近年、海外で日本食や日本文化の評価が高まっている、という話をよく耳にします。NY在住で『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者・りばてぃさんによると、NYでも日本食は人気が高く、特にインスタントの「お味噌汁」が大変な人気なのだとか。しかし、その味噌汁の良さを広めたのは当の日本人ではなく、現地のアメリカ人だというのです。りばてぃさんは、近年の日本ブームを支えているのは外国人ばかりだという事例を紹介し、日本人が「日本ブームに乗り遅れている」現状を嘆いています。
日本人以外の人が日本のものを広めている
みんな大好きスーパーマーケット。
スーパーマーケットの魅力はいろいろあるけれど、旅行先で立ち寄るスーパーマーケットには、現地のリアルな暮らしぶりを垣間見れるという魅力があるだろう。
NYのスーパーマーケットなんてたぶん多くの日本人にとっては想像するだけでも楽しいかもしれない。
Find #NaturalAwakenings @WholeFoods #Tribeca in the cafe! #nyc #newyork #ny #natural #health #wellness #eco #free #local #natural #organic pic.twitter.com/j7NfnOlMQo
— Natural Awakenings (@NaturalNYC) 2017年3月6日
そんなわけで今週、ブログでブライアント・パーク横に新しくできたホールフーズについて、以下のような特集を組んだ。
(ご参考)
・ブライアント・パーク横にオープンしたホール・フーズ(Whole Foods)
・ホールフーズでみる日本の食文化の影響
・NYのスーパーで見かけたヘルシーでお洒落な品々
・アート作品のようなパッケージデザインいろいろ
日本食の影響、ヘルシー志向、アートっぽいパッケージデザインなどなど見どころいっぱいだったので、今回、ブログの記事中には詳しく書かなかったけど、もう1つ面白い情報がある。
それは、インスタントお味噌汁のMiso Brothの裏話。
これを作っているのはNona Lim社。創業者兼社長はNona Limさん。
Rise and shine and heat and sip! 👌 #SoupCups #ClosestToWhole #Miso #HealthyBreakfast pic.twitter.com/RTTOutN5MX
— Nona Lim (@NonaLimFoods) 2017年2月24日
彼女はシンガポール系アメリカ人の女性。お味噌汁だからてっきり日本人かと思ったら、そうじゃないのだ!!!
Limさんは、元スポーツ選手。
スポーツ選手なので当然試合前には記録が出せるようコンディションを整えるが、ある日、何を食べたかで試合での記録に大きく関係すると実感。練習だけでなく、食べ物も非常に重要と思ったそうだ。
そこで、より体に負担が少なくベストなコンディションを出せる食べ物を研究したところ、このお味噌汁をはじめとするアジア料理だったそうだ。
Nona Lim社のウェブサイトに行くとお味噌汁の他に、ラーメンやタイ料理のパッドタイ、トマトやニンジンスープなどの商品を手掛け販売している。
ちなみに、このお味噌汁の材料は、オーガニックたまり醤油、お酒、オーガニック赤みそとのこと。
電子レンジで1分ほど温めれば飲むことができる。
(ご参考)
・Nona Limの公式サイト:Miso Broth
また、季節もの商品のぺージにいくと、風邪やインフルエンザ撃退スープセットというのがあって、そこにも、白湯スープなどと一緒にお味噌汁が含まれている。
アメリカでは、風邪を引いたらチキンスープを飲むのが定番だけど、お味噌汁を飲むのが定番になる日もあるのかも?
それにしてもお味噌みたいないかにも日本を代表する食材を日本人じゃないLimさんがめっちゃ頑張って普及しているっていうのは、なんだかもういろいろ考えさせられる。
でも、このホールフーズでインスタントのお味噌汁を新商品として売り出したLimさんのことなんて、たぶん、日本国内ではほとんど報じられていないのだろう。
そういえば、日本人以外の方々が、日本食とか、日本の文化やポップ・カルチャーを背景に持つものを広めている事例は他にも多い。
うちのブログでご紹介したことがあるものだけでも、例えば、イギリス生まれのお寿司チェーン店のWasabi。
◆ついにニューヨークにロンドンの寿司チェーン店、ワサビ(Wasabi)がオープン
他にも、コスメ専門店Space NKのSaisei(再生)。ここでは、こんにゃくスポンジもお肌に良いとして取り扱っていた。
◆英系コスメブランド、スペースNK(Space.NK)も日本のイメージ向上に貢献?
あるいは、スーパードライの日本語を多用したデザイン。
◆英系ブランド、スーパードライ(Superdry)が日本のイメージ向上に貢献?
昨今の世界的なラーメンブームの火付け役も、実は、NYで日本人じゃない方が始めたモモフクヌードルバーだったりするのだ。
◆世界的な日本風ラーメン人気の火付け役
NYの「モモフク・ヌードル・バー」(Momofuku Noodle Bar)
それだけ日本のものが人気ということなのだろう。あるいは、海外で高まるニーズに十分対応できるだけ日本人が海外にいない(だから、その代わり日本人以外の方々が日本のものを広めている)ということなのかもしれない。
ありがたいような、勿体ないような・・・。
日本国内では少子化が進み、ますます海外に出てみようという日本人は減っていくなんて声もあるし、今後、一体どうなっていくのだろう?
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