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広がるキャッシュレス決済をマーケティング活動につなげる方法

10月の消費税増税に伴って還元策が打ち出された影響で、確実にキャッシュレス決済が浸透してきているようです。メルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』発行人の理央周さんが、このキャッシュレス決済について詳しく説明。さらにどうやってマーケティングに生かしていくかを考え、中小企業や個人経営のお店でも導入すべきか否か、判断するするためのポイントを教えてくれます。

キャッシュレス決済の浸透に何を学ぶか?~利益を出すためにすべきことは集客ではない

昨年10月から消費税が上がって約3ヶ月になります。それ以来、目につくのがキャッシュレス決済ですよね。キャッシュレスだと5%還元します、という謳い文句もあちこちでみます。うちの近所にあるドラッグストアのココカラファインも、5%還元をやっていますが、10月以降気のせいか混んでいるような気がして、10台くらい置ける駐車場がいつも満車です。

ユーザーにとっては買い物の時に、支払いの選択肢が増えると便利ですし、キャッシュやポイントの還元があると「お得感」がでますよね。事業主側にとって、消費者が、「どうせ同じものを買うなら還元がある方で買おう」、となるのでライバルの中から選ばれる理由にもなります。

今号では、キャッシュレス決済の広がった理由を元に、マーケティング活動にどうつなげていくのか、について考えていきましょう。

キャッシュレス決済が拡大した背景

今回の増税を機に、行政も「キャッシュレスを広げる」、という方針を打ち出しています。経産省のデータによると、日本での支払いにおける、キャッシュレスの割合は約18%で、韓国の89%、中国の60%、米国の45%に比べると、大きく引き離されています。(2018年4月 経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」世界のキャッシュレス動向より)

来年の東京オリンピックもありますし、これからどんどん海外からの旅行者が増える中、便利に買い物ができる環境を整備していきたい、ということもあります。

消費者の方も、意識が少しずつ変わってきているようで、日本経済新聞の記事によると(2019年11月28日)、1万人にアンケートを取った結果、うち7%の人たちはポイント還元事業があるため、キャッシュレス決済を「新たに始めた」とし、「頻度が増えた」人たち34%と合わせると、約4割が、今回の還元を機に、キャッシュレスの利用に前向きになったことが分かります。

始まって約2ヶ月ですから、キャッシュレス決済を使う、または使いたい、という人は、これからも増えていくことが予想されますよね。一方で、キャッシュレス決済ができる店はどこか?と考えると、いまのところコンビニやスーパーマーケットなど、大手企業が中心という感が否めません。

同記事によると、コンビニやスーパーでは、約4割がキャッシュレス決済ですが、飲食店で使える店は?ということになると、たったの11%に下がります。

消費者調査の結果をみると、10月の導入から後にキャッシュレス決済に切り替えた理由として、「現金より便利に支払えるから」など利便性が上がったことと、「ポイントなど還元があるから」という、“お得感”で切り替えている人、使い分けている人も増えていることが見てとれます。

キャッシュレス決済の拡大は何をもたらすのか?

キャッシュレス決済の拡大のための、行政の後押しと、それに伴う消費者への浸透という、外部環境の機会が増大している、いわば「追い風」が吹いているということになります。こうなると、中小企業や個人でお店での販売や、レストランをやっている事業主さんたちも、キャッシュレス決済を取り入れていかないと、お客様を「取りこぼす」ことになります。

「キャッシュレス決済」を導入していないと、「機会損失」につながってしまうのです。キャッシュレス決済の導入には、大小の投資も必要ですし、社員にも教育をしなければなりません。しかし、顧客の側からすると、面倒な現金のやり取りも不要になり、さらに期間限定も含めたポイント還元の恩恵もあります。いわば、常連さんやファンを含めた、顧客が支払いをする上での利便性をあげる、ひとつのサービスになるのです。

「コストがかかるな」という不安があるのであれば、キャッシュレス決済がないと不便で利用したくない、というお客様の売り上げ金額を算出し、導入コストを差し引いてプラスになれば導入すればいいのです。投資対効果で考えるべきですよね。

私もよく「新しいお客様をどう集客すればよいでしょう?」、という相談を受けますが、集客の前に考えるべきことは、多くあるのです。というよりも、常連さんになってもらうための努力の方を、怠ってはいけないのです。なぜなら、新規獲得コストは、リピート促進のコストの5倍かかる、と言われているからです。

きてくださったお客様にいかにハッピーになってもらうか、ということです。飲食店だったら美味しい料理を出す、おもてなしをする、ということがそれに当たりますよね。でも、それら提供する価値に加えて、お客様が「便利に支払える」「ポイントが還元される」、という選択肢を増やしてあげても、同じようにハッピーになれますよね。

値引きや広告を使って宣伝することも時には必要ですが、どうやって来てもらうかよりも、いったん来てくれたお客さんに、「どうやったらうちの店で幸せに過ごしてもらい、ハッピーになって帰っていただけるか?」を考えることが、お客様が次にまた来たくなるかどうかの、大きな理由になります。

image by: Shutterstock.com

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