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五輪を政治利用する韓国と、北に翻弄される文在寅大統領の末路

いよいよ9日に迫った平昌冬季五輪の開幕。2006年トリノ冬季大会以来の南北合同入場行進の合意など融和ムードの高まりを見せた朝鮮半島でしたが、開幕直前になって北朝鮮サイドの「揺さぶり」とも思える要求等がエスカレートし、韓国国民から困惑と批判の声が上がっています。台湾出身の評論家・黄文雄さんは自身のメルマガで、五輪開催中もこの揺さぶりは続くと推測するとともに、今後も文在寅大統領の従北姿勢により韓国は北朝鮮に翻弄されていくことは目に見えているとしています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2018年1月31日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め1月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【韓国】北朝鮮による「赤化統一」を望む文在寅の幻想と現実

北朝鮮 南北合同文化行事の中止通知=韓国「遺憾」

韓国が北朝鮮に擦り寄り、アイスホッケーなどで南北合同チームを結成することを決めて以降、韓国ではさまざまな物議を醸しています。

文在寅大統領が、韓国のアイスホッケーチームへの北朝鮮選手の参加について、「関心を高めることで、不人気競技の悲哀を拭い去る、いいきっかけになると思っている」などと、アイスホッケーを軽視する発言、李洛淵首相に至っては、「どうせメダル圏内にいないから」などと失言する始末で、それが韓国国内で大いに叩かれています

もっとも、スポーツだろうが芸術だろうが、すべてを政治に絡めるのは中国と同じですから、驚くほどでもありません。これまでの政府あげての反日映画製作、フランスの漫画エキスポへの慰安婦漫画出品など、数え上げればキリがありません。

そんな韓国政府に対して、北朝鮮の方もあれこれ要求をエスカレートし韓国を恫喝しはじめています。今回は、2月4日に五輪の前夜祭として北朝鮮の金剛山で開くことで合意していた南北合同文化行事を中止する方針を、北朝鮮が一方的に通告してきたそうです。北朝鮮側の主張では、韓国メディアが北朝鮮の真摯な措置を冒涜する世論を広げていることが理由だとのこと。

たしかに韓国国内でも、なぜオリンピックに合わせた合同文化行事を北朝鮮でやるのかという批判が多く、平昌オリンピックが平壌に乗っ取られたということで、「平壌オリンピック」と揶揄する向きもありました。

一方で、金剛山の行事では韓国側が発電用経由1万リットルを提供することになっており、アメリカなどから、国際制裁に反するという声もありました。韓国側に北朝鮮が配慮したのではないか」と報じる韓国メディアもありますが、まあ、北朝鮮がそんな配慮をすることはないでしょう。韓国を揺さぶりにきていることは確かです。

北朝鮮が南北文化行事の中止通知 韓国に配慮?

平昌オリンピック参加のために高麗空港を使うことや、北朝鮮選手団への滞在費用支援について、韓国メディアでは「制裁違反」と指摘されていることに対して、北朝鮮は「戯言だと批判しています。

北朝鮮に反論できぬ文在寅大統領 元青瓦台の報道官が「終わった」と指摘か

今回の北朝鮮の措置は、こうした韓国内のメディアの北朝鮮批判を妨害する目的があるのでしょう。あまり騒ぐとすべてをご破産にすると恫喝しているわけです。

南北はパラリンピックでも合同入場することが決まりました。これはパラリンピック史上、初めてのことです。しかし、こうやって北朝鮮をオリンピックに組み込ませることで、逆に韓国は足元を見られるようになってしまいました。

平昌パラでも南北が朝鮮半島旗で合同入場へ IPCが決定

おそらく、五輪開催中も北朝鮮側は選手団の引き揚げなどをちらつかせて、韓国側を揺さぶってくることでしょう。

自ら一方的にのめり込んで自滅するのは韓国のお家芸です。朴槿恵政権時には、中国へ傾斜を深めたことで、THAAD(高高度ミサイル防衛システム)問題で中国からさんざん経済的な嫌がらせを受けてしまいました。

慰安婦問題では何度も約束を反故にしたことで、日韓スワップの再交渉すら開かれない状態です。

文在寅大統領の従北姿勢によって、今後、北朝鮮に翻弄されていくことは目に見えています。

これまでも本メルマガで解説してきましたが、文在寅氏はかつて盧武鉉政権時、国連の対北朝鮮人権決議案に対して、北朝鮮に韓国の取るべき態度を「お伺い」し、その結果、韓国の棄権を主導した過去があります。それほどの従北派ですから、北朝鮮の顔色ばかりみています

平昌オリンピックでの北朝鮮との合同チーム結成も、文在寅大統領の提案であり、これによって北朝鮮への国際社会からの制裁を緩めようという目論見がミエミエでした。

もともと文在寅氏の両親は北から逃げてきた「脱北者」ですが、にもかかわらず、これほど北朝鮮に迎合するのは理解不能です。「文在寅は北による朝鮮統一を望んでいる」とまで言われるのも当然でしょう。

恐らくこの平昌オリンピック後、文在寅は金正恩との直接会談を持ちかけると思われます。だからといって、北朝鮮は核もミサイルも放棄することはなく韓国が経済援助をたかられるだけの結果になることは間違いありません。

北と南の連邦、さらに統一は、東西ドイツ以上に難しいものです。もともと北の扶余・朝鮮系と南の韓系はまったく民族が異なります。李氏朝鮮時代には朝鮮半島の北部は南部から差別され続けてきました。そのような長い歴史背景があるので、むしろ統一することのほうが、不自然なのですが、文在寅政権はますます北朝鮮に傾斜し、「赤化統一」が現実のものになりつつあるのです。

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image by: PyeongChang 2018 – 2018 - Home | Facebook

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2018年1月31日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実』(2018年1月31日号)より一部抜粋

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