししました。
毎週一回月曜日に、次回から事例なども紹介しながら、メディアリテラシー＆リベラルアーツについてのメールマガジンをお送りしていきます
では、また来週お会いしましょう！！　　　　　　　　　　　　淺野幸彦　拝
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メールマガジン：淺野幸彦の「メディアリテラシー＆リベラルアーツを知ろう」

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