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日本人必見。絶賛されるヒラリーの指名受託スピーチを和訳で紹介

熱戦を極めている米国大統領候補選挙ですが、7月28日の民主党大会の最終日、ヒラリー・クリントン氏が民主党の代表候補に指名されました。ライバルである共和党の代表候補に指名されたドナルド・トランプ氏に比べ話題性に欠ける印象もあるヒラリー氏ですが、夫である前大統領のビル・クリントン氏の在任中から「スピーチの名手」と言われていたその弁舌を活かした素晴らしいスピーチを披露し、話題になりました。『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』では、その注目のスピーチの日本語訳を一部紹介。著者・りばてぃさんは、特にフォーカスされた「多様性」に着目し、このスピーチから日本では気づきにくいアイデアや視点を学べると語っています。

ヒラリーさんの指名受諾スピーチ

注目のアメリカ大統領選から最新ニュース。

民主党大会最終日の28日、代表候補の指名を受諾したヒラリーさんが、素晴らしい演説を披露して話題に。

ご主人のビル・クリントンさんが大統領をされていた頃から、奥さんのヒラリーさんの方がスピーチ上手と言われていただけあって、さすがの内容。

その全文を、英語と日本語訳を対比してお届けしようと思ったが、全部で1時間くらいある長い演説のため、ポイントを絞らせて頂いて、前半15分くらいまでの部分で、『多様性』の重要性について指摘し、聴衆がワーっと一斉に盛り上がる場面までの内容をまずは、日本語訳のみお届けしよう。

ヒラリーさんのスピーチ動画を見ながら、一緒にご覧になって頂けると分かりやすいと思う。

というわけで、以下、ヒラリーさんのスピーチ動画もどうぞ。

〔ご参考〕
●Hillary Clinton Full Nomination Speech at Democratic National Convention (7-28-16) DNC Speech

続いて、以下、日本語訳。

すばらしい歓迎をありがとうございます。皆さん、こんなすばらしい党大会を開いてくださりありがとうございます。

 

そして、チェルシー、ありがとう。
私はあなたの母親であること、そして、あなたがこんなにすばらしい女性に育ってくれたことを本当に誇りに思います。
マークを私たちの家族に招き入れてくれて、そして、シャーロットとエイダンを生んでくれてありがとう。

 

そして、ビル、45年前に法律図書館で私たちが始めたあの会話は、まだ元気に続いています。

 

あの会話は私たちが喜びで包まれたよい時期も、私たちが試練にさらされたつらい時期も、ずっと続いてきました。
私が途中で口を挟むこともありました。火曜日の夜には私の「最高責任説明者」の健在ぶりを見ることができて本当にうれしかったです。
私は家族のほかのメンバーや生涯の友人たちにも感謝しています。

 

大変な努力をして、今夜、私たちがここに立つことを可能にしてくれた皆さん、そして、今週、この選挙戦に参加してくれた皆さん、ありがとうございます。
なんてすばらしい1週間だったのでしょう。

 

私たちは希望という場所から来た男、ビル・クリントンのスピーチを聞きました。そして、希望の男、バラク・オバマ大統領のスピーチを聞きました。

アメリカはオバマ大統領のリーダーシップのおかげでさらに強くなり、私は彼の友情のおかげで成長することができました。

ジョー・バイデンという唯一無二の最高の副大統領のスピーチもありました。彼は寛大な心で働く人々に対する党の責務について語りました。
それは彼にしかできないことです。

ミシェル・オバマ大統領夫人は、私たちの子どもが見ていること、そして、私たちが選ぶ大統領は彼らにとっての大統領にもなることを思い出させてくれました。

ティム・ケイン氏のことをこれから知ろうとしている人たちは、なぜバージニア州の人々が彼を市議会から市長へ、そして、知事へ、そして、今は上院議員へと推挙し続けているのかすぐに理解できるでしょう。彼は全国民が誇りを持てるような副大統領になるでしょう。

 

そして、私はバーニー・サンダース氏に感謝したいです。

<注釈:最初の大盛り上がり部分、かなりサンダース支持者がいるみたい

バーニー、バーニー、あなたの選挙戦は、多数の国民、特に予備選に心血を注いでくれた若者たちに元気を与えました。
あなたは経済と社会正義の問題を中心に据えました。こうした問題は本来、中心に据えられるべき問題です。

 

そして、ここや全国にいるあなたの支持者の方に知っていだたきたいことがあります。私は皆さんの声を聞きました。
皆さんの大義は私たちの大義でもあります。

この国は皆さんのアイデア、エネルギー、情熱を必要としています。それがあって初めて、私たちは進歩的な綱領をアメリカの真の変革に変えることができるのです。

私たちは一緒にそれを書きました。これからは外に出て、それを一緒に実現しましょう。

 

友人の皆さん、私たちはフィラデルフィアに来ました。この国の生誕地です。
この町で240年前に起きたことは、今日の私たちにもいまだに教訓を与え続けています。私たちは皆、その物語を知っています。
しかし、私たちは大抵、それがどのようにして起きたかに注目しますが、その物語が決して書かれないまま終わる一歩手前までいったことには十分に目を向けません。

 

手に負えない13の植民地の代表がここから目と鼻の先の場所で会談したとき、一部には王への忠実を守りたいと望む者もいて、一部には王を刺し殺したいと望む者もいました。

革命はどちらに転ぶか分からない状況でした。
そして、彼らはどうにかして互いの声に耳を傾け、妥協をし、共通の目的を見つけ始めました。

彼らはフィラデルフィアを去るころには自分たちを1つの国として認識し始めていました。その認識が王に対して立ち上がることを可能にしたのです。
彼らには勇気が必要でした。彼らは勇気を持っていました。
この国の建国の父たちは、私たちは結束すれば強くなれるという不朽の真実を受け入れました。

 

アメリカは今、再び審判のときを迎えています。力強い勢力が私たちを分裂させようと脅威を与えています。
信頼や尊敬による絆がほつれつつあります。

そして、建国の父たちにとってとそうだったのと同じように、今回も保証書はありません。
これは本当に私たちしだいなのです。私たちは、私たちが一緒に成功できるように力を合わせて頑張るのかどうか決めなければなりません。

この国のモットーは「多数でできた1つ」です。私たちはそのモットーに忠実であるべきでしょうか?

 

私たちは先週、ドナルド・トランプ氏の答えを党大会で聞きました。彼は私たちを外国から分断し、私たちどうしを分断することを望んでいます。彼は今日の世界の危機によって私たちがその無限の希望を見失ってしまうと確信しています。
彼は共和党を「アメリカの夜明け」から「アメリカの真夜中」にまで陥れてしまいました。

彼は私たちが未来を恐れ、お互いを恐れることを望んでいます。

 

民主党の偉大な大統領、フランクリン・デラノ・ルーズベルトは80年以上前、今よりもはるかに危険な時期にトランプ氏に対する完璧で痛烈な非難のことばを述べていました。

「私たちが唯一恐怖するべきものは、恐怖自体である」
(“The only thing we have to fear is fear itself.”)

<注釈:聴衆もこの一節を合唱

私たちは今、この国が何と対じしているのかをはっきり認識できます。しかし、私たちは恐れてはいません。私たちはこれまでずっとそうしてきたように試練に立ち向かいます。
私たちは壁は作りません。

<注釈:このへんから多様性の重要性について話が展開し、聴衆が大盛り上がりに>

その代わり、よい仕事がほしいと望むすべての人がそれを手に入れられるような経済を作ります。そして、この国の経済にすでに貢献してくれている多数の移民の人々のために市民権への道筋を作ります。私たちは宗教を禁止しません。すべての国民や同盟国と協力して、テロと戦い、テロを打倒します。

 

しかし、私たちはやるべきことがたくさんあることを知っています。経済危機以来、昇給を果たしていない人があまりにたくさんいます。不平等が大きすぎます。
社会的流動性も不足しています。ワシントンはあまりに麻ひしています。国内外での脅威があまりにたくさんあります。

 

しかし、これらの試練に立ち向かううえで、アメリカ人として私たちが持っている強みに一瞬でも目を向けてみてください。

私たちは、世界で最も活力があり、多様性のある国民です。

(We have the most dynamic and diverse people in the world.)

<注釈:すごい、はっきり明言しちゃってる

若者たちはかつてないほど寛容で寛大です。私たちには最強の軍があります。最も革新的な企業家たちがいます。

自由と平等、正義、そして、機会という不朽の価値観があります。

それらのことばが私たちと密接に結びついていることを私たちは誇りに思うべきです。

〔出典〕
●米大統領選 民主党クリントン氏の受諾演説 日本語訳を全文掲載
この続きの日本語訳もリンク先にあります。

また、上述の部分の英文は、以下のとおり。

But just look at the strengths we bring to meet these challenges.

『We have the most dynamic and diverse people in the world.』

<注釈:この一文は、後からさらにもっと重要な意味を持ってくるかもしれません。>

We have the most tolerant and generous young people we’ve ever had.
We have the most powerful military.
The most innovative entrepreneurs. 
The most enduring values.
Freedom and equality, justice and opportunity.
We should be so proud that these words are associated with us.

〔出典〕
Transcript: Hillary Clinton’s Speech at the Democratic Convention
~前後すべてのこのスピーチの英文載ってます。

「多様性のもたらすもの」のコーナーでは、より良い日本の未来を築くうえで、役立ちそうな発想や情報を織り交ぜながら、ニューヨークの最大の魅力である「多様性」について感じたことや思っていることを書き綴っていこうと思います。

また、逆に、人口の98%以上が日本人であるため、ニューヨークのような「多様性」が社会に見られない日本だからこそ持つ長所や強みなどについても取り上げていきます。

いずれにしても、日本の中にいると気づかなかったり、見過ごしがちなアイデアや視点を少しでもお届けできれば良いかなと思います。 

image by:  Joseph Sohm / Shutterstock.com

 

メルマガ「ニューヨークの遊び方」』より一部抜粋

著者/りばてぃ
ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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