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コミュ力磨き“だけ”に全振り。そんな若者の増加でできた大きな落とし穴

いま日本企業が学生に一番求める力、それは「コミュニケーション能力」なんだそうです。しかし、今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、「コミュ力を求めるのはもう時代遅れ」だとして、将来の日本のために本当に必要な力は何か?ということについて熱く語っています。

“コミュ力”の前に身につけるもの。

企業が学生に求める“力”の第1位が、「コミュニケーション能力」だと言います。意思の疎通を図り、仕事を円滑に進めるためには必要不可欠だ、ということでしょうか。いかにも、日本的な発想です。

みんなで話し合い、協力し合い、ひとつの目標に向かって突き進む。素晴らしい風土ではないでしょうか。ただし、高度成長期であれば……。

当時は、日本国民全員が同じ方角を向いていました。何の疑いもなく、第1次産業、第2次産業に没頭していれば良かったのです。

しかし、社会は進化を続け、見ている方角が企業それぞれ、人それぞれに違ってきています。目指すべきものが違っていると、同じ目標に向かって共感することが難しくなります。個性の幅が広がったとも言えるのですが、それ故に“自分”というものを強く持っています。

そんな人たちがひとつにまとまるのは、かなり困難なことです。年配の人からすれば、「わがまま」「自分勝手」と映るかもしれません。確かに、協調性がないようにも見えます。だから企業は、学生に「コミュニケーション能力」を求めるのでしょう。

しかし、これが落とし穴となってしまうのではないでしょうか。

いまの学生は、就職することに命を掛けています。企業が「コミュニケーション能力」を重視すると言えば、素直にその力を身につけようとします。本を読み、セミナーを受講し、入社してからも積極的なコミュニケーションを図ろうとします。

その結果、どうなるでしょうか。

本来の個性を自ら封印し、まわりの人に合わせるようになります。それが組織というものだと諦めて、自分を納得させてしまうのです。

コミュニケーションは大切ですが、自分を押し殺すことではありません。自分の意志を曲げてまでまわりに合わす必要はありません。しかし、経験の浅い新入社員では、それがわかりません。

社会が複雑化してくると、みんなが同じような考え方をする集団では、対処できなくなるのです。尖った感性、さまざまな個性を持った人間が集まり、あらゆる角度からアプローチする必要があります。

そこには、馴れ合いの会議などはありません。鋭い意見、面白いアイデアが飛び交わなければいけないのです。

個性ある集団には、「コミュニケーションを取れ!」などという言葉は不要です。侃侃諤諤(かんかんがくがく)のうちに、自然と調和が図れています。

企業は、「コミュ力」など求めず、「個性」を見つけ出すべきです。その方が、将来の“力”となるのです。

image by: StreetVJ / Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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