自分自身が取り組んでいる物事に対して、それが使命感にせよ責任感にせよ、どれだけの「強い想い」を抱いているでしょうか。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを! 』では著者の石丸智信さんが、自立して仕事に取り組む人材をめざす「想いの7段階」メソッドを紹介し、想いがいかに成果・結果に結びつくかを論じています。
想いにも段階があるの?
仕事でも、勉強でも、スポーツでも、何らかの物事に取り組む時、その人が、どのような「想い」を持って取り組むのかによって、その成果、結果は違ってくるのではないでしょうか。
この想いの違いに関して、聴講した研修の中でたびたび出てきた例として、石切り職人のお話があります。本号では、このお話に加えて、「想いの7段階」についても考察していきたいと思います。
石切り職人の例では、ある旅人が、石を切っている2人の職人それぞれに、「何をやっているのですか?」と質問をして、職人が答えます。その答えに「想い」の違いを感じることができます。
一人の職人は、いやいや石を切りながら、「ただ指示された通りに石を切っているだけだよ。こんなに暑いのに、嫌になっちゃうよ。だけど、生活のために仕方なくやっているんだよ」と答えました。
もう一人の職人は、「近くにできる教会の土台になる石を切っているんです。その教会ができると、周りの人たちがとても喜ぶのです。そして、子どもたちに、この教会を支えている石は、お父さんが切ったものなんだよ、と自慢するんです」と答え、笑顔を浮かべながら、石を切り続けました。
この二人の職人の想いの違いによって、切った石の精度などが違ってくるかもしれませんし、職人としての信頼度も違ってくるでしょうね。
ここからは、「想いの7段階」について考察していきます。想いの7段階とは、
- 第1段階:誰かにやってほしい
- 第2段階:楽にできるなら自分がやってもいい
- 第3段階:楽ではなくても確実な方法があればやりたい
- 第4段階:楽ではなくても、確実な方法がなくても、なんとかできる方法を見つけ出してやってみたい
- 第5段階:たとえ捨てるものが多少あってもやってみたい
- 第6段階:すべてを捨ててもやってみたい
- 第7段階:命をかけてもやってみたい
この7つの段階の中でも、1つの境界線を引くことができるように思います。第1段階から第3段階までは、何らかの依存の気持ちが表れており、依存型の「想い」と言えるでしょう。第4段階から第7段階までは、自ら考えて動くという意思が感じられることから、自立型の「想い」と言えるのではないでしょうか。
先ほどの二人の石切り職人で見ると、いやいや石を切っていた職人は、依存型の「想い」を持って、石切りに取り組んでいると思われます。反対に、子どもたちに自分の仕事を自慢することなどを楽しみにして、笑顔で石を切っていた職人は、自立型の「想い」を持ちつつ、石切りに取り組んでいると言えるでしょうね。
自分自身が考え、判断し、決断し、行動し、学び続けるような自立・自律型人財にとっては、上記の第4段階から第7段階までの自立型の「想い」を持つことが大切になるでしょうね。
とは言っても、第6段階、第7段階の「想い」の境地には、簡単に到達はできないとも思います。まずは、第4段階にあるように、難しい物事、出来事などに出会った時には、「できない」とすぐに判断せずに、自らが考えて、できる方法を見出して行動していくという「想い」を持って、取り組んでいくことが大切になってくるのでしょうね。
このように取り組むことによって、第6段階、第7段階の「想い」を持ちながら取り組めるような物事などに出会っていくのではないでしょうか。
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