今年の夏は雨が多く、蒸し蒸しとした日が続きますね。こんなときは涼しいクーラーの聞いた部屋から出たくないものですが、今回はあえて「屋外で涼む」をテーマに、東京都世田谷区にある等々力渓谷をご紹介します。渋谷から電車で20分にあるとは思えない豊かな自然の中は涼しく、ストレス解消にはもってこいのスポットですよ!
都内のオアシス「等々力渓谷」へ
谷尻川の水はやがて多摩川へと流れゆく
夏。打ち水をしたり、風鈴の音を聴いたり、緑のカーテンを作ってみたり。 涼を呼び込む工夫は家で行うものが多いので、「わざわざ外に出てまで涼を求めるのはちょっとなあ…」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、今回はあえて屋外で涼む場所を案内し、あわせてストレスを軽減させる方法をご提案したいと思います。
行き先は東京23区唯一の渓谷、等々力渓谷(世田谷区等々力)。 東急大井町線「等々力」駅から徒歩約1分。 スーパーの成城石井を左折するとすぐに入口が見えます。渓谷にかかる橋の脇には気温が表示されています。
等々力渓谷の脇にある気温表示
この日の気温は30度越え。 「あー早く、気温の低い下に(渓谷に)降りたい!」と、暑さで渇いた心は訴えるのであります。
階段を降りると、広がっていたのは緑の魔力を感じさせるような鬱蒼とした樹木群と谷尻川のせせらぎが作り出す異世界。
赤い橋の脇にある階段を降りると等々力渓谷へ
眩しい陽射しを遮る深い緑の渓谷に佇むと真夏でも涼しさを感じます。そして心なしか時間の流れがぜんぜん違うような…。(ここから電車に乗って10分ぐらいで自由が丘へ、20分ぐらいで渋谷に行けるなんてウソみたい!)
川沿いでくつろぐ人たち
心理学者も推奨する「グリーン・エクササイズ」
さて、川に沿って伸びている全長約1kmの遊歩道で行いたいのが「グリーン・エクササイズ」。エクササイズと言いますが、何も特別なコトをするわけではありません。道具も必要なし。
遊歩道を歩く人
アメリカ・スタンフォード大学の麗しき心理学者ケリー・マクゴニガルのベストセラー『スタンフォードの自分を変える教室』で紹介されているグリーン・エクササイズは、緑の豊かな場所(公園や神社、緑道など)に5分間ほど散歩したり、軽めの運動をすること。
ケリー・マクゴニガル先生は本書で「『グリーン・エクササイズ』を5分間行うだけで、ストレスが減少し、気分も明るくなり、集中力も高まって、自己コントロール力も向上します」と述べています。
プチ森林浴をする人々
視覚のほとんどを占める渓谷の斜面にはシラカシやケヤキ、ムクノキなどが生え、その上にはコナラやイヌシデ、そして湧水が見られるところにはセキショウ草地が広がる深い緑に覆われた渓谷は、個人的に都内ナンバーワンのグリーンエクササイズ・スポット。
川の近くは涼しい
歩いていると、ところどころで流れ出ている湧き水も見られ、冷涼感を誘います。たまに自然水を汲みに来た人たちに出くわすことも。
湧き水を汲みに来た人たちも
等々力渓谷の一番南側にあるのが、等々力不動尊。
この階段を上がれば等々力不動へ
この階段を上がると本堂へ。
階段の脇一帯は仏像や祠、修行僧が滝に打たれる霊場のような空間が広がり、その傍には甘味処も。
ここで滝に打たれる修行僧も
さて、渓谷散策の際にオススメしたいレストランが「OTTO」。
老舗イタリアン「OTTO」
遊歩道の途中にある階段を上がってすぐのイタリアンの老舗です。お店の前にはクルマがビュンビュン走る環八が伸び、そこだけ見ると渓谷とは対極にあるような光景。ウナギの寝床を思わせる奥行きのある店内では、渓谷の豊かな緑を借景に、パスタやピザなどのランチが楽しめます。
森林浴のあとは涼しげな店内でイタリアン
ピザのランチはボリューム満点!
流れ落ちる水がとどろいたから「とどろき」。
それが等々力の名前の由来ですが、緑と水が豊かな渓谷を擁する土地ならではの地名であることを再確認できました。
出典元:ジモトのココロ(ジモココ)