サラリーマン時代、ひと月の残業が200時間を超えることもあったという無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』著者の佐藤しょ~おんさん。そんな過労死レベルの生活を続けながら、佐藤さんは心のバランスを崩したことはなかったそうです。その理由はどこにあるのでしょうか。
仕事に対する主体性を持ち続ける
私はかつて、ひと月の残業(時間外)が200時間というのを、3ヶ月続けたことがあります。これは時給制の契約社員の頃でして、その後、サラリーマンになって管理職になってからはタイムカードなるものがなくなったので、正確な記録は残っていませんが、部長時代は毎月100時間くらいはやっていました。
今の時代なら、どちらも過労死レベルと言われるわけですが、私は過労で倒れたことはありませんし、心療内科のお世話になったこともありません。それは私のメンタルが格別他の人よりも強かったからでも、仕事のプレッシャーが弱くて楽勝だったからでもありません。後者について言えば、PL責任を背負っていたわけですから、楽勝なわけがないんですよね。
ここは余談なんですが、今ご自身がこのような環境で働いていて、プレッシャーと時間に追われているというのでしたら、早くここから卒業することを目標にした方が良いです。これが当たり前になってしまうと、会社という囲いから外に出ることが出来なくなりますから。
人生をやり直す、設計図を書き換えるために、最も威力を発揮する資産は、「時間」なんです。可処分時間を会社に全て召し上げられた状態では、あなたの未来は会社の思うがままですから。やりたい事が仕事とは別にあっても、それをやる時間を持っていなければ、決して形になりませんからね。だから何が何でも可処分時間の確保は、最優先課題になるんですよ。閑話休題。
話を戻します。月に100時間から200時間という、過労死レベルの勤務を続けていたのに、なぜ私は過労死もせず、ウツにもならず、心療内科のお世話にも、一切のクスリのお世話にもならずに済んだのか? ここにはちゃんと秘密があるんです。
それが仕事に対する主体性だと思うんです。
サラリーマンで、特に過労死レベルで働いている人って、仕事に対する主体性が必要なんですよ。主体性とは、自らの意志で、
● 今日は何をする、どこまでする、どうやってやる
を常に自分で決めるということです。
忙しくて、時間が無くても、
● 腹減ったから12時前だけど、早めにメシを食いに行くか
って出来るとストレスのコントロールが出来るんですよ。
マズいのは、トイレに行く時間も、タバコを吸ったり、コーヒーを飲む時間も自由に決められない状況での長時間、高プレッシャー労働なんです。
忙しかろうが、プレッシャーがあろうが、自分の裁量で決められることがたくさんあるのなら、それをやりくりすることで、ストレスを逃がすことが出来るんです。
これは要するに、成果を出す事は約束するけど、それ以外のことは私の自由にやらせてね。ということです。これを宣言出来る人が、高度プロフェッショナル人材です。ですから私は上司にほとんど報告ってしなかったんですよね。週に一度メールでサラッと近況を報告するくらいで、あとは余程判断に迷うこと以外(ほとんど無いんですけどね)、好き勝手に自分で決めてました。
逆に、上司に、それが出来るための権限を下さいって言えなきゃダメだと思います。上司があなたの鬼気迫る働きぶりを見て、あなたに配慮して気を遣ってくれるようになったら、過労死なんてことにはならないんです。
トップパフォーマーってみんなそれを意識してやっていますから。
会社や上司に細かくあれこれ指示をされて、箸の上げ下ろしまで細かく指図されているようでは、あなたはタダのワーカーであって、その状態で100時間を超える残業をさせられているのであれば、これは危険な兆候ですから。
そんな状況でしたら、自分の意志でコントロール出来る範囲を、どうやったら拡大できるのかを考えた方が良いですよ。仕事の成果以上に、この権限争いを巡るやりとりって、未来のあなたに効いて来ますからね。
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