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小泉進次郎大臣、COP25演説で具体策示せず国内から落胆の声

スペイン・マドリードで開かれた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)は11日、閣僚級会合を開き、小泉進次郎環境相が演説しました。日本の取り組みや成果をアピールする一方、国際的な批判が高まる石炭火力発電の今後の利用に対する具体的な言及はなく、国内からは落胆の声が挙がっています。

演説の中で小泉環境相は、温室効果ガスの排出量を5年連続で減少させていることや、国内の自治体が2050年までに排出量を実質ゼロにする目標を相次いで表明していることなどを紹介。「結果をともなう脱炭素化に向けた行動を確実に進めている」と報告しました。

その一方で、石炭火力発電に関しては、「世界的な批判は知っている」と強調した上で、「残念ながら今日は、石炭関係の政策について新たな進捗を共有できない」などと述べ、具体的な削減策について踏み込みませんでした。この演説に対し、ネット上では多くの批判の声が挙がっています。

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石炭火力が全発電量の約3割を占め、17基の新設計画もあるという日本。国際NGOのグループは日本に対して、温暖化対策に消極的な国に贈る化石賞を授与しました。

取りやめになっていた11もの環境事業

小泉環境相は日本の取り組みや成果をアピールしましたが、石炭火力発電だけではなく、日本の環境問題への取り組みを見てみると、その対応はあまり進んでいません。国は平成24年にガソリンなどの化石燃料に課税する地球温暖化対策税を新たに導入して財源を増やし、対策事業を進めてきましたが、NHKによると、この6年間に11もの事業が効果が小さいなどと指摘され、取りやめとなっていたと言います。

具体的に見ていくと、「自治体の施設にLED照明をはじめとした省エネ設備を導入するなどの事業」は、来年度に52億円を要求していましたが、評価者から「自治体に補助する必要があるのか」「効率が悪いのでは」などと指摘。また、33億円を要求していた、過疎地で荷物を運ぶドローンの導入を促進するなどの物流分野での事業も取りやめとなりました。

既に行われていた事業では、3年前まで年間10億円前後をかけて実施していた、サトウキビからバイオ燃料を製造・販売する支援事業、ブルドーザーやフォークリフトなどにハイブリッド車を導入するための補助事業などが取りやめとなっていました。

閣僚就任から3カ月を迎えた小泉環境相。その発信力の高さから手腕を期待されているが、政府の方針と自らの信念との狭間に揺れ、今後も難しい舵取りが迫られています。

image by:小泉進次郎オフィシャルfacebook

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