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叫ばれる日本人の魚離れ。本当に私達は魚を食べなくなったのか?

昨今、日本人が魚を食べなくなったと言われていますが、その原因はなんなのでしょうか? 今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では著者で人気コンサルタントの佐藤きよあきさんが、家庭で魚を調理することがなくなった原因をあげ、それでも魚離れを食い止めることはできると論じています。

“魚離れ”を救うのは、高級回転寿司か?

日本人が魚を食べなくなってきています。食の欧米化・肉食化なのでしょうか?確かに、スーパーや小売店における、魚の売り上げは落ちています。食卓に魚が並ばなくなったのも事実。

肉食が増えているのも一因ですが、「魚は調理が面倒」と考える人が多くなっていることが最大の理由のようです。たとえ、切り身を焼くだけでも面倒だと考えます。ガステーブルのグリルを使うと、後の掃除が非常に手間となります。フライパンで焼くとしても、部屋中に臭いがこもる上、フライパンについた臭いが長期間取れません。密閉された現代の住宅では、魚を調理したくないと思うのも仕方のないことかもしれません。

魚の調理を簡単にするために、「水を入れないでいいグリル(ガステーブル)」や電子レンジ・トースターで魚を焼くことができる「アルミを特殊加工したシート」なども開発されています。しかし、臭いを消すことはできないので、魚離れを止めることはできないでしょう。

政府が、骨無し魚「ファストフィッシュ」を推奨していますが、問題の一面しか捉えていません。「骨があるから面倒だ」という理由で食べない人もいますが、骨の無い切り身で売られている魚はいくらでもあります。骨無し魚を推奨することに、どれほどの効果があるのでしょうか。問題は、家で調理しないことにあります。

また、家で食べない、もう1つの理由があるのですが、家計を預かる主婦に聞くとわかります。「魚は高い」。そう、価格の問題。小さな切り身1つが数百円もすれば、他の食材に変えてしまうでしょう。給料が減っているいま、量の少ない食材にお金を掛けるわけにはいかないのです。それなら、肉にした方が家族も喜びます。

では、本当に魚を食べなくなったのかというと、そうではありません。回転寿司は、ハンバーガーを抜く勢いで、成長し続けています。定食屋さんでは、焼き魚・煮魚定食の注文が多くなっています。産直の魚が美味しい居酒屋さんも大盛況です。すなわち、食べ方が変わっただけ。家ではあまり食べませんが、外では結構食べているのです。決して、魚が嫌いになったわけではありません。

どうすれば、魚の消費は伸びるのでしょうか。

家庭に魚を呼び戻すことは、もう無理だと考えるべきです。調理されたものを買うことはあっても、魚に臭いと骨がある限り、家で調理されることは減り続けるでしょう。“魚はお店で食べるもの”と割り切り、外食消費を伸ばすしかありません。

特に回転寿司は、まだまだ伸びしろを持っています。100円均一の大手チェーン店は、輸入で魚を仕入れるため、消費は伸びますが、日本の漁業にとってはプラスとなりません。国産にこだわっている、高級回転寿司に期待したいところです。

100円均一に物足りなさを感じ始めた人が、高級回転寿司に流れています。舌は肥えていくもので、より質の高いもの、珍しいものを求めるようになります。そうなると、鮮度や産地にこだわる人も増え、魚への興味も広がってくるでしょう。

魚の本当の美味しさを知ることで、寿司以外の魚料理へ手を伸ばす人は、確実に増えます。すると、魚の旨い定食屋さん・居酒屋さんにも、もっと人が集まるようになります。

内食が増え、外食への支出が減ったとは言いますが、より美味しいものを求める傾向は強くなっています。お腹を満たすだけの中途半端な外食を控えるようになったに過ぎません。美味しい魚があれば、みんな出掛けて行くでしょう。魚離れなど、すぐに解消されます。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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