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なぜ徳島が1位? 外国人に人気の温泉ランキング『温泉総選挙2017』

先日、政府が後援する温泉地活性化プロジェクト「温泉総選挙 2017」における各部門のトップ5が発表されました。全国各地の温泉地がエントリーし、すべて一般の投票数で決められます総選挙。今回の投票数は149万票にも登りました。一体、どの温泉地が選ばれたのでしょうか? 各部門の中でも、ジモココ編集部が注目したのは「外国人おもてなし部門」。

 

温泉総選挙に輝いたトップ5

先日、環境省・観光庁・内閣府・経済産業省が後援する温泉地活性化プロジェクト「温泉総選挙 2017」の結果が発表されました。総投票数は149万票。各9つの部門のトップに輝いた温泉地を紹介します。部門はリフレッシュ部門、うる肌部門、スポーツ・レジャー部門、健康増進部門、ファミリー部門、歴史・文化部門、女子旅部門、外国人おもてなし部門、絶景部門の9つ。まずは、それぞれの部門のトップ5の結果発表を見ていきましょう。

 

【リフレッシュ部門】
第1位 南紀白浜温泉(和歌山県西牟婁郡白浜町)
第2位 妙高高原温泉郷(新潟県妙高市)
第3位 五頭温泉郷(新潟県阿賀野市)
第4位 みなかみ18湯(群馬県みなかみ町)
第5位 いわき湯本温泉(福島県いわき市)

 

【うる肌部門】
第1位 油谷湾温泉(山口県長門市)
第2位 湯原温泉郷(岡山県真庭市)
第3位 秋川渓谷 瀬音の湯(東京都あきる野市)
第4位 嬉野温泉(佐賀県 嬉野市)
第5位 鳴子温泉郷(宮城県大崎市)

 

【スポーツ・レジャー部門】
第1位 湯原温泉郷(岡山県真庭市)
第2位 五頭温泉郷(新潟県阿賀野市)
第3位 別府八湯(大分県別府市)
第4位 南紀白浜温泉(和歌山県西牟婁郡白浜町)
第5位 白子温泉(千葉県長生郡白子町)

 

【健康増進部門】
第1位 妙高高原温泉郷(新潟県妙高市)
第2位 湯原温泉郷(岡山県真庭市)
第3位 高湯温泉(福島県福島市)
第4位 豊富温泉(北海道豊富町)
第5位 三朝温泉(鳥取県三朝町)

 

【ファミリー部門】
第1位 南紀白浜温泉(和歌山県西牟婁郡白浜町)
第2位 五頭温泉郷(新潟県阿賀野市)
第3位 塩原温泉・板室温泉(栃木県那須塩原市)
第4位 伊香保温泉(群馬県渋川市)
第5位 川根温泉(静岡県島田市)

 

【歴史・文化部門】
第1位 島原温泉(長崎県島原市)
第2位 人吉温泉(熊本県人吉市)
第3位 鳴子温泉郷(城県大崎市)
第4位 函館湯の川温泉(北海道函館市)
第5位 箱根十七湯(神奈川県箱根町)

 

【女子旅部門】
第1位 長良川温泉(岐阜県岐阜市)
第2位 四万温泉(群馬県中之条町)
第3位 山中温泉(石川県加賀市)
第4位 伊香保温泉(群馬県渋川市)
第5位 人吉温泉(熊本県人吉市)

【絶景部門】
第1位 妙高高原温泉郷(新潟県妙高市) 
第2位 油谷湾温泉(山口県長門市)
第3位 太古天泉 松島温泉(宮城県松島町)
第4位 大歩危・祖谷温泉郷(徳島県三好市)
第5位 層雲峡温泉(北海道上川町)

 

【外国人おもてなし部門】
第1位 大歩危・祖谷温泉郷(徳島県三好市)
第2位 雲仙温泉(長崎県雲仙市)
第3位 城崎温泉(兵庫県豊岡市)
第4位 湯田中渋温泉郷(長野県山ノ内町)
第5位 別府八湯(大分県別府市)

そして、今回注目したいのは「外国人おもてなし部門」のトップ5。1位には輝いたのは意外な温泉地、徳島県の温泉郷でした。

 

海外に向けて積極的にPRしている温泉地や、外国人に配慮した取り組みで外国人観光客を増やしている温泉地がエントリーしているこちらの「外国人おもてなし部門」。外国人に人気の意外な場所がトップ5になりました。

 

1位は秘境の温泉地『大歩危・祖谷温泉郷』(徳島県三好市)

外国人おもてなし部門の1位に輝いたのは、徳島県三好市の「大歩危・祖谷温泉郷」。徳島県の温泉地が1位とは意外ですよね?

大歩危・祖谷温泉郷とは、祖谷温泉、祖谷渓温泉、新祖谷温泉、大歩危温泉、大歩危峡温泉の総称で、こちらの温泉郷はJR徳島駅から特急で約1時間30分のところにあります。

日本三大秘境のひとつ「祖谷」や国の名勝「大歩危」の山あいにある温泉郷には一軒宿が点在しています。山々を眺めることができる大浴場や露天風呂が人気で、秘境のムードが漂うのが魅力です。中でも祖谷温泉は日本三大秘湯の一つとして知られています。

「温泉。サンセット。 時々が来る列車の騒々しさ。部屋からの眺め。徳島の大歩危はとても良い場所!」 フランス人の旅行者は…

「 #四国- #徳島。夕食 (チーズ卵カレー ラーメン)。今まで最高の良い温泉」

「祖谷温泉の徳島にいるよ」

 

谷底で楽しむ露天風呂『和の宿 ホテル祖谷温泉』

祖谷温泉 (©三好市)

祖谷渓谷にたたずむ一軒宿の『和の宿 ホテル祖谷温泉』。一日に2千トンもの温泉が湧出しています。もちろん、源泉かけ流し。ケーブルカーで下った谷底にある渓流沿いの露天風呂が有名です。山々を見上げながらの絶景が楽しめます!

ケーブルカーを使って谷底の露天風呂へ (©三好市)

和の宿 ホテル祖谷温泉
住所:徳島県三好市池田町松尾松本367-2
Tel: 0883-75-2311 
営業時間:8:00〜17:00
入浴料(内湯のみ)大人500円 小人300円 /(露天風呂+内湯)大人1,500円 小人800円

 

天空の露天風呂 湯元新祖谷温泉『ホテルかずら橋』

ホテルかずら橋(©三好市)

ケーブルカーで露天風呂へ登っていく

祖谷温泉は谷底でしたが、こちらはケーブルカーで登る天空露天風呂が名物。筍の湯、雲海の湯など、5つの湯を楽しむことができます。秘境の祖谷を満点の星空と共に満喫できるなんて、最高ですね!

 

住所:徳島県三好市西祖谷山村善徳33-1
Tel: 0883-87-2171 
営業時間:10:00~16:00
入浴料:大人1,000円 小人500円

 

他にも、大歩危、小歩危の渓谷の見晴らし抜群の『大歩危温泉 サンリバー大歩危』、大歩危を一望できる『峡谷の湯宿 大歩危峡まんなか』、大浴場から祖谷渓谷の原生林を見渡すことのできる『祖谷渓温泉 ホテル秘境の湯』の温泉地があります。

 

いくつもの温泉地の中でも、外国人観光客にこの温泉地が人気なのはなぜなのでしょうか。三好市役所の観光課に人気の理由を伺ったところこのように話しています。

「大歩危・祖谷は絶景に恵まれている地域です。中でも注目されているのが、日本3奇矯「祖谷のかずら橋」、名勝「大歩危」、そして、ミシュラングリーンガイド2つ星「祖谷渓」です。また、桃源郷のような別世界「落合集落」など、日本古来の生活が息づいている地域であり、「かざらないおもてなし」が好評です。食は地元のこんにゃくや豆腐、おいもを味噌で味付けした「でんがく」や「祖谷そば」が有名です」(三好市役所の観光課)

 

地元料理はここでしか味わえない!(©三好市)

やはり、三次市ならではの見応えある観光スポットや独特のカルチャーが外国人観光客に人気の理由となっているようです。

 

観光スポットが豊富!

温泉だけではありません。人口3万人弱の市に、昨年訪れた外国人観光客は4万人以上も訪れるという三好市には「大歩危(おおぼけ)・祖谷(いや)エリア」を中心とした観光スポットが豊富です。

かずら橋(©三好市)

日本三奇橋の一つとされている「かずら橋」。かつて先人たちの知恵が詰まった原始的な吊り橋はいまも現在に受け継がれています。つる植物であるサルナシを使って編み重ねられた橋はまさに日本の歴史と伝統を感じさせる橋。外国人の旅行客が興味が沸くのも自然のことでしょう。
何と言っても、毎晩19時〜21時あいだの「かずら橋ライトアップ」は一見の価値ありです。

また、吉野川中流域に位置する渓谷の名勝「大歩危」の見晴らしも絶景!

大歩危 (©三好市)

小便小僧(©徳島県)

小便小僧と祖谷渓谷の冬景色(©三好市)

谷底から200メートルの高さから、度胸試しで放尿した旅人が由来となって建てられたと言われているこちらの小便小僧。観光スポットに一役を買っています。

 

「絶景」、「秘境」、「秘湯」「古き良き日本」など好奇心をくすぐるキーワードで外国人観光客を魅了しいる大歩危・祖谷温泉郷。三好市はすでに訪日外国人向けにPR活動に力を入れており、2010年から2014年の間に外国人観光客の数は4倍にも増えました。今後もこの地に訪れる人たちはさらに増えそうですね。

 

元祖インバウンドの地 『雲仙温泉』(長崎県 雲仙市)

雲仙温泉観光協会が中心となって、インバウンド向けのPR活動も積極的におこなっている長崎県雲仙市の雲仙温泉が2位にランクインしています。実は明治の頃にはすでに外国人の避暑地として知られてたという雲仙温泉。インバウンド発祥の地との呼び声も高いのです。

雲仙名物の湯せんべい(©長崎県)

雲仙地獄/ ©九州観光推進機構

古湯・新湯・小地獄の3つに分かれているのが特徴。そんな雲仙温泉郷にはホテルや民宿などが立ち並びますが、日帰り入浴施設も点在しています。手軽な料金で湯めぐりできるのも魅力のひとつです。
海外では”Unzen Jigoku”、 “Unzen Hell”として知られる雲仙地獄を中心に多くの外国人観光客も訪れています。

 

 

 

Unzen jigoku hot springs. Crazy scenery with hot steam pouring from the fumaroles all around you. Now it’s onsen time!

Salla-Maaria Laaさん(@jahapaula)がシェアした投稿 –

雲仙地獄温泉。自分を取り巻く、噴気孔からでる湯けむりのクレイジーな景色!温泉タイムよ!

 

愛が湧き上がるスポット『小地獄温泉』

愛が溢れる温泉©長崎県

「愛が溢れる温泉」として有名です。え、愛が溢れる温泉?? 
頭の中でよくわからない妄想が一瞬膨らみますが、実は小地獄温泉館(こじごくおんせんかん)の裏手には、ハート型をした温泉の源泉があり、それが愛が溢れる温泉として呼ばれるようになりました。
1731年に湯治場として開かれ、その当時は吉田松陰も訪れたとか。大正8年に共同浴場として開館し、地元の人や温泉マニアに愛されています。

 

小地獄温泉館
住所 雲仙市小浜町雲仙462
Tel: 0957-73-2351
営業時間:9:00~21:00
定休日 無休
公式サイト
料金 大人:420円/子供:210円

 

らっきょう漬けの樽を使っていた?『湯の里温泉』

©長崎県

雲仙温泉で最も古い歴史を持つ共同浴場が「湯の里温泉」です。地元では、当初らっきょう漬の樽を風呂桶に使っていたことがあり、それが由来で「だんきゅう風呂」と言われるようになりました。

 

湯の里温泉
住所:雲仙市小浜町雲仙303-1
Tel:0957-73-2576
営業時間:9時~23時
定休日:無休
料金: 大人:200円  子供:100円

 

 

参考サイト: 雲仙温泉観光協会

 

3位 有名ガイドブックから人気に火がついた『城崎温泉』(兵庫県豊岡市)

7つの外湯、一の湯【画像:豊岡市】

城崎温泉以前にもジモココでも取り上げた外国人に人気の温泉地として有名です。

有名な英語ガイドブック「ロンリープラネット」に取り上げられたことで一躍知名度がアップ。その後、市が運営する英仏語の予約サイトの運営や古き良き日本を体験できる風情の街並みがある温泉街として外国人旅行客に人気です。

一の湯、地蔵湯、御所の湯をはじめとした、7つの外湯がある城崎温泉では、リーズナブルな値段で浴衣で町を闊歩しながら、外湯めぐりもできます。

詳しくは、『外国人が殺到する城崎温泉、どうやって訪日観光客を36倍に伸ばしたか?』をチェック!

 

 

4位 猿の温泉で有名に『湯田中・渋温泉郷』(長野県山ノ内町)

渋温泉街の風景(写真提供:長野県観光機構)

湯田中渋温泉郷(ゆだなかしぶおんせんきょう)とは長野県下高井郡山ノ内町に点在する10つの温泉郷のこと。
その10つとは安代温泉、角間温泉、上林温泉、沓野温泉、地獄谷温泉、渋温泉、新湯田中温泉、星川温泉、穂波温泉、湯田中温泉で、町には温泉宿が点在します。

写真提供:長野県観光機構

中でも外国人に人気のスポットは地獄谷温泉の「地獄谷野猿公苑」。長野市から長野電鉄で1時間のところにある湯田中温泉駅からさらに山道を歩いて40分ほどのところにあります。そんな秘境にもかかわらず、外国人が押し寄せていると言います。その人気の秘密は「」。

猿が温泉に入ることで知られるこのスポットは海外では”Snow Monkey Mountain”と呼ばれ、近年写真家や研究者などの外国人観光客が多く訪れるそうです。

地獄谷野猿公苑の猿(写真提供:長野県観光機構)

写真提供:長野県観光機構

猿専用の温泉に入っているニホンザル。世界中で「温泉に入る野生の猿が間近で観察できる」のはここだけだそう!

 

日本は私のお気に入りの国になったわ!今日、たくさんのモンキーを見たわ!

 

 

5位 8つの湯が楽しめる『別府八湯』(大分県別府市)

近年、『おんせん県』としてのブランドを確立した大分県。『女子高生が温泉でシンクロするシンフロPR動画』や『ベリーダンスと別府温泉のPR動画』など温泉をPRする動画で話題を読んでいます。

8つの代表的温泉地の総称を別府八湯と呼びます。浜脇温泉、 別府温泉、 亀川温泉、 鉄輪温泉、 観海寺温泉、 堀田温泉、 柴石温泉、 明礬温泉の8つの湯。八湯とまとめていますが、それぞれ泉質は違いますし、眺める風景も違うの特徴。

 

「別府温泉と日本酒を片手に。素晴らしい温泉のご褒美!」

 

 美肌効果のある『別府明礬温泉 えびすの湯』

別府明礬温泉 えびすの湯

創業143年の老舗旅館「別府明礬温泉 えびすの湯」。美肌効果のある「硫黄泉」と「単純泉」の泉質と、開放感ある露天風呂が人気です。看板猫のライムがお出迎えしてくれます。

 

別府明礬温泉 えびすの湯
大分県別府市明礬4組
Tel: 0977-67-5858
営業時間:10:00〜23:00
定休日:不定休
料金:大人 1,000円

 

コバルトブルーの青湯が有名! 『観海寺温泉 いちのいで会館』

観海寺温泉 いちのいで会館

別府の街を一望できる温泉「いちのいで会館」。全国でも珍しい「コバルトブルー色の青湯」が有名です。
食事代込みなので、お得感がありますね。9~4月は大分県郷土料理のだんご汁定食にお目にかかれます!

観海寺温泉 いちのいで会館
大分県別府市上原町14組-2
Tel: 0977-21-4728
営業時間:11時00分~17時00分
入湯料(食事代込み)大人1,500円 小人(小学生以下)700円 幼児(3歳未満)無料

 

参考サイト:九州旅ネット

 

以上、外国人に人気の温泉地を紹介しました。人気の温泉の共通点は、「絶景」、「秘境」、「古き良きニッポン」などが体験できる場所でした。道が不便な場所にもかかわらず、徳島の奥深くの谷底や天空の温泉を訪れたり、猿がお風呂に入っている姿を一目みようと海外から客が押し寄せたりする時代となりました。時間をかけてでも体験したいその土地ならではのものを好む観光客が増えているようです。今後もインバウンド客が増えることで、意外な人気の温泉地が登場することでしょう!

 

ジモトのココロ

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