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若者「絶対に行きたくない…」上司が飲み会の誘いを断られる本当の理由

最近は、会社の飲み会を断る若い社員が増えているようです。しかし、部下とのコミュニケーションをとる機会として、飲み会を重要視している上司が多いのも事実。さりげなく誘った飲み会をやんわり、あるいはキッパリ断られた経験のある方も多いと思います。なぜ、あなたの飲み会の誘いは断られてしまうのでしょうか? 今回のメルマガ『金田博之の「出世したサラリーマンが絶対やらなかったこと」』では外資系IT企業の日本法人代表をつとめる金田博之さんが、その理由を明かすとともに、誘った飲み会を断られない秘訣も伝授しています。

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あなたが飲み会の誘いを断られる本当の理由

課題背景

『三国志』はみなさんご存知だと思いますが、その中に 桃園の誓い という話があります。 劉備・関羽・張飛の3人が盃を交わして義兄弟の契りを結ぶというものです。

そのような風習は日本にも伝わり、神前式の三々九度の盃や任侠の親子盃など、信頼関係を結ぶ儀式としてお酒を酌み交わすことは古き良き伝統として現代まで受け継がれています。

このように日本は昔からお酒を一緒に飲むことで信頼関係を作る文化があり、盃のような仰々しいものではなくとも、会社の飲み会というのもそれに当てはまるのではないでしょうか。

私自身も、一緒に働く仲間と円滑に仕事を進めていく上で飲みの席というのが非常に重要だと考えています。 今はコロナ禍で中々そういう機会を取るのも難しい状況かもしれませんが、あなたの会社ではどれくらいの頻度で飲み会を行っていますか?

また、会社で飲み会を企画した場合にどれくらいの割合で参加してもらえるでしょうか?

実は昨今、「飲み会に参加したくない」という若者のお酒離れが進んでいます。 これはよく考えると深い問題で、ジェネレーションギャップで片付けずに一度真剣に考えた方がいいと思ったので今回お話させていただこうと思います。

出世したサラリーマンはここが違う!

【出世するサラリーマンが絶対やらないこと】無理に飲ませようとする
【出世するサラリーマンは】目的と意味をもたせて飲み会を企画する

飲み会に参加するメリットがない

2019年12月にJタウンネットが1000人以上の会社員を対象に行なったアンケートの結果、「忘年会に行きたくない」と答えた割合がなんと83%だったそうです。

そして別の調査では、世代別に見ると会社の飲み会に積極的な人は50代の男女が多く、若くなるごとに減っていき、20代が最も低いという結果でした。

驚くことに最近では「強制参加」なら残業代を請求すると訴える新入社員もいるそうです。

そして、「なんで行きたくないのか」という問いに対しての答えは「参加するメリットがない」「つまらない」「プライベートの時間でも上司と一緒にいたくない」といった意見が目立ちました。

SNSでも若者を中心にこういった意見が共感を集めてときおり話題になっています。

今では自己啓発系の発信をしているYouTuberなんかも飲み会は時間の無駄だと言い切っていますし、今後もこの流れは加速していくでしょう。

しかしながら、若い人の考え方はやはり飲み会というのは一緒に仕事をしていく上でとてもよい潤滑油になるものだと考えています。

時代の変化に伴う考え方の変化として放っておくのは簡単ですが、このまま飲み会という文化をなくしてしまうのは非常に惜しいです。

どうすればこのような考え方を覆し、飲み会に参加したいと思わせることができるのでしょうか。

そもそも飲み会の目的は?

あなたが飲み会に参加するとき、または企画するとき、どのような目的を持っているでしょうか?

おそらくですが、以下のような目的があると思います。

特にコミュニケーションの部分が大きいのではないでしょうか。

本音と建前を使い分ける我々日本人はお酒を飲むことによっていつもより深い会話ができるようになりますし、冒頭でも話したように日本ではお酒を通して信頼関係を作っていく風習があります。

あなたが部下を抱えていて、もっとコミュニケーションを取りたいと思っている場合、飲み会は格好の機会と感じるでしょう。

しかしながら飲み会に反対意見を持つ人たちは、

というマイナス面を強く感じるようです。

「気を使うのが嫌だ」という部分に関しては、お互いの歩み寄りが足りなさそうな気もしますが、「お酒を飲みたくない」という人は飲まなくてもいい雰囲気を提供してあげればいいでしょう。

最も重要視すべきは「おもしろくない」という意見です。これは単純に話がおもしろくないとかではなく、 飲み会にはなんの意味もない と思われてしまっているということと捉えるべきです。

それでも上司の立場からすると、部下が何を考えているのか、自分はどう思っているのか、本音を言い合う場としての飲み会は大事なので、「とりあえず参加してほしい」と強引に誘うこともあるのではないでしょうか。

それで付いてきてくれる人もいるかもしれませんが、嫌々連れてこられたところで「つまらない」という思いを変えるのは困難です。

いくらあなたがお酒を通してコミュニケーションを取ろうとしても、相手に受け入れる姿勢がなければ関係の強化にはつながりません。

ではどうすれば、進んで飲み会に参加したいと思ってもらえるのでしょうか?

社内で一番の美女になれ

男性の例ですが、「 別の部署にいる社内一美人と評判の女の子が参加するよ 」と言ったらどうでしょうか?

たぶん参加するという人が多いと思います。残業代を請求すると言っていた人でも身銭を切って参加してくれるのではないでしょうか。

その理由は「顔を見てみたい」や「仲良くなってあわよくば付き合いたい」です。男は単純ですね。

これを抽象化すると「明確な目的があるから」になります。社内一の美人OLのような明確な目的があると人は積極的に行動できます。

もちろん、あなたが今から社内で一番の美女になることはできないかもしれませんが、「この人ともっと仲良くなりたい」と思われるような 明確な目的を提供できる人 にはなれますし、あなたが主催するならタダ飯・タダ酒という価値を提供することもできます。

逆の視点で考えると、多くのサラリーマンが飲み会には参加したくないと考えているこの現状は、 飲み会の形骸化 とも言えるでしょう。

形だけの会議と似ていますが、もはや集まってお酒を飲むこと自体が目的化してしまっていて、参加する側は業務外の貴重な時間をつかってなにも得られるものがない、というムダな飲み会が増えているのではないかと感じています。

実際には目的はあるのかもしれませんが、参加者全員がそれをつかめていないということが問題です。

その事実をしっかりと受け止め、飲み会の主催側はいかにして飲み会の目的を参加者全員に持たせられるかがカギとなってくるでしょう。

まずはタダ飯・タダ酒などの小さな価値提供からスタートし少人数の飲み会に参加してもらうなどして、お酒を交わすコミュニケーションにもメリットがあるということを体感してもらうのがいいと思います。

少し余談ですが、私の経験上、若手のときから仕事も人間関係も上手くいくサラリーマンは飲み会でただぼーっとするのではなく、いろんなに人に話しかけて輪を広げたり、仕事の意見を聞いたりしています。

飲み会を価値あるものにできるかどうかは本人の行動次第ですが、そのチャンスを提供できるかどうかは飲み会の主催者側にあります。

ぜひとも参加者全員にとって有意義な飲み会を企画できるようにしましょう。

今回の実践ポイント

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世界MBAランキング首位のINSEADエグゼクティブMBA卒業。1998年、外資系大手ソフトウェア企業のSAPに新卒入社。30歳からマネジメントを歴任、7年連続グローバル・トップタレント選出。 2014年、日本の大手製造・流通企業ミスミグループでGMとしてグローバルDX新規事業を推進後、最先端AI/チャットの外資系IT企業、ライブパーソン(LivePerson、NASDAQ上場)の代表取締役に就任。3年間で毎年300%超成長(アジア全体売上の76%)。 2020年12月、クラウド型ネットワークセキュリティのトップ企業ゼットスケーラー(Zscaler、NASDAQ上場)にて、日本を含むアジア全体を統括する代表取締役に就任。 セミナー、企業、大学等で講師経験10年以上、受講者のべ5,000名以上。日経BP、東洋経済ほかメディア掲載多数。

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