親が子供に理系を勧めないワケ

日本は戦後科学技術立国を目指した。米国、英国に対する敗戦に科学技術力の差のインパクトを実感したことが大きな理由となる。
しかし、戦前の日本では科学者、技術者は尊敬されていた。科学者、技術者養成のための大学の学部、専門学校も充実していた。
戦争の傷も癒えない時期に湯川秀樹博士がノーベル物理学賞を受賞できたのも戦前からの日本の理論物理学の伝統に基づいている。
今の日本では理系離れが進んでいる。自分も兼業ではあるが科学者として活動し、科学に専念している友人もたくさんいる。
今の日本の現状にて、自分の子息に「理系」を選択させる勇気はない。親の意向にかかわらず子供は自らの道を選んでしまうんで、
我が子は結局理系を選択したが、孫にも理系を勧めるのは困難である。理由は多数ある。ここでみなさんに私が考える「親が子供に理系を勧めないワケ」
を解説したいと思う。
理系、文系とわける教育システムを筆者は日本の他に知らない。中学生、高校生では自分の本当の嗜好などわからないものだ。
高校生に理系、文系と進路をわけるのはナンセンスと筆者は思う。直観的なイメージとして理系では物理、化学、難しい数学が必要で、
文系はそれらが不要との振り分けである。将来に向けた戦略などは感じられない。物理、化学、数学を難しいと考える子が文系に進み、
難しい科目があっても良い子が理解に進む感じになる。高校生の段階から理系にいくよりも文系に行く方が留年リスクが低く、
大学入試も容易になるように筆者には見える。比較的楽な人生を歩みたければ理系よりも文系を勧めることになる。