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「100%夢が叶う方法」を実践しカッコよかった俳優の今井雅之さん

1000人を超える人にインタビューをしてきた米国の邦字紙『NEW YORK ビズ!』CEOの高橋克明さんが、取材してカッコよかった人を聞かれたときに必ず名前を出すのは、亡くなられた俳優の今井雅之さんなのだそうです。その理由について、自身のメルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』で綴っています。高橋さんによれば、ノウハウを聞いても「やってみたよ」「できるようにしたよ」の答えばかりの「100%夢が叶う方法」を実践した魅力的な人だったようです。

100%夢が叶う方法

かつて、俳優の今井雅之さんに3度インタビューする機会がありました。「取材した中でカッコよかった人は誰ですか?」。そう人に聞かれるたびに、すでに他界されているからあえて名前を出している、と思われるのが嫌なくらい魅力的な方でした。 生前の彼のライフワークは、アメリカ人にひとりでも多く「悪いのは戦争で、特攻隊として散った英霊たちではないんだ」と知ってもらうため、北米各所で「WINDS OF GOD」という神風特攻隊のふたりを主人公にした舞台を上演し続けることでした。

ただ、舞台だと見る人間の数が限られているので、関係者に「不特定多数に届けるため、映画にしたほうがいい」と勧められ、映画化することに。でも演じることはできても、映画を製作したことはありません。なにもわからないところからスタートしたそうです。 「具体的にどうされたんですか」と聞く僕に、「何もわかんないからさ……だから、とりあえず製作してみた」と今井さん。 字幕スーパーを目で追うことに慣れてないアメリカ人は、特定の映画ファンしか外国映画を観ない。その時点で観客を限定してしまうことになるので、急きょ、全編英語劇に変更することに。「でも、今井さん、英語しゃべれないじゃないですか」と聞くと、「そう!大変だったよ!だから……しゃべれるようにした」と笑いました。

「配給会社はどうされたんですか?」
「知らないからさ!だから、とりあえず、配給してもらうとこを探したよ」

「集客宣伝はどうされたんですか?」
「まったくわかんないじゃない!だから、とりあえず、みんなに来てもらってさ

インタビューとしては、あきらかに変です。具体的な方法を聞いても、とりあえず「やってみたよ」「できるようにしたよ」ばかり。でも、たぶん、不可能な何かをクリアした人のそのやり方って、こういう感じなんだと思います。 生前の今井さんとのこのインタビューはその後の僕の仕事において、とても大きな影響をもたらせてくれました。“できなければ、できるようにすればいい”。

考えてみれば、「成せば成る」ってすごいことわざだと思います。だって「成しちゃった」ら「成る」んだから。「成す」ように「成しちゃった」ら、「成る」に決まってる。禅問答のように聞こえるかもしれませんが、幾千の成功本も結局は、この言葉に集約される。今井さんはそれを地でやったにすぎない。 目的とゴールが明確なのだから、その過程は重要ではないし、なんなら忘れてしまっていい。ひとりでも多くのアメリカ人に英霊たちの志を理解してもらえるのであれば、その過程の膨大な努力は、いまとなってはどうでもいい。

「海外で起業して利益を出すためにはどうすればいいですか」、「北米の事業進出を成功させるためには何をすればいいですか」。僕が最近、人によく聞かれるこれらの質問も、具体的な方法論を聞かれているのは理解できます。アメリカ人のニーズ、マーケットの大きさ。信頼できるパートナー、貿易約款の留意点等。でも、(口に出さずとも)僕の本音は、「利益を出せばいい」「成功させればいい」

至って真面目に答えています。東大に合格する絶対唯一の方法は東大に合格すること。一億円稼ぎたいなら、一億円稼いで当たり前の人になること。途中経過は多分、人それぞれ。 そう考えると、理論上、先天性のモノ(才能)、スポーツ医学的なモノ(肉体年齢)以外、すべての夢は叶えられる、ということになります。

例えば、僕がいまからジャニーズ・ジュニアに入団したい。これは年齢的にも、骨格的にも、ルックス的にも無理です。オリンピックでメダリストも、ボクシングで世界チャンピオンも、同様・無理。才能、肉体年齢の時点でアウト。なので「夢はなんでも叶う!」なんてことは絶対ない。

ただ、後天性のモノ、肉体年齢が関係ないモノ、これは理屈上叶えられる、はずです。例えば、銀座の一等地にお店を出したい。カナダでアパレルショップを経営したい。司法書士の試験に合格したい。YOUTUBERとして稼ぎたい。 これらは、才能や肉体年齢にそう左右されない。実現のキーポイントは「できるようになるまで、やればいい」。アメリカには「先住民の雨乞いは必ず叶う」という有名なことわざがあります。干ばつに悩まされたインディアンが、雨乞いを天に捧げると、絶対に雨が降ってきた、というものです。

カラクリは、地球の歴史上いつかは必ず雨は降るから。降るまで雨乞いを続けるから、降る。できるまでやりゃあ、そりゃできる。という意味です。一瞬、ふざけたことわざだと思わなくもないですが、意外と真理を突いている。 ただ、そこに、それだけの時間と労力をかける価値があるのか、ないのか。どちらかというとそっちのほうが問題。価値があるのであれば、叶う。だって、叶うまでやればいいんだから。そして、もし、叶わなくても、それでも努力する価値はある。

以前、「ビリギャル」の著者でお馴染みの坪田塾塾長、坪田信貴先生にインタビューした時のことです。先生は日本を代表する人材育成のプロフェッショナル中のプロフェッショナル。 その先生が「生徒に“努力すれば夢は必ず叶う”なんて、そんな嘘は言えないです」と言いました。「だって、たとえば、僕が今からNBAのスター選手になりたい!って言っても100%無理じゃないですか(笑)どんなに努力しても40過ぎた未経験者がアメリカのプロバスケット選手になって活躍はできない」。

そして、先生は続けました。「でもね、努力すれば、たとえ成功しなくても、人間、成長はするんです」と。努力すれば、少なくとも「成長」はする。そして、それは成功より大切なことだと、坪田先生は教えてくれました。
生前の今井さんと、坪田先生と、このおふたりとのインタビューは、その後の僕の仕事において、とても大きな影響をもたらせてくれました。なにか物事を始める際、とても大きな教訓になっています。

image by: Shutterstock.com

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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【著者】 高橋克明 【月額】 初月無料!月額586円(税込) 【発行周期】 毎週水曜日

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