MAG2 NEWS MENU

進路は親が決める?子どもが決める?どちらも「不正解」です

我が子が進路を選択する際、明らかに「適性のない方向」に進もうとしている場合、親としてはどう対応するのが正解なのでしょうか。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、そんな時の「親の役割」について納得のアドバイスを記しています。

その子にしか歩けない道

さて、本日はネズミとゴールドドライバーのお話。

夫婦間でカチカンが衝突しやすい分野は、いくつかあるそうですが、その中のひとつが「子供の教育方針」だそうです。幸いといおうか不幸にもといおうか、私には実子はいません。チョイとしたキッカケから、義理の親戚の子を期間限定で育てていますけどね(*^ー゜)。

子供を育てていると、どんなことを褒めたり叱ったりするのかあるいはどんな躾をするのか、夫婦でのクイチガイが露わになるわけです。まあ、ちょっと考えてみれば当たりまえですよね。だって夫婦ふたりでさえカチカンが食い違っているところってあるんだから、子供という

存在がいれば、自分たちのこと以上にいろんなことを考えてしまって、自分たちのこと以上に激しく衝突してしちゃいますよ。そりゃそーだ。特にこれが尖鋭化するのが「進路に関わるとき」です。

この、子供の進路について、親の考え方にはいくつかパターンがあるようです。ひとつは自分と違う道に進んで欲しいと思っている人。「違う道」ってとこに「自分と同じ道への後悔と不満と不幸が表れているように感じるのは、私だけでしょうか( ̄∇ ̄)。よく

などなど、叶えられなかった夢を子供に託し、東奔西走する親御さんは、結構いるものですよね。これは「叶えられなかった」すなわち「自分が通りたかったけど、通れなかった別の道の方が自分の通った道より幸せだったはずだと考えているということでしょう、多分。

他方、自分と同じ道に進んで欲しいと思っている人もいますね。これもねえ、「同じ道」ってとこにコドモに「自分と同じ道を追認して欲しい感じがある気がするんですが、気のせいですかねえ。

そこまで行かなくても、子供が自分と同じ道を選んでくれることで、自分の人生への肯定的な評価が高まった気がするからではないかと思います。

でもね。正直なところ、この二つは両方ともすごく似ていますよね。いずれも自分が基準になっているところです。前者は、自分と「違う」で、後者は、自分と「同じ」で、ベクトルは180度違いますが、根底にある判断基準は「自分」であり、全く同じなのです。

えっと、で、その人生を歩むのは誰だっけ? そう、コドモだよね。子供は、どうなんでしょうか。子供はどんなに似ていてもあなた自身じゃありません。親である「自分」を基準にするのは、どうかと思うんです。

…とか言うと、「子供がどう考えているかですよね!」とか早合点してくれる方がいそうなんで、釘を刺しておきます。進路を決定するにあたって子供がどう考えているのかを基準にするのはムリがあると思うんですよ。

いや、そりゃ、どっちのセーターを買うのかとか、どんなドリルに取り組むのかとか、せいぜい選択科目を何にするのかくらいなら、コドモがどう考えているのかを基準にしてもいいでしょう。

ですが、コトは将来の進路を決定する場面です。日本のようにセカンドチャンスの少ない、一度失敗した人がリベンジするのが難しい社会では、できればヘタを打ちたくない場面なんです。ところが、コドモはアタリマエですが

ホンのちょっと(・_・)……しか知らないですよね。そりゃそーなんですよ。コドモなんだから。こういうことをホンのちょっとしか知らない人のことをコドモと言うんだから。

こういうことをよく理解した上で、「コドモがどう考えるか」だけを基準に進路を決定するということは、ちっこいネズミにクルマを運転させるのと同じですよ!!( ̄□ ̄;; でしょ?

ここは、正直に言ってすごく難しいところです。親として子供の一番近くにいる大人として、その子の成長を見守っているわけです。長く細かく観察してきたからこそ気がつくその子の

…こうしたものを総合して、コドモと話をしましょう。この上で「コドモがどう考えているのか」を加味してもっとも適性と思われる進路を強めに推薦してあげてください。

これがモンダイとなるのは、その子の適性と希望する進路がかなり食い違っている場合、解りやすく言えばムリ目な進路の場合です。

…いや、こういうこと言う子、いるでしょ?

こういうムリ目な進路の場合が、最もモンダイなんですよ。親から見ても向いていて、まあまあイケそうで、子供の嗜好性に合っていて、熱意があるなら、モンダイないんですよ。

それでも、私が書いたような、コドモの考えとか判断をアテにせず悪く言えば無視するかのような発想は、個性と自己決定を過剰に重視…あ、いや、尊重する現在の日本では、強権的で後見的に感じられるかもしれません。

ですが、コドモの甘い見積もりで上手く行くほど世間が甘くないことは、他ならぬ私たち大人こそが知っているのではないでしょうか(●_●)。

適性とは言えない進路を選択した場合の人生のしょっぱさはそのコドモがその後の人生でずっと味わい続けなければならないんです。それは、その子にとって幸せでしょうか?

さらに言えば、その厳しさはムリ目な進路を選択したときにこそ表れます。近所の大人だけでなく学校の先生も予備校の講師も、誰も「キミにはムリだよ( ̄へ ̄)」と厳しい宣言をして諦めさせてくれたりはしないですから。しょっぱい思いをしながら、若い時代を空費するだけです。

この憎まれ役をやるのが、最も近くでコドモを見守り応援してきた大人の、つまりは親の責任です。ネズミには、助手席にゴールドドライバーが必要なんですよ。少なくとも運転の初めにはね。

同じ道でも違う道でもなく、その子の道しか歩けない道。進路に関わる親の責任は重大ですよ。

image by: Shutterstock.com

真井花(まないはな)この著者の記事一覧

食べるのは大好きだけど、作るのは超苦手。棚拭きとアイロンがけが何より嫌い。そんな家事オンチだった私がソレナリに家事をこなせるようになったワケ。家事全体を見渡して、最小の手間で最大のリターンを得る、具体的なシステムをお知らせするメールマガジンです。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 システマティックな「ま、いっか」家事術 』

【著者】 真井花(まないはな) 【発行周期】 週3回(月水金)刊

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け