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子どもに「なぜ宿題しなくちゃいけないの?」と聞かれた時の正答

もしもお子さんから「なぜ宿題をしなければいけないの?」と聞かれたら、その裏にどんな気持ちが隠れているのか、親としてしっかりと考えてあげたほうがいいようです。今回の無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』では著者のパピーいしがみさんが、そんな質問を受けて答えられなかったという読者の方からのメッセージに対して、解決のヒントとなる考え方をレクチャーしています。

なぜ宿題をしなければならないの?

こんばんは。パピーいしがみです。

さて、今日は「なぜ宿題をしなければならないの?」と言われた時のお話をしたいと思います。

でもまずは、ご自分がお子さんから「なぜ宿題をしなければならないの?」と聞かれたら何と答えるか?考えてみて頂きたく思います。この質問は、多くの親が経験している事でもあり「なんと返答したらよいかわからない」という方も少なくありません。なのでまだその経験をしていない方は、ぜひ今のうちに考えて準備をしておいてほしいし、いざその時になったらきちんと答え事ができるようにしておいてほしいです。

では多くの人がよくする返答は何かご存じでしょうか?答えは「そんなことはどうでもいいから、どんどんやりなさい」です。親も宿題をこなしてきたし、子供からそんな質問をされるなんて思っていないので「宿題をするのが当たり前」という前提でいるのですね。ですが質問にも答えてもらえず、逆に叱られてしまえば、子供はさらにやる気をなくします。そして勉強に対して嫌悪感を抱きながら、宿題にも悪いイメージを抱き、どんどん勉強嫌いになっていきます。でも大事なことは「一人で宿題をするにはどうすればいいか?」ではなく、宿題や勉強に対して嫌悪感を感じていたら、早めに解決してあげる事なんですね。

実は「なぜ宿題をしなければらないの?」と聞く子は、勉強に対して嫌な気持ちがわいてきているサインでもあるのです。授業が分からなくなっていたり、答えが出せなかったり、スムーズに終われなかったりすると、つまらなくなります。その時に思うのが「あー宿題なんてやりたくない」「宿題なんてなくなればいいのに」なんですね。ですから「なぜ宿題をしなければらないの?」の質問が起きた時には「あ、これは勉強でトラブルが起きているのかも?」と気づいてほしいのです。

今、ちょっと注目されているユーチューブ「教えてイチロー先生」でも、同じような質問がありました(いろんな質問があり、良いヒントもたくさんありますのでご覧いただくと面白いかもしれません)。その中でイチローさんはこんな風に言っていました(相手は中学・高校生でした)。

「僕の宿題の定義は、野球選手がトレーニングをする感じかな?」

 

「宿題、やりたくないよね」

 

「できればやりたくないけど、大人になると、やりたくない事をやらないといけなくなるんだよ」

 

「宿題はその訓練として捉える事はできると思う」

 

「やっぱり好きないことばかりやっていると、社会人になると難しくなる」

イチローさんは、嫌いな宿題であっても大人になって直面する「やりたくない事をやれるようになる訓練」ととらえられたようです。

イチローさんは、あれだけの実績を残した人ですから、それはそれは辛い練習もしたでしょうし、いくつもの山を乗り越えてきた、と容易に想像が付きます。そんなイチローさんだからこそ、その言葉に重みがあって、質問した子も「なるほど」と受け入れたようでした。

ただ私が気になったのはそこにあったコメントで、ある子育て中のお母さんが「いいことを聞きました。今度そうやって言ってみます」と書かれていた事でした。このお母さん、イチローさんの言葉を子供に言えば、子供が宿題をするだろうとお考えになったようです。

でも現実はそんな簡単なものではありません。「子供が素直に宿題をするようになる魔法の言葉」なんてありません。ですから宿題に疑問を持つようになったら、その言葉の裏には何が起きているか?を考えてほしいのです。

私も会員さんに「子供になぜ宿題をしなければならないの?と聞かれてなんと答えてよいかわからなかった。いい答えはありますか?」と質問を頂いた事がありました。

私はこんな風にお返事しました。

子供さんに「なぜ宿題をしなければならないの?」と聞かれて、その質問に対してどう返事をしたらよいか…との事だったのですが、その返事の仕方も大事かもしれませんが、私はもっと大事な事が有ると思うのです。それは子供さんが勉強に躓いていたり、付いていけなくなっているのではないかな?という心配です。「なぜ宿題をしなければならないの?」と聞く、その裏にある気持ちを知ってあげることが必要だと思うのです。

 

もし今、子供が何を習っていて、どんな宿題が出ていて、どのくらい理解しているか?を親が把握していれば問題はありませんが、もしそうでなかったとしたら、宿題の出来具合を見たり、サポートすることが必要なのかもしれない、という事なんですね。

 

そして、宿題は何のためにあるか?という事も親は知っておく必要があると思うのです。先生が出してくれる宿題って、決して強制や制裁などではなく、逆に先生の「思いやり」に近いものなんです。計算問題や漢字などは特に顕著ですが「理解した」だけでは使えるようにはならず、何度か練習を繰り返して「慣れる」ことや「覚える」事が必要になります。特に新しい知識は何度か使ってやっと身に付く、という事も多く、その「慣れる」「覚える」「使ってみる」こそが宿題になるのです。

 

これはゲームでも、自転車でも、サッカーでも、スマホでも、何でも同じ。覚えた知識を「覚えた」だけで終わりにするのではなく、複数回練習をしてみて、初めて使えるようになります。子供たちが自分でその問題を選択したり、親が作ってあげたりすれば、先生が宿題を出す必要はありません。でもそれでは子供や家庭によって差が開いてしまうから「これをやっておくといいですよ」と作ってくれたのが宿題なんですね。

 

そして、ご存じでしょうか?先生はその宿題をチェックするために、残業したり、家に持ち帰ったりして、ご自分の時間を使っておられるのです。そう考えると、先生の出される宿題に「嫌なもの」「めんどくさい」と思う子供たちの印象を改めさせたいです。なので私が「どうして宿題をしなければならないの?」と聞いたらこんな風に返事をします。

 

まず「宿題は“やらなくちゃならないもの”ではないんだよ」です。

 

「宿題がなぜ出るのか?っていうと、先生が今日、学校で教えてくれた内容を、みんなにきちんと理解してもらいたくて、わざわざ問題を考えたり、選んだりして作ってくれているんだよ」

 

「だってそこで分からないままにしておけば、そのまま進んだらよけいに分からなくなっちゃうからね。理解するためには同じような問題を何度かやる事が大事なんだ」

 

「でも実は、先生だってわざわざ宿題を作りたいわけじゃないんだよ」

 

「だってチェックするだけだって一人5分かかるとしても、クラスに20人いたら、全部見るだけでも2時間近くかかっちゃうからね」

 

「でも先生は、生徒のみんなに『大事なところだからちゃんと理解してほしい』って思っているからこそ、宿題で出しているんだ」

 

「中には、寝る時間を割いてまで、1人1人の進みぐあいを見てくれている時もあるんだよ」

 

「だけど、わからない問題もあるよね。そんな時はお父さんやお母さんに聞いてもいいし、先生に提出する時に『ここの部分がわかりませんでした』って書いてもいいんだよ」

 

「もし、今、わかりにくいところがあるようなら、お父さんに見せてくれる?お父さんにわかることがあるかもしれない」

 

とこんな風に言うかな?と思います。

 

子供が「めんどくさい」と思っているだけなら「先生も大変なんだな」と分かれば自分からやろうとするかもしれませんし、もし「分からないところがあった」のでしたら、勉強嫌いになる前に手を打つこともできます。

 

「どうして宿題をしなければならないの?」の返事がまだであれば、上記の事柄を含めて回答してあげたらどうかな?と思いますが、いかがでしょうか?

勉強や宿題。

子供が自分からどんどんやってくれたら親は楽です。ですが成長とともに、友達との遊び、習い事、ゲームなど、いろいろと忙しくなることで宿題がないがしろにされがちです。その一つの目安として「どうして宿題をしなければならないの?」の質問はとても大事です。親も一緒に考えて、子供たちにも宿題の重要性を教えてあげてくださいね。そして必要であれば、早い段階でサポートをしてあげて「分からない」をなくしてあげてほしいです。勉強が分からない…が「学校に行きたくない」になってしまう事も非常に多いですから。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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