驚くほどのきめ細かい心遣いで知られるビジネスホテル、ドーミーイン。もはやビジネスホテルの枠を超えたサービスは、外国人観光客をも魅了しています。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、ドーミーインのおもてなしの数々を改めて紹介するとともに、「集客に苦しむ旅館こそドーミーインに学ぶべし」としています。
集客に悩む旅館は、「ドーミーイン」に学べ!
朝食ビュッフェが評判のビジネスホテル「ドーミーイン」。国内外80カ所を超えるホテルチェーンです。楽天トラベルによる、「2018年人気のビジネスホテルチェーンランキング」で、第3位に入る実力。
なぜ、このホテルは人気があるのでしょうか。
先に記述したように、まずは朝食ビュッフェに注目が集まります。ビジネスホテルでありながら、観光ホテル並み、あるいはそれ以上の料理が並ぶからです。
月替わりですが、その地域の名物や季節の料理を提供しています。たとえば、北海道では「海鮮丼」や「ラムちゃんちゃん焼き」が並びます。青森では「せんべい汁」。仙台では「牛タンカレー」。山梨では「ほうとう」。新潟では「へぎそば」。石川では「治部煮」。名古屋では「味噌カツ」や「ひつまぶし」。奈良では「柿の葉寿司」。高知では「藁焼き鰹たたき」。広島では「あなごご飯」。
こうしたご当地グルメが、ビュッフェで楽しめるのです。出張で来たビジネスマンにとっては、かなり嬉しいことです。出張先で美味しいものを探すのは、結構労力のいることなので、余程のグルメでもなければ、適当なお店で済ませてしまうでしょう。なのに、ホテルで体験できてしまうのです。
ましてや、それが宿泊料金に含まれているとなれば、このホテルのファンになってしまうことは間違いありません。全国に出張するビジネスマンなら、このホテルを利用するだけで、全国のご当地グルメが楽しめるのです。
ちなみに、観光ホテル・シティホテルを含めた、「朝食が美味しいホテルランキング」でも、第20位に入っています。ホテル選びに、迷いがなくなるのではないでしょうか。
このホテルの良さは、それだけではありません。次に知られているのが、「夜鳴きそば」。夜遅くなると、ラーメンが無料で提供されるのです。仕事終わりに呑んできて、締めのラーメンがホテルで食べられるなんて、非常に嬉しいサービスです。
さて、ビジネスホテルであれば、寝る前にシャワーを浴びる人も多いでしょうが、このホテルには天然温泉の浴場があります。銭湯のような簡素なものではなく、まさしく温泉旅館のような佇まいなので、旅行気分に浸ることができます。出張の疲れを温かく癒してくれます。そして風呂上がりには、湯上り処でビールやワインなどが、1杯無料で飲めるようになっています。素晴らしい心遣いではないでしょうか。
さらに、まだ一部ですが、ベッドのマットレスに、トップアスリートも利用している「エアウィーヴ」を採用しているところもあります。また、寝るまでの時間を過ごすために、漫画や絵本を置いた「ドーミーぶんこ」もあります。無料で使える洗濯機も。客室には、加湿機能付空気清浄機や熱いおしぼりも用意されています。館内着は、動きやすいように、「作務衣」になっています。
ここまで、ビジネスマンの快適性を考えたホテルが、他に存在するでしょうか。
こうしたサービスが知られるようになると、当然、観光客の利用も増えています。私も出張ばかりしていた時期があったのですが、当時こんなホテルがあったなら、どれだけ楽しい出張になっていたことか。実に羨ましいと思います。
私は、このホテルを旅館の人の参考にして欲しいと思います。当然、他のビジネスホテルも視察に来て、お手本としています。おもてなしに優れたこのホテルは、旅館の競合とも成り得るでしょう。いや、すでになっていると言って良いと思います。実際、観光客が多く利用しているのですから。
旅館の競合は、旅館や観光ホテルだけではありません。ビジネスホテルも研究の対象としなければならないのです。
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