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感情を書き換える。行動を阻む5つのメンタルブロックの外し方

人はなぜ頭でわかっていても、行動することをためらってしまうのでしょう。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを! 』では著者で長く人材育成に関わってきた石丸智信さんが、そんなテーマでおこなわれた研修に参加してで気付けたという、意識の壁「メンタルブロック」を取り払い前に進むためのコツを解説しています。

行動することを尻込みさせるメンタルブロック

以前聴講した研修の中に、経営幹部や上級管理者が一堂に会した研修がありました。その研修内容の中に「メンタルブロック」に関するものがありました。メンタルブロックをネットで検索すると、「コトバンク」のサイトには、

人間が何か行動等を起こす場合に、出来ない、ダメだ、無理だと否定的に考えてしまう思い込みによる意識の壁、あるいは抑止・制止する思考のこと。

と記載されていました。本号では、上記の研修で聴講した内容などを踏まえて「メンタルブロック」について考察していきたいと思います。

「メンタルブロック」をまったく持っていないという人は、きっと少ないのではないかと思います。また、「何らかの成果、結果を生み出すためには、何が必要か」ということでよく言われることとして、成果・結果を出すためにはそれに向けた行動は欠かすことができない、と言われます。そして、何らかの行動を起こしたり、実行、実践するからこそ、うまくいく、うまくいかないということにかかわらず、何らかの成果、結果が現れますね。

では、成果・結果を生み出すために、人が“行動”する、その前段階には何があるのでしょうか。この行動の前段階にあるものが、非常に重要だと、研修の中でも、述べられていました。行動の前段階にあるものとは、「人の“感情”ですこの感情こそがメンタルブロックを誘発させていると言えます。

聴講した研修でも、講師が受講者のみなさんに、「営業とは?」と質問していましたが、みなさんは、この質問に対して、どのように答えるでしょうか。

研修の中では、「大変、生活のため、忍耐、喜び、人生の勉強、出会い、パイプ役、会社の代表、お客様の代表、売り込み、高収入、戦い、熱意、気配り」などといった意見が出ていました。肯定的な意味合いで捉えている意見もあれば否定的な意味合いの意見も挙げられているように感じました。

私自身も、「営業とは?」と訊かれたら、以前は特に、押し売りとか、無理でも粘るとか、お客が嫌がっているのに売るとか、どちらかといえばネガティブな感情を持っていたように思います。ですから、「僕には、営業は無理だな、向いていないな」と思っていました。まさにメンタルブロックですね。

では、成果、結果が向上させていくためには、行動と感情どちらを改善していくと良くなるのでしょうか。一般的には、“行動”の方を改善することが必要だと、言われることが多いように思います。

企業であれば、例えば、相手を叱咤激励したり、ボーナスなどのインセンティブを与えたり、その人が行ったプロセスを褒めたりすることで、行動すること、実行、実践することを促していきます。私自身は、とりわけ、プロセスを褒めることは、これまでの経験などから大事なことだと思っています。

とは言うものの、聴講した研修で学びましたが、たしかに、叱咤激励されたり、インセンティブを与えられても、ある物事(例:営業)に対して否定的な感情を持っていると、なかなか前に進むことができずに、行動することができないので、行動のみに焦点を当てて改善を促していくことには限界があると思われます。

引き続き、行動することを阻む「メンタルブロック」について考察していきます。聴講した研修を通じて学んだ主なメンタルブロックや、ある物事に対する感情の書き換えなどについて考えていきたいと思います。

主なメンタルブロックとして、5つの項目が挙げられます。

この5つのメンタルブロックにより、行動することを制限してしまうと言われます。

“欠乏感”というのは、「自分には○○がないしなぁ~」などといった、自分に足りないところに焦点を当てることで、行動を制限してしまいます。

“無価値感”は、「これをやるだけの自分には価値がないからなぁ~」などといった感情によって、行動することを難しくしています。

“完璧主義”は、文字通り、「完璧にしてからじゃないとできないなぁ~」という感情によって、行動することを妨げるメンタルブロックです。

“他人の評価”というのは、「周りから変に思われるかなぁ~」などといった、他者からの目を意識しすぎることによって、行動を制限してしまうことです。

最後に、“失敗への恐怖”は、「行動・チャレンジして失敗したらどうしよう~」というメンタルブロックにより、行動することを止めてしまいます。

私自身もそうですが、一度は、こういったメンタルブロックによって、「行動したいのに、行動できなかった」という経験があるのではないでしょうか。

聴講した研修において、ある物事に対する感情の書き換え方メンタルブロックの外し方の事例を、講師は挙げていました。

ある商談会での出来事です。ある企業が開発した新商品を、この商談会に参加しているバイヤーなどに試食してもらって、販路を開拓するということでした。商談会に参加予定だった社長が参加するができなくなり、その奥さんが、急きょ、商談会に参加することになりました。

奥さんは、商談会などに参加したことがないため、午前中は、この企業の出展スペース(ブース)の前を通るバイヤーなどに、なかなか新商品を試食してもらうことができなかったそうです。試食してもらえないわけではなく、「ご試食どうぞ!」と目の前に通る人に、新商品を勧めることができなかったそうです。

そこで、午前中の様子を見ていた講師が、昼食を食べながら、奥さんにお話したそうです。色々と話したうえで、その奥さんのメンタルブロックを外すために、こう伝えたそうです。「あなたの新商品はお客様の幸せのためになるのだから」と。すると、午後からの奥さんの行動が変わったそうで、出展スペース(ブース)の前を通る人たちに対して、積極的にご試食どうぞ!新商品の試食を促していったそうです。

講師は、メンタルブロックを外すのは、簡単なことではないが、この事例は、奥さんに先入観がなかったから、すぐに行動が変わったのではないかということでした。きっと、奥さんの感情の中で、午前中は、「試食を受け取ってくれなかったらどうしようなどというメンタルブロックによって、試食を勧めることが難しかったのではないかと思います。午後は、講師から伝えられた言葉お客様の幸せのためによって奥さんの感情のメンタルブロックが外れ積極的な行動に変わったのではないかと感じました。

私たちは、自らの行動そのものを変えようとしたり、相手の行動を変えてもらおうとしてしまいがちです。「まず、行動そのものを変える」という考え方もありますが、それで行動が変わるということは、その行動の前段階の感情が肯定的だったと捉えることもできます。

逆に、行動そのものに焦点を当てて変わらないということは、その行動に対する前段階の感情が否定的な状態と言えるのではないかと思います。そこで、講師も述べていたように、すぐには難しいものの、その物事に対する“感情の書き換え”が必要になります。

例えば、「営業」に対する感情として、大変、忍耐、断られるなどといった感情があると、なかなか行動にうつすことが難しくなります。講師自身も、営業などに対する感情としてネガティブな感情もあったそうですが、今は、営業に対する感情として、「待ち望んでいるお客様にめぐり合うための手段」と捉えているそうです。

聴講した研修の中で、講師からの講義や事例を聴いて、行動そのものを変えるという視点に加えて、その物事に対する自分の中での感情に焦点を当ててその感情を肯定的にしていくことが大切だと思いました。感情の書き換えは、すぐには難しいものの、物事に対して肯定的に捉えることを習慣化していくことが大事になってくるのでしょうね。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 いしまるとものぶ 【発行周期】 週刊

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