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助けて、温泉。急な気圧の変化で自律神経ヤバい人にすすめる全国の炭酸泉

寒かったり、暑かったり、気温差が激しい季節ですね。そんな季節の変わり目ですが、この時期になんだか体調がすぐれない、自律神経の調子がよくない、という方も少なくないかもしれません。そこで、今回は自律神経に効く泉質の全国の温泉を紹介したいと思います。

 

自律神経に効く泉質は「二酸化炭素泉」

今時期のような季節の変わり目に自律神経の不調を訴える人が多くいると言われています。その症状は多岐にわたり、よく眠れなかったり、気分が落ち込んだり、めまいや頭痛、日中の眠気など様々。自律神経のバランスを取り戻すには様々な方法があるかと思いますが、その中のひとつに「温泉」が効くと言われています。

長年、温泉をわたり歩いているメルマガ『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』の著者である飯塚玲児さんによると以下のように話しています。

ところで、温泉の適応症は平成26年7月1日付けで新しいものに変わった。
そして、その変更点で大きなものとして、「一般的適応症」(すべての泉質に共通する適応症)に、「自律神経不安定症、ストレスによる諸症状<睡眠障害、うつ状態など>」が加わったということがある。

<中略>

ほかにも、「塩化物泉」「硫酸塩泉」には「うつ状態」が、「二酸化炭素泉」には「自律神経不安定症」が加わった。こうして考えて行くと、一番うつに効果がありそうな泉質(医学的な根拠はないけれど)は、単純に考えると以下の泉質ではないか、という気がする。

含二酸化炭素ーナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩泉

真ん中の「ナトリウム・カルシウム」は便宜的に入れてあるだけであって、べつに「マグネシウム」でも、なんでもいいと思う。

(「温泉のプロが分析した、「うつ病」に効果のありそうな泉質」より一部抜粋)

 

また、日本温泉協会によれば、泉質について「二酸化炭素泉」 と「単純温泉」は、自律神経不安定症に効くとしています。

一般的に二酸化炭酸泉とは1kg中に遊離炭酸を1g以上を含む温泉や鉱泉のことを指します。単純炭酸泉(旧泉質名)、炭酸泉とも言います。またしゅわしゅわ〜と弾けるお湯を指し俗称「ラムネ湯」とも言います。

近年、人工炭酸泉を導入する銭湯が増加しておりますが、全国的に天然の二酸化炭素泉(あるいは炭酸泉)は少ないと言われています。

そんな希少な二酸化炭酸泉ですが、今回は世界屈指の炭酸泉といわれる大分県の「長湯温泉」や「七里湯温泉」など、大分県竹田市にある「竹田温泉群」を中心に紹介したいと思います。ちなみに竹田温泉群は環境省・観光庁の後援で開催されている昨年度の「温泉総選挙」の健康部門では1位を獲得している温泉です。

 

“ラムネ温泉”として知られる「長湯温泉」【大分県竹田市】

長湯温泉の街中 / ©大分県竹田市

炭酸濃度、湧出量、温度より「世界屈指の炭酸泉」と知られている温泉といえば、大分県竹田市の「長湯温泉(ながゆおんせん)」です。泉質は炭酸水素塩泉・二酸化炭素泉

1980年代、「花王」は入浴剤の製品開発の参考にするため、全国各地をまわりましたが、全国的にも希少である長湯温泉の炭酸泉に注目したことで、のちに「日本一の炭酸泉」と言われるようになりました。

現在、使われている源泉は51もあり、毎分4000ℓ以上の温泉が湧出しているとか。すべての温泉に二酸化炭素が含まれています。

昔から湯治場として知られていましたが、昭和9年に長湯温泉を訪れた文豪・大仏次郎(おさらぎ じろう)が旅行記に「ラムネの湯」と称したことでも知られていますね。他にも多くの文化人を魅了しました。旅館はもちろんのこと、公衆浴場、共同浴場などが点在しています。

 

全国的にも知名度の高い人気の「ラムネ温泉館」

ラムネ温泉館 / ©大分県竹田市

南伸坊氏が手がけたという”頭にタオルを乗せたのキャラクター”や、モダンな外観が目を引きます。東京大学名誉教授であり、建築家でもある藤森照信氏が建築を手がけたラムネ温泉館。塔のてっぺんに松には、“ラムネ温泉が長く栄えるように”という祈りが込められているのだとか。

©大分県竹田市

このラムネ温泉館では「炭酸泉」と「炭酸水素塩泉」の2種類の泉質が楽しめます。

名前の通り、ラムネのような温泉に使って、体も心もリラックスできそうですね!家族風呂も3棟あるので、子連れの家族は親子で水入らずもありかも?

 

ラムネ温泉館
住所:大分県竹田市直入町大字長湯7676-2
Tel: 0974-75-2620
料金:500円
家族湯(3棟)2,000円/60分
営業時間:10:00~22:00
定休日:第1水曜(1月と5月は第2水曜日)

 

ドイツ風の外観が目を引く「御前湯」

御前湯©大分県竹田市

ドイツ風の建築デザインが目を引く「御前湯(ごぜんゆ)」。夜にライトアップされた洋風な建物は外からみるとエキゾチックですね。

広々とした浴室 ©大分県竹田市

高温に溶け込みにくい言われる炭酸泉ですが、御前湯の泉温は45.8度〜46.8度と50度近い温度の炭酸泉が特徴的。きりきず、やけど、慢性皮膚病、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺から疲労回復、健康増進などの効能が期待できるとされています。1階と3階には大浴場があり、家族用の貸切風呂もあります。

 

御前湯
住所:大分県竹田市直入町長湯7962-1
Tel:0974-64-1400
入浴料:大人500円、小学生200円、家族湯2,000円(50分)

 

街のど真ん中にある混浴露天風呂「ガニ湯」

image by: Wikipedia 

街のど真ん中の川下にあるのが、「ガニ湯(カニ湯)」。なんとここは混浴露天風呂。ロケーションも目立つところにありますが、囲みもない、脱衣も橋の下という、解放感満点の野天風呂です。カニにまつわる伝説があるそうで、インパクトのある「ガニ湯」の愛称で親しまれています。公共の露天風呂なので、24時間オープン。もちろん、無料です!

 

住所:大分県竹田市直入町長湯
料金:無料 

 

長湯温泉と肩を並べる「七里田温泉」【大分県竹田市】

 

長湯温泉と並び、日本一の炭酸泉ともささやかれる「七里田温泉(しちりだおんせん)」。竹田市内にある七里田温泉は、炭酸濃度の高さで知られている温泉です。

 

七里田温泉に入れる温泉施設は「木乃葉の湯」と「下湯(したゆ)」が有名。褐色の湯が大量に湧き出るという「木乃葉の湯」は掛け流し温泉。内湯、露天ともに久住連山が望めることができるお風呂です。

木乃葉の湯 / ©大分県竹田市

泉質はマグネシューム・ナトリウム・炭酸水素塩泉(炭酸泉)。他にも、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩などの効能に効くそう。源泉温度は56度。

 

下湯も高濃度の炭酸泉のお風呂です。どちらも、源泉かけ流し天然温泉です。

七里田温泉の「下湯」/ ©大分県竹田市

 

しゅわしゅわ〜と弾ける泡が気持ちいいと評判です。動画でもその弾ける感じが伝わってきますね。

 

 

木乃葉の湯・下湯
大分県竹田市久住町有氏4050-1
Tel: 0974-77-2686(七里田温泉館木乃葉の湯)
営業時間:午前9時~午後9時
定休日は第2火曜日
入場料:
木乃葉の湯 / 入浴料 大人300円・小人200円(4歳~中学生)・3歳未満無料
下湯 /大人500円、中学生以下200円、3歳未満無料

 

九州とは正反対の気候の東北にも炭酸泉が存在します。

カラダの隅々まで気泡が!「みちのく温泉」【青森県】

©青森県

長湯温泉と並んで東北で有名なのが、1981年に開湯した、青森県西津軽郡深浦町にある「みちのく温泉」。なんと遊離二酸化炭素含有量が国内1位の温泉で、1kgに4,004mgの遊離炭酸を含みます。湯に浸かれば、体の隅々までに気泡が付着。源泉温度は60℃。

 

古来より親しまれてきた「黄金温泉」【山形県】

カルデラ温泉館 / ©山形県

山形県の中央部の山あいにある「肘折温泉郷(ひじおり)」。ここは肘折(ひじおり)、黄金(こがね)、石抱(いしだき)の3つの温泉地からなっています。開湯はなんと江戸時代。古来の人も湯でカラダやココロを癒していたのでしょうか。

中でも、肘折温泉郷の奥座敷と呼ばれる「黄金温泉」は二酸化炭酸泉で有名。

カルデラ温泉館 / ©山形県

この黄金温泉を堪能できるのは「カルデラ温泉館」。露天風呂や全国的にも珍しい冷鉱水が飲める「炭酸水飲泉所」も設置されています。入っても極楽、飲んでも極楽の温泉です。

カルデラ温泉館
住所: 山形県最上郡大蔵村大字南山2127-79
Tel: 0233-76-2622
4月~10月の営業時間 入浴 9:30~18:30
11月~3月の営業時間 入浴 10:00〜16:30
料金: 大人(中学生以上)450円 / 小学生200円 

 

他にも、38℃前後の炭酸ガスを含有したぬるめの炭酸泉で知られる「泡の湯温泉」 (山形県)や、泡立つ温泉として有名な「初谷温泉」(長野県)など、全国各地に点在しています。

山形県にある「泡の湯温泉」

image by: Wikimedia

 

銭湯で炭酸泉

日暮里の老舗銭湯『斉藤湯』(写真 : 編集部)

以前にも記事「近くて手頃な炭酸泉。460円で楽しめる東京23区内の『炭酸泉』銭湯」でご紹介しましたが、全国各地にも人工高濃度炭酸泉を導入する銭湯も増えつつあります。

例えば、日暮里にある老舗銭湯の「斉藤湯」や、芸能人も利用するという南青山の「清水湯」など。

南青山にある「清水湯」

どちらも「高濃度人工炭酸泉」が楽しめる銭湯です。もちろん、銭湯なので、入浴料金も一律460円
この他にも炭酸泉を導入している銭湯もありますので、ぜひ家の近くの銭湯を利用してみましょう!

新生湯(品川区)
天然温泉 久松湯(練馬区)
ゆ家和ごころ 吉の湯(杉並区)
改正湯(大田区)ー黒湯炭酸泉あり
第一相模湯(大田区)
大黒湯(墨田区)ー日替わりで炭酸泉
文化湯 (江東区)
炭酸泉と軟水のお風呂 アクアセゾン(板橋区)
千代の湯(目黒区)

 

以上、自律神経に効くといわれている炭酸泉の紹介をしました。
最近では「炭酸力」をアピールした入浴剤の種類も増えており、手軽に自宅で「炭酸風呂」を楽しむ人も多いようです。自宅のお風呂もいいですが、温泉や銭湯などの炭酸泉は格別。体の芯まで温めてくれます。
炭酸のしゅわしゅわが思いのほか効くかもしれません。

ジモトのココロ

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