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部下には任せられぬ、と仕事を抱え込む経営者の店がダメな理由

仕事に対する責任感が強いことは大いに褒められることですが、すべてを自分でこなさなければ、と気負ってしまうのは問題があります。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者の梅本泰則さんが、「無理なく仕事を減らす工夫」を紹介しています。

仕事を減らす方法

お店のスタッフには、毎日やることがたくさんあります。「接客」は当然です。その他に多いのが、商品整理、陳列、商品の発注、入荷検品、商品発送、在庫管理、商品POPの制作。商品や売場に関する仕事ですね。

そればかりではありません。イベント企画の立案、販売会議の資料準備、日報の提出、顧客データの整理、POSデータの集計など、運営に関する細かい作業も必要です。

そして、毎日いろいろなメーカーさんや問屋さんの営業が商談にやってきます。時には、メーカー展示会に行かなくてはなりません。また、少年団や実業団チームの試合のお手伝いもあります。もう、目の回る忙しさです。

さらに、最近ではネット販売もしていますから、もっと仕事が増えています。ウェブサイトに商品写真をアップしたり、見直しをしたり。ブログ、ツイッター、フェイスブック、ラインなどで、毎日のように記事を書かなくてはなりません。

ネットでのお客様のお問い合わせにも、丁寧にお答えします。メールマガジンを発行するのも大変です。また、ネットショップの商品管理と売場の商品管理は同じではありませんから、別々の作業が求められます。

このように、お店のスタッフには、毎日の仕事が山のようにあります

責任感の強いスタッフ

そんな中、大変責任感の強いスタッフがいます。しかし、どうも最近様子がおかしいようです。目が引きつっています。どうしたのでしょう。

よく観察してみると、そのスタッフは仕事を抱えすぎているようです。責任感が強いので、上司から指示されたことを全部自分でやろうとします。しかも完璧に。そうすると、あれもしなければ、これもしなければ、ということで、パンク寸前です。そのスタッフは、自分一人だけが忙しいように感じてしまいます。

やがて、その不満がたまっていったのでしょう。周りのスタッフにも愚痴を言うようになります。これはいけません。この責任感のあるスタッフを助けてあげなければ。それは、経営者の仕事です。

経営者は、そのスタッフとじっくりと話し合わなければなりません。そして、仕事量を減らす工夫をしなければなりません

方法としては、スタッフの仕事を全部細かく書き出すことです。その一覧を見ながら、他のスタッフに回せそうな仕事を探していきます。そして、本人に納得をさせながら、他のスタッフに仕事を振ってもらいましょう。

これは、責任感のあるスタッフが、往々にして陥ってしまう現象です。経営者との会話が、きっとこのスタッフを救うことでしょう。一方、同じようなタイプの経営者もいます。

任せられない経営者

責任感の強いスタッフのように、あれもこれもと仕事を抱え込んでしまうのです。なかなか部下には仕事が任せられません。任せるのが心配なのでしょう。

接客もします。商品整理も、商品管理も、メーカーさんとの商談も、販売データの集計も、経理事務も、イベントの企画も。あらゆる仕事を自分でやろうとするのです。

そして、いつもぼやいています。「時間が足りない」。当たり前です。

これでは、お店がおかしくなってしまいます。経営者にとって一番大事なのは経営戦略を練ることです。そして、お店の方向性を全員で共有することです。スタッフの行動が、その方向性に合っているか、いつも確認し続けなくてはいけません。

極端に言えば、それ以外の仕事はスタッフに任せてはどうでしょう

今、仕事が多くて大変だと思っている経営者は、これも先ほどのスタッフと同じく、自分がしている仕事を全部書き出してみてください。そして、経営者しかできない仕事だけをピックアップします。あとは、部下に任せられませんか。

最初はうまく行かないかもしれません。うまく行かなければ、その都度立ち止まって部下と修正を重ねるのです。そうすれば、部下も成長します。おまけに、経営者の考えも伝わりやすいのではないでしょうか。

いずれにしても、多くの仕事を部下に任せれば、本当に必要のない仕事は消えていきます。さらにいえば、部下が仕事のやり方を改善してくれるかもしれません。部下を信じるのも経営者の役目です。まずは任せる勇気を持ちましょう。

■今日のツボ■

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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