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「いじめられた経験が育児に影響したかも」そんな親の意識を変えた魔法の言葉

時代は変わっても未だになくなることのない学校生活での「いじめ」問題。思春期にいじめ被害にあったお母さんが育児に悩み、無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』の著者、パピーいしがみさんの話を読んで実践したところ、お子さんの様子が大きく変わったそうです。パピーさんのどんな言葉が親御さんを救ったのでしょうか?

いじめられた私が母になって

こんばんは。パピーいしがみです。

きっとご存じの方も多いと思いますが、今年2月中旬ぐらいに、韓国の女子バレーボールの代表選手(双子)が、中学時代にいじめをしていて、その被害者がネット上で告発をし炎上して、韓国バレーボール協会は、2人の代表選手資格を無期限ではく奪する事を決めた、というニュースが話題になりました。

「代表選手資格を無期限ではく奪」もかなり重い処罰だな、とは思ったのですが、双子の選手が中学時代にしていた「いじめ」もかなり酷いもので、練習後はチームメイトに交代でマッサージをさせたり、試合に負けるとゲンコツで殴ったり。同部屋の選手は、消灯後に使い走りをさせられて、それを拒否するとナイフで脅されたり。練習に緊張感が足りないとみなされると『罰金』と言ってお金を要求…。「いじめ」というより、もう犯罪レベルですよね。こんな事がスポーツの裏側にあるとしたら、本当に残念です。

「いじめは無くならない」と私も言っていますが、こんなにひどくなる前に、コーチや監督など、分別のある大人がきちんとした指導してほしかった、と思いますし、この件を発端に、韓国では過去の恨みを暴露して、今の地位から引きずり下ろすような事が頻繁に発生しているようで、他国のことながら、とてもモヤモヤした気持ちでいます。

現在の日本では、以前と比べればかなり少なくなっているいじめですが、やはり過去にはかなり辛い思いをした方もおられて、その辛い経験から、どう子供を守ったらいいかわからない。いじめを過剰に気にしすぎて子育てがうまく行かない、という方も少なからずおられます。

今日、ご紹介するマカロンさんは、小学校3年生から中学3年生までの6年間、暴力的ないじめ、精神的ないじめをうけたそうです。そして、その経験が自分の性格を作ってしまい、子育てにも影響を与えてしまったようです。そしてそうなってしまった一つには、マカロンさんの育てられ方にも原因があったみたいです。マカロンさんはこのようにご報告くださいました。

実は、私は小学校の3年生から中学3年生まで、いじめにあっていました。

いじめが始まるまでは、普通の、どこにでもいるような女の子だったと思います。

最初はヤンチャな男子のいたずらで背中に「叩いて」の張り紙を貼られ、別の男子に背中をドンと押され笑われた。そんな事でした。

友達から「こんなの貼られてたよ」と紙を見せられて、私が「誰?」と振り返っても、みんな知らんぷり。悔しいけれど、誰が付けたか証拠もないので紙を丸めて捨てました。

でもそこから私の背中に張り紙を貼る遊びになってしまい、最初は「やめなよ!」と同級生の女の子たちがかばってくれたのですが、どんどんエスカレート。特にランドセルを背負っていると張り紙が貼られてもわかりません。

「蹴って」と書かれた紙を貼られて、登下校でランドセル越しに背中を飛び蹴りされることもありました。

今、思うと私の失敗は、誰にも話さず我慢してしまったことだと思います。

両親は仲が悪く、お互いに自分の事ばかり主張していて、私の事など無関心。口癖は「自分の事は自分でしなさい」で、とても相談できる雰囲気ではないし、どうせ「自分に悪い部分があるからいじめられるんだよ」って言われると思っていました。

最初はかばってくれた女の子の友達も、だんだんにグループができて、私から離れていき、私はどこのグループにも入れずに1人になってしまいました。

4年生になってから、いじめが学校内で問題になり、過激な嫌がらせはなくなったのですが、その後は陰湿な「無視」が始まり、一部の男子から始まった「無視」が男女関係なくクラス中に広まり、それがずっと中学3年まで続いたのです。

中学卒業までの6年間で、私の性格も歪んでしまい、超ネガティブで消極的になってしまったと思います。

高校は同じ中学の子が行かないような遠くの学校に入りました。嘘のように気持ちが楽でしたが、又、いじめられるのでは?と、目立たないようにひっそり時間が過ぎるのを待っていました。

クラスメイトが楽しそうにしている姿も「私とは違う世界の人たち」と見ていて、自分から輪に入ろうとか、何かを楽しみたいなどと考えた事もありませんでした。

私の10代は、いつも日の当たらない道を歩いているようで、楽しい思い出があったのかどうかさえ記憶にないほどです。

学校を卒業して就職しても、人付き合いは苦手でした。

縁あって今の主人と結婚し、娘が生まれましたが、その時に感じたのが「かわいい」よりも「私のようにいじめられたらどうしよう?」でした。

子供の成長はうれしいけど、目立つことを避けてきた私は「人の迷惑にならないように」「嫌われないように」とそればかりで、娘を叱る時には「人に迷惑を掛けないんだよ」「そんなことをしていたら嫌われるよ!」「ほら、だからいったでしょ」のような後ろ向きの言葉ばかり。

娘は、とても内向的で、笑わない子に育ってしまいました。

他にも「目が合わない」「言葉が少ない」「積極性がない」「陰気」「自信がない」と私の悪いところをそのまま引き継いだ感じでした。

そして幼稚園の年中の時に、強い女の子から仲間外れにされてしまい「あれだけ注意していたのにやっぱりか…」「私のせいだ。私に似てしまったんだ」と、落胆しました。その時に「どうしよう」と焦って調べていた時に知ったのがパピーさんのHPでした。

いじめに関する記事もたくさんありましたが、前向きにな言葉にあふれていて、自分には思いつかないような考え方が多く、真っ暗闇に光がさしたようでした。すぐに勉強を始め、メルマガの過去の記事も毎日読むようにして、自分に足りない事をノートにまとめていきました。「躾なんていらない」「楽しく過ごすことが何より大事」「否定よりも肯定を増やす」「叱るより笑顔を」「いいところを見つけて伝える」「喜びを表す」…。

私ができていなかった沢山の改善点がありましたが、なんといっても衝撃だったのは、メルマガに書かれていた「子供のうちは、人に迷惑を掛けてもいいんだよ」の言葉でした。それを見た時には「え、迷惑かけていいの!?」と驚きでした。

私は「人に迷惑を掛けないように」と育てられました。そして我慢をすることが良いことだと教えられました。でも結果的に我慢をすることがいじめをエスカレートさせ、迷惑を掛けないようにしていたことで自分を抑え続けて苦しみを生んでいたのでした。

メルマガを読んだり、テキストで勉強していくと、パピーさんの考え方って、私とはほぼ真逆。でも、私だったらこんな風に育ててもらいたかった!と思え、方向転換することには何の躊躇もなかったです。

それからはひたすら実践を心がけました。時々以前の自分が出てしまうことはありましたが、それでも子供の変化は目を見張るようでした。

その子が今、4年生になりました。男の子と一緒にサッカーをやっていま(チームに女の子が3人います)。

それだけでも驚きですが、その男の子たちが家に遊びに来たりして結構にぎやかな時もあります。チームメイトを「仲間」と呼び、男の子も女の子も、下の名前で呼び合い、屈託のない笑顔、遠慮のない言葉、それがとても自然で楽しそうです。

娘の周りにはいつも誰かがいて、ふざけあい笑っている…こんな光景が見られるとは思っていませんでした。4年生の時の私は、男の子の友達なんて一人もいなかったし、話をすることもありませんでした。

娘に「男の子、怖くない?ママが3・4年生の頃は、男の子にいじめられて、すごく辛かったんだ」と聞くと「男の子?別に怖くないよ。というか女子の方がめんどくさいじゃん」「いじめ?もしそこに私がいたら、ガツン!ってやってあげたのに(笑)」と言うほど強くなりました。

正直、自分の子供ながら「よくぞここまで!」と思います。そして、娘のこの強さや明るさが、今の私の生きがいになっていますし、「今までの人生で一番幸せな時間」を感じています。

子供の頃は一日が長くて、早く時間が過ぎてほしいと思ってばかりいましたが、今は、毎日が忙しく、でもそれが私にとってはうれしくて、楽しくて、1週間があっという間に過ぎていきます。

子供が幼稚園の時の写真は、うつむいていたり、不安気な顔が多いですが、今は「写真撮るよ~!」というと満面の笑みでピースサインをします。幼稚園の時の娘を知っているお母さんには「〇ちゃん、変わったね~!」とよく言われますが、それを一番感じているのは私です(笑)。

このご報告を頂いて「あ~、よかったな~」と安堵すると同時に、マカロンさんの小学生~中学生の頃の気持ちを思うと、胸が痛くなりました。

子供がいじめられても親がそれに気づけない。又、子供自身が親に相談しても無駄だと感じてしまっている。助けを求める人もいなくて、じっと我慢をし続けて、どんどん心が削られていく…。

6年間…長い長い時間でしたよね。言葉にできないほど苦しかったと思います。だから是非、お母さんたちには、子供の様子を常に見ていてほしいし、ピンチを感じられたらすぐに手を伸ばしてあげてほしい。辛い気持ちを聞いてあげてほしいと思うのです。

そして、そんな中で成長したマカロンさんが、どうしても周りの目を気にしてしまったり、目立たぬように振舞おうとされたこと。とても良くわかります。でも子育ての中心が「目立たぬように」や「迷惑を掛けないよに」ですと、子供は積極的にはなれません。行動的にもなれません。

マカロンさんはそこに早めに気づいて、方向転換をされた、と言われていました。ご自分の苦労は記載されてはいませんでしたが、相当な葛藤もあったと思います。それでも今が「今までの人生で一番幸せな時間」と、そう聞けて、本当にうれしく思います。

「楽しい時はあっという間に過ぎ去ってしまう」って、よく言われますが、まさにマカロンさんが今、そんな状態なのだと思います。

子供の力は凄いですよね♪親が受けた心の傷まで癒してくれるんです(^^)きっと娘さんは、これからもたくさんの喜びを与えてくれると思います。

ちなみにマカロンさんが言われていた「子供のうちは、人に迷惑を掛けてもいいんだよ」と書かれている記事は下記になります。よろしかったらご覧くださいね♪

第622号 迷惑を掛けない

image by: Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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