祈祷師から見た世界

季節の節目ごとなのですが、ご依頼や、ご相談事が増える時期があります。

人は何か困りごとがあると「今」だけを見て神頼みをしたり、祈祷を依頼します。

例えば片思いしている人が違う異性と恋人同士になってしまいそう、不倫相手の異性に子供ができてしまった。

どうしよう、どうしよう。と、まずは、それを阻止したいという思いから、今まで相手と良縁結びを願っていた神社などで「相手の不幸」や「自分都合の道筋」を願い始めます。元々は純粋な結果だけを願っていたはずなのに。その時の感情だけで、急に結果までの「過程」を願う。

確かに、それを祈祷や縁結びの術で解決する事も出来ますけど。安易に、それをしてしまう祈祷師や術者に私は、少し気を付けて欲しいなと思います。

それらは大概、人生の「これから」の部分から持ってきた「幸運」だったり、せっかく真っ直ぐなはずだった人生を歪に変える事で「今」を変えているだけですから。

先に神様に願っていたり、祈祷をして「結果」を人生の何処かに置いた後ならば尚更です。今回は、神様主体の話なので、祈祷の話はしませんが。

神が作ってくれた結果ならば、そこに行き着くのに緩い曲線になるのは当然なんです。神様は「結果」もくれるけれど途中の学びを消しはしませんから。「学びを経て本来は、そこで成就しなかった結果を、成就させてくれる」に変えておいてくれるのが神様、神社の願いへの向き合い方です。

学びは長い人生の、ずーっと先で役に立つものかもしれないし、魂に刻み付けて来世で生きるモノかもしれない。けれど必要なモノだから在る。



わかりやすく、俗っぽく言えば。

片思いの異性が他の人と恋人同士になってしまうのならば、それがある事であなたに目を向ける結果になるのかもしれないし。それを経るから、あなたとの関係を大事にしようとしてくれるのかもしれない。

不倫相手に子供ができたのならば、その子供が原因で現在のパートナーとの関係性が変化してあなたの所に来るのかもしれない。



それら「途中の経験」があるから、あなたと上手く幸せになっていこうと思ってくれる。

その「途中」を消して一緒になったって長く続くわけないじゃないですか。



本当の好転って目先の結果じゃない、というお話でした。