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【書評】東洋史から見れば中韓の「正しい歴史認識」は創作?

慰安婦問題や南京大虐殺など、その歴史認識を巡っては民間レベルにおいても「冷戦状態」とも言うべき状況にある中韓と日本。そもそも中韓は何をもって「正しい歴史認識」としているのでしょうか。そんな疑問にひとつの答えを与えてくれる一冊を、無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』の編集長・柴田忠男さんが紹介しています。

米中韓が仕掛ける「歴史戦」 ―世界史へ貢献した日本を見よ
黄文雄・著 ビジネス社

黄文雄は台湾出身の評論家で著作がものすごく多い。そしてタイトルも長い本が多い。今回読んだのは『米中韓が仕掛ける「歴史戦」―世界史へ貢献した日本を見よ』である。文章にも特徴があって、箇条書きがかなり多い。だから格調のある文章ではないが、とてもわかりやすいのだ。

教室で講義を聞いているような感じで、スルスル読み進められる。1980年代後半に入ってから、中国は日本に対していわゆる「正しい歴史認識」とやらを押し付け、韓国もその尻馬に乗った。それは「政治」であって断じて「歴史」ではない。ところが、日本政府は「反省と謝罪」という愚挙を繰り返してきた。

黄文雄は東洋史の理解から、中韓のいわゆる「正しい歴史認識」はすべて創作と見做す。それは自国史の投影からのフィクションとファンタジーの産物だと断言する。いわゆる「正しい歴史認識」は逆に読めば正しい。それが奴隷になりたくない人だけに薦めたい、じつに簡単な「歴史の真実」を知る秘訣だ。

中韓のいわゆる「正しい歴史認識」とは、正しくないだけでなく、歴史ですらない。とにかく世界史としての全体像がない。日中韓の関係史のみに限定し、歴史空間の広さと時間のスパンが不足している。戦前だけでなく戦後の中韓の内戦史も侵略史も隠蔽した。つまみ食い史観とあてこすり史観しかない。

戦後70年をターゲットに、中韓はいわゆる「正しい歴史認識」を日本に強要してきた。日本を貶めるのと金が目的なのは明白だった。日本の政治家はそれに対抗できなかった。著者から見る中韓の歴史認識は、戦後史も戦前史も糾すべきところが多々ある。真の歴史を知る者たちでそれを迎撃しようではないかという主張であろう。

中韓による日本への歴史戦を熱烈に歓迎すべきだ。(略)中韓両国は反日をしないと生き残れない哀れな国だから、思いやりあふれる国日本は、中韓の生存権を庇護するために「反日大歓迎」を勧めるべきだろう。これは決してパラドックスではない。思いやりの心から出てくる真誠だ。

とはキツい。

大東亜戦争について、アメリカと中韓の歴史観とは真逆なのが、東南アジアの国々である。アジア諸民族から大東亜戦争を見れば、それは黄色人種対白人の戦争、独立解放を目指す植民地解放戦争だった。ただ一国、西洋植民地主義者と手を組み、アジア解放阻止に動いたのが蒋介石の中国だった。

政治目的しかない歴史は真の歴史ではない。実証主義の歴史学からすれば、検証する価値さえない。だから中韓との歴史戦争を日本は「熱烈歓迎」すべきだというのが黄文雄の持論だ。日本の国家・文化・文明を愛する日本人として、誇りを取り戻す好機になる。「ニコニコ超会議」あたりで公開日米韓中歴史戦をやってもらいたい。真の歴史ほど強いものはない。日本の圧勝だ。

編集長 柴田忠男

image by: jianbing Lee / Shutterstock.com

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