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演歌歌手・水森かおりの凄すぎる戦略、愛されるビジネスの作り方

今年でデビュー25周年を迎えた、演歌歌手の水森かおりさん。栄枯盛衰が激しい芸能の世界にあって、長きに渡りファンから愛し続けられる秘訣はどこにあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、彼女の巧みな戦略を分析するとともに、そこから学べるビジネスモデルを紹介しています。

演歌歌手・水森かおりの『戦略』に学べ!

演歌歌手の水森かおりさんをご存知でしょうか。おそらく、「名前は聞いたことがある」という人が多いと思います。しかし、演歌ファンでなければ、どんな歌を唄っているのか、どんな顔なのかは、あまり知らないはずです。

そんな彼女ですが、日本レコード大賞や日本有線大賞などの受賞歴も多く、CD・カセットの売り上げも、オリコンチャートの上位に登場するくらいなのです。決してメジャーとまでは言えない存在なのに、“売れている”のには、理由があります。

元来、演歌ファンは、たとえ無名でも、一生懸命に応援しようとします。自分たちの手で、メジャーにしてあげたいと思っています。その熱さが、歌手を支えているのです。

そして、水森かおりさんは、巧みな「戦略」で、さらにファンを増やし続けています。1999年から、ほぼ毎年のように、地方都市をテーマにした歌を出し続けています。

1999年 竜飛岬
2000年 尾道水道
2002年 東尋坊
2003年 鳥取砂丘
2004年 釧路湿原
2005年 五能線
2006年 熊野古道
2007年 ひとり薩摩路
2008年 輪島朝市
2009年 安芸の宮島
2010年 松島紀行
2011年 庄内平野 風の中
2012年 ひとり長良川
2013年 伊勢めぐり
2014年 島根恋旅
2015年 大和路の恋
2016年 越後水原
2017年 早鞆ノ瀬戸
2018年 水に咲く花・支笏湖へ
2019年 高遠 さくら路
2020年 瀬戸内 小豆島

言わば、ご当地ソングです。これなら、従来のファンはもとより、歌のテーマとなった“ご当地”の人たちが興味を示し、買ってくれるようになります。また、ご当地出身の人、旅行などで行ったことのある人も、買う可能性が高くなります。たくさんの人が、その土地に想い出を持っているので、曲のタイトルを聞くと、敏感に反応することは、間違いありません。この戦略を今後も続けるなら、日本中の人が彼女のファンになるかもしれません。

このように、“ご当地”をテーマにすれば、住民、出身者、訪問者に、興味を持ってもらえるのです。

その“ご当地”を象徴するものとして、「ローカルブランド」があります。その土地で生まれ、地域の人に愛されている商品たちのことです。

いま、レトロなビンやラベルが、お洒落、可愛いと、「地サイダー」が人気となっています。青森の「朝日サイダー」、兵庫の「ありまサイダー」、愛知の「日の丸サイダー」など、国内に60弱のメーカーがあります。地元だけで飲まれていたサイダーですが、いつの間にか注目されるようになり、全国へ出荷するメーカーも出てきました。レトロブームやB級グルメが、影響しているようです。大手メーカーが次々に送り出すモノに飽きてきた消費者が、小さいながらも、堅実に操業している地方のメーカーに、眼を向けるようになったのです。

また、地方にはユニークな商品が数多くあります。和歌山・北山村だけで穫れる柑橘類「じゃばら」を使ったジュースや、徳島・那賀町の家庭で使われていた「柚子醤油」などが、ネットで注目され、その販売を伸ばしています。サイダー、ジュース、しょうゆという商品は、ごく一般的なものですが、その名前の前に「地」がつくことによって、全国的に注目を集める可能性を高めているのです。

つまり、どこにでもあるモノを、その地方なりの方法で作れば、それが「地○○○」となるのです。そうした商品を集めて、販売すれば、お客さまに飽きられることなく、売り上げを確保し続けることもできます。

メーカーであっても、小売店であっても、“ご当地もの”は注目を集めやすいと言えます。そして、“ご当地もの”は応援してもらえます。

image by: Shutterstock.com

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なぜ、人はモノを買いたくなるのか。欲しいという感情は、どこから生まれるのか。消費行動における人の心理を知れば、売れるモノが見えてくる。売り方がわかる。小手先のテクニックなど、いらない。人を研究すれば、やるべきことはすべてわかる。

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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