「過去と他者は変えることができない」と言われますが、では人材育成はどのように行うのが正解なのでしょうか。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では著者で長く人材育成に携わってきた石丸智信さんが、ある講義から得られたヒントを紹介しながら、人を育てるためにはまず何をすべきかについて考察しています。
育成なくして指導なし~福島正伸氏から学ぶ
今年に入り、スポーツ界を中心として、人の指導、育成などに関わる出来事が、メディア等を通じて報じられる機会が多いですね。報じられている内容から、人の育成、成長について考えさせられますし、人の指導、育成については、業界を問わず、様々な悩み、問題を抱えているのではないでしょうか。
本号では、以前聴講した株式会社アントレプレナーセンターの代表取締役社長である福島正伸氏の講座を踏まえて、「人を育てる」ことをテーマに考察していきたいと思います。
講座の中において、福島氏は、このように述べられていました。
人を育てるということは、単に知識や手法を身に付けさせるだけではなく、それらを最大限に活かして、いかなる問題や困難をも乗り越えて、夢や目的を実現することができる人材を育てることである。
子どもたちを育てる、部下を育てるなど、人を育てると聞いて、私たちが、パッと思いつくのは、知識や技能などを教える、アドバイスするというイメージではないでしょうか。
もちろん、知識や技能などを教えることは必要なことですね。きっとその前に、自分は何を実現したいのか、何を成し遂げたいか、といった目的などを明確にした上で、知識や技能などを身に付け、活用していくという視点が大事になるのでしょうね。
また、福島氏は、「育成なくして指導なし」とも言われています。ここでの指導というのは、知識や手法を与えることであり、いわゆる、知識や技能、手法などを「教える」ことです。問題を解決し、新たな価値と感動を提供するために必要とされる知識や技術、手法などを身に付けることです。そして、育成とは、相手をやる気にさせることです。
そのためには、まず、自分の行動などを「見せる」ことが大切になってきます。いわゆる、率先垂範ですね。夢や目的などを実現するために、不可能と思えるような問題に対しても勇気を持って、諦めずに取り組み続ける姿勢を身に付けることが重要になるでしょうね。
こういった姿勢を相手に身につけてもらいたいとするならば、まずは、自ら、問題に対して勇気を持って諦めずに行動し続ける姿勢を見せていくことが大切になってくるのではないでしょうか。
例えば、親御さんが、子どもに対して、読書の習慣を身に付けて欲しい、と考えたとします。以前、このような話しを聴いたことがあります。
家庭内において、子どもたちに読書の習慣を身につけてもらいたいと思うのであれば、まずは、親御さんが嬉しそうに読書をしている姿を子どもたちに見せることが大事になるそうです。この話も、福島氏の言うところの「育成」に通じるように思います。
ちなみに他にも、子どもたちの目の届くところに本棚を用意して、そこに本を並べるという環境を整えることも読書を習慣化するために有効だと聴きました。
これまで、経営者や管理者など、組織のリーダーの方々にお話しを聴く機会がありましたが、リーダーとしてメンバー、部下の指導、育成に関して様々な悩みを抱えているようでした。
「過去と他者は変えることはできない」と言われますが、まさに、人を育てることは一朝一夕にできることではありませんね。まずは、自分自身が、率先して取り組む姿を見せていき、粘り強く行動していくことが大切になるのかもしれませんね。
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