暮らしのなかの有害物質【食べもの通信連載中】

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☆彡その「消毒」、本当に必要ですか？
～子どもたちの健康を守るために考えたい、農薬と抗菌剤の話～

こんにちは、『食べもの通信』編集部です。
今回は「農薬」や「消毒剤」について、私たちが普段あまり意識していない“言葉”や“使い方”に潜むリスクについてお伝えします。

◆「消毒＝毒を消す」…ほんとうに？
日本では、農作物に殺虫剤をまくときに「農薬」ではなく「消毒」という言葉がよく使われます。
でも「消毒＝毒を消す」というイメージが、農薬の危険性を見えにくくしているのかもしれません。
とくに、学校給食で使われる野菜には殺虫剤・殺菌剤が多く使われており、さらに調理前に“消毒”されることもあります。文部科学省もこの点に懸念を示しているほどです。

◆家庭でもあふれる“抗菌グッズ”のリスク
家の中でも「除菌・抗菌・消毒」といった商品があふれていますが、その成分を知っている人は少ないのではないでしょうか。
たとえば、医療現場で使われる「塩化ベンザルコニウム（第4級アンモニウム塩）」という消毒剤。これは間違って体内に入ると命を奪うことがある劇薬です。

実験では、マウスにこの薬剤を与えると精子数が減少し、繁殖力にも影響することが確認されています。
それが、手指の消毒剤や除菌ティッシュ、スプレーなどに含まれているのです。

◆「薬用せっけん」より普通のせっけんが◎
殺菌成分の「トリクロサン」は、かつて多くの薬用せっけんに使われていましたが、
健康や環境への悪影響が大きいことから欧米では禁止されました。

米国FDA（食品医薬品局）も「普通のせっけんの方がよい」と明言。
菌を殺すだけでなく、体内の良い菌までも壊してしまうことがわかってきています。

◆“清潔すぎる暮らし”がもたらす３つの問題
免疫力の低下
　悪い菌だけでなく、良い菌も消えてしまい、体のバランスが崩れます。

耐性菌の発生
　薬が効かない“強い菌”が生まれ、本当に必要なときに薬が効かなくなる恐れがあります。

有害菌の異常増殖
　腸内の菌が減ると、有害な菌が入り込みやすくなり、感染症のリスクも高まります。

◆子どもたちの未来のために…
殺菌・消毒・抗菌——。
便利で安心に思える言葉の裏に、思わぬリスクが潜んでいます。

私たち大人が正しい知識を持ち、身の回りの“清潔志向”を見直すことが、
子どもたちの健康を守る第一歩です。

今後も、知っておきたい“食と暮らしの真実”をお届けしてまいります。
ぜひお楽しみに。