廻つかさの読書記録

初めまして。私、廻つかさ（めぐり・つかさ）と申します。九州住まいのしがない読書オタクです。

今回は初回ということで、私の大好きな小説「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」のご紹介をしたいと思います。
この本、実は購入するのが二回目なのですが、やっぱり……面白いです！
実は最初に買ったとき、親に本を捨てられたのですが、それはまあ、昔の話ということで。

あ、そうそう、先に申し上げておきますが、このメルマガではいわゆる「ネタバレ」をおおいにしております！
物語の核心部分に触れてもいます。

ですので、「ネタバレOK派」の方のみ購読したほうがいいかな～って思います。

……話を戻します。

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」は1980年代に、村上春樹先生が発表なさった長編小説です。
もちろん、今でも入手可能です。
私はつい最近、新装版を買い直したのですが、話の内容に古さを感じさせないあたり、「さすが村上先生……！」と感動しましたね。

いや、ストーリーが長いんですよ。この作品。
四百頁の上下巻ものですから。

だけど、この物語にはとある「仕掛け」があって、それがとっても面白いんです。

なんとこの小説には、「世界の終り」というストーリーと「ハードボイルド・ワンダーランド」というストーリーが交互に進行していくという「仕掛け」が施されているんです。
しかも、これら二つのお話はまったく無関係じゃないんですよ。

「世界の終り」で展開されている世界は、実は「ハードボイルド・ワンダーランド」の主人公の◯◯◯（これはぜひ、皆さんの目で確かめて頂きたいので、あえて伏せ字にします）です。

幻想的でひたすら美しく、寓話的とも呼べそうな「世界の終り」
タフで一匹狼な主人公がひとつの謎を巡って大活躍する「ハードボイルド・ワンダーランド」

一作の小説を読みながら二つの物語を楽しめて、しかもそれらが相互に絡み合って進行するのだからたまりません。

きっとハルキスト（村上春樹先生のファンの方はこう呼ばれているそうです）たちには、
「この作品の読みどころはそれだけじゃないから！」
と叱咤されそうですが、私は上に記した点に面白さを感じました。

あと、村上先生、「謎」の散りばめ方が凄くお上手ですね～。
「ハードボイルド・ワンダーランド」では主人公個人に関係する「謎」、「世界の終り」では世界そのものに関係する「謎」があってですね、それが物語を推し進める力となっているんです。

「謎」ってミステリ小説だけに与えられた特権じゃなくて、その他のジャンルにも応用できるんだな～という気づきを得ることができましたので、私は、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を読んでとても嬉しく思いました。

では、今回のメルマガは以上で終わります。
ありがとうございました！