Kindleで儲けているマンガ家・鈴木みそ先生のメルマガ『マンガ家の生活』で始まった新企画「みそに教える【オススメ漫画】」。マンガ家さんに漫画を勧めるというハードルが高いコーナーに、はたしてどんな作品が寄せられたのでしょうか。
みそに教える【オススメ漫画】
さて新企画です。どんなマンガがオススメされるんでしょうか。えーとね。これはかぶるだろうなーとか、躊躇しなくていいですからね。メールなんて3通か4通くらいしか来ませんし、かぶっても知らない人もいるだろうし、コメントはいくらでもかぶせていくので、好きなマンガを安心してオススメしてください。
では一発目。
鈴木先生、はじめまして。MacFANの連載で知って以来のファンです。もちろん、「Xてんまで届け」(電子版ですが)も購入しました(MSX派だったのでファミ通は読んでませんでした…)。
さて、先生もメルマガで書かれているように漫画家の先生に漫画をオススメするのは、だいぶハードルが高い気がするのですが…、私のオススメ漫画は「山賊ダイアリー」です(有名どころでごめんなさい)。
内容は、現役の猟師兼漫画家の作者が 実体験を元に猟師生活を描いた漫画で、6巻まで発売されています。
あと、漫画ではないですが、同じく現役の猟師で京大卒の方が書いた「ぼくは猟師になった」という本もかなり面白いのでオススメです。
これからも先生のご活躍を期待しております。
野宗治
【みそ】
はい「山賊ダイアリー」有名ですね。でも読んでませんでした。ちょうど先週マンガ読みのおっさんたちにオススメされた1本がこれです。まとめ買いして4巻まで読みましたよ。
面白いね! 絵はまあ上手ではないけど、空間が表現されていて、空気の寒さや獲物の味を書き出しているので、マンガは上手だと思った。
俺は田舎暮らし、と聞くとゾッとしてしまう、田舎出身者なんだが、都会生まれで田舎のロハスな暮らしに憧れがある人は、ものすごくはまるんじゃないかな。逆に引くかもしれないけれど。
田舎で猟師として生計立てていて、マンガで地味にでも売れたら、いい生活だよね。ガツガツ生きていない感じがとても癒されます。
「ぼくは猟師になった」読んでみます。
尖閣諸島を巡る日中の未来を予言?
おすすめマンガ3本です!
● 「妖怪番長」 柴田ヨクサル
1話だけでも面白いですが、単行本では元女子プロレスラーの妖怪「河童」が出てきて、「闘魂」を主人公に伝授するシーンがあります。これが実に「燃え」ます(笑)。
● 「氷上のクラウン」 タヤマ碧
単行本はまだ出てないですが、キャラがとっても元気でこれからが楽しみなスケートマンガです。
● 「空母いぶき」 かわぐちかいじ
尖閣諸島をめぐる日中の駆け引きが、近未来にあるかも、という緊張感もあって面白いです。
リョウマ
【みそ】
この企画、いいんじゃね? と自分で思っていたんですが、思わぬ難関が。オレが読まないと感想書けないじゃん。毎回おすすめ人数×3冊、しかも単行本何冊も出ている大作だったりする場合もあって、とても読み切れない、という問題が発生しますね。とりあえず紹介だけして、ぼちぼちと読んで行きましょう。
柴田ヨクサル先生は、「ハチワンダイバー」を読んでました。将棋マンガを並べて紹介する企画のためにたくさん買い込みました。10数巻まで追いかけたんだけど、最後まで見てないです。終わったんだー、じゃ読んでみようかな。くらいの。
スケートマンガって久々な気がする。ていうか槇村先生の「恋のアランフェス」くらいしか知らない。単行本が出たらチェックしてみます。
かわぐちかいじ先生の「空母いぶき」は連載で最初の数話読んだきり今は飛ばしてます。かわぐち先生って一卵性の双子だったという話を、この前田中圭一先生の飯マンガで初めて知って驚きました。えええ? マジで?
双子がいたら、締め切りギリギリで絶対呼びつけるのに、と自分だったら思ったけれど、かわぐち先生は締切遅れないのでしょう。
はい、次。
現役マンガ家・うみの先生のオススメは?
教祖のブログなので、ネットで読める漫画を。
最近、リイドカフェが面白いなと感心しています。ものすごく雑誌感のあるラインナップで、すべてを読むわけではないですが無料なので損した感がまったくない。そして面白い。
で、色々面白いのですが1話がすげー楽しいので「ゲコとヨッパライ」 をまずおススメ。
やわらかスピリッツの「プリンセスメゾン」 。
まついねえさんがつぶやいていたので読み始めたらすごく好き! 紙の単行本も購入しましたが、最初に、大きなモニタで見始めてしまったせいか紙の単行本に違和感を覚えるというはじめての体験。明度の差のせいなのかな。
単行本にもなってる介護四コマブログ「7人家族の真ん中で」。
ものすごいキツイ義母と幼稚園で園長さんを勤め上げ生涯独身ですごした義母の妹。その2人を介護しつつ子育てに奔走するバニラファッジさんの日常4コマ。
子供が大きくなって、子育てに奔走する部分はなくなって本格介護期に突入。バニラファッジさんの、物事をいやにならずに前に進んでいく様子がすごい。この義母と渡り合っていくのはほんと大変そう! 理性的で愛らしい叔母さんが義母さんの暴走をいさめてくれるので、読者も安心できる。
他の方は紹介しないかな、と思えるところを出してみましたー(^^
うみの
【みそ】
プロマンガ家のうみのさん(あの羽海野さんじゃなくて)おすすめありがとうございます。
ネットだったら読まなきゃだめじゃん。と全話読んでみました。おかげで日曜日に発行出来ずに月曜にずれました(笑)。
「ゲコとよっぱらい」面白い。これオレが描いてるのかと思う人いるんじゃないかしら。オレが飲まない人だったらこの路線だよなー。と思ったけれど、たいていのおたく話についていけるわ。アメフトもね。
最初「ゲロとよっぱらい」だと思って。それだったらたくさん描くことあるなーと思ったり。
「プリンセスメゾン」。不思議な感覚のマンガ。昔、高野文子さんの本を読んだ時に感じた、なにか変わった空気をマンガに閉じ込めた感じがあります。
介護四コマ! 新しいジャンルが色々でてくるなあ。介護ものではビックコミックの「看護助手のナナちゃん」が有名ですね。あのぴちょんくんみたいなキャラが、見慣れると人間に見えてくるというあたりに、人の脳みそのポテンシャルを感じさせてくれます(笑)。
いや、上の4コマですが、新しい順に読んだら、続きものの4コマだったんですね。順番が逆になったせいで、めっちゃ新鮮で面白かった。時間が遡るにつれて意味が段々わかっていく、クリストファー・ノーランの「メメント」かと思いました(笑)。
ネットマンガ、他にも色々ありそう。面白いものは随時教えてください。
次ー。
中崎タツヤ先生は私生活もシュール
● 「じみへん」 中崎タツヤ
最近長い連載に幕を下ろした15コママンガ。こちらは文章ですが、病的なほどのシンプルライフが綴られた「もたない男」もおすすめ。いずれ、みそ先生の仕事場紹介、PCのスペック、愛用の周辺機器などの紹介もしていただきたいです。
● 「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」 渋谷直角
「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」 渋谷直角
サブカル野郎に自戒を込めて一石を投じる短篇集。中でも「口の上手い売れっ子ライター編集者に仕事も女もぜんぶ持ってかれる漫画(MASH UP)」が出色。みそ先生が、今までで一番印象に残っている編集者はどなたですか?
● 「うみべの女の子」 浅野いにお
いにおの描くエロ漫画。マッチ棒みたいな貧乳の女の子が本当にキレイに描かれている。
私のささやかな夢としてみそ先生のエロ漫画をいつか読みたいと思っていますが…今後書く予定は…ないですよね?
勝手に先生への質問を織り交ぜてしまいました。引き続き毎週のメルマガ楽しみにしております。
P.N.ようへい
【みそ】
じみへん。終わっちゃったんですってね。最初衝撃的で、単行本集めました。じみへん以外にもあっちこっちの作品集が出てましたね。
「もたない男」もすぐ買いましたが、あのもたなさ加減はすでに常人の世界ではありませんね。持たないにもほどがある。どんどんものを捨てて、借りてるアパートの備品なのに使わないコンロがあるのが許せなくて捨てちゃう。マンガを描くのに使う机が必要以上に大きすぎるからと、のこぎりで切って最小限に小さくしてしまう。カーテンはかけない。引っ越しの前の部屋のようなところに暮らしている中崎先生には、そこまでなんのためにやるのか。と驚きを通り越して畏怖を感じましたね。いがらしみきお先生に通じるものがあるように思います。
「J-POPのボサノヴァカバーを歌う女」これはタイトルが印象的なんで知ってますが、読んでません。読むかなー? 面倒だから読まないと思う(笑)。
編集者は個性的な人が多いですが、みょうに馬があったのが、ファミ通の鈴木ドイツさんとマックファンの小平さんですかね。
浅野いにお先生のマンガはまだ読んだことがないです。そろそろ1冊読んでみようかな。
image by: 鈴木みそオフィシャルブログ
『マンガ家の生活』
マンガ家鈴木みその日常を赤裸々に描いた日記。を中心に、面白いマンガ、本、映画、食べ物などの話題からマンガの描き方まで。マンガを描くことに興味ある人からどっぷりファンまで。ちょっと覗いていきませんこと?
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