新型コロナウイルスの本格的な流行が起きた場合、病床が足りなくなる恐れがあると朝日新聞が報じている。政府が確保したという感染症に対応できるベッドは、2月末時点であわせて5千床以上。厚生労働省は専門家の意見から、外来患者数などを推計するための計算式を示しており、それによると流行がピークを迎えるころの人口10万人あたりの1日の入院患者は、0~14歳で53人、15~64歳で18人、65歳以上で560人と推定されている。
コロナ大流行になった場合、まったく足りなくなる「病床」
朝日新聞はこの式に、総務省が示した2018年10月1日現在の人口推計をあてはめたところ、全国で最も感染者数が多い北海道は1日あたりの外来患者が1万8300人、入院患者が1万200人、重症患者が340人となったという。最も人口が多い東京都は、外来患者4万5400人、入院患者2万500人、重症患者700人にもなるとしている。政府が確保したという5千床では、まったく足りない計算になる。
新型コロナ大流行なら病床不足 国、医療体制の整備要請 #新型肺炎 #新型コロナウイルス https://t.co/4AIGhUiCci
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) March 8, 2020
流行のピークはいつ?
専門家によると、流行のピークは感染経路が追えないくらいに感染が拡大した時点から「おおむね3カ月後」にくると仮定されている。しかも、必ずしもピークがくるというわけではなく、時期も地域ごとに異なるという。
中国ではどんな問題が起きたか?
新型コロナウイルスの感染が拡大していた中国では、病床が足りず十分な手当てが受けられない患者が続出。わずか10日ほどで展示施設の敷地内に仮設病院を建設するなどの対応に追われていた。3月7日には、隔離施設として使用されていた福建省のホテルが倒壊し、8日午後4時(日本時間同5時)までに10人の死亡が確認されている。ホテル倒壊の可能性は別にして、日本も「隔離施設の確保」という問題に直面することは明らかだ。
中国福建省で新型ウイルス隔離用ホテルが倒壊、10人死亡 https://t.co/CAOYCQ9Ogk 2020-03-09 07:29:31
— ロイター トップニュース (@reuters_jptop) March 8, 2020
新型コロナ拡大、日本国内は防げるのか?
日本でも、新型コロナウイルスの感染拡大は止まらない。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗員は、共同通信の取材に対して「乗員は行動を制限されず、ウイルス検査で陽性だった乗客と接触していた。マスク着用以外の感染防護策は乗員任せだった」と証言しており、ずさんな防衛体制が明らかになったばかり。産経新聞によると、「副業がバレるのが怖かった」といった理由から、コンビニ勤務の実態を隠す感染者も出ているという。さまざまな問題が発生しているなか、果たして日本国内の感染拡大は防げるのだろうか?
日用品暴動に備え弾薬の売上急増の米国
9日時点で、韓国では7041人の感染者と47人の死者、イタリアでは7375人の感染者と366人の死者を出している新型コロナウイルス。病床以外にも、さまざまな問題を抱えている。日本でマスクや消毒液などが店頭に並ばなくなっているが、アメリカではこうした日用品をめぐって「暴動が起きるのではないか」と懸念し、弾薬の売上が急激に増えたという。ウイルス感染ではないところでの被害が出ないことを祈るばかりだ。
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